著者
城 祐一郎 TACHI Yuichiro
出版者
昭和大学
巻号頁・発行日
2018

Showa Univ J Med Sci 30(1):27-33, 2018
著者
中尾 欣四郎 KWETUENDA Me ZANA Ndonton 冨永 裕之 知北 和久
出版者
北海道大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1990

安定な密度成層状態にある深湖で、深水層の熱エネルギ-や溶存成分がどのような機構で、表水層へ拡散・移流され、安定状態を保っているのか未だ不明である。深水層の擾乱機構を明らかにするため、世界有数の深湖であるアフリカ、リフトバレ-のキブ湖、タンガニ-カ湖を調査対象として選んだ。昨年度は9月〜10月に、主としてキブ湖について予備的調査を実施した。キブ湖は中央アフリカ、リフトバレ-の赤道地帯で、南緯2度、東経29度に位置する。流出河川のルジジ川は湖の南端から流出し、約150km下流のタンガニ-カ湖に注いでいる。湖は谷を横切る溶岩流より塞止められ、約1万年前に形成されたと云われている。塞止湖としての特徴はリアス式の湖岸線に示されている。湖面積は2,300km^2、湖を含む流域面積は7,300km^2で、最大水深485m、平均水深240mと落ち込みの激しい湖盆形状はリフト湖の特徴の一つである。タンガニ-カ湖畔のウビラ気象観測所における記録(1986年)によれば、年平均気温は24.7℃で、月平均気温の平均偏差は0.3℃で年較差の少ない熱帯性気候の特徴を示している。湖は水温構造から見て熱帯湖であり、表水層の深度は60〜90mで、この下面で、22.8℃〜22.9℃まで低下した水温は、これ以深では、湖底までゆるやかに上昇し、450m水深で、25.98℃を示している。なお、表水層下の深水層水温は経年的変動がほとんど認められず、極めて安定したメロミティック傾向を示している。湖の水質はC1^<ー1>、30〜68ppm、SO_4^<ー2>、2〜10ppmと著しく少く、Alkalinity(Na+K)は、表層水の630ppmから、底層水の3,200ppmと著しく高い。また、表面水のPH値は9.2の強アルカリ性を示し、他のアフリカ、リフト湖と同様にアルカリ営養湖の特性を示している。表水層下面から湖底へと水温が上昇しているにもかかわらず、安定した密度成層状態を保持している最大の要因は、深水層に溶存する二酸化炭素(CO^2)とメタン(CH_4)の存在である。ただ、両ガスともに、深水層の水圧下では不飽和状態にあり、溶解度は30%を越えない。予備調査で試作された圧力型特殊採水器により採水された深水層(水深400m)では、常圧下で試水(2.19l)の約2倍の二酸化炭素およびメタンの混合ガス(4.05l)が発泡した。混合ガスの存在比は、二酸化炭素が74%、メタンガス、18%であった。万一、深水層の水塊が表水層に上昇することになれば、発泡した気泡の上昇により、連鎖反応的で急激な湖面からのガス突出が起ることになる。この時、重い二酸化炭素ガスから成る無酸素雲は下方に流れ下りニオス湖のガス突出のような重大災害が生じることになる。ただ、現状のガス溶解度では深水層の小擾乱が発泡を起す可能性は極めて少い。ただ、深水層の水圧下で二酸化炭素、メタンガスが飽和状態に達したとすれば、小擾乱で減圧による発泡が起り、ガス突出に至る。湖底から供給される二酸化炭素、メタンガスを表水層へ拡散、移流する機構が分子拡散と熱塩対流のみで行なわれているか否かを明らかにすることは深湖深水層の擾乱機構の研究のみならず、ガス突出予測においても肝要な点である。STDプロファイラ-により測定された水温、電気伝導度の鉛直分布を見みると、60〜90m以深の深水層において、活発な熱塩対流を示す水温分布の階段構造が見られる。湖の擾乱の著しい等温層は、厚いもので40mを越え、水深200mに達している。この拡散機構が火山活動の変化に伴う二酸化炭素供給変動を解消し、深水層におけるガス溶存量を安定に保っているのであろうか。1991年度のキブ湖本調査とともに、1992年度に実施するタンガニ-カ湖との比較研究が必要である。

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1920年07月10日, 1920-07-10
著者
遠藤 薫
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.2_8-2_16, 2012-02-01 (Released:2012-06-04)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1913年04月22日, 1913-04-22
著者
大塚 良治
出版者
湘北短期大学
雑誌
湘北紀要 = Journal of Shohoku College (ISSN:03859096)
巻号頁・発行日
no.39, pp.117-134, 2018-03-31

観光まちづくりの中で、公共施設として自治体が保有するプロ野球球場を核としたまちづくりによって交流人口の増加をはじめとする地域活性化に取り組む地域を事例として、企業会計的アプローチに基づく観光まちづくりの論理の解明を試みる。仮説「公共施設を活用した観光まちづくりへの企業会計手法の適用は、自治体と観光関係主体の戦略的提携に役立ち、観光誘客を導く」を検証するために、学術的設問として「公共施設を活用した観光まちづくりへの企業会計手法適用の論理とは何か」および「公共施設を活用した観光まちづくりへの企業会計手法の適用は、自治体と観光関係主体の戦略的提携に役立ち、観光誘客を導くか」を提示し、検証する。プロ野球球場は観光振興の視点も踏まえて、鉄道アクセス利便性確保を前提に、着地型観光と連動した地域活性化を実現するため、企業会計の観点を踏まえた観光関係主体との戦略的提携を締結することが、プロ野球・鉄道・地域の「三方よし」を実現することにつながると考えられる。そして、地方自治体は持続可能なまちをつくるためのビジョンを提示し、定住人口と交流人口の増加を図ることが求められる。
著者
竹辺 靖昭 美馬 秀樹 苫米地 英人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.87, pp.31-36, 2003-08-28

概要現在普及しているP2Pコンテンツ交換システムの多くでは,コンテンツの更新が考慮されておらず,検索機能も単純なものしか提供されていない.このため,テキストを含むコンテンツや,頻繁に更新されるコンテンツを対象とするのに適しているとは言い難い.我々が開発中のP2Pコンテンツ交換システムでは,中央サーバにおいてコンテンツのダウンロード先へのリンクを保持するデータ構造を採用し,それらのリンクを適切に管理することにより,更新されるコンテンツの改ざん防止および整合性の維持を行う.また,検索においては,クライアントでテキストの形態素解析を行い,中央サーバに転置インデックスを登録することにより分散処理による全文検索を実現する.本手法により,コンテンツ更新の頻繁なP2P環境においても,効率的かつ速やかに最新コンテンツへのアクセスが可能となる.本稿では,これらの手法を紹介するとともに,全文検索の負荷分散手法の予備的な実験結果を報告する.One problem with current P2P (peer-to-peer) systems is that the consistency between copied contents is not guaranteed. Also, the weakness of full-text search capability in most of the popular P2P systems hinders the scalability of P2P based content sharing systems. We proposed a new generation P2P content sharing systems in which the consistency of contents in the network is maintained after updates or modifications to contents are made. Links are maintained to downloaded contents from a server and updates and modifications to the contents can be immediately detected and hence reflected on the future P2P downloads. Natural language processing including morphological analysis is performed by the P2P clients distributedly and update of inverted index on the server is concurrently conducted to provide efficient full-text search. The scheme and a preliminary experimental result are reported.

3 0 0 0 OA 子規遺稿

著者
正岡子規 著
出版者
俳書堂
巻号頁・発行日
vol.第2編 子規小品文集, 1909
著者
岡野 友彦 永村 眞 漆原 徹
出版者
皇學館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、室町時代の幕府発給文書に焦点を絞り、古文書がその「もの」として有する料紙などの非文字列情報と、古文書の上に書かれた文字列情報との間に、どのような有機的関連性があるのかを検討した。具体的には透過光を用いた古文書の顕微鏡撮影などによって、不純物をきれいに除去した紙と不純物の残る紙、わざと米粉を入れた紙と入れなかった紙に大別できること、その二つの組み合わせから、4種類の料紙に分類できることを確定した。これら4種類の紙が、それぞれ文字列情報としてどのような古文書に使用されているかの確定にまでは至らなかったが、一定の見通しを得ることはできた。
著者
徐 有珍
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.71-87, 2011

本研究では,市民・行政職員・議員に対して地方行政資料サービスを行っている日野市立市政図書室のサービスを歴史的に検討・評価した。市政図書室は自治体の行政業務の支援と市民に対する情報公開の保障を目指し,地方行政資料サービスによる印刷刊行物の行政資料の提供はもちろん非現用や現用の行政文書の管理,保存システムにも関与してきた。その結果,現在市政図書室は,行政資料室や議会図書室としての役割を果たし,また日野市の情報公開政策の中では中心的な情報提供機関として位置づけられている。しかし,行政文書の管理と保存に図書館として関与することの限界も明らかになった。公文書館が設置されていない自治体における非現用文書の保存と公開に対し公共図書館がいかなる役割を果たすべきかという問題は,今後市政図書室が検討していかなければならない重要な一つの課題である。
著者
沢田 順弘 門脇 和也 藤代 祥子 今井 雅浩 兵頭 政幸
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.115, no.Supplement, pp.S51-S70, 2009 (Released:2012-01-26)
参考文献数
77
被引用文献数
2

山陰地方には主として玄武岩とデイサイトからなる第四紀火山が分布する.本見学旅行では,山陰中部の対照的な第四紀火山であるデイサイトからなる大山と,玄武岩からなる大根島-江島を見学する.大山は中国地方の最高峰,剣ヶ峰(1729 m)を主峰とする.火山活動は中期更新世(約100万年前)から始まり,1万7千年ほど前に終息している.一方,大根島-江島火山は宍道地溝帯中軸部において,19万年前に陸上で噴火した火山である.大山はデイサイト溶岩円頂丘や側火山,それらの周辺の火砕流や土石流堆積物,崩壊ないし崖錐堆積物,降下火山灰からなる.大根島は著しく粘性の低い玄武岩溶岩を主とする.給源の一つであるスコリア丘,天然記念物である溶岩トンネル,様々な形態の溶岩,火山地形,大山や三瓶山起源の広域テフラが観察できる.また,火山島の地下に普遍的に存在する淡水レンズを実感できる.