著者
八板 謙一郎
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.106, no.11, pp.2326-2332, 2017-11-10 (Released:2018-11-10)
参考文献数
14

院内・術後の発熱は,感染症内科医が多く相談を受ける事象である.患者背景(術式,併存疾患等)を鑑みつつ,臓器毎(肺,尿路等)に考えていけば不明熱化することは多くない.このカテゴリーにはカテーテル関連菌血症・尿路感染症・院内肺炎といったよくみられるものから,デバイス感染や薬剤熱等,詳細な診察・カルテレビュー,画像検索を必要とするものまで存在する.また,診療に関わる主治医との交渉も重要な技術である.
著者
Masahiro Yamada Eiji Hosoi Hidetoshi B. Tamate Junco Nagata Shirow Tatsuzawa Hiroyuki Tado Shinobu Ozawa
出版者
THE MAMMAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
Mammal Study (ISSN:13434152)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.23-28, 2006 (Released:2006-07-08)
参考文献数
17
被引用文献数
22

Nucleotide sequences of sika deer (Cervus nippon) collected from the eastern part of Shikoku Island were investigated & compared with those from other areas. Nucleotide sequence of the whole D-loop region of the mitochondrial DNA was determined by direct sequencing technique for each sample. The phylogenetic tree constructed by the sequences indicates that sika deer from Shikoku Island are divided into two distinct lineages: the northern Japan group and the southern Japan group. Proportion of the northern Japan lineage was higher in the northeastern part of the sampling area. There was no border between the distribution of the two lineages, rather it seemed that their distribution intermingled. Besides, there were locations where both lineages were found within a small area. These results indicate that two lineages might be hybridized in some areas of eastern Shikoku.

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著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1904年11月25日, 1904-11-25
著者
木村 祐哉
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.357-362, 2009-05-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
35
被引用文献数
1

少子高齢化の進む現代の日本において,ペットは家族の一員として重要な存在となっている.そのようなペットの喪失によって強い悲嘆が生じうることは,「ペットロス」という言葉とともに知られるようになったが,十分な社会的理解が得られるには至っていない.本稿では,ペットロスに伴う悲嘆反応とそれに対する支援について諸文献から考察した.ペットロスは対象喪失の一種であり,親しい人物との死別の場合と同様の悲嘆のプロセスを経るとされる.専門的介入もまた有効であると考えられているが,安楽死の決定にかかわる罪悪感や,周囲との認識の違いによる孤独感など,ペットロスに特異的な状況が存在するということにも注意する必要がある.本稿ではさらに,日本におけるペットロスの現状について触れ,今後の研究に求められる課題を明らかにすることを試みた.
著者
天谷 雅行
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.29, no.5, pp.325-333, 2006 (Released:2006-10-31)
参考文献数
25
被引用文献数
1

デスモゾームは様々な組織の複雑な構築の形成,維持に重要な役割をしている.デスモゾームの膜構成蛋白として,カドヘリン型の細胞間接着因子デスモグレイン(Dsg)がある.Dsgは,4種のアイソフォームの存在が知られ,自己免疫,感染症,そして遺伝性疾患の標的蛋白あるいは原因遺伝子となっていることが明らかとなった.皮膚・粘膜に水疱,びらんを生じる天疱瘡は,Dsg1とDsg3に対するIgG自己抗体により生じる自己免疫性疾患である.近年,天疱瘡の一部の患者では,Dsg1/Dsg4交叉自己抗体が存在することも明らかにされた.ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)あるいは水疱性膿痂疹を起こす黄色ブドウ球菌産生外毒素(ET)は,Dsg1を特異的に切断するセリンプロテアーゼである.そして,SSSS罹患後に低いながらも抗Dsg1 IgG自己抗体の産生が確認された.DSG1遺伝子に変異があると線状掌蹠角化症となり,DSG4遺伝子に変異がある先天性貧毛症となる.なぜ,これだけ多くの皮膚疾患がDsgを標的としているのか明らかでない.しかし,Dsgを鍵として,感染症との接点から自己免疫の発症機序が解明されることが期待される.
著者
足立 剛 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.49-54, 2001
参考文献数
7

リズムゲームの多くは, 予め決められたリズムパターンとユーザのボタン拍打のズレを評価対象として利用している.本研究では, 正確な動作と自由な表現の評価を合わせ持ったリズムゲームの評価モデルの開発を目的とする.具体的には, 量的な情報を入力としてキレを含めた動きそのものを評価する機構と, リズム感を保ちながらも自由な表現を評価しうるモデルを構築した上で, ビジュアルプログラミング環境PureData上で実装を行う.作成したシステムでは, リズムに同期したダンスの評価がより直接的に行うことができるようになった.
著者
中屋敷 太一 金子 知適
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1-8, 2018-11-09

近年コンピュータ将棋プログラムは対局で人間のプロ棋士に勝利し,棋力は人間のプロ棋士を超えたと言われている.一方で,将棋プログラムによる将棋の局面の解説は,局面の勝率予測や次の指し手の予想ではある程度成功しているものの,それが何を根拠に決定されたかという内容を説明する手法はまだ確立されていない.もし将棋プログラムの判断の根拠を,プログラムが自動で,プログラムの利用者に説明することができれば,人間の棋力向上のサポートなどに用いることができ有用である.本稿では,画像分類を行うニューラルネットワークに対して考案された顕著性抽出手法を,将棋プログラムに用いられているニューラルネットワークに適用した.また,顕著性抽出手法は元の画像のどの部分に注目して判断したのかを可視化する技術であるが,可視化する際にいくつかの手法が考えられるため,本稿ではそれらの手法の差異を検討した.
著者
木村 澄
出版者
大日本農会
雑誌
農業 (ISSN:02880105)
巻号頁・発行日
no.1544, pp.25-35, 2011-03
著者
邉見 正和
出版者
海人社
雑誌
世界の艦船
巻号頁・発行日
no.590, pp.141-145, 2001-12
著者
小林 昭 鈴木 貴美 原 和弘 下元 泰治
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.35, pp.1-6, 1993-06-25 (Released:2017-10-06)

放射線環境下で使用される撮像デバイスにも高解像力が要求されるようになってきた。筆者らは、このニーズに応えるべく、2/3インチの耐放射線用MF(Mixe d Fie1d、MSと同義)高解像度カルニコン(製品No.N4182)を開発した。 N4182は、照射線量率で10^5R/hまで、総照射線量で10^8R以上まで信頼性の高いイメージングが可能である。また、この管は、高感度(0.15A/1x)、高解像度(走査面を6.6×8.8mm^2とした場合1150TV本)であるうえ、動作温度範囲が85℃まで、という優れた性能を持つものである。
著者
阿部 和夫
出版者
水利科学研究所
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.92-107, 2012

江戸時代末期の盛岡藩三本木原(現青森県十和田市)は,冷涼な風が吹き渡る不毛な所だった。この地が多くの人々が生きる豊かな大地と変わったのは,江戸時代末期~明治時代初期,盛岡藩士新渡戸傳が,奥入瀬川を水源に新田開発を行ったことによるものである。三本木原の用水開削事業が,その進展とともにどのような課題に出会い,またそれをどのように解決してきたかを検討した。
著者
一刈 良介 川野 圭祐 天目 隆平 大島 登志一 柴田 史久 田村 秀行
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.343-353, 2007
参考文献数
15
被引用文献数
16

In the pre-production process of filmmaking, PreViz, previsualizing the desired scene by CGI, is used as a new technique. In an alternative approach, mixed reality (MR) merges the real and virtual worlds to achieve real-time interaction between users and MR space. We propose MR-PreViz that utilized MR technology in PreViz. MR-PreViz makes it possible to merge the real background and the human and creature by CGI in open set and outdoor location. The user can consider the camera-work and camera blocking efficiently by using MR-PreViz. This paper introduces the basic concept of MR-PreViz, the design of main system, the software architecture, an authoring tool supporting selection of camera-work, and CWML (Camera-Work Markup Language) to describe camera-work.
著者
北島 恭代 齊藤 昌子
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.784-793, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
16

染織文化財を修復する際には,劣化,損傷した部分に別の布を当てて行われることが多く,修復される布と修復に用いる布の適合性が修復の出来映えを左右し,更に染織品のその後の寿命を左右する重要な要因となる.現在,補修布の選択は,修復を行う人が触感や経験から判断して行っており,客観的なデータに基づいた選択は行われていない. 本研究は被修復布と補修布の適合性を布の剛軟度の点から明らかにすることを目的とし,その第一段階として,染織文化財に使用されている布の剛軟度測定法(立ち曲げ法)を考案し,江戸時代以降の染織品に使用された絹布と染織文化財の修復に使用された絹布127 種の剛軟性を測定した.得られたデータをJIS L 1096 のハートループ法の結果と比較し,立ち曲げ法から得られたデータの有効性を確認した. 立ち曲げ法で測定した結果から,江戸時代の小袖裂と明治時代以降の着物裂,および修復用絹布の諸特性(厚さ,平面重,織密度,織組織)と剛軟性を定量的に明らかにした.その結果から江戸時代の小袖裂は,明治時代以降の着物裂に比べ薄地で軽く,軟らかい傾向にあることが分かった.