著者
糟谷 浩一
出版者
[栃木県水産試験場]
雑誌
栃木県水産試験場研究報告 (ISSN:13408585)
巻号頁・発行日
no.42, pp.38-38, 1999-03

利根川の支流である鬼怒川,渡良瀬川のサケ資源の維持回復を図るため,サケ稚魚の孵化放流試験を行った。平成9年12月17日,福島県真野孵化場からサケ発眼卵(積算水温340℃)2万粒を移植し,3月19日の稚魚放流が終了するまで,卵の孵化率,生産尾数,飼育環境等を調べた。孵化までの死卵数は214粒で,99%の孵化率であった。また,孵化から放流までの稚魚の斃死数は98尾で稚魚生残率は99%であった。卵の移植から放流までの生残率は98%であった。生産した稚魚19,600尾は,3月15日に鬼怒川,3月19日に渡良瀬川に放流した。
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.394, pp.28-32, 2006-02-24

皇居外苑の千鳥ケ淵で,底に堆積たいせきした泥土を取り除く工事が終盤を迎えている。比重の軽い泥土を採取するのに適した真空吸引方式で,お堀の底を乱さずにしゅんせつしている。2006年2月末までには工事を終える。隣接する日本武道館で卒業式や入学式が開かれるころには,きれいになった千鳥ケ淵がお目見えするはずだ。
著者
山之上 卓
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.392-402, 2005-02-15
被引用文献数
8

P2P技術を利用して,多数の端末コンピュータのアプリケーション操作を,その利用者間で,実時間で共有するシステムについて述べる.P2P技術とネットワークスイッチを利用することによって,端末数がN の場合,O(logN) の遅延時間で,1つの端末で行われる操作をすべての端末で表示することができる.端末間で操作を共有するためには,同時に複数の端末で異なる操作が行われることがないようにしなければならない.これを実現するために,最大でO(logN) の時間でcritical sectionに入ることができる排他制御アルゴリズムを組み込んでいる.40台の端末を使って,本システムと同じアプリケーションを使用するクライアント?サーバ型のシステムと性能を比較したところ,マウス操作を行った場合はP2P技術を利用したほうが遅延が短かった.遠隔地間で操作を共有し,ゲームを行うこともできた.A sytem, which shares the common operation of applications on many terminals of a distributed system in realtime using P2P technology, is shown. This system can show an operation on a terminal to every terminal in the latency of at most O(logN) time complexity, where N is the number of terminals, using a P2P technology and a switching network. In order to share a common operation on computer terminals, at most one operation must be executed on the terminals at a time. In order to realize this, a mutual exclusion algorithm is embedded in this system. The time complexity of entering the critical section is O(logN). We have compared the performance of this system with the performance of a client-server system which has the same applications using 40 terminals. The latency of our system was shorter than the client-server system when a mouse was moving. A game could be played by remote users using this system.
著者
柴山 真琴
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.120-131, 2007-08-10

本研究では,保育園児を持つ共働き夫婦が子どもの送迎分担をどのように調整しているのかを質的に分析した。データは,私立J保育園を利用する28家族についての送迎記録表と,2001年3月から8月の間に10家族を対象に実施したインタビューによって得た。分析の結果,送迎分担には,(I)母専任型,(II)父母分担型, (III)父専任型,(IV)祖母依存型(下位タイプ:(a)父母+祖母型,(b)母+祖母型),(V)ベビーシッター利用型,の5タイプがあることがわかった。この送迎分担タイプと夫婦間での調整過程(調整過程で使用される相互作用様式,送迎分担についての妻の考え,調整過程での妻の主導的役割の有無)との間には対応関係があった。父親が送迎を分担しない家族(I,IV(b),V)では,妻の多くが送迎は自分の仕事と考え,夫に働きかけて話し合うこともなく,妻が送迎の方針を決めて送迎を実行していた。特に前二者のタイプでは,「暗黙の了解」「話し合いせず」「話し合い不成立」という夫婦間で調整をしない相互作用様式が使用されていた。一方,父親が送迎を分担する家族(II,III,IV(a))では,妻の多くが送迎は夫婦で分担すべきであると考え,夫が送迎を分担するよう積極的に働きかけ,「話し合い」によって形成したルールに従って夫婦で送迎を分担していた。
著者
小谷 典子 林 寛子
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

近代化とともにボランタリズムが高揚し、ボランティア団体によって家族機能を補うことが期待される。子育て支援に焦点をおき、東アジア社会に特徴的な文化構造を共有する日本と台湾において、ボランティア団体の活動やボランティア意識に関する実証的調査を行った。その結果、台湾においてボランティア意識がより高く、個人の寄付や民間の基金会がボランティア活動を支援しており、東アジア社会に特徴的な親族組織や地域集団を基盤とした共同主義的ボランタリズムが存在することが明らかとなった。
著者
金原 俊輔
出版者
長崎ウエスレヤン大学
雑誌
長崎ウエスレヤン大学現代社会学部紀要 (ISSN:13481142)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.53-62, 2008-03

高等学校において、生徒たちの問題・悩みにどのように対応するかを、森田療法の見地から解説した。まず、森田療法が有する理論や技法を概観し、その後、高校生の諸問題を「不登校・別室登校」「学校がらみの問題」「勉強」の3項目に分けて、森田療法的なアドバイスを記した。アドバイスは、教師が生徒に与えるという状況を想定している。一例をあげれば、いわゆる「不登校」に関しては、登校できない事情があるかもしれないが、とにかく学校へ行き、他者と会い、授業を受け、帰ってくる、それをめざして、実行すべきで、毎日、歯をくいしばり登校を継続する、時々休みを入れながらで構わない、やがては卒業式に到達し、その間に、がんばった成果として以前よりも多くの知識や経験や能力が身についている、このような目的本位の指導例を述べた。本論文は、高校生に見られる気分本位の生活パターンを目的本位の生活パターンに改めることに主眼を置き、それにより生徒たちに行動面の変化が現れることを企図したものである。

1 0 0 0 軍事行政

著者
池田純久 著
出版者
常磐書房
巻号頁・発行日
1934
著者
北野 旦浩 今井 章
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.670-680, 2010 (Released:2011-03-08)
参考文献数
14

This study investigated the effects of domain-specific geographical and meteorological knowledges and general visual-spatial abilities on the comprehension of simple weather maps. Thirty participants with low meteorological knowledge and 16 with high knowledge, were both administered tests of geographical and meteorological knowledges, four kinds of visual-spatial abilities, and the task of weather map comprehension. The results indicated that the participants having high meteorological knowledge generally showed better performance at both of the meteorological test and the task of weather map comprehension than participants having low knowledge. Multiple regression analyses revealed that the total score and the basic-level score of the task of weather map comprehension were explained by the meteorological knowledge about 46% and 31%, respectively. Additionally flexibility of closure as the one of the general visual-spatial abilities, together with the meteorological knowledge, contributed 58% to the advanced-level score of the task of weather map comprehension. For the low knowledge participants, speed of closure was significantly important to resolve the task of weather map comprehension. It is suggested that the meteorological knowledge is crucially important, and the flexibility of closure may aid, for the comprehension of simple weather map.
著者
田中 秀明
出版者
広島大学
雑誌
広島大学マネジメント研究 (ISSN:13464086)
巻号頁・発行日
vol.2, 2002-03-20

2000年3月期決算から, わが国では国際会計基準と同様な会計基準の導入が本格的に始まった。時価会計(部分時価会計), 連結会計, 年金会計など一連の会計基準の改定はこれまでの日本の会計を大きく変えるだけでなく, 日本型経営システムを大きく揺さぶるものである。2000年12月には, 主要各国の会計基準設置主体により構成される共同作業部会(ジョイント・ワーキング・グループ-JWG)によって, 原則としてすべての金融資産と金融負債を公正価値で測定し, その変動をすべて損益計算書に計上することを骨子とする, 国際会計基準の公開草案「金融商品及び類似項目」が公表されている。これがいわゆる全面時価会計導入案である。本論文では全面時価会計の導入を視野に入れた銀行ALM(Asset Liability Management)の手法として, 金融資産と金融負債の相関関係に注目したサープラス・アプローチによるALMを研究の対象としている。第1章では, 2000年4月(2001年3月期)からスタートした金融商品の時価会計(部分時価会計)について概観し, それが銀行経営に及ぼした影響を確認する。ここでは(1)配当可能利益(2)自己資本比率(BIS規制)という2つの観点から考察を行なっている。第2章では, 全面時価会計を念頭においたALMを研究するうえで, まず全面時価会計の概略についてまとめている。ここでのポイントは, 負債の時価評価の問題である。負債の時価評価に注目する理由は, 銀行の資金調達が多様化しているからである。近年では預金以外に, 普通社債, 転換社債, 劣後社債等の中長期での資金調達が活発化しており, 負債の時価会計への対応に今後十分用意していく必要がある。第3章では, バランスシート型ALM(サープラス・アプローチ)の理論を展開する。サープラス(Surplus)とは, 「余剰」という意味であるが, ここでは, 資産の時価評価から負債の時価評価を差し引いたものをいう。サープラス・アプローチでは, 資産の時価評価から負債の時価評価を差し引いたサープラスの変動をサープラスのリスクと捉える。サープラスのリスクの定義から, 資産と負債のリターンの相関係数ρ_ALが大きくなるほど, サープラスの分散は小さくなる。資産だけで考えるアセット・アプローチでは, 各資産のリターンの相関関係が低くければ, リターンを得るためのリスク低減効果が期待できる。一方サープラス・アプローチでは, 資産と負債のリターンの相関関係が高くなるほど, リスクが低減するのである。第4章では, サープラス・アプローチにおける最適ポートフォリオの問題について採り上げる。効率的フロンティア上で, どのポートフォリオを選択すべきかというが, ポートフォリオの最適化問題である。ここで述べる手法は, ショートフォールする確率を一定以下に抑えるという条件(ショートフォール制約条件)を課した上で, 最適ポートフォリオを求めるというものである。ここでは目標自己資本比率の達成をショートフォール制約条件とするALMモデルを定式化している。終章では, 全面時価会計に向けて現在邦銀がかかえている金利上昇リスクについて述べる。2001年3月19日の日本銀行金融政策決定会合により, 金融市場の調節方式の変更と一段の金融緩和が実施され, 実質ゼロ金利政策が復活した。しかしさまざまな要因によって, 長期金利は上昇リスクを孕んでいる。景気回復を伴わない金利上昇リスクは, サープラスを減少させることで, 不良債権処理で体力の弱まっている銀行にとって, さらなる打撃を与える可能性がある。
著者
安原 健允 青山 基圭 出口 吉昭
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
甲殻類の研究 (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.19, pp.79-82, 1990-12-31
被引用文献数
2

タカアシガニMacrocheira kaempferiの卵を培養して,ゾエア1・2期,メガロッパを経過し稚ガニまでの完全飼育に成功した。1990年3月19日に駿河湾戸田村沖で漁獲したタカアシガニの抱卵雌1個体を静岡県下田市にある日本大学農獣医学部下田臨海実験所の水槽で飼育し,1990年5月27日にこのカニの腹肢から卵を採取し,腰高シャレー(90×72mm)に400mlの海水を入れ水温15℃で培養した。ゾエア1期は8月15日から18日の間に孵化した。ゾエア2期には8月25日から9月2日の間に,また,最初のメガロッパは9月7日にできた。メガロッパが脱皮をして10月5日に最初の稚ガニができたが,メガロッパの期間は28日であった。タカアシガニでは,今迄に稚ガニを得ることができなかったので,この稚ガニが最初の記録となる。その後,8個体の稚ガニができたので合計9匹の稚ガニを得た。幼生の飼育条件は,アルテミアのノープリウスを餌料として与えた。割合は飼育海水1ml中,3,6,10個体とした区からそれぞれ2,2,5匹の稚ガニが得られた。また,飼育用シャーレーの底には砂の他に貝殻を砕いて0.5mm程度の厚さに敷いた。海水の塩分量は3.2-3.4%,水温は常に15℃を保ち毎日換水した。稚ガニは,甲幅1.9〜2mm,甲長3〜3,3mmでやや丸形をしており,第2歩脚の差渡しの長さは,甲幅の約5倍程度である。体色は薄い茶褐色,脚に赤褐色の小さな斑点がある。体表全体に剛毛が生えており,餌やアルテミアの死殻などを付けている。額棘は成体のカニと同様に左右の額棘と下に向く一つの額棘とで三角を呈して,タカアシガニの特徴を表わしている。
著者
石井 大輔
出版者
東京工業大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

連続変化と離散変化の振る舞いをするハイブリッドシステムに対する,安全性や安定性といった性質の検証を,区間制約プログラミングと演繹的推論を用いて実施するための技術を開発した.本研究は,制約概念を軸に,高信頼な数値計算と,数式処理や時相論理式検証などの記号計算とを統合した点を特色とする.非線形算術制約を高速に求解する並列区間制約ソルバーを構築するとともに,本ソルバーを利用したハイブリッドシステムの検証器を構築,既存ツールでは検証が難しかった複数の事例について,提案ツールにより検証可能であることを示した.
著者
豊田 智規 倉島 巧 藤山 泰三 佐々木 泉 宮沢 和之 清水 秀樹 松村 正人 古田 拓也
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.108-113, 2011

ヘアスタイリング剤は,その時代の髪型やファッションの流行に合わせ,さまざまな剤型の変遷をたどってきた。これらヘアスタイリング剤は一般的に固定力とアレンジ力の2軸で評価されるが,この2つの因子は背反事象であり,両立は難しい。われわれはこの課題を解決するため,粘着性を特徴とするポリアクリレートクロスポリマー-3 (Polyacrylate Crosspolymer-3)を開発した。ビニル系,アクリル系のポリマーに代表される従来のヘアスタイリング剤用のポリマーは,スタイルを保持することを目的として設計したため,固定には長けているが,アレンジや再整髪が難しい。そこでわれわれは,従来ヘアスタイリング剤で「べたつき」として認識されてきた「粘着性」をあえて発現させることで,1 つのポリマーでアレンジ力と固定力との両立を試みた。ポリマーのガラス転移点 (Tg)を低く設計すること,架橋部位を導入することにより,粘着性を発現させることができた。このポリマーを用いることで,新しいスタイリング剤の開発が可能となった。
著者
中嶋 正之 猿田 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.93, no.395, pp.1-8, 1993-12-16

近年、CGの分野では様々な材質や物体を取り扱えるようになり、人物の表現も盛んに研究されている。その中で人間の頭髪は、本数が膨大であり、髪の毛一本の太さが非常に細いものであるという特徴があり,しかも人によって髪型が様々に異なり、外力によって変形しやすいため、CGで頭髪を描く際の大きな問題となっている。そこで、本研究では、頭髪を表現するのに適した新しい形状モデルである"分枝毛モデル"を提案し、このモデルを用いた頭髪の画像の生成アルゴリズムと作成された頭髪画像の例を示す。分枝毛モデルは、複雑な髪型や運動の表現が可能であり、同時に頭髪全体の扱いやすさと必要な記憶容量の低減を実現するための形状モデルである。
著者
山本 健
出版者
西南学院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、1970年代後半から80年代初頭のヨーロッパにおける緊張緩和の国際政治過程の史的検討を行った。特に、NATO内でのデタント研究と1980年~81年に起こったポーランド危機に注目し、西側同盟内の構想を分析した。その結果明らかになったのは、1975年以降、さらなる緊張緩和を進める上で、西側諸国は具体的にどの分野で東側陣営と協力を進めるのかについてコンセンサスを形成できないまま、新冷戦と呼ばれる新たな対立の時代に突入していったというものであった。
著者
元 ナミ
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.65, pp.79-99, 2013-11-30

近年、記録管理の重要性が社会的に大きな反響を及ぼしている中、日本では2011年4月から「公文書等の管理に関する法律」が施行され、国の行政機関や独立行政法人等において公文書管理が規定された。この法律により、地方の公文書管理について努力義務が規定された。しかし、公文書館運営については、地方によってその設立背景や経緯、根拠となる法律、管理・運営主体、主に受け入れる資料などが異なる場合が多く、法律的な設置義務も定められていない。地方自治体ごとに公文書館が設立されている状況でもないため、地方の公文書や歴史資料の保存は将来を保障できないといえる。そこで地方自治体に「記録館(Records Center)」が定着していく韓国における公文書管理と地方公文書館の設立・運営の現状と事例を紹介し、そのうえ日本の地方公文書館の現状と比べながら、両国の地方公文書館設置・運営の持続的な発展を図るための望ましいあり方を探る。
著者
西川 康男
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント : 記録管理学会誌 (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
no.65, pp.144-148, 2013-11-30

This report briefly summarizes background information and major topics in preparation and results of the Record Managements and Archives Annual Convention (Japan) held in Tokyo in September 2013. This report is only prepared by an individual committee member with his experience and impression. This is not an official report of the event.