著者
高橋 和彦 熊谷 寛 荻原 勲
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.13-17, 2006 (Released:2006-04-11)
参考文献数
8
被引用文献数
2 3 1

In vitroにおいてサギソウ球根苗に菌根菌を接種し,菌根菌は球根苗の生育を促進するかどうかを明らかにしようとした.また,それはどのような栄養の吸収によるものであるかを調査した.このことにより,球根苗が形成する新球根の肥大に菌根菌接種は有効かどうかを検討した.1.菌根菌接種は球根苗の生育を促進し,形成される新球根を肥大させることが明らかとなった.2.菌根菌接種が球根苗の生育を促進したのは,菌根菌の作用によりオートミール培地から植物体が炭素化合物を多く吸収したことによると考えられた.3.植物体が吸収した炭素化合物は培地のオートミールが菌根菌によって分解され,根から直接吸収されたものであるか,あるいは菌根菌を経由して吸収されたものであるかは判別できなかった.
著者
牧野富太郎 著
出版者
北隆館
巻号頁・発行日
1948
著者
中山 桂
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

昨年度に引き続き、2頭のサルが棒をひいて餌をとる課題をおこなった。この装置では、手の届かない場所にあるテーブルに餌がおかれており、サルは棒をひいてテーブルをひきよせて餌をとることができる。1頭が片側から棒をひくと力の方向にテーブルが回転、2頭が同時に両側の棒をひくとテーブル全体が力の方向にスライドするよう装置が工夫されている。このしくみにより、協力しないか(単独でひくか)・協力するか(2頭で一緒にひくか)をサルに判断させることが可能になる。単独でひくと少量の餌がすぐに手に入るが、協力するとより多くの餌を手に入れることができるときに、サルがどのような意志決定をおこなうかを調べた。今年度は、協力関係の成立したペアを対象に、協力がどのような条件でおこるのか、またどういった要因が協力関係の維持に影響するのかを検討した。まず、(1)高い成功率で協力したのは、餌に対する社会的寛容が高く、協力における役割分担がパターン化しているペアであることがわかった。そして、(2)いったん協力関係が成立した後でも、ペアのうち片方もしく双方が、少量でもすぐに手に入る餌を好む傾向が強い場合には、協力関係がこわれやすいことが確認された。興味深いのは、(3)少量でもすぐに手に入る餌を好む傾向と、働かずして相手の餌を横取りする傾向の間に相関がみられたことである。
著者
田辺 秀之
出版者
総合研究大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、(1)霊長類細胞の収集、細胞培養、(2)染色体標本の調整、(3)2D-FISH法によるメタフェイズ解析、(4)3D-FISH法による染色体3次元核内配置解析、(5)比較解析と全体の統括という流れで進められた。霊長類各種末梢血を京都大学霊長類研究所の共同利用研究により供与していただいた;類人猿2種(チンパンジー、アジルテナガザル)、旧世界ザル6種(ニホンザル、カニクイザル、アカゲザル、タイワンザル、ミドリザル、マントヒヒ)、新世界ザル5種(コモンリスザル、ワタボウシタマリン、フサオマキザル、ケナガクモザル、ヨザル)。これらの霊長類リンパ球細胞核標本に対し、1)放射状核内配置の進化的保存性、2)相対核内配置と転座染色体生成との関係について考察した。1)では、ヒト18番および19番染色体ペイントプローブ、ヒトPeriphery vs InteriorミックスDNAプローブを使用した。その結果、類人猿、旧世界ザル、新世界ザルに至るまで、18番ホモログは核周辺部に、19番ホモログは核中心付近に配置されることが確認できた。また、ヒトP vs IミックスDNAプローブを用いた3D-FISH解析により、P、I両領域のトポロジーは、進化的染色体転座が高頻度に生じているテナガザルにおいても、高度な保存性を持つことが確認できた。2)については、ヒト2p、2qホモログDNAプローブを作成し、チンパンジーと旧世界ザル6種の細胞核に対して核内配置解析を実施した。その結果、ヒト2p、2qホモログの相対核内配置は、旧世界ザル各種では空間的に離れた距離を保っていたが、チンパンジーでは1組の2p、2qホモログが高頻度に隣接して配置されることが示唆された。このことにより、進化的な染色体再編成が生じている近縁種間での染色体ホモログ領域は、互いに相対核内配置が近接している傾向を示す可能性を持つものと考えられた。
著者
坪田 知己 生貝 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.90, no.5, pp.388-392, 2007-05-01

インターネットの普及に伴い,文字系,画像系,動画系など様々な形態のディジタルコンテンツがネット上を流通し始めている.コピーが簡単で品質が劣化しないディジタルコンテンツは,不正コピーが横行するとして,著作権上の問題が指摘されできた.しかし,二次流通・二次創作を促進し,多くの人が創造行為を楽しめるようにすべきという意見が強くなっている.本稿では,日本を「創造大国」にするためのコンテンツ流通のあり方に関する「処方せん」を述べる.
著者
奥宮 啓司 金子 正秀 原島 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.95, no.533, pp.1-8, 1996-02-23

我々はすでに、画像内容の抽象化という観点から、動画像シーンの階層的表現と抽象化索引映像の利用について提案している。抽象化索引映像とは、人間が見た時にその主題が理解できる程度の概略画像であり、画像データベースにおける見出し画像や、画像を編集、加工、符号化する際の補助画像としての役割等、様々な面での応用が可能である。本稿では、楕円や長方形といったプリミティブ図形を用いて、静止画像並びに動画像に対する抽象化索引映像を作成する方法について述べる。プリミティブ図形を利用することにより、大まかな構造情報を担った形で、コンパクトに記述を行なうことが可能となる。また、動画像シーンの階層的表現と抽象化索引映像を利用したアプリケーションについても検討を行う。
著者
神崎 繁 樋口 克己 丹治 信春 岡田 紀子 伊吹 雄 関口 浩喜
出版者
東京都立大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

平成7年度は、本研究課題に基づく研究の最終年度にあたるので、その研究成果を纏める意味でも、古代から現代までの道徳的価値をめぐる様々な立場の歴史的再検討と、現代的視角からの原理的研究の双方にわたって、研究分担者の各自の領域に関して研究を行い、その成果を発表してきた。古代に関して神崎は、特にアリストテレスにおける生命の原理としての「魂」概念の関係において、しばしばその生物学的・自然主義的価値理解が問題とされる点を整理し、価値認知がむしろ習慣的な「第二の自然」としての性格を持つ点を確認した。伊吹は、新約聖書における「アガペ-(愛)」の概念を分析して、その価値の志向的性格を明確にした。また樋口は、ニーチェにおける「テンペラメント(気質)」の概念に注目して、ヨーロッパの既成の価値概念の転倒を主張するニーチェの真意を明らかにする作業を行った。岡田は、ハイデガ-における価値哲学批判の意義を、以上の歴史的考察の背景において位置付ける考察を行った。そして丹治は、最近公刊された著書において、言語の共有ということの意義を検討することを通して、全体主義的言語観における価値の問題の位置付けに関する原理的考察の端緒を開いた。また、神崎は研究総括者として、そのような原理的研究において、所謂自然主義的立場の可能性に関して、丹治の立場を批判的に検討することによって、議論を深めることができた。また、以上の研究成果の一部を、報告書として公表すべく、その準備作業を行った。
著者
中川一夫著
出版者
写真工業出版社
巻号頁・発行日
1994
著者
箱崎 和久
出版者
独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
2000

室生寺灌頂堂の建築史的評価 昨年の検討から、室生寺灌頂堂(現本堂)は、後宇多法皇の帰依により、北京律僧である空智房忍空の建立となることが判明した。これにより、灌頂堂は鎌倉後期における天皇家の第1級の建築に近い形態とみられ、遺構が残らない当時の天皇家・公家の建築を具体的に知ることのできる資料になると考えられる。一方で造営主体が北京律僧であることは、これも具体的な建築遺構が明確でない北京律僧による建築を知る好資料となるであろう、灌頂堂の建築意匠・技術は、このような背景を反映したとみれば理解しやすい。灌頂堂には、奈良地方に希薄な禅宗様建築の細部様式が認められ、泉涌寺に禅宗様が採用されていた可能性が大きいことを勘案すれば、北京律僧が禅宗様を導入したと考えられる。また、内部の住宅的要素については、京都風の意匠というより、むしろ天皇家・公家の影響と理解できるだろう。派生する問題 室生寺御影堂に用いられた木製礎盤は禅宗様の影響が及んだものであり、これも北京律僧が関与したためと推定される。このように、少なくとも南都における禅宗様系の細部形式の伝播には、北京律僧の影響を考慮しなければならなくなった。当時、北京律僧は東寺・東大寺の大勧進をつとめたほか、高野山・四天王寺・鎌倉などでも活躍しており、これらの寺院や地域における建築の様相を、禅宗様の伝播という観点も含めて、北京律僧の活動からとらえ直してみる必要がある。また、本例は遺構として残る建築の帰依者を特定できる好例であり、建築意匠・空間を考えるうえで、工匠や本寺-末寺の関係のほかに、帰依者について再考する必要性を再認識させた。北京律僧の特質をとらえるには、西大寺系律宗には明確でない、有力帰依者との関係をとらえることが重要である。
著者
西本敬史
雑誌
Iyakuhin Kenkyu
巻号頁・発行日
vol.21, pp.378-389, 1990
被引用文献数
4
著者
金 志英
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.387-396, 2011

This study is about the High School Equalization Policy in the Republic of Korea. The bulk of research until recently focused mainly on the problem after the policy was implemented. Accordingly, research on the original policy is scarce. So, the aim of this study is to understand more fully the original policy, particularly, the influence on the competition between schools by the policy. As a research method, analysis transition of school ranking before and after the policy was used to examine.
著者
岡本 健
出版者
観光・余暇関係諸学会共同大会学術論文集編集委員会
雑誌
観光・余暇関係諸学会共同大会学術論文集 (ISSN:1884328X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.37-44, 2011-09-30

This paper analyzes the mechanism of informatiom distribution and provides new framework about Contents Tourism. This research adopt analysis website traffic linked real situation. It has two conclusion. One is Consumer Generated Media (GCM) leading to an increase in the number of website traffic, and the other is constructing new Contens Tourism framework adding an actor which has no immediate relationship to tourist site.
著者
巌佐 庸
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:07272997)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.358-367, 1999-11-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
河岸 洋和
出版者
社団法人日本農芸化学会
雑誌
日本農藝化學會誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.1671-1677, 1994-12-01
被引用文献数
3 3