著者
Yanin V.L. 松木 栄三
出版者
木簡学会
雑誌
木簡研究 (ISSN:09122060)
巻号頁・発行日
no.18, pp.197-226, 1996
著者
郭 麗娟
出版者
一般社団法人 日本家政学会家族関係学部会
雑誌
家族関係学 (ISSN:09154752)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.61-73, 2016 (Released:2019-08-08)
参考文献数
26

This paper explores marriage expectations and conflicts of highly-educated single women by focusing on the relation between marriage and other life events.  Through the interviews of 31 highly educated single women living in Shimane Prefecture, Tokyo and those who moved from the countryside to Tokyo, the following two points are revealed. (1) The marriage expectations and conflicts are influenced by incomes. Regular employees want to have double income after getting married. Low-income interviewees from Shimane Prefecture had strong expectations of their future marriage partner. But they also want to work part-time to support the family after getting married. Among the high-income groups from Tokyo, some of them think there is no need to get married. Some others want to get married because they had been fully satisfied with their career. Some others cannot see the prospect of work and want to give up by getting married. However, male partners would not like to get married with high-income women. (2) The marriage expectations and conflicts are influenced by the living area. Interviewees who are living in their hometown want to get married in the same place. They hope to receive some support from their parents and continue their career afterward. Those who moved from the countryside to Tokyo succeeded in their career. But not having any support from their parents may influence the possibility of them carrying on working.  As a result, the de-standardization of the post-adolescence transition has been found in the high-income and low-income groups. The rest are expecting a standardized marriage and do not have so much expectations and conflicts.
著者
佐藤 拓也 梁 英樹 吉田 一成 山下 由紀
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.9, pp.2439-2443, 2010 (Released:2011-04-01)
参考文献数
12
被引用文献数
2

発症原因の異なる上腸間膜動脈症候群2例に対して十二指腸空腸吻合術を施行した.症例1:66歳,男性.3年ほど前より繰り返す嘔吐,腹痛,体重減少で来院.上部消化管造影検査と腹部造影CTで高度の胃拡張と十二指腸水平部の狭窄を認め上腸間膜動脈症候群と診断した.病悩期間が長いため手術の適応と考え十二指腸空腸吻合術を施行した.術後経過は良好であった.症例2:77歳,男性.30年前に直腸癌に対して前方切除術を施行されている.今回2型横行結腸癌に対して左結腸切除術施行.術後9日目に嘔吐出現.上部消化管造影検査,腹部CTにて上腸間膜動脈症候群と診断.保存的治療で改善傾向なく,術後21日目に十二指腸空腸吻合術施行.再手術後の経過は良好であった.発症原因として症例1は体重減少による十二指腸周囲脂肪織減少が,症例2は前方切除後の左結腸切除術により上腸間膜根部の過伸展に伴ってSMAが尾側に偏位したことが考えられた.
著者
田中 健一郎
出版者
熊本大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

私は多くの疾患の原因が活性酸素による組織傷害であることに着目し、活性酸素を消去するストレスタンパク質、SODに注目した。私は、SODにリン脂質を結合させその組織親和性と血中安定性を向上させたDDS製剤・PC-SODを開発し、この薬が炎症性腸疾患、肺線維症、COPDの動物モデルで予防・治療効果を発揮することを見出した。
著者
金 〓和
出版者
日本マス・コミュニケーション学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
no.78, pp.169-188, 2011-01-31

A postcard nowadays is perceived self-evident as a private communication tool; however, it was once "a new medium" in the past. This paper explores a postcard from a historical viewpoint to reconsider it as a medium. Paying attention to socio-cultural factors surrounding the establishment of postal service system in Japanese modernization process, it will closely look into "Hagaki Bungaku" (in Japanese, the title literally means "postcard literature"), a popular magazine specializing in a picture postcard hobby. The main discussion is about its readers' active contribution as well as its editorial policy during the Russo-Japanese War period which is said to be the heyday of picture postcards. In this paper, the concept of hagaki bungaku, which in fact suggested writing "short literature on a postcard", will be investigated in relation to material characteristics of picture postcards. Meanwhile, the "postcard literature" written by the magazine's readers will be examined in terms of cultural practices, linking with the socio-cultural aspects of Meiji era. Finally, this paper summarizes "a postcard as literature" as "a possible pattern" of postcards as a medium, indicating that the framework achieved from historical approach of media will be also efficient in understanding contemporary media phenomena.
著者
高橋 信博 Nobuhiro Takahashi
雑誌
東北大学歯学雑誌 = Tohoku University dental journal (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.18-32, 2002-06-01

歯科の二大細菌性疾患, う蝕と歯周病の発症と進行に関わる最大の病原因子は歯垢である。とりわけ, う蝕原性細菌としてのミュータンス・レンサ球菌, 歯周病原性細菌としてのPorphyromonas gingivalisについては多くの研究がなされてきた。しかし, 歯垢中のこれらの病原性細菌の割合は高くはなく, むしろ, 病状の進行とともに歯垢内環境が変化し, その結果として徐々に病原1生細菌が増加することを示唆している。筆者らは, 歯垢を歯垢細菌と歯垢環境が相互に影響し合う関係の総体(歯垢生態系dental pIaque ecosystem)として捉え, 歯垢生態系を構成する細菌の生態, とくにその代謝活性とそれに伴う病原性の発現について生化学的に検討してきた。その結果, 歯肉縁上歯垢生態系では糖の供給と糖代謝に伴う歯垢環境の嫌気的酸性化が, 歯肉縁下歯垢生態系では歯肉溝浸出液からのタンパク質・ペプチド・アミノ酸の供給とその代謝に伴う歯垢環境の嫌気的中性化が, それぞれの歯垢生態系を特徴づける因子であると考えられた。さらにこれら生態系に生息する細菌の代謝活性が, それぞれの歯垢生態系のう蝕病原性と歯周病原性の発現に直接関係していることが明らかになった。我々は無菌動物にはなれず「如何にパラサイトと共存してゆくか」が重要である。口腔からはじまる消化管細菌生態系をコントロールするためには, その環境と細菌叢を構成する個々の細菌の生態, すなわち生態系の理解が不可欠である。
著者
井原 義尚
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.216-224, 1994-03-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
21

慢性気管支炎等の慢性閉塞性肺疾患を有する毒ガス傷害者のうち72例について, 胸部X線像, 肺機能検査所見, 喀痰性状を解析し, 病像の経時的変化の検討を行った. 胸部X線所見別にみると, 炎症性変化群に比べ, 気腫性変化群において, また慢性気管支炎の臨床分類別にみると, 単純型, 感染型に比べ, 閉塞型, 感染閉塞型において, FEV1.0は有意に減少した. 次に72例を含め計93例について, 肺野CT所見の検討を行った. 肺野CT%(1-E) 値は, 胸部X線上, 正常群, 炎症性変化群に比し, 気腫性変化群において有意に低下し, FEV1.0, FEV1.0%, V50/V25との間に正の相関を認めた. 従来, 毒ガス傷害による慢性気管支炎の特徴は, 炎症の優位性と病像の多彩さにあるとされてきたが, 今回の結果から, 長期生存例における増悪群の特徴は, 気腫性変化に伴う閉塞性換気障害の進行にあると考えられた.
著者
中村 太一 土肥 拓生
出版者
国立情報学研究所
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2018-06-29

本研究は,アジャイル開発のチームメンバ,プロダクトオーナーおよびファシリテーター に求められるマネジメントスキルを修得するため,開発プロセスにおいて実行されるプラクティスを疑似体験するロールプレイ演習システムを開発する.具体的には、(1) アジャイル開発プロセスで生み出す価値の量をシミュレーションにより算出するため,システムダイナミックスモデルと待ち行列ネットワークモデルを組み合わせたアジャイル開発プロセスモデルを構築し,(2) アジャイル開発で生み出される価値の量を定量的に算出するために、アジャイル開発プロセスにてより多くの価値を生み出すために実行されるプラクティスと開発プロセスの生産性を低下させる要因の関係を定式化し,(3) 正統的周辺参加の学習論に基づき,開発業務という文脈の中で学習者がアジャイル開発のマネジメント知識の定着を図るロールプレイ演習シナリオを開発する.2107年10月,PMI(Project Management Institute)からPMBOK; Guide Sixth Edition とAgile Practice Guideが刊行され,顧客の要求が確定している下で費用とリリース時期を遵守するマネジメントと顧客が求める価値を繰り返し提供し続けるアジャイル開発のマネジメントの関係が記述されているが、二つのマネジメントの使い分けについて確定した知見はない.このような状況に鑑み、本研究の成果を実装したロールプレイ演習で、学習者個々人が開発実務においてアジャイル開発と伝統的な開発のマネジメントを使い分ける能力を涵養できる学習環境を提供する意義は大きい.
著者
元森 絵里子
出版者
The Kantoh Sociological Society
雑誌
年報社会学論集 (ISSN:09194363)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.25, pp.168-179, 2012-09-10 (Released:2015-06-12)
参考文献数
30
被引用文献数
1 2

“Karo-Jisatsu” (suicide induced by overwork) has often been connected to criticisms of Japanese society for its self-sacrificing labor culture and merciless economics. This argument merely repeats the legal and critical discourse of “Karo-Jisatsu” and voids the legal fiction of individuals with a responsibility to be critical of society. Moreover, at the level of practice, neither the cancelling of the fiction nor the issue of social criticism has been pursued. Contrary to the previous seemingly “sociological” explanations, our society neither operates strictly nor abandons easily the modern fiction of “intention”. The sociology of suicide should illuminate the various aspects of the fiction in our society.
著者
小原 敦美
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

情報、システム科学分野のさまざまな問題が、正定値対称行列あるいはそのひとつの一般化である対称錐上の構造あるいは数理計画問題として定式化されるようになってきている。本研究は、対称錐と関連の深いJordan代数を道具として1.対称錐およびその部分集合の幾何構造や性質、特に情報幾何との関連、2.対称錐上の線形計画問題アルゴリズムの開発と解析3.これらの知見のシステム科学分野とくに制御理論への応用を目的としていた。これに対して研究実績としては1については、情報幾何で特徴的な双対接続のJordan代数による特徴付け(裏ページ発表論文3)、錐の特性関数のレベルセット上のダイバージェンスの性質(発表論文2)やアファイン幾何との関連(発表論文1)、また対称錐上の平均の定義と測地線との関連(発表論文4)などの成果が得られた。2については、1と関連して双対な接続に関して平坦の部分集合の重要性が明らかになっているが、計算量と曲率の明確な関係はまだ得られていない。部分的な結果は発表準備中であるが、今後の課題としたい。3については対称行列の正定値性を順序とする不等式、いわゆる線形行列不等式を用いた応用的な結果を得た。制御理論への応用として、発表論文5,6をあげておく。
著者
中村 和哉 奈良 一寛 野口 智紀 大城 哲也 古賀 秀徳
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.514-517, 2006-09-15 (Released:2007-09-29)
参考文献数
15
被引用文献数
6 12

ジャガイモおよびその加工食品(製品)に含まれるγ-アミノ酪酸(GABA)含量について検討した.(1)ジャガイモ22品種を用いて,総遊離アミノ酸含量およびGABA含量について比較したところ,総遊離アミノ酸含量には品種間差(239~819mg/100gFW)が認められた.また,GABA含量も品種間差が認められ,“インカレッド”で最も多かった(61mg/100gFW).(2)加工用品種である“トヨシロ”におけるアミノ酸組成について検討したところ,総遊離アミノ酸含量は,100g当たり416±100mgであり,GABAは総遊離アミノ酸含量の約7~8%を占めていた.さらに,全総遊離アミノ酸含量とGABA含量との間に正の相関(r=0.8048)が認められた.(3)ジャガイモを原料とした製品におけるGABA含量を分析したところ,ジャガイモを主原料とする製品では100g当たり約61mg認められた.一方で,ジャガイモを主体とし,小麦粉を配合した製品では約20mg, ジャガイモを含まない製品では数mgであり,製品に用いる原料の割合としてジャガイモが多いほどGABA含量が多くなると考えられた.
著者
松井 大輔 岡井 有佳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.501-506, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
9
被引用文献数
3

良好な景観や居住環境を維持・保全するため、近年、パチンコ店の立地に反対する住民運動が発生している。本研究は、阪神間の都市を対象に、特に芦屋市を中心として、自治体条例に基づくパチンコ店の立地規制の枠組と内容を明らかにし、他の市町村におけるパチンコ店の立地規制の検討に示唆を得ることを目的とする。パチンコ店は、特定の用途地域を禁止区域に指定することと、特定施設から一定距離内の範囲を禁止区域に指定することによって規制されており、それらは風営法、建築基準法・都市計画法による規制のほか、自主条例によって定められている。芦屋市においては、さらに地区計画を用いることによって市全域でパチンコ店を規制していることが明らかとなった。パチンコ店の立地が望ましくない地域においては、これらを組み合わせることによって、パチンコ店を事前に規制することが望まれる。