著者
岩津 玲磨 鶴 秀生
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.205, 2008

屋内音響解析に用いられる時間領域音響計算法の改良を目的として、シンプレティック積分法と最適化コンパクト差分法を1次元、2次元ベンチマーク問題に適用、既存法、他の方法と比較した結果を報告する。 シンプレティック積分法はルース、吉田、サンセルナによる公式を使用してガウシアンの移流問題を計算した。ベンチマークの結果によると、屋内音響計算が対象とする分解能領域では3段階3次ルース法が最も精度/計算コストの面で良好であると思われた。 コンパクト差分法は通常良く用いられる6次精度のものよりも係数を調整した最適化公式の方が若干良い成績を示した。境界公式はその性質から大幅な改良は見込めないが、係数調整の効果について報告する。 以上の現段階で最適であった方法の組み合わせによって2次元の波面反射、散乱などの問題を計算した結果と時間領域屋内音響計算の計算規模と精度などについて検討する。
著者
阿部 和広
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.16(2006-CE-083), pp.69-75, 2006-02-17

近年、教育用のプログラミング環境として注目されているスクイークについて、開発者のアラン・ケイ博士、その基となったダイナブックやスモールトークなどの思想的背景、オブジェクト指向やタイルプログラミングなどの特徴などについて解説する。また、特に科学リテラシ習得に向いているとされる点について説明する。
著者
師 茂樹
出版者
大法輪閣
雑誌
大法輪
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.53-55, 2018-10
著者
越沢 明
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.265-276, 1985-06-25 (Released:2010-06-15)
参考文献数
28

1937年の芦溝橋事件から1945年の敗戦までの間、中国大陸の一部は日本軍の占領下にあった。この時期、華北の現地政府 (曰本のカイライ政権) には、日本の内務省・地方庁より大量の土木技術者が派遣され、占領地の土木事業に従事した。なかでも北京では増加する日本人を収容し、また都市住民のための軽工業を立地させるため、都市計画が立案され、西郊と東郊にそれぞれ新市街が建設された。この日本が立案、実施した北京都市計画は、近代都市計画理論 (住区構成、市街化禁止区域の設定等) を導入しながら、かつ北京という都城としての構成原理を尊重し、明解な軸線を有していた (東西軸は長安街の延伸、南北軸は万寿山を起点とする)。この日本による都市計画は、現在の北京の都市形態に大きな影響を与えている。
著者
飯塚 雄一 橋本 由里 飯塚 一裕 Yuichi IIZUKA Yuri HASHIMOTO Kazuhiro IIZUKA
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.1-11, 2011-12-26

実際の生活場面で相互に恋愛的好意感情をもっている者同士(DC群)と未知の者同士(UP群)の自然な会話場面における視線行動をVTRに収録し、観察者が行動分析器により直視量を測定した。実験計画は二者関係(交際中、初対面)と性を独立変数とする2要因の被験者間計画である。被験者は、交際中の男女学生18組と初対面の男女学生20組、計76名である。実験終了後、DC群にRubinの恋愛感情尺度を実施した。その結果、交際中の男女は相互に恋愛的好意感情をもっていることが確認された。また初対面男女についても、両者共、同様にほぼ中立的な感情をもっていることが確認された。分散分析の結果、UP群よりもDC群の男女の直視量が多いことが判明した。
著者
石元 泰子 小林 裕和 安倍 浩之 冨岡 貞治 寺本 裕之 田川 維之 柴田 知香 大藤 美佳 中島 あつこ 池田 勘一 藤川 大輔
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.480, 2003 (Released:2004-03-19)

【はじめに】打撃動作は、投球動作と同様に両下肢から体幹・両上肢へと全身の各関節が連動しながら遂行される。打撃動作のスキル向上を目的とするならば、障害予防だけではなく、打撃動作の運動特性を捉える必要があると考える。そこで今回我々は、2001年度より定期的に実施している高校野球チームに対するメディカルチェックの中から、打撃動作時のバットヘッドスピードと各関節の可動域との関係を検討し若干の知見が得られたので、考察を加えて報告する。【対象】某高校野球部に所属していた高校生32名(右打者30名・左打者2名)を対象とした。【方法】野球部員に対して実施したメディカルチェックの中から関節可動域測定値、三次元動作解析器による打撃動作解析結果を用い、分析した。 関節可動域は、肩関節外・内旋、肘関節屈曲・伸展、前腕回内・回外、SLR、長座位体前屈(以下FFD)、股関節屈曲・伸展・外・内旋、膝関節屈曲・伸展、足関節背屈、体幹回旋・屈曲・伸展を測定した。尚、肩関節外・内旋においては、肩関節基本肢位(以下1st)、90°外転位(以下2nd)、90°屈曲位(以下3rd)にてそれぞれ測定した。 動作解析には、三次元動作解析system(ヘンリージャパン株式会社製)を用いて、打撃動作を分析し、バットのヘッドスピードを算出した。 統計処理は各関節可動域測定値、三次元動作解析器による打撃動作解析の各項目とバットのヘッドスピードとの相関分析を行った。【結果および考察】 バットのヘッドスピードと左肩3rd外旋可動域(r=0.393)、右肩3rd内旋可動域(r=0.487)、左股関節屈曲(r=0.373)・外旋可動域(r=0.554)、右SLR(r=0.423)、左SLR(r=0.334)、右足関節背屈可動域(r=0.295)、両体幹回旋可動域(右回旋r=0.535・左回旋r=0.272)、体幹屈曲可動域(r=0.428)等との間にそれぞれ有意な相関関係が認められた。 以上の結果から、打撃動作のスキルを向上させるためには、打撃動作において運動学的に要求される関節可動域が確保されていること。また、例えば、左股関節外旋可動域は、打撃動作中に運動学的には要求されないが、硬化した内転・内旋筋よりも柔軟性に富んだ内転・内旋筋を確保しておくこと、つまり、測定項目の拮抗筋の柔軟性確保が重要であると推察できる。換言すれば、柔軟性に富んだ筋は、機能を発揮しやすいことを裏付けている。 本学会において更にデータ解析、考察を加え詳細について報告する。
著者
Shuji Matsumoto
出版者
The Medical Association of Nippon Medical School
雑誌
Journal of Nippon Medical School (ISSN:13454676)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.196-203, 2018-08-15 (Released:2018-09-27)
参考文献数
54
被引用文献数
37

Balneotherapy is a treatment with healing waters, which includes bathing and physiotherapy in thermal water, therapeutic drinks, medical massage, and water jet massage. It is based on the buoyancy, physical properties, temperature, and chemical effects of mineral water. Throughout European and Japanese medical institutions, balneology and hot spring therapy is very much a part of routine medical treatment. The mechanism of balneotherapy is not yet completely understood. Balneotherapeutic procedures are mainly performed for the prevention, treatment, and rehabilitation of musculoskeletal diseases, but they have also proven useful for various other indications such as for the treatment or rehabilitation of dermatological diseases, immuno-inflammatory diseases, chronic pain syndromes, chronic cardiac diseases, and metabolic syndromes or neurological diseases as well as in the rehabilitation of patients with psychiatric conditions. Balneotherapy works well in the case of muscle tension, as it is relieving and relaxing, and it may be associated with improvement of various diseases. However, further investigations are necessary to determine the effectiveness, safety, standard procedures, and potential side effects of balneotherapy.
著者
長谷川 由美 宮下 実
出版者
近畿大学生物理工学部
雑誌
近畿大学生物理工学部紀要 = Memoirs of the Faculty of Biology-Oriented Science and Technology of Kinki University (ISSN:13427202)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.43-53, 2015-09-01

[要旨]北米を原産地とするアライグマは今や日本全国に分布し特定外来生物にも指定されている. 日本に定着して50年を越えたが, ヨーロツパではその侵略の歴史はすでに80年の歴史を有する. わが国では生能系の撹乱, 農業被害, さらには各地の神社仏閣等での文化財被害など多くの問題をアライグマは引き起こしているが, これからのアライグマ防除を考えて行く上で, ヨーロッパでの侵略状況および現状, 対策等の先例を知ることは重要と考え, 本調査を行った. 1995年当時, 原産地以外でアライグマの生息が確認されていたのはヨーロッパではドイツ, ポーランド, オランダ, フランス, ロシアなど9力国に過ぎなかったが, 今回の調査ではアルプスを越えてスイス, イタリアヘの侵入, ドーバー海峡を渡って英国ヘの侵入, 東ヨーロッパでの分布拡大, バルト諸国, スカンディナヴィア半島への拡大と, 33カ国を調査した結果, 25カ国にも広がってアライグマが定着していることが判明した. [Abstract]Raccoons, native to North America, are distributed across Japan and designated as an invasive alien species now. Raccoons have also been an invasive species for over 80 years in Europe. They have colonized areas in Japan over 50 years and have caused ecological, agricultural and cultural property damage (to places such as shrines or temples). The reason we launched this research is that it is essential for raccoon control to study the European precedents, including the process of habitat invasion and also the current situation. In 1995, raccoons were found in only nine countries outside of their countries of origin, such as Germany, Poland, The Netherlands, France, and Russia et cetera, but this research found that they had expanded to 25 countries including Italy, and over the Alps to Switzerland, across the Straits of Dover to England, to the Baltic states, the Nordic and Eastern European countries, to a total of 33 nations.

4 0 0 0 OA 性霊集

著者
空海 著
出版者
森江佐七
巻号頁・発行日
vol.巻第5−7, 1893
著者
吉村 弓子
出版者
北海道言語研究会
雑誌
北海道言語文化研究 (ISSN:18826296)
巻号頁・発行日
no.8, pp.3-12, 2010

本稿は、豊橋技術科学大学工学部留学生を対象に豊かな人間性を育むことを目標として実践した、映画を用いた日本語授業の報告である。学生たちは映画の日本語を聞きとり、表情・心情や人間関係を読み取り、日本の文化・社会を理解し、母国の言語・文化・社会を再認識したことが明らかになった。特集 外国語教育
著者
今泉 智子 宮崎 圭子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.A75-A91, 2009-03-15

本研究では、近年の子どもたちの遊びの形態の変化を受け、(1)テレビゲームでもゲームソフトの内容によって、「遊び能力」、「社会的スキル」、「コーピング」発達に何らかの有益な影響があるのではないか、(2)ひとり遊びにおいて、「社会的スキル」、「コーピング」発達に何らかの有益な影響があるのではないか、を検討することを目的とした。小学4 ,5 ,6 年生を対象に調査研究を行った。まずひとり遊びに関する質問紙を作成し、主因子法、プロマックス回転による因子分析を行い、I.『主人公への共感性』、II.『ひとり遊びのコントロール能力』、III.『ひとり遊びへの新奇性追求』、IV.『ひとり遊びによるポジティブ効果』、V.『ひとり遊びによる非影響力』の5 因子を抽出し、ひとり遊び能力尺度を作成した。テレビゲームのタイプ別に分散分析を行い、「共感タイプ」には子どもたちの発達に有益となる特性があることが示唆された。また、遊び能力と社会的スキル、コーピングの因果関係の検討から、「社会的スキル」と「コーピング」の積極的コーピングには、ひとり遊び能力が有益な効果をもたらすということが明らかとなった。
著者
石井 健
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会 第41回日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
pp.S5-5, 2014 (Released:2014-08-26)

「よく効く」ワクチンには、必ずアジュバント、もしくは内因性のアジュバント成分が含まれており、宿主細胞に存在する自然免疫受容体によって認識され、その後の獲得免疫が誘導されることが明らかになってきており、アジュバント(因子)の分子メカニズムの免疫学的、細胞生物学的な理解が飛躍的に進歩しつつある。2011年度のノーベル医学生理学賞が、アジュバントの作用機序に関する自然免疫や樹状細胞研究に授与されたこともあり、基礎研究の裾野も広がってきている。2014年のKeystone Symposiaでは「The Modes of Action of Vaccine Adjuvants」という題目の会が開かれる予定である。また、アジュバントが必要とされるワクチンの臨床応用の対象は感染症の枠を超え、がん、アレルギー、アルツハイマー病など非感染性疾患に広がっており、その開発は世界的に競争が増している。 一方で、アジュバントを含むワクチンの副作用が問題になっている。このような状況において、ワクチンやアジュバントの有効性や副作用の評価方法、指標(バイオマーカー)の構築が切望されている。 我々は、各種アジュバントによる動物実験やヒトのサンプルを網羅的に解析した「アジュバントデータベース」を構築する準備を進めている。本研究では日本が「安全な」アジュバント開発研究で世界のトップに立つために、アジュバントの評価方法の指標 (バイオマーカー)の同定を目的としたアジュバントデータベースの構築、および新規アジュバント開発を行っている。これらのトランスレーショナルリサーチ、とくにマイクロRNAによるワクチンの副作用バイオマーカーの可能性を示唆する知見を発表したい。<最近の著書>“Biological DNA Sensor” Edited by Ken Ishii and Choon Kit Tang Elsevier“Nucleic Acids in Innate Immunity”Edited by Ishii KJ and Akira S CRC press「アジュバント開発研究の新展開」石井健、山西弘一編、CMC出版 2011<最近の代表論文> 1) Kobiyama K et al Nonagonistic Dectin-1 ligand transforms CpG into a multitask nanoparticulate TLR9 agonist PNAS 2014 in press 2) Desmet C and Ishii KJ Nucleic acid sensing at the interface between innate and adaptive immunity in vaccination Nat Rev Immunol 2012 12(7):479-91 3) Marichal T, et al DNA released from dying host cells mediates aluminum adjuvant activity. Nat Med. 2011 17(8):996-1002. 4) Koyama S et al Plasmacytoid dendritic cells delineate immunogenicity of influenza vaccine subtypes. Sci Transl Med. 2(25):25ra24. (2010) 5) Ishii,K.J. et al. TANK-binding kinase-1 delineates innate and adaptive immune responses to DNA vaccines. Nature 451, 725-729 (2008).
著者
小林 茉利奈 Myers 三恵 W. MYERS Michael 丸岡 靖史
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
Dental Medicine Research (ISSN:18820719)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.45-48, 2014-03-31 (Released:2014-07-31)
参考文献数
13
被引用文献数
1

歯科恐怖症患者は恐怖心により歯科治療が困難となり, 十分な治療を受けられない, 治療を拒否されるなど, 治療を諦める例も少なくない. そのため口腔内の健康が損なわれ, 生活のQOLが低下し大きな問題となっている. 当講座では地域歯科医院や院内から紹介された多くの歯科恐怖症患者に対して個々に適した方法で治療を行い, 患者より満足を得ている. しかし, 歯科恐怖症患者の治療には多くの時間とマンパワーを要するのが現状であり問題点も多い. そこで本稿では, 歯科恐怖症患者の治療の実態と問題点についてその概要を説明する.