著者
高畠 幸司 五十嵐 圭日子 鮫島 正浩
出版者
The Japan Wood Research Society
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.327-332, 2008-11-25
被引用文献数
4

ヤマブシタケ菌床栽培において,栽培後に生じる廃菌床を培地材料に用いて再び栽培した。この工程を3回繰り返した。子実体収量は繰り返し3回目でも最初の培地(基本培地)と同等であった。しかし,廃菌床培地は1回目の廃菌床培地で子実体収量が最も多く,その後,リサイクルする毎に減少した。子実体収量はリサイクル2回目までは基本培地の1.3~1.4倍になった。1回目,2回目の廃菌床培地では,低分子α-グルカン,β-グルカンの含有量が多くなり,C-N比が低くなった。低分子グルカン並びにN源の増加が子実体収量の増加に寄与することが示唆された。ヤマブシタケ菌床栽培において,リサイクル2回目までの廃菌床は,培地材料として有用であることが明らかになった。
著者
土井 健司
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究を通してカッパドキア三教父の救貧に関わる思想と実践について総合的に明らかにすることができた。大バシレイオスは369年の食糧危機に際して富裕者に食糧の供出を求めて実現し、さらに72年には世界最古の病院の一つ「バシレイアス」を建て、主にレプラの病貧者のケアを実践する。ナジアンゾスのグレゴリオスはこれをサポートする説教を行い、ニュッサのグレゴリオスも同様の説教ならびに他の救貧説教を残している。彼らの思想では、貧者はキリストであり、貧者へのケアはキリストへの奉仕になる。これを支えるのが受肉論である。逆に言えば、受肉論によってはじめて、社会のなかで人間扱いされない貧者(特にレプラの病貧者)が「人間」としてクローズアップされるのである。
著者
本村 陽一 西村 拓一 小島 一浩 大場 光太郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

気仙沼市における復興支援型の研究プロジェクトにおける、コミュニティ参加型アプローチの事例を紹介する。コミュニティ参加型のアプローチにより、生活現場を内部観察として把握、データ収集することによって、コミュニティにおけるシステムダイナミクスをモデル化することが可能になる。本発表では日常生活を計算モデル化することを目指した研究を実践する方法論としての重要な性質を議論する。
著者
武藤 雅大 綿貫 啓一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2010, no.4, pp.29-30, 2010-09-04

This paper describes education system using augmented reality technology. The system aims to offer useful information for the learner, to support intuitive study, and to improve the efficiency of the in-depth understanding and study. For the purpose the system that synthesizes information that seems to improve study to the image of the reality on real time was developed using augmented reality technology to mechatronics training, and study. Effects of the system were verified by the testee's using the system and being evaluated. It was confirmed that an educational system using the augmented reality technology was effective in intuitive study by the verification outcome.
著者
伊藤 好孝 増田 公明 さこ 隆志 毛受 弘彰 三塚 学
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

2009-2010年の0.9TeV及び7TeVでのLHC陽子陽子衝突に於いて、超前方領域における中性粒子の測定LHCf実験を行い、超高エネルギー宇宙線の空気シャワー形成に重要な0度ガンマ線スペクトルを測定した。7TeV衝突での0度でのガンマ線エネルギー分布の解析を進め、ハドロン相互作用モデルとの比較を行った最初の成果を公開した。その結果、データは従来のハドロン相互作用モデルの予測とは完全には一致せず、空気シャワー実験の解釈に一定の影響を及ぼすと示唆される。
著者
結城 英雄
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』の末尾には、「トリエステ-チューリヒ-パリ1914-1921」と記されている。『ユリシーズ』はダブリンを舞台としながらも、トリエステで着想され、チューリヒで結実し、そしてパリで完成されたということだ。これらの都市の文化的・時代的背景が創作に影響を与え、作品の世界に反映していることは間違いない。にもかかわらず、作品に即したその具体的な考察は少ない。本研究はそのような状況を鑑み、ダブリンの描写に着目しながら、大陸の都市が創作に及ぼした影響を明らかにした。
著者
中川 正宣 富家 直 柳瀬 徹夫
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.147-158, 1985-03-30
被引用文献数
8

本研究において, 我々は与えられた表色系から一意的に色彩感情得点が計算できるようなシステムの構成を行なった。まずEvaluation, Potency, Activityという3つの色彩感情因子を得るため, 色刺激のSD法の結果に因子分析(キャロル・チャン法)を行ない, 次にスプライン関数による平滑化を用いてそれらの感情因子得点と与えられた表色系指標(マンセルの明度, 彩度)との関数を構築した。最後に, 各因子とマンセル指標(明度, 彩度)との関数関係を表わす曲面を描くため, 得られた関数を用いて理論得点を算出した。将来はこの曲面の数学的特徴を探ることによって色彩感情系の一般的メカニズムに迫りたいと考えている。