著者
鈴木 英子 叶谷 由佳 石田 貞代 香月 毅史 佐藤 千史
出版者
日本保健福祉学会
雑誌
日本保健福祉学会誌 (ISSN:13408194)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.19-29, 2004-03-30

本研究の目的は、日本語版RAS (Rathus assertiveness schedule)を作成し、その因子構造を評価することである。 RASは、Rathusによって開発されたアサーティブネス行動を測定するための尺度であり、欧米では広く使われている。そのRASをback-translationとともに日本語へ翻訳し、看護学生103人のサンプルで検討した。その結果、日本語版RASはテスト-再テスト法(r=0.86 p<0.01)及び折半法(r=0.72〜0.80 p<0.01)で信頼係数が高かった。日本語版RASのクロンバックの信頼係数は0.82〜0.84 (p<0.01)であり、内的整合性が高かった。因子分析では、7因子が抽出され、原版のRASとは、若干の違いがあったものの妥当性が高い可能性が示唆された。
著者
清水 隆司 森田 汐生 竹沢 昌子 赤築 綾子 久保田 進也 三島 徳雄 永田 頌史
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.35-42, 2003-03-01
被引用文献数
3

職場のメンタルヘルスと自己表現スキルの関係を調べる準備調査として,自己表現スキルの1つであるアサーティブネスを測定するRathus Assertiveness Schedule (RAS)の日本語版を作成し信頼性・妥当性を検討した.対象は,某製造業A社の従業員364名とアサーティブネストレーニング(AT)を受講した社会人73名とした.方法は,AT受講者が受講前に回答した結果とATのトレーナーが客観的に受講者の自己表現を評価した結果を比較し,日本語版RASの妥当性を検討した.また,A社従業員の回答結果から内部一貫信頼性を調べた.次に,同意を得られたA社社員98名に対して再度調査を行い,再テストの信頼性を調査した.調査結果から,30項目全てよりも3-7,9,13,19,20,25,28を除く19項日の日本語版RASの方が,トレーナーの客観的評価と相関が高く,妥当性が高いと思われた.また,クロンバッハのα係数や,初回と2回目の結果の相関も共に0.80以上と高く,30項日及び19項日の日本語版RASの内部一貫信頼性と再テストの信頼性は高いと考えられた.今回の結果から,日本人のアサーティブネスを測定するには30項日全てよりも19項日の日本語版RASの方が好ましいと考えられた.
著者
垂水 浩幸
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.690-693, 2012-06-15

香川大学工学部信頼性情報システム工学科でJABEE受審した取り組みとその間の教育改善について述べる.学科では創立以来5年毎に教育プログラムの改訂を行ってきたが,学科の扱う分野が情報系だけでなく電子通信工学系,信頼性工学にもわたっているため,JABEE受審した最近の2つの教育プログラムはいずれも複数の学習・教育目標を学生が選択できる仕組みを導入している.また演習科目の運用や初年次教育の工夫についても述べる.
著者
柴田治三郎責任編集
出版者
中央公論社
巻号頁・発行日
1966

1 0 0 0 文藝復興史

著者
ブルツクハルト著 山岸光宣譯
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
1930
著者
廣嶋 伸章 安田 宜仁 藤田 尚樹 片岡 良治
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

様々なキーワード・場所に関する検索を行う地理情報検索の研究がこれまで行われてきた。しかし、地理情報検索を実際に利用するためには、キーワードと場所の両方を指定しなければならなかった。そこで、クエリの入力を支援する仕組みとして、指定した場所に特徴的な語の提示を行うことにより、場所の指定だけでキーワードを想起させることが必要であると考えた。本稿では、この特徴的な語の提示の手法および評価について述べる。
著者
鮑 若愚 白井 康之 湊 真一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

インターネットの普及により、ネット上での評価情報(口コミ、レビューなど)は消費者の消費行動に大きく影響を及ぼすようになっている。しかし、消費者への正確な評価情報の推薦、評価の正当性など、未だに多くの課題が存在している。こうした背景に基づき、本研究では評価情報中のコメント文に着目し、消費者、提供者、評価者に対して、それぞれの立場や目的に応じた評価情報の有効的な利用について提案する。
著者
Dharma Putra Guntur Astika Saputra Ferry 渡辺 健次
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

In this paper, we are introducing a new method to improve search engine capabilities by user preference achieved with the help of community's proxy logs. The goal is focused to build a custom search engine that providing community-specific results. To achieve such search engine, we use proxy server logs from Network Operation Center of EEPIS-ITS and fetch the url and user field as a base for our work. Then, we use tf-idf algorithm to convert those textual data into a machine friendly numerical data. To find topics based on those url, we cluster it into 10 or more preferable clusters using k-means algorithm. Getting the result of that method, then we crawl the title and meta information from all of the clustered url to find the actual topic. Those result, finally would be our base to create the search engine. Lastly, we use vector space model to provide a search result from user's query.
著者
窪澤 駿平 岡田 将吾 新田 克己
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

本研究では,調停や交渉等の議論における行き詰まり時の特徴を,議論のテキストログから抽出し,行き詰まりを検出し,これを解消するためのリフレーミング発言を支援するシステムを開発する.行き詰まりは,近接した発言が指す話題が一定に定まらない等の特徴により検出する.そこでまずは,発言と話題の関連づけ等を用いた行き詰まりの検出と,話題遷移を視覚的に表現し,リフレーミング支援の基盤となるUIの開発を行う.
著者
佐藤 真 赤石 美奈 堀 浩一
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

ストーリー生成過程のさまざまなモデルを説明するフレームワークを提案する.さらに,そのフレームワークに基づき,カルマンフィルタを利用できる新たなストーリー生成のモデルを提案する.実験では,他の手法との比較を行い,提案手法の定性的な評価を行う.
著者
細谷 純子
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.77-82, 1956
被引用文献数
1 8

チヤドクガEuproctis pseudoconspersaの飼育中に観察された, 2, 3の興味ある性質について報ずる.1)本種は自然界では年2回の発生であるが, 恒温下(22〜25℃)では越冬に入らせしめず, 世代を繰返させる事が出来た.2)卵は直径0.6〜0.7mm.卵期間は20〜22日であつた.3)幼虫は6〜7(時に8, 9, 10)齢を経過し, 幼虫期間は平均46.0日であつた.4)前蛹期間は約2日, 蛹期間は18〜23日であつた.営繭, 羽化時期とも, 雄の方が2〜3日早かつた.5)成虫の寿命は5〜7日で, 交尾は羽化後約24時間以内, 産卵は早いもので2日目に行われた.産卵数は1卵塊120粒前後であつた.6)1齢幼虫にはそれ自身毒針毛を生じない.2齢では腹部第1, 2環節亜背線部に, 終齢の前齢には更に第8腹環節亜背線部に, 終齢では第1〜8腹環節の亜背線, 気門上線部に毒針毛叢生部が生じる.毒針毛長は, 0.03〜0.207mmで, 齢期が進むにつれ長さを増す傾向がみられた.7)終齢幼虫の毒針毛は, 繭の内側に環帯となつて附着して(特に雌で顕著), 成虫は羽化に際して尾端房毛に附着させて脱出する.8)幼虫には顕著な群集性がみられる.集団的に飼育された場合, その1群中の個体数にやゝ比例的に幼虫期間と脱皮回数が短縮された.この場合, 最終齢幼虫の頭幅は雌雄によつては差がみられたが, 1群中の個体数によつては影響を受けない様に思われた.
著者
杉本 真佐樹 岡田 将吾 新田 克己
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

仲裁や交渉における議論を解析するためには,論点の関係や議論構造を把握することが重要である. 本稿では,言語情報だけでなく非言語情報まで用いて議論を解析し,議論構造を詳細に把握する手法を提案する. まず,発言に出現する単語の共起性に着目し,話題の推移を検出する.そして,推移のきっかけとなった発言と,その発言と同時に表出された身振りなどの非言語情報を統合的に利用し,発言の意味づけを分析する.
著者
大澤 剛士 神山 和則 桑形 恒男 須藤 重人
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.1-10, 2012 (Released:2012-03-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

本稿は,複数の独立したデータベースの横断的な利用を促進する方法として,データベースそれぞれに格納データを配信するWeb API(Web Application Program Interface)を設置し,由来の異なるデータをWeb上で統合する『マッシュアップ』によって仮想的にデータベースを統合することを提案する.すなわち,実際に全てのデータを格納する巨大データベースを新規に構築するのではなく,基本的に既存データベースは独立させたままデータのみをインターネット上に配信させ,それらをインターネット上で集約することで,仮想的な統合を実現する.このアーキテクチャによって,ユーザはあたかも巨大な1つのデータベースが存在するかのように,複数のデータベース由来のデータを利用することが可能になる.筆者らはケーススタディとして,気象,土壌,農地利用,温室効果ガスに関する情報をまとめて取得できるWebシステムを構築した.しかし,システム構築の過程で課題や問題点も明らかになった.本稿は,システム開発における上述アーキテクチャの実現方法,データベースに実装するWeb APIの内容,実装内容および設計における留意点,明らかになった課題を記し,さらにはWeb APIを利用したデータシステムの可能性を論じた.
著者
山口 亨
出版者
東京都立科学技術大学学術研究委員会
雑誌
東京都立科学技術大学紀要 (ISSN:13403176)
巻号頁・発行日
no.15, pp.133-138, 2001-11

In an intelligent system such as ITS, the hardware side was strong. In this paper, we paid attention to a software side, that is the human centered system, in the intelligent system. And the display function which was the point of contact of the system with the person was taken up. In this display function, a soft touch display is important. Because, the user becomes a panic when user displays immediately before. However, it is difficult to make such software display beforehand. However, it is difficult to make such software display beforehand. Therefore, we propose the technique which software display knowledge is learned at high speed on-line. This technique is learning method by which Q-Learning is united with Chaotic Evolution. In this paper, this proposed technique is called "Q-Learning with Chaotic Evolution". And the utility is verified by applying to the commuter car system in ITS.
著者
風間 北斗
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

シナプスの形成には、神経細胞(プレ)とその標的細胞(ポスト)間の綿密な相互作用が重要であると示唆されているが、その内、ポストがプレに働きかける機構に関しては未知な部分が多い。私は、ショウジョウバエ幼虫の神経-筋結合系を用いて、ポスト内の酵素CaMKIIがプレの機能と形態を逆行的に調節することを報告してきた。本年度は、シナプス形成期における標的細胞の挙動を調べるもう一つのアプローチとして、筋肉細胞内で自発的に発生する自家蛍光のイメージングを行った。青色励起光照射の下で筋肉細胞を観察すると、一過的に緑色蛍光が上昇する現象が検出された。一部の蛍光信号は鋭いピークとして出現したが、残りの信号は、立ち上がると数十秒の間安定した水準を保ち続け、その後鋭く減衰するという、細胞に起因するシグナルとしては類のないキネティクスを示した。自家蛍光シグナルは、細胞外のカルシウムイオン依存的に発生した。薬理学的実験により、自家蛍光はミトコンドリア内に存在するフラビンタンパク質に起因することが分かった。また、蛍光シグナルは自発的に出現するものの、その発生頻度が神経の投射に大きく依存した。蛍光強度が、筋肉細胞の中でも特にシナプス部で大きく上昇する事実と合わせて、自家蛍光変動がシナプス形成過程に関わる生理的現象を反映している可能性が提起された。本研究は、シナプス形成期に、標的細胞内で自発的に発生する自家蛍光シグナルを、生体において報告した最初の例である。自家蛍光イメージングは、シナプス形成の理解に大いに貢献する可能性がある。また、もし、先行研究から予想されるように自家蛍光強度とカルシウムイオン濃度との間に相関があることが判明すれば、自家蛍光イメージングは、ミトコンドリアの活性化状態を調べる手法としてだけでなく、新しい非侵襲的なカルシウムイメージング法としても適用できる可能性がある。
著者
藤堂 正喜 羽鳥 敏明 千葉 脩 高橋 克也 武村 雅之 田中 英朗
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.60, no.475, pp.45-54, 1995
被引用文献数
6 4

Using seismic records observed in 4 borehole arrays, characteristics of vertical seismic motions in sedimentary layers are investigated. The results are as follows. 1) P-waves having intensive effect to vertical component are propagating within sedimentary layers even after the S-wave onset time (S-wave part). 2) Frequency dependent Q-values for P-waves (Qp) in Tertiary sediment layers obtained from the optimal analyses to spectral ratios have the tendency to be identical with Q-values for S-waves (Qs) with the same wavelength. 3) Observed vertical motions in upper ground can be simulated by the multiple reflection theory of P-waves based on the optimized velocities and Q-values.