著者
重本 和宏
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.42-43, 2011 (Released:2011-03-03)
参考文献数
7

サルコペニア(加齢性筋肉減少症)は高齢者のADL(activity of daily living)とQOL(quality of life)を損なう主要な原因である.サルコペニアの早期発見,運動機能障害者に対するリハビリの効果の判定を可能にする,客観的かつ有効なバイオマーカーが介護予防対策に必要である.加齢による筋の老化促進の要因は,体内環境全体の変化,幹細胞(サテライト細胞)の老化,筋と運動神経細胞の相互作用維持システムの老化の三種類に分類することができる.それらのメカニズムに関する新しい知見をもとに,サルコペニアに対して真に有効なバイオマーカーが開発されるかもしれない.
著者
万波 秀年 槇原 靖 八木 康史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.8, pp.1373-1382, 2009-08-01
被引用文献数
6

本論文では歩容における性別・年齢の分類を決定し,その分類に現れる歩容特徴の解析を行う.まず全25台のカメラからなる多視点同期歩容撮影システムを構築し,広い年齢層の被験者の歩容を撮影することで大規模歩容データベースを構築した.性別,年齢それぞれに関して識別実験を行い,その結果に基づき,性別・年齢識別に適した分類として,子供,成人男性,成人女性,高齢者という四つのクラスを求めた.それらのクラス,及び特定の2クラスに対して,観測方向による識別性能への影響を実験を通して確認した.また,各観測方向においてクラスに特有な特徴がどの部位に現れるかを解析した.結果として,コンピュータビジョンの観点から次のような知見が得られた.(1)クラスを象徴する歩容特徴はクラスによって異なり,またそれがよく観測できる方向も異なる.(2)そのため,識別するクラスによっては,真横といった典型的に用いられる観測方向より効果的な観測方向が存在する.

1 0 0 0 OA 体内めぐり

著者
桑田正 編
出版者
自学奨励会
巻号頁・発行日
1918
著者
大橋 智之 桑水流 理 吉川 暢宏
出版者
東京大学
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.32-35, 2007-03

植物食の鳥脚類恐竜の頭骨には,Pleurokinesisという上顎の側方運動があることが形態学的観察から提唱されている.このPleurokinesisを生み出す頭骨内の関節構造について有限要素法で応力解析を行い,Pleurokinesisが頭骨と歯列に及ぼす影響を力学的な観点から考察した.解析の結果,可動性のある関節によって,咀嚼による負荷が頭頂部に分散することが明らかとなった.このように恐竜などの古脊椎動物学においても力学的観点からの解析とその解釈により,これまで以上に彼らの生態が解明されることが期待できる.[本要旨はPDFには含まれない]
著者
井田 齊 朝日田 卓 林崎 健一
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

絶滅種・希少種の系統を解析する目的で,ホルマリン固定後長期保存された魚類標本からのDNA抽出法および多型の解析手法に関して検討を行った。DNA抽出に関しては(1)組織の物理的粉砕,(2)組織溶解に先立つホルムアルデヒドの不活化処理,(3)プロティナーゼKによる組織溶解の条件の最適化,(4)組織溶解液からのDNAの回収条件の最適化の4点に関して手法の改良を行った。その結果(1)物理的な組織の粉砕は組織溶解を容易にするが,DNAをも切断する可能性があり避ける方が良く,(2)トリス・グリシンバッファーの処理法を工夫して短時間で効率的にホルムアルデヒドの除去が可能となるようプロトコルを改変した。(3)DTT添加した4M尿素を含むバッファーを用いて高温でプロティナーゼKの連続添加が最適であった。(4)回収されたDNAの収量とその精製度がPCR反応の可否に大きく影響した。エタノール沈殿等の回収法では精製度は低く,シリカマトリックス等を用いた精製では収量が極めて少なかった。しかしハイドロキシアパタイトを用いたDNA回収ではシリカマトリックスを用いた場合に匹敵する精製度が得られ,かつDNA収量も多く好成績であった。mtDNAのチトクロームb領域の一部のPCR増幅を行ったところ,20年前までのシロザケ標本に関しては約500塩基対の増幅が可能であった。PCR反応によるDNA増幅の長さには回収されたDNAの状態により限度が異なり,リュキュウアユ,クニマス等の特に古い標本ではmtDNAの約500塩基対の増幅も可能ではなかった。核DNAのマイクロサテライト領域では,解析にせいぜい500塩基対までといった短い断片が解析に用いられることから,ホルマリン標本を用いた系統解析,特に近縁種間の系統解析にはマイクロサテライト解析を行うことが有効であると考えられ,現在解析中である。
著者
君付 隆 松本 希 賀数 康弘
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

音を認知するためには、空気の音圧振動から鼓膜、耳小骨の固体振動への変換、内リンパ液への液体振動への変換、さらに内耳の音受容器(有毛細胞)から聴神経への電気信号への変換へとその伝達様式が変化していく。それぞれの過程で振動刺激の物理的減衰があるため、内因性の音増幅のメカニズムが存在するが、その中でも内耳蝸牛の音増幅メカニズムが最も重要である。従来蝸牛の有毛細胞の中で外有毛細胞がその役割を担うとされてきたが、本研究は内有毛細胞も音増幅に貢献するメカニズムを有することを示した。

1 0 0 0 OA 良妻と賢母

著者
下田歌子 著
出版者
富山房
巻号頁・発行日
1912
著者
佐久川 政吉 大湾 明美 宮城 重二
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.65-69, 2010-03
被引用文献数
1

自己決定や権利擁護など、当事者主体のケアが求められている今日、強さや長所を意味する「ストレングス」の概念を整理し、高齢者ケアの実践と研究に活かしていくことは重要である。本研究の目的は、高齢者ケアの実践と研究にストレングスを用いるために、ストレングスの概念を整理することである。ストレングスの定義は、人間の持つポジティブな面を現わし、構成要素は、「本人」だけでなく周りの「環境」も含めて捉えていた。実践研究において、ストレングスの概念やモデルを用いているが、操作的定義が曖昧であり、研究対象者の実態に基づいているのかについては、吟味が必要であった。今後、ストレングスを高齢者ケアの実践に活かすためには、個人と環境の構成要素について、丁寧にアセスメントを行い、ストレングスを導くことが必要である。また、研究においては、概念を操作的に定義し、構成要素を対象の特性に合わせて焦点化して用いることが求められる。
著者
河本 真理
出版者
美学会
雑誌
美學 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.49-60, 1997-09-30

La peinture classique, qui se fonde sur la ressemblance, tente d'exclure, dans la mesure du possible, de son champ l'ecriture. Cependant, la deconstruction des lois de la perspective classique a entraine la reintroduction de l'ecriture dans l'espace pictural au moment du cubisme. Cela a permis a Kurt Schwitters de tenter de reunir les genres artistiques, et tout d'abord la peinture et la poesie, pour qu'ils se fondent dans le Merzgesamtkunstwerk. L'ecriture de Schwitters ne constitue pas un message clair ; fragmentee, elle reste subordonnee a l'esthetique. Elle se libere de la notion de langue-nomenclature, ou l'on nomme des objets qui existent en-dehors de la langue, et devient "materiau" en soi. Cette opacite de l'ecriture chez Schwitters designe une affinite avec l'ecriture cubiste. Dans le cas des inscriptions politiques, la fragmentation et l'illisibilite de l'ecriture sont le signe de son refus absolu d'un "art au service de l'ideologie" ; il se distingue ainsi de la propagande politique de Dada-Berlin. D'ailleurs, Schwitters recherche l'arbitraire du signe linguistique de facon plus radicale que les cubistes qui restent representatifs. Le signifiant du titre=ecriture ("und"), qui entre dans ses images non-representatives, ne se refere plus qu'au signifiant lui-meme comme dans Das Undbild. Cette absence de referent derange avec ironie notre code de lecture. A travers "Merz", Schwitters articule le monde et cree continuellement un nouveau sens.