著者
長谷川 善和
出版者
朝日新聞社
雑誌
科学朝日 (ISSN:03684741)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.122-125,27〜29, 1970-04

3 0 0 0 OA 鎧話

著者
松原佐久 著
出版者
松原佐久
巻号頁・発行日
vol.坤, 1885
著者
尾崎 昭弘 今井 賢治 伊藤 和憲 向野 義人 白石 武昌 石崎 直人 竹田 太郎
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.779-792, 2006-11-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
39
被引用文献数
1

「耳鍼に関するこれまでの研究の展開」を主テーマとしてセミナーを行った。セミナーでは、近年の国内外の耳鍼の展開、作用機序や臨床効果のレビューを行い、知見を総括した。耳鍼による肥満の基礎研究では、耳介と視床下部-自律神経系の関連、耳鍼を受ける側の状態の違いに起因する個人差などが紹介された。さらに、作用機序では耳介の鍼刺激により白色脂肪組織 (WAT) に発現したレプチンが、末梢と中枢の両者に存在するレプチン受容体 (Ob-R) に結合して、摂食を抑制することなどが紹介された。耳鍼の臨床効果については、肥満に関する欧米の知見を中心に紹介された。しかし、欧米の論文のレビューでは共通した治療方法、評価指標などが乏しかったため、総合的な結論を下すには至らなかった。鎮痛効果や薬物依存では、臨床効果が期待されたが、禁煙では否定的であった。

3 0 0 0 OA 日本兵食史

著者
陸軍糧秣本廠 編纂
出版者
食糧協会
巻号頁・発行日
vol.下卷, 1942
著者
田中 大祐
出版者
一般社団法人 日本薬剤疫学会
雑誌
薬剤疫学 (ISSN:13420445)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.43-53, 2015-12-31 (Released:2016-02-04)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

ワクチンは人類史上で最大の公衆衛生上の成功の一つとされている.現在,予防接種は全世界で毎年250万人の子供の死亡を防いでいる.予防接種は,人の健康に関する権利の重要な要素の一つであり,個人,コミュニティ,そして政府の責任であるとも考えられている.各国における予防接種プログラムに使用されるワクチンは,適正に使用すれば概して安全かつ有効であると考えられる.しかし,他の医薬品と同様にゼロリスクではなく,予防接種後に副作用が生じる場合がある.このため,予防接種プログラムを成功させるためには,ファーマコビジランス活動を通じて,ワクチンのリスクとベネフィットのバランスを継続的に監視し,適切な情報提供を行うことにより,一般からの信頼を得ることが重要である.ワクチンをはじめとする医薬品は,リスクとベネフィットを正しく理解し,適正に使用されることにより,その価値を最大限に発揮することができる.ファーマコビジランスは世界保健機関 (World Health Organization: WHO) により「医薬品の有害な作用または医薬品に関連する諸問題の検出,評価,理解及び予防に関する科学と活動」と定義され,医薬品のリスクとベネフィットのバランスを正しく評価するために欠かせない存在である.WHO では,世界におけるワクチン接種率のさらなる向上を目指していると同時に,デング熱やマラリアなど新たなワクチンの開発にも乗り出している.また,先進国,途上国間でのワクチン接種開始ラグが減少しているとともに,様々な技術協力等により様々なワクチンが途上国でも製造されている.このため,ワクチンの接種率が増加し,新規のワクチンも含め,多種多様なワクチンが世界的に投与されるようになってきた.ワクチンのファーマコビジランスの重要性はますます増加し,ワクチンの安全性を確保するための様々な国際協力も積極的に行われてきている.このような状況の下,ワクチンのファーマコビジランスに関して,WHO の動きを中心としてグローバルな動きについて記載する.
著者
松島 喜雄 宇津木 充 高倉 伸一 山崎 雅 畑 真紀 橋本 武志 上嶋 誠
雑誌
日本地球惑星科学連合2019年大会
巻号頁・発行日
2019-03-14

阿蘇火山の地下構造を求める目的で、広帯域MT探査法による比抵抗構造調査をカルデラ内外で実施した。2015年に56測点、2016年に46測点でデータを取得し、それらの結果はHata et al. (2016,1018)で報告している。その後、それまで噴火活動により近接できなかった中岳第一火口周辺にて、2017年から2018年にかけて9測点で観測を行った。前回の報告では、中岳下から深度15km程度まで延びる円柱状の低比抵抗体が求められている。比抵抗値はもっとも低いところで1 Ω・m以下になり極めて低い。その一部は地震波トモグラフィーによって求められている低速度異常域(Sudo and kong 2001)と重なっている。また、深度15km以深のシル状地殻変動源(国土地理院、2004)や深部低周波地震(気象庁)に向かって延びているように見える。このことから、この低比抵抗体は深部のマグマ溜まりから中岳へ延びるマグマ供給系であると解釈されている。前回の解析では、深度2kmぐらいから浅部の構造が不明瞭であった。そこで、有史以来、頻繁に噴火活動を繰り返している中岳第一火口と低比抵抗体の関係を明らかにするべく、2015年のデータに第一火口周辺の9観測点を加え、あらためて3次元の比抵抗構造解析を行った。その際に、鉛直方向のグリッド形状を変更したため、地形を与え直した。インバージョンでは測定周期0.005から2380秒のうち、16周期を選択し、リモートリファレンス処理を行った4成分のMTインピーダンステンソルと2成分のティッパーベクトルを用いた。まず、インピーダンスとティッパーのエラーフロアをそれぞれ20、30%とし、RMS値の低い結果を初期値として、次にエラーフロアをそれぞれ5、10%としたイタレーションを10回行い、最もRMS値の低いものを最終結果とした。得られた結果をみると、低比抵抗体の最上部は中岳第一火口直下に位置している。また、その深度は海水準付近となり、2014年の噴出物のメルトインクルージョンの分析から推定されたマグマの深度の上限が海水準付近であること(Saito et al.,2018)と良い一致を示す。このことから、低比抵抗体は第一火口にマグマを供給する火道であると推測される。ただし、低比抵抗体の水平方向の幅は1km程とかなり厚く、火道の周囲に塩分濃度の濃い流体が存在しているのかもしれない。一方、第一火口から山腹にかけて、海水準から深度1km程度で数Ω・mの低比抵抗域が水平方向に広がっている。垂玉温泉付近の坑井のデータや、山麓での湧水の化学成分等を参考にすると、火道を中心として山体内に発達した熱水系を表しているようである。
著者
上川 寛子
出版者
鳥取大学附属中学校
雑誌
鳥取大学附属中学校研究紀要 (ISSN:24345997)
巻号頁・発行日
no.52, pp.13-18, 2021-03-01

平成29年に告示された中学校学習指導要領では「古典に親しむ」ことが各学年の指導事項に盛り込まれている。小学校から古典の学習に親しんできた生徒が古典の世界について新たな興味・関心を喚起し古典に親しむ態度を養うことが重要である。本実践では生徒個々が古典を自分に必要なもの自分と関わるものとして受け取ることが古典に親しむことにつながると考え古典の面白さ魅力を引き出す活動を探っていくことをねらいとした。事後アンケートからは文章の内容を様々な角度から考えていくことで見方が広がることに魅力を感じたり古文の中の考え方が現代にも通用することに面白さを感じたりする様子が見られ自分に関わるものとして捉えることで古典に親しむことができると考えられる。
著者
下川 裕太
出版者
埼玉大学社会調査研究センター
雑誌
政策と調査 (ISSN:2186411X)
巻号頁・発行日
no.16, pp.33-60, 2019

若者の低投票率対策として,不在者投票のPRがさかんに行われている。ところが,全国72 の自治体では,実家に住民票を置く下宿学生からの不在者投票申請を拒否しているという。地元の市町村長・議員選挙ならばともかく,国政選挙に際して自治体間で対応が異なるのはなぜか。加えて,同じ自治体内でも,国会議員や単身赴任者と下宿学生との間で扱いが違うのはなぜか。下宿学生である筆者は,住民基本台帳法および公職選挙法,施行令,逐次解説,そして各種判例などの検索・照合にとどまらず,自ら当該72 自治体へのアンケート調査を実施する。さらに,総務省へのヒアリング取材も試み,不条理の実態を探索し,その背景を検証する。最後に,試案の提示も行う。Absentee voting is actively promoted in an effort to improve low voter turnout among young people. However, seventy-two municipalities rejected absentee ballot applications from students who live on or near campus but whose family home is registered as their legal residence. Why do municipalities handle local mayoral and municipal council elections differently from national elections? Additionally, why is it that, even within the same municipality, National Diet members and business people living away from their families are treated differently from students living away from home?The author, a student living away from home, examined the Basic Resident Registration Act, the Public Offices Election Act, enforcement orders, legal commentary, and a wide variety of judicial precedents. In addition, the author conducted a questionnaire survey of the abovementioned seventy-two municipalities. The author will also attempt to conduct an interview at the Ministry of Internal Affairs and Communications, examine illogical cases, and identify the background issues. Finally, a tentative plan will be submitted.

3 0 0 0 OA 亜米利加見物

著者
八木与三郎 著
出版者
玄文社
巻号頁・発行日
1920
著者
石橋 治 阿波根 彩子 中村 正治 盛根 信也 平良 勝也 小倉 剛 仲地 学 川島 由次 仲田 正
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.35-41, 2006 (Released:2018-05-04)
参考文献数
43
被引用文献数
1 3

沖縄島北部において捕獲されたジャワマングース(Herpestes javanicus)133頭およびクマネズミ(Rattus rattus)54頭のレプトスピラ(Leptospira spp.)の保有調査を実施した。その結果,ジャワマングースにおけるレプトスピラの分離率は30.1%であり,クマネズミでは20.4%であった。ジャワマングースから分離したレプトスピラは,抗血清を用いた凝集試験およびflaB遺伝子配列に基づく種の同定により,33株がLeptospira sp.血清群Hebdomadis,内14株はL. interrogans,5株がL. sp.血清型Javanicaおよび2株がL. interrogans血清群Autumnalisと推定された。これまでにも沖縄島のジャワマングースから血清型HebdomadisとAutumnalisは分離されているが,血清型Javanicaを分離したのは今回が初めてである。クマネズミから分離されたレプトスピラは,11株すべてがLeptospira sp.血清型Javanica,内1株がLeptospira borgpetersenii血清型Javanicaと推定された。沖縄島北部のヒトにおける抗体調査では,血清群Hebdomadisに対する抗体の保有率が高く,また,近年この地域から血清型Hebdomadisに感染した事例が報告されている。これらのことから,沖縄島北部において,ジャワマングースがヒトへのレプトスピラの感染環の一端をになっていることが示唆され,クマネズミはマングースへのレプトスピラ媒介動物であることが推察された。
著者
菅原 和孝 藤田 隆則 細馬 宏通
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.70, no.2, pp.182-205, 2005-09-30

民俗芸能の伝承を身体資源の配分過程として捉え、静岡県水窪町の西浦田楽における世襲制の変容を解明する。また、次世代への継承を実現する場としての練習に注目し、そのやりとりの特質を分析する。西浦田楽の核となるのは毎年旧暦1月18日に挙行される「観音様のお祭り」である。ここで奉納される舞は地能33演目、はね能11演目(うるう年は12演目)である。地能は能衆と呼ばれる24戸の家に固定した役として割りあてられ、父から長男へ世襲によって継承されてきた。200年以上の歴史をもつこの制度は、昭和40年代初頭から農村の過疎化により崩壊の危機に直面した。14戸に減少した能衆組織内で役の大幅な再配分が行われたが、とくに本来は役を持たなかったにもかかわらず技能に秀でた成員に、多くの役が負わされた。演者の固定しないはね能において身体技法の功拙が競われてきたことが、こうした再配分を可能にした。近年、はね能に関与している家のすべては、父と長男の二世代が田楽に参加しており、継承が急速に進行している。練習場面では、太鼓および練習場の物理的構造という資源を最大限活用する教示と習得の工夫が発達している。初心者(「若い衆」)の所作・身振り・動作を継年的に観察すると、困惑や依存から納得への明瞭な推移がみられる反面、年長者によって開示される知識が断片的で不透明であることからくる混乱も顕著であった。祭り前の集中的な練習によってある地能の舞いかたが若い衆に促成で植えつけられたことは、継承を急激に進めようとする年長者たちの決意を示すものであった。これらの分析結果に基づき、正統的周辺参加理論、および民俗芸能において「身体技法的側面」が突出するプロセスに関する福島真人の理論の適用可能性を検討するとともに、練習場面にみられる「楽しさ」を分析する展望を探る。