著者
栗田 宣義
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.21-37, 1994-04-01 (Released:2009-03-31)
参考文献数
38

政治的暴力とは、多数の人びとによる政治的で明確な敵手を有した暴力的叛乱である。従来、相対的剥奪仮説、集合行動仮説、資源動員仮説、大衆社会仮説、紛争伝播仮説、不平等仮説、世界システム周辺仮説といった複数の理論モデルが、競合しつつ、政治的暴力の生起を説明してきた。これらの仮説群は、筆者の提唱する (1) 心理・文化分析―関係・構造分析、(2) 個別分析―エコロジカル分析という二軸の基準によって、(a) ミクロ政治心理学説、(b) ミクロ政治社会学説、(c) マクロ政治心理学説、(d) マクロ政治社会学説、の四類型に分類される。この分類作業と各仮説の検討を通じて明らかにされたのは、四つの学説は対立関係にはあらず、むしろ相互補完的であることだ。本稿は、これらの理論的作業を通じて、計量分析を前提とした政治的暴力の総合的理解を進めることを目的とした試論である。
著者
相島 健助 松尾 宇泰 室田 一雄 杉原 正顕
出版者
一般社団法人日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.97-131, 2007-06-25
被引用文献数
3

Convergence theorems are established with mathematical rigour for two algorithms for the computation of singular values of bidiogonal matrices: the differential quotient difference with shift (dqds) and the modified discrete Lotka-Volterra with shift (mdLVs). Global convergence is guaranteed under a fairly general assumption on the shift, and the asymptotic rate of convergence is 1.5 for the Johnson bound shift. This result for the mdLVs algorithm is a substantial improvement of the convergence analysis by Iwasaki and Nakamura. Numerical examples support these theoretical results.
著者
馬渡 駿介 片倉 晴雄 高橋 英樹 齋藤 裕 矢部 衛 柁原 宏
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

地球規模の環境問題を解決し、生物多様性を守り、人類の生存を保証する方策は、生物がどのくらい多様なのか知ってはじめて可能となる。しかし、「生物はどのくらい多様なの?」との素朴な疑問に今まで誰も答えられなかった。本研究は、一地域の生物多様性を丸ごと明らかにしようとする、日本で、また世界的にもこれまで例のない研究であり、生物多様性解明への社会的要望の高まりを受けて計画されたものである。研究は、北海道厚岸湾に位置する約1平方km^3の無人の大黒島およびその周辺浅海域で行い、地域生物相の徹底解明をめざした。その結果、土壌繊毛虫、土壌性鞭毛虫類、有殻アメーバ、トビムシ類、ササラダニ類、植物上ダニ類、土壌表層ダニ類、維管束植物、海産無脊椎動物、魚類、齧歯類において、合計5新種、約25の日本初記録種を採集し、生息種の全貌をほぼ解明した。
著者
中村 恭子 広沢 正孝 細見 修 山倉 文幸 鈴木 利人
出版者
順天堂大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

統合失調症患者は中強度の歩行運動で快感情やリラックス感が増加し、不安感が減少、クロモグラニンA値やコルチゾール値が減少した。また、患者は一般成人より運動前から不安感やα-アミラーゼ値、クロモグラニンA値が有意に高く、運動後のアミラーゼ値の増加やクロモグラニンA値の減少が著しかった。患者は一般成人より体力が低いため、中強度の運動が精神的ストレス軽減をもたらす一方で身体的ストレスとなる可能性が示唆された。そこで、多様な運動強度に対するストレス反応を比較した結果、微細運動のフェルデンクライス・メソッドATMが低強度や中強度の運動よりも患者の心理的・生理的ストレス値の軽減に有効であることが判明した。
著者
数土 直紀
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.71-75, 1994-04-01 (Released:2009-03-31)
参考文献数
1

ここではまず、論文「権力関係の存在可能性」(数土,1993)で明らかにされた定理3の証明に誤りがあることを指摘し、その証明を訂正する。次に、同論文の証明に省略が多いことを指摘し、特に重要と思われる定理2(補助定理1を含む)のより詳しい証明を紹介する。最後に、この定理2が社会秩序問題に対して持つと考えられる含意を指摘する。
著者
八杉 昌宏 馬谷 誠二 鎌田十三郎 田畑 悠介 伊藤 智一 小宮 常康 湯淺 太一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.1-13, 2001-11-15
被引用文献数
4

MIMD 型並列計算機における効率の良い並列処理のための,メソッドの実行時置換と構造化されたスレッドによる並列処理を特徴とするオブジェクト指向並列言語OPA を開発している.本論文では,その共有メモリ型並列計算機用のコード生成手法について述べる.コンパイル時には,オブジェクトへのメモリアクセスやコンテキストスイッチ時のメモリアクセスを削減するための解析を行う.また実装方式としては,プロセッサ間通信とスレッドスケジューリングにはlock-free バッファ管理方式,スレッド内スケジューリングには関数フレーム二重表現方式と値ベースサスペンドチェック方式,同期処理には重み付きカウント方式などを用いている.値ベースのチェックにより,1 呼び出しあたり1 分岐命令追加程度のオーバヘッドで高速なコンテキストスイッチを可能とした.We are developing an object-oriented parallel language OPA for effcient parallel processing on MIMD computers,which features dynamic method replacement and structured parallel processing using multiple threads.In this paper,the code generation techniques for shared-memory parallel computers are presented.The compiler performs analyses to reduce the memory access to objects and the memory access on context switches.The implementation techniques include a lock-free buffering method for inter-processor communication and thread scheduling,a double function-frame representation method and a value-based suspension check method for intra-thread scheduling,and an weighted counting method for synchronization.The value-based check enables fast context switches with small overhead for an additional branch instruction per call.
著者
中野 俊樹 白川 仁
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

魚類を含む脊椎動物の成長は,成長ホルモン(GH)‐インシュリン様成長因子系により制御されている.しかしGH遺伝子組換え魚におけるその系にかかわる代謝産物の動態については不明な点が多い。本研究ではGH遺伝子組換えギンザケを用い、メタボローム解析により代謝産物を非組換え魚と比較した。組換え区の筋肉では解糖系のアクティビティーが変化していた。TCA回路では一部の代謝産物レベルが組換え区で変化していた。また肝臓ではそれらの様相が異なっていた。さらにそれらの変化は絶食により顕著となった。以上よりGH遺伝子の組換えは特に筋肉において高成長のためのエネルギーの生産を増大させていると推察される。
著者
宮下 政司
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

研究1より、中年の肥満男性において、身体活動指針が推奨する最低限の運動量での一過性の30分の自転車漕ぎ運動は、食後毛細血管中性脂肪濃度を低減させることを明らかにした。この結果より、運動を定期的に行い習慣となれば、心血管疾患の予防のための運動療法となり得ることを示唆した。研究2より、食後毛細血管中性脂肪濃度は、非活動群と比較し、活動群で低値を示した。この結果より、急性的な身体活動による影響とは区別した習慣的な身体活動による食後中性脂肪の低減効果を明らかにした。
著者
鶴岡 慶雅
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.900-904, 2003-09-15
被引用文献数
1
著者
myrmecoleon著
出版者
Paradoxical Library
巻号頁・発行日
2010
著者
入江準二
雑誌
内分泌外科
巻号頁・発行日
vol.14, pp.185-189, 1997
被引用文献数
1
著者
石田 孝夫
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.523-528, 1998

私は青年海外協力隊の隊員として2年間, ブータン王国の医療学校の図書室で司書として活動してきた。これはODA(政府開発援助)の一環となる国際協力である。ブータンはインドと中国の間にある小国で九州ほどの国土に60万人が住む, 世界の発展途上国の中でもさらに貧しい国のひとつである。国としての図書館政策をまだ持っておらず, 出版文化もほとんど存在しない。そこで関ったのはブータンのモデルとして図書館の管理, 運営と人材の養成, さらに学生たちに図書館の利用法を教えることであった。それは「図書館とは何か」という原点からのライブラリアンとしての再発見の活動でもあった。ブータンはいままさに近代化と図書館活動のスタートをきったところである。