著者
板垣 文雄 工藤 千恵 片桐 幸子 忍足 鉄太 高橋 秀依 夏苅 英昭 渡邊 真知子
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.9, pp.521-527, 2013-09-10 (Released:2014-09-10)
参考文献数
13
被引用文献数
4 4

After meropenem hydrate (MEPM) injection and amino acid infusions are mixed, the MEPM residual ratio sequentially decreases. This incompatibility is probably due to the nucleophilic attack on the β-lactam ring of MEPM by L-cysteine (L-Cys) present in the amino acid infusion. This study aims to identify the influence of L-Cys on the reaction between MEPM injection and amino acid infusions through an initial incompatibility test between MEPM and L-Cys at pH 4 to 8, followed by an incompatibility test between MEPM injection (MEPM plus additives) and 18 types of amino acid infusions. In the MEPM and L-Cys incompatibility test, as the pH increased, the MEPM decomposition speed was observed to increase after mixing of the two components. This reaction progressed as a secondary reaction, the linear relationship between pH and the logarithm of secondary reaction speed constant, k2, was established (ln k2 = 1.632 × pH - 15.631, r2 = 0.998). In the incompatibility test between MEPM injection and amino acid infusions, as the concentration of L-Cys increased, the MEPM residual ratio was observed to decrease. At 10 and 30 minutes after the mixture of components, a strong correlation was observed between the estimated MEPM residual ratio from the reaction velocity and the measured value (10 minutes: r2 = 0.985, RMSE: 5.44%; 30 minutes: r2 = 0.986,RMSE: 4.55%). The results above indicate that the residual ratio of MEPM obtained through the L-Cys incompatibility test matches the measured residual ratio of MEPM using the MEPM injection and amino acid infusions. Therefore, L-Cys has been identified as the main cause of incompatibility between MEPM injection and amino acid infusions.
著者
三浦 尚子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

<b>1.問題の所在</b><br>&nbsp; 現在の社会政策は,社会経済構造の変容に伴って生じた諸問題の解決を「社会的包摂social inclusion」に希求している。政策立案にかかわる宮本(2013)によれば,社会的包摂とは,排除された人々の単なる保護ではなく,その社会参加と経済的自立の実現を重視する概念である。ただし宮本の推奨する社会的包摂は,市場労働を意味する雇用を中心に,家族,教育等を周辺に位置づけており,雇用中心の政策基調であることに変わりはない。<br>&nbsp; しかしアーレント(2015)の『活動的生』に依拠すれば,労働は人間の根本活動の一つであり,ほかの根本活動である制作や行為(活動)に対して優位な概念ではない。むしろ,人間の複数性を前提とし言論と不可分である行為(活動)にこそ,最も価値の高い活動力とする。<br> そこで本発表では,「地域」で生活する精神障害者の日常的な諸活動を通して展開される社会的包摂の過程を,当事者の「ケア空間」(三浦2016)の活用に注目して検討する。研究対象は,東京都R自治体の精神障害者通過型グループホームを利用し,「ケア空間」の形成に一役を担った元入居者17名とする。障害の程度は,障害支援区分認定調査で区分2から区分3と判定された者が多い。確定診断は統合失調症が最も多く,次に(大)うつ病,アスペルガー障害,認知症,境界例パーソナリティ障害,薬物依存,てんかん等が挙げられる。東京都R自治体は,精神保健福祉の先進事例地域である。調査方法は,非構造化インタビュー調査と参与観察を併用し,期間は2015年12月から断続的に実施した。<br><b>2. 被調査者の日常的な諸活動を通じた「ケア空間」の形成</b>&nbsp;&nbsp;<br> 調査の結果,被調査者の日中の活動先としては作業所が目立ち,「地域生活」が「病院の外の場全般ではなく,作業所だとかそんな場」(立岩2013)であることが示された。被調査者の語りによれば,「なんちゃってB」(三浦2013)を自称し,居場所的な役割を果たしてきた作業所では,職員の人事異動に伴い「ケア空間」の揺らぎが見られた。長期の通所者は就労と結婚を機にほぼ通所しない選択をしたが,まだ体力や精神力の面で不安を抱え他の作業所に活動の場を移せない者は,むしろ作業所内で「ケア空間」の復活を試み,他機関への相談等,孤軍奮闘している様子が見受けられた。また,別の作業所にて職員とのトラブルにより退所を余儀なくされた被調査者は,日中の活動先を失い「朝も昼もプラプラする」ことへの悲嘆と憤怒の表情を見せたが,衝動性を自制しその場にいた者との「ケア空間」が壊れないよう配慮していた。<br> 作業所以外にも,自宅近隣の店舗で店員に友人となるよう依頼する者や,アルバイト就労先で統合失調症と伝え,疾病や障害への理解を上司や同僚に求めながら勤務する者がいた。また一人で自宅にいるとうつ状態に陥る者は,通過型グループホームに日参して現入居者に食事を作る等自らケアする立場に立つことで,耐え凌いでいた。<br>&nbsp; 公的なサービス事業の利用のほか,ボランティア活動と専門学校通学で週7日すべてに日中の活動先があった事例は,自傷行為抑制のため被調査者自らが計画した生活スタイルであり,ケアする/される立場のバランスを取りながら,「地域で暮らす楽しみ」を見出していた。 &nbsp;被調査者は,個々別々の方法ではあるが,精神的な安定と居心地の良い場所の獲得に向け,当事者活動の一環として「ケア空間」の形成が試されている点が明らかとなった。<br><b>3. 雇用から活動中心の社会的包摂の実現に向けて<br></b>&nbsp; 本調査で得られた知見は,以下の通りである。(1)被調査者は,精神的に安定している場合はその維持のためにかなり活動的であったが,活動内容は労働に限定されず多種多様であった。(2)被調査者の活動には居場所の獲得が含意されており,通過型グループホームの経験を生かして専門の施設以外でも「ケア空間」の形成が試されていた。(3)活動先の「ケア空間」が脆弱化したとしても,東京都R自治体のメンタルヘルスケアのネットワークが機能して,(1),(2)の実現を後援していた。 <b><br>文献<br></b> アーレント,H.著,森 一郎訳2015.『活動的生』みすず書房. <br> 立岩真也2013.『造反有理-精神医療現代史へ』青土社. <br> 三浦尚子2013.障害者自立支援法への抵抗戦略-東京都U区の精神障害者旧共同作業所を事例として.地理学評論86:65-77. <br> 三浦尚子2016.精神障害者の地域ケアにおける通過型グループホームの役割-「ケア空間」の形成に注目して.人文地理68:1-21. <br> 宮本太郎2013.『社会的包摂の政治学-自立と承認をめぐる政治対抗』ミネルヴァ書房.
著者
鄭 一止 辻原 万規彦
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.569-576, 2019-10-25 (Released:2019-11-06)
参考文献数
19

郊外に立地する社宅街の場合、当企業が撤退すると同時に衰退するか、または住宅地として変容するのが一般的であり、これらを例にした関連研究は多く行われている。一方、熊本市健軍エリアにつくられた三菱重工業熊本航空機製作所の社宅街は、戦後すぐとも寮の跡地に店舗が立ち並ぶなど、店舗が集積する大きな商店街として成長した。工場の跡地には陸上自衛隊が駐屯し、近くに県庁も移転し、新しい需要も生まれたこともあり、1960年代から70年代にかけて商店街はピークとして繁盛した。本論文は、社宅街の形成史をまとめるとともに既存の都市基盤施設をもとに、健軍エリアが熊本市東部の中心地としてどのように成長したのかについて、土地利用の変遷に着目し、以下の点で明らかにした。 (1) 近代都市計画的な要素が多く反映された熊航と社宅街のまちづくり史をまとめた。(2) 戦時中に建設された都市基盤施設との関連に着目して、健軍エリアの戦後の変容過程をまとめた。(3) 戦後の社宅街を対象に、建物用途と街区の変遷を詳細に分析した。
著者
田村 藍 安 然 大西 裕子 石川 智久
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.130, no.4, pp.270-274, 2007 (Released:2007-10-12)
参考文献数
20
被引用文献数
2 3 1

「ポルフィリン」という名称は,古代紫(ポルフィラ)に由来する.古代紫という色は,紫草という多年草の根から染料として創り出された色で,日本の伝統色の中でも特別な意味を持っていた.特に平安時代には賛美され,高い位の象徴であると同時に,気品や風格,艶めかしさといった様々な美を体現していた.21世紀の今,ポルフィリン研究において,温故知新の新しい潮流が起きようとしている.ポルフィリンはヘモグロビン,ミオグロビンのほか,我々の体内細胞におけるチトクロムの補欠分子族ヘムの基本骨格であり,生命維持に不可欠な生体物質である.一方,ABC(ATP-Binding Cassette)遺伝子は,細菌から酵母,植物,哺乳類に至る広い生物種に分布して,多様な生理的役割を担っている.ヒトでは現在までに48種のABCトランスポーターが同定されており,それらはタンパク質の1次構造の特徴に基づいて7つのサブファミリー(AからG)に分類される.これまでの臨床的研究結果から,ヒトABCトランスポーター遺伝子の異常によって様々な疾患が引き起こされることが判明した.例えば,ABCC2(cMOAT/MRP2)の遺伝子変異はビリルビン抱合体の輸送障害を起こしDubin-Johnson症候群を引き起こす.さらに最近の研究によって,ヒトABCトランスポーターのうちABCB6,ABCG2,ABCC1,ABCC2がポルフィリン生合成やヘム代謝に密接に関与していることが明らかになった.ヒトABCトランスポーターの遺伝子多型や変異とポルフィリン症などの疾患との関連が示唆される.この総説では,当該分野での最新の知見を紹介しつつ,ポルフィリン生合成やヘム代謝におけるヒトABCトランスポーターの役割を議論する.

3 0 0 0 OA 墨水十二夜

著者
吉井勇 著
出版者
聚芳閣
巻号頁・発行日
1926

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1941年02月24日, 1941-02-24
著者
則武 良英 湯澤 正通
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.290-302, 2022-09-30 (Released:2022-10-20)
参考文献数
51

高テスト不安者は,試験中に心配思考が生起して成績低下が生じる。テスト不安が最も高まるのは中学2年生ごろの生徒であるが,中学生のテスト不安を緩和するための介入方法はない。本研究の目的は,短期構造化筆記を作成し,中学生のテスト不安と数学期末試験成績に及ぼす影響を調べることであった。研究1では,短期構造化筆記を作成し,予備調査として35名の中学生の日常不安を対象にした介入実験を行なった。その結果,中学生に対する高い適用可能性が示された。そこで研究2では,141名の中学生を対象に,実際の期末試験に対するテスト不安を対象に介入実験を行なった。その結果,本介入により中学生の多様な感情制御が促進され,テスト不安が緩和されたことが示された。さらに,数学期末試験成績に対する効果を調べた結果,高テスト不安中学生において不安減少量が大きい者ほど成績が高かったことが示された。本研究の結果をまとめると,本介入により中学生の感情制御が促進され,テスト不安が緩和されることで,数学期末試験成績の低下が緩和されたことが示された。今後は,介入によって生起する感情制御プロセスの更なる解明が望まれる。
著者
松本 勝美 滝本 洋司 正木 伸 中谷 進
出版者
The Japan Neurosurgical Society
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.491-494, 1986-06-15 (Released:2006-09-21)
参考文献数
31

A case of thrombosis of the dural sinus resulting in hydrocephalus is reported. This 60-year-old female had suffered from chronic right otitis media for 40 years. Recently she suddenly developed headache, vertigo and vomiting. The otitis media was treated surgically and with antibiotics. Thrombosis of the right sigmoid sinus was found at the time of operation. Headache persisted after the operation. Postoperative computed tomography (CT) scan showed ventricular dilatation and periventricular lucency. Cerebral angiography revealed stenosis of the superior sagittal sinus, the straight sinus, the right lateral sinus, and the right sigmoid sinus. After a ventriculo-peritoneal shunt operation, her symptoms and hydrocephalus were alleviated. It was suggested that hydrocephalus in this case was induced by sinus hypertension associated with dural sinus thrombosis secondary to recurrent otitis media. This phenomenon is known to occur usually in infants, but rarely in adults. Possible mechanisms accounting for the development of hydrocephalus secondary to sinus hypertension are discussed.
著者
天畠 大輔
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.27-41, 2021-02-28 (Released:2021-03-31)
参考文献数
26

身体とコミュニケーションの両方に障がいをもつ筆者にとって,文章作成は社会との繋がりをもつための重要な手段の一つである.本研究の目的は,その「発話困難な重度身体障がい者」である筆者の文章作成実態とはいかなるものかを明らかにすることである.そのため,メール作成調査を通じて筆者の文章作成過程における介助者との「あ,か,さ,た,な話法」を用いた相互行為を詳細に読み解く.分析の結果,筆者は介助者によって,メール文面を作成するプロセスを変えていることがわかった.つまり,介助者によって「何を書くか(What to do)」「どのように書くか(How to do)」が変容していることから,「誰とおこなうか(With who)」の重要性が示された.これは介助者による解釈や提案を引きだすための戦略であり,筆者の自己決定は従来の「強い主体」の障がい者像とは異なる「弱い主体」を選び取ることで成り立っていた.
著者
Sara E. Maloney Jeffrey B. Mecham Anthony J. Hickey
出版者
Hosokawa Powder Technology Foundation
雑誌
KONA Powder and Particle Journal (ISSN:02884534)
巻号頁・発行日
pp.2023013, (Released:2022-09-03)
参考文献数
65
被引用文献数
2

It is well established that the critical performance metrics for aerosol products are aerodynamic particle size distribution (APSD) and delivered dose uniformity (DDU). In broad terms, these performance characteristics dictate the efficiency and reproducibility with which an aerosol is administered clinically. However, these properties alone do not support in-vitro, in-vivo correlations. There have been numerous publications attempting to more directly link product performance testing to physiological relevance or further to draw direct correlations of relevance to bioequivalence testing for the development of generic products. While these novel methods have been employed in product development activity, their suitability for compendial testing has yet to be established. This paper explores the potential to establish biologically relevant compendial standards for dry powder inhaler products while maintaining accuracy and reproducibility of data collected to support the quality and performance of the product.
著者
佐々木 輝美 林 志修
出版者
NPO法人 日本シミュレーション&ゲーミング学会
雑誌
シミュレーション&ゲーミング (ISSN:13451499)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.53-59, 2018-11-30 (Released:2019-06-17)
参考文献数
15

本研究では,ゲームレーティングの客観的な基準を探った.その基準を明らかにするため,ゲームソフトのレーティングを行っているNPO法人のCEROが公表した一連の調査データの中の性表現,暴力表現,および反社会的行為表現に関するデータを利用し,次の3点を検討した.1)各々の表現項目がどの年齢にふさわしいかの判断について,保護者とゲームユーザーとの間に統計的に有意な差があるかどうか.2)有意な差がある場合は,なぜそのような差が生じるのか.そして,3)レーティングの客観的な基準を何に求めたらよいのか.その結果,1)保護者とゲームユーザーとの間には明らかな有意差が見られ,2)その理由として,保護者については第三者効果が,そしてゲームユーザーには脱感作効果が働いていることが推測された.そして,3)ゲームユーザーの中でも,女性ライトユーザーがバランスのとれた判断をしていることがわかり,客観的なレーティング基準として役立てることが提案された.
著者
早坂 一郎
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.154-156, 1953-01-30 (Released:2009-11-12)
参考文献数
1
著者
サイエンスポータル編集部
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
サイエンスウィンドウ (ISSN:18817807)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.20221602, 2022-10-21 (Released:2022-10-21)

世の中には科学技術があふれ、日々の暮らしを豊かにし、また自然界のことを知る喜びを与えてくれています。その発展によって、未来がより明るいものとなるよう、私たちは願っています。 「Science Window(サイエンスウィンドウ)」は、一人でも多くの方にとって科学技術が少しでも身近になるよう、分かりやすく楽しい情報を発信するウェブマガジンです。 【特集】ダイバーシティーで目指すもの 私たちは未来に向け、さまざまな課題を克服しながら 歩む必要があります。世の中のあらゆる人々が加わり、 互いを尊重し、多様な視点を活かすことは、豊かな 社会を築いていく新しい活力になりそうです。 【目次】 CHAPTER 01 イノベーション加速の原動力に《行木陽子さんインタビュー》 CHAPTER 02 障がい者の埋もれた能力を掘り起こそう CHAPTER 03 ポジティブな出産、適切な情報提供が後押し CHAPTER 04 人と生き物の関係を問い直す CHAPTER 05 世界で学んだコンビ、水中ドローンを開発 COLUMN 企業のダイバーシティー&インクルージョンを評価 ―独自指数で「何をすれば良いか」に挑むアワード― ※高解像度のPDFファイルを提供しています。「Science Portal」のお問い合わせフォーム(https://form.jst.go.jp/enquetes/inquire)よりご連絡ください。

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1949年03月29日, 1949-03-29
著者
中村 伸一
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.38-48, 2017-04-30 (Released:2018-06-18)
参考文献数
2

家族療法家である著者が,家族をどのようにとらえているかを述べ,家族療法の発生の歴史と基本的な特徴を紹介した.さらに適応疾患や問題行動を列挙した.さらに代表的な3つのモデルであるシステム論に基づいたコミュニケーションモデル,家族構造を把握し変化させる家族構造モデル,ジェノグラムを用いて家族の歴史を紐解くことで治療を行う多世代家族療法モデルについて実例をまじえながら述べた.
著者
Shogo DOFUKU Daisuke SATO Rika NAKAMURA Shotaro OGAWA Seiei TORAZAWA Masayuki SATO Takahiro OTA
出版者
The Japan Neurosurgical Society
雑誌
Neurologia medico-chirurgica (ISSN:04708105)
巻号頁・発行日
pp.2022-0164, (Released:2022-10-13)
参考文献数
30
被引用文献数
7

Middle meningeal artery embolization (MMAE) for chronic subdural hematoma (CSDH) is a novel, minimally invasive treatment. The indications and treatment practices for MMAE are variable and remain controversial. This study aimed to evaluate a strategy involving sequential MMAE after burr hole surgery for treating recurrent CSDH. We performed a retrospective analysis of data from consecutive patients who had undergone MMAE using liquid embolic agents within approximately 2 weeks after burr hole surgery for recurrent CSDH from September 2020 to March 2022. We analyzed patient characteristics, procedural details, CSDH recurrence after MMAE, surgical rescue, and complications. Six of the nine patients who underwent MMAE for CSDH recurrence were male, and the median age was 85 (range, 70-94) years. Five of the nine patients were being administered antithrombotic agents. The median duration between the burr hole surgery and MMAE procedure was 10 (range, 3-25) days. Anterior and posterior convexity branches were targeted for embolization using low-concentration N-butyl cyanoacrylate (NBCA), and the abnormal vascular networks with a cotton wool appearance disappeared after embolization in all cases. The NBCA distribution was observed by high-resolution computed tomography during the procedure; in three of nine cases, the NBCA penetrated not only the MMA but also the inner membrane. No recurrence, surgical rescue, or complications were observed in any patient during the median follow-up period of 3 months. As a minimally invasive treatment for recurrent CSDH, sequential MMAE after burr hole surgery may be a safe and effective option for preventing recurrence.