著者
渡邊 法美 小澤 一雅
出版者
高知工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

日本の公共発注者に必要な「発注力」を明らかにし、今後の技術調達モデルの方向性を検討した。今後も維持すべき発注力とは「信任」の精神であり、具体的には技術者の良心、Win-Win、規準作成、自己管理、努力者評価である。向上すべき発注力は、透明性の向上である。そのためには、リスクとコストの関係明確化、プロセスマネジメントシステムの構築・運用、利用者・納税者への説明、発注者に不足する機能を補完する新しい職能の創設・導入、各リスクを最も適切に取ることが出来る主体を選抜する仕組みの構築が必要である。
著者
石井 茂如 滝沢 穂高
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.412-420, 2012-01-15

本研究の目的は胸部X線CT画像から肺結節(肺がんの候補)を検出するための計算機診断支援(CAD)システムを開発することである.我々のCADシステムの最も重要な構成要素の1つとして,結節と血管の3次元物体モデルを用いた結節認識手法であるモデルマッチング法を提案している.この手法は高い精度で結節を認識可能だが,いまだ十分ではない.そこで,本論文ではモデルマッチング法に以下の3つの改良を加える.第1に,肺野内血管の位置とサイズとの関係を表す統計的な分布モデルを構築する.これを事前知識として利用することによって,より信頼性の高い血管モデルを生成し,認識率を向上させる.第2に,血管に隣接する結節を認識するために結節モデルと血管モデルを組み合わせた新たなモデルを導入する.第3に,単円筒モデルを用いた新たなアルゴリズムを用いることで最適モデルの探索を高速化する.これらの改良を8mmスライス間隔のCT画像98例に適用したところ,TP率90%でのFP数を従来法の15.5[個/症例]から9.2[個/症例]に削減することができ,本手法の有効性が確認された.
著者
福田 野歩人
出版者
東京大学大学院農学生命科学研究科水圏生物科学専攻
巻号頁・発行日
2010-09-07 (Released:2012-11-14)

報告番号: 甲26338 ; 学位授与年月日: 2010-09-07 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 博士(農学) ; 学位記番号: 博農第3612号 ; 研究科・専攻: 農学生命科学研究科水圏生物科学専攻
著者
松本 直樹
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.241-252, 2008

ヤングアダルトサービスと障害者サービスに従事する公立図書館職員が用いる情報源について,調査・分析した。結果,職員の属性,サービス,県ごとに選択する情報源が異なることがわかった。具体的には,司書資格を持つ職員はそうでない職員と比べ多様な情報源を用い,担当年数が短い職員は人を介した情報源を用いていた。サービスとの関係では,メディア上に情報がなく,相互協力など協力関係の必要性が高いサービスほど,人を介した情報を用いる傾向が見られた。また,県内での研修機会の有無は,選択する情報源に大きな影響を与えることも分かった。
著者
小野塚 佳光
出版者
京都大學經濟學會
雑誌
經濟論叢 (ISSN:00130273)
巻号頁・発行日
vol.142, no.2-3, pp.200-218, 1988-08
著者
任 雲 境 睦
出版者
桜美林大学
雑誌
桜美林経営研究 (ISSN:21860173)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.35-52, 2011-03-20

本稿は金融危機中の米国の金融機関とくに生命保険業(以下、「生保業」という)の事例と日本の生命業の実態調査を分析することによって、金融危機後の日本における生保業のコーポレートガバナンスのあり方を検討する。主な研究結果は以下の通りである。まず、本稿は、金融危機中米国の金融機関のコーポレートガバナンスの状況を考察することを通じて、経営陣のリスクテイクレベルの上昇とそれに対する取締役会のガバナンスの欠如はコーポレートガバナンスの大きな問題であり、今回の金融危機の教訓であるとの結果を明らかにしている。次に、従来の日本の生命保険会社はリスクテイクに対して慎重であったが、金融危機の影響と相まって、生保業を巡る経営環境はかつて米国の1990年代の生保業が経験した状況と類似しており、今後、日本の生保業も否応なしによりリスクテイク的な経営行動を行わなければならず、リスクマネジメントの高度化が一層求められるという結論を得ている。第三に、米国の教訓と金融危機後のOECDとりわけCROフォーラムの提言に基づいて、日本の生保業の今後の存続と成長のためには、日本的なコーポレートガバナンスと調和した取締役会レベルでの、リスクマネジメントとコーポレートガバナンスを融合させた統合型リスクガバナンスの構築が必要であるとの結論に至っている。
著者
石田 厚 原山 尚徳
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

今まで細胞膜は単なる半透膜と言われていたが、近年アクアポリンと呼ばれる膜タンパク質が細胞膜の水の透過性を決めることがわかってきた。アクアポリンはすべての生物の生体膜上に存在し、水分子を超高速輸送する物質であり、アクアポリンの存在によって、生体膜の水透過性は数十倍にも増加する。またアクアポリンの活性や量は、環境ストレスによって変化することも知られているが、今まで作物を用いた遺伝子レベルでの研究が中心であった。また近年、葉内の水移動経路の通りやすさ(葉の通水性)が、気孔開度や光合成速度に影響を及ぼすことが明らかになってきている。この課題では、樹木の葉の水移動経路の重要な部分を占める葉脈部分の通水性の変化と、アクアポリンの活性や量で制御される葉細胞の生体膜(細胞膜や液胞膜)の通水性の変化が、葉全体の通水性や光合成特性に与える影響を明らかにした。水利用様式の異なる樹種において、いくつかのパターンで葉脈の通水を遮断し、葉の通水性と気孔コンダクタンスの変化を調べた。いずれの樹種においても、葉の通水性の低下に従い、気孔は閉鎖した。このことは、葉脈道管のエンボリズム(閉塞)の生じやすさが、気孔開度や光合成速度を大きく律速することを示す。またアクアポリンの阻害剤である塩化第二水銀を葉に吸わせて、葉の通水性、気孔コンダクタンス及び光合成速度の変化を、常緑広葉樹2種と落葉広葉樹2種で調べた。アクアポリンの機能を阻害すると葉の通水性が10-30%、気孔コンダクタンスは5-20%低下し、葉の通水性の低下割合が高い樹種ほど気孔コンダクタンスや光合成速度の低下の割合が高かった。また気孔コンダクタンスの高い樹種で、アクアポリンがより多く機能していた。すなわち水消費の多い樹種で、葉内アクアポリン活性の変化により積極的な水分調節を行っていることが示唆された。
著者
安田 光 井上 亮文 市村 哲
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.81-89, 2012-01-15

現在のプログラミング講義・演習科目では,完成したソースコードを示して解説する手法が主流であるが,この手法では,学生がエラー解決方法を習得することが難しいという問題がある.そこで本研究では,ティーチングアシスタント(TA)が学生にエラーの解決方法を教えている状況を動画記録し,学生とTA間で共有することができるプログラミング演習支援システムを構築した.本システムは,TAが学生のトラブルを解決している過程を記録して資料化するクライアントツールと,この資料を閲覧できるようにする資料閲覧サイトから構成されている.評価実験の結果,トラブルを解決している過程を記録して資料化することに一定の有用性があることが示唆された.Recently, programming class is mostly done using electronic slide-show that shows completed source codes. It is difficult, however, for students to learn how to resolve errors. In this paper, we propose a process-recording-based programming education system composed of the process-recording tool that produces a video file and the process-recording material viewing sites where the process-recording material shows how to solve problems in programming. As a result of the experiment, recording the process of debugging and sharing it were proved somewhat effective to teach how to resolve errors.
著者
加藤 佑介
出版者
新領域創成科学研究科 環境学研究系
巻号頁・発行日
2006-03-23

報告番号: ; 学位授与年月日: 2006-03-23 ; 学位の種別: 修士; 学位の種類: 修士(環境学) ; 学位記番号: 修創域第1863号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科環境学専攻
著者
Nagoya University Library 名古屋大学附属図書館
巻号頁・発行日
2008-07-04

南太平洋に浮かぶ島国 - ニュージーランド。豊かな自然をもつこの国の社会や政治、教育について調べてみましょう。
著者
Namura Kyoko Suzuki Motofumi Nakajima Kaoru Kimura Kenji
出版者
Optical Society of America
雑誌
Optics Letters (ISSN:01469592)
巻号頁・発行日
vol.36, no.18, pp.3533-3535, 2011-09-15
被引用文献数
9

We have investigated the heat generation from gold nanoparticles resulting from their local plasma resonance. We have demonstrated the self-assembly of Au nanoparticle arrays/dielectric layer/Ag mirror sandwiches, i.e., a local plasmon resonator, using a dynamic oblique deposition technique. The thicknesses of the Au and dielectric layers were changed combinatorially on a single substrate. As a result, local plasmon resonator chips were successfully fabricated. Because of strong interference, their optical absorption can be controlled between 0.0% and 97% in the near-IR region, depending on the thickness of the dielectric layer. We evaluated the heat generation from Au nanoparticles by measuring the temperature of water with which a cell prepared on a chip is filled under laser illumination. The change in the water temperature is proportional to the optical absorption of the local plasmon resonator chips. This suggests that the photothermal conversion efficiency can be controlled by interference. These features make the application of the local plasmon resonator to nanoheaters, which can spatiotemporally control heat generation, suitable.