著者
高田 真吾 佐藤 聡 新城 靖 中井 央 板野 肯三
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1043-1052, 2009-03

企業や大学など多数のコンピュータが導入されている組織では,利用者に対する計算機利用の自由度を高く維持しつつ,稼動しているOS の種類とその最大稼動数を適切に管理する必要がある.本研究では認証デバイスを用いて,管理者により承認された複数のOSから適切なOSの起動と終了を制御できるシステムを提案する.提案システムの特徴は,OSの種類とは独立に,起動されるOSの数を把握するために認証デバイスを用いる点にある.利用者は,システム利用時に利用したいハードウェアに認証デバイスを挿入する.提案システムは,デバイスの挿入を検出するとハードウェアと認証デバイスの組合せにより,管理者が定めた起動すべきOSを決定し,起動する.認証デバイスが抜かれると,起動したOSを停止する.これらの動作は,制御対象のOSより下位に配置するOS制御レイヤにおいて行う.このOS制御レイヤを仮想計算機モニタXenを用いて実装し,動作実験を行い,提案システムの有効性を確認した.
著者
長 慎也
出版者
[出版者不明]
巻号頁・発行日
2005-04

制度:新 ; 文部省報告番号:甲2082号 ; 学位の種類:博士(情報科学) ; 授与年月日:2005/4/21 ; 早大学位記番号:新4050
著者
楠本 英隆
出版者
早稲田大学法学会
雑誌
早稲田法学 (ISSN:03890546)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.141-167, 1949-06-30
著者
池田 清治
巻号頁・発行日
2006-04-20

民法はすべての法律学の基本であるため、法学部では通常20単位程度の授業時間が割り当てられています。しかし、専門的な授業では詳細な講義がなされるため、返ってその全体像が分かりにくく、親しみづらいものとなってしまいます。そこで、「社会の認識」という全学向けのこの講義では、「民法の全体像」を把握するよう努めます。法学部のみなさんにとっては、今後の学習の道しるべになるでしょう。法学部以外のみなさんにとっては、法律学がいかなる思考枠組みを用いて「世界」を認識するものであるのか、その構造上の特徴が明らかになりますので、自身の専門分野における認識枠組みとの違いが分かり、法律学に対する興味をそそられるでしょう。 ですので、この授業では、民法を「体系的に」講義します。1回に1件、面白い事件を取り上げ、それを15回つなぎ合わせるなどといったものではなく、「学問的に」民法を教授します。しかし、親しみやすくなるよう、いろいろな事例を使って分かりやすく説明しますので、その点は安心してください。 高校までは、本当の意味で法律学を学ぶ機会はありませんでした。みなさんにとって、これがはじめての機会です。法律学とはどのような学問体系なのか、そこにはいかなる特徴があるのか、この問題にアプローチするには「民法の全体像」を把握することが有用かつ不可欠であり、そのような講義にしたいと思っています。
著者
川合 全弘
出版者
京都産業大学法学会
雑誌
産大法学 (ISSN:02863782)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.27-43, 2017-04

1.はじめに2.荒木俊馬と岩畔豪雄3.東京事務所長としての岩畔豪雄(以上50巻1・2号)4.世界問題研究所長としての岩畔豪雄 1) 無職の二十年 2) 研究所構想(以上本号) 3) 二冊の大著5.おわりに
著者
川合 全弘
出版者
京都産業大学法学会
雑誌
産大法学 = Sandai law review (ISSN:02863782)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.1-74, 2019-07

1.はじめに2.荒木俊馬と岩畔豪雄3.東京事務所長としての岩畔豪雄(以上50巻1・2号)4.世界問題研究所長としての岩畔豪雄 1)無職の二十年 2)研究所構想(以上51巻1号) 3)二冊の大著(以下本号) ①近代兵学史の課題と系譜 〈クラウゼヴィッツの絶対戦争概念〉 〈ルーデンドルフの全体戦争概念〉 〈石原莞爾の最終戦争概念〉 ②岩畔豪雄の虚無戦争概念5.おわりに

2 0 0 0 OA 法政と社会学

著者
宮永 孝
出版者
法政大学社会学部学会
雑誌
社会志林 (ISSN:13445952)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.216-50, 2017-07
著者
吉谷 かおる
出版者
北海道大学宗教学インド哲学研究室
雑誌
北大宗教学年報 (ISSN:24343617)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.38-41, 2019-08-31

宗教とかかわる女性の課題に取り組む活動の一端を報告するため、日本聖公会というキリスト教の団体に所属し、フェミニスト神学を学ぶ者として、今日教会の現場で議論になっている「結婚」をどうとらえるかという問題を取り上げたい。私は聖職ではなく一信徒であるが、日本聖公会の管区女性に関する課題の担当者(女性デスク)と神学教理委員会委員を務めている。英国国教会の流れを汲む教会、Anglican Churchを日本では聖公会と呼ぶ。カンタベリー大主教のいるカンタベリーの主教座との交わりをもつゆるやかな繋がりの教会をAnglican Communion と呼び、世界におよそ160か国、40の管区がある。日本は日本で1管区をなし、国内は11の教区に分かれている。分類上プロテスタントであるが、典礼はローマ・カトリックと近いかたちで行われている。女性デスクのポストは、Anglican Consultative Council(全聖公会中央協議会)による各管区への要請を受けて、日本聖公会では2006年に設置された。そのタスクは、女性のエンパワメントを目的とすることの企画・運営と、国内・国外の女性団体との連絡・調整である。日本聖公会では20年前に法規が改定され、女性の司祭按手が実現されたが、いまでもそれに反対するグループが活動を続けている。そうした中で女性の権利を中心にジェンダーの平等が求められてきたが、しだいに多様な性のありかたが強く意識されるようになり、最近では性的少数者についての講演会や学習会を開きたいという信徒の要望も増えている。
著者
坂下 明彦 朴 紅 申 錬鐵 禹 暎均
出版者
北海道大学院農学研究院
雑誌
北海道大学農經論叢 (ISSN:03855961)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.49-60, 2011-03-31

Pulmoo School is a Christian-based school that follows the Danish folk high school model. It is located in Hong Dong-Myeon, Hong Sung-Gun, Chung Cheong Nam-Do, Korea and aims to educate rural children.Pulmoo School was established in 1958 and regarded the surrounding areas as one community. Ever since that time, the school has been making efforts to build a community-based society through cooperatives. During its early years, the school set up a purchasing cooperative and a credit cooperative in this community.The former became Pulmoo Consumer Cooperative in 1980 and the latter became Pulmoo Credit Cooperative in 1972, with both of them eventually becoming regional cooperatives. In the 1980s, agricultural products were directly sold to the capital area through Pulmoo Consumer Living Cooperative on the back of the Japanese organic agriculture movement. In addition, rice-duck farming was introduced to produce organic rice in 1994. In the following few years, amid policy developments concerning organic agriculture, the scope of organic agriculture branched into vegetables and animal products, and even into the processing industry.This was a result of great organizational changes that had been taking place in the community: Pulmoo Consumer Living Cooperative changed into Agricultural Cooperative, while the Hong Dong-Myeon Agricultural Cooperative developed into a union. Furthermore, the Pulmoo Credit Cooperative started selling production equipment to peasant households. In addition, a peasant association aimed at promoting the direct marketing of agricultural products was set up. As a result, Hong Sung-Gun including Hong Dong-Myeon has been regarded as the Mecca of organic agriculture in Korea.
著者
櫻田 譲
出版者
北海道大学大学院経済学研究院
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.1-16, 2023-12-07
著者
小野寺 有
巻号頁・発行日
2009-03-25

乾燥地域において遊牧は,限られた資源(草,水)を持続的に利用しながら,家畜がもたらす利得を最大限に高める生業である.遊牧民は,高い移動性を維持し,家畜を複合的に放牧することにより,飼料となる草原植生の回復性や多様性を維持してきた.ここでは,降水や気温などの気象条件に応じて激しく変動する草原植生を適切に利用することが求められるが,その方法を誤れば遊牧の持続性は崩壊する.モンゴルでは1990 年代初頭の民主化以後,家畜管理(頭数,構成など)や土地利用(放牧地選定,移動頻度)が個人の裁量に委ねられるようになった.必然的に遊牧民が個人単位で利益を追求するようになり,草原は過剰な利用に晒されている.これに近年の乾燥化による草原生産力の低下も加担し,草原劣化さらには砂漠化に至ることが懸念されている.有効な対策を打ち立てるには,遊牧民の環境意識を知る必要がある.本研究で着目したのは以下の2 点である.1)遊牧の持続性が崩れつつある現状を,遊牧民はどのように受けとめているのか.2)彼らは将来の遊牧をどのように指向しているのか.モンゴルは北部から南部へと,森林-草原-砂漠に遷移する明瞭なエコトーン帯に位置する.これらの植生帯で生活する遊牧民から,家畜構成,土地利用,自然環境の変化,ヤギと草原劣化との因果関係などを,事前に作成した質問項目に沿って聞き取った.聞き取りの最後に,近年の草原劣化と,気温や植生変移の将来予測を簡単に紹介し,それらに対する自由な意見を求めた.2007 年と2008 年の夏季3 カ月間に調査を実施し,合計161 人の遊牧民から回答を得た.近年の草原劣化(砂漠化)を回答者の約9 割が実感しており,その原因についての認識は森林-草原-砂漠ごとに特徴がみられた.砂漠地域では降水量の減少や井戸の枯渇など水に係わる意見が,草原地域では過放牧などの不適切な土地利用に係わる意見が多く聞かれた.一方で,森林地域では草原の植生が比較的豊かであるため,草原劣化を実感している遊牧民は他の地域よりも少なかった.いずれの地域でも,降水量の経年減少を指摘する遊牧民が多かったが,この結果は,現地の気象観測データと符合していた.普段,気象観測データに接することのない遊牧民が,身近な生活環境の変化として気候変動を実感していることは注目に値する.今後の砂漠化対策として,多くの遊牧民は植林活動や新たな井戸の設置を望んでいる.こうした彼らの思考は,モンゴルの草原劣化に関する科学的な知見や,実践されている対策と類似している.また,家畜頭数(特にヤギ)抑制の必要性を指摘する意見も多かった.しかし近年,市場へのアクセスの良い首都ウランバートル近郊や,中国との国境付近で,高価なカシミアのとれるヤギが増加している.これらの地域では,ヤギが草原の持続性を低下させること(草の根まで食べる,機敏な行動力など)が多くの先行研究で指摘されているにも関わらず,ヤギ頭数を増やす遊牧民が多い.草原へ与える負荷が多大であると知りつつも,自己利益を優先するという彼らの葛藤がうかがえる.
著者
草野 原々
出版者
北海道大学大学院文学研究院応用倫理・応用哲学研究教育センター
雑誌
応用倫理 (ISSN:18830110)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.34-44, 2022-06-30

本稿の目的は、ソーシャルロボットの倫理問題に対して、フィクションの哲学を使ったアプローチを提案することにある。第一部では、われわれがロボットを、社会的関係を結ぶことのできる社会的存在者として見なしているという事実を確認し、そこに倫理的問題が秘められていること、また、その問題がフィクションについて論じられてきた問題と類似していることを論ずる。第二部では、ロボットとわれわれとのあいだの社会的関わりを広い意味での「フィクション」とする「フィクション論的アプローチ」を提案する。先行研究であるRodogno(2016)と水上(2020)を確認し、水上はウォルトンのメイクビリーブ説を採用しているが、それは記述的には正しくないことを指摘する。第三部では、フィクションにかかわる情動を分析した「フィクションのパラドクス」を利用し、ソーシャルロボットにかかわる情動についてのトリレンマとなる「ソーシャルロボットのパラドクス」を提案する。そして、その分析からソーシャルロボットとの社会的関係をフィクションと見なしたときに生ずる倫理的問題を考察する。最後に、ソーシャルロボットの倫理的問題に関して、美学的観点から新しい光を投げかける。すなわち、社会的存在者としてのソーシャルロボットをフィクションと見なすべき美的規範があるのではないかという新たなアプローチを唱える。