著者
窪田 薫 白井 厚太朗 杉原 奈央子 清家 弘治 棚部 一成 南 雅代 中村 俊夫 Kubota Kaoru Shirai Kotaro Sugihara-Murakami Naoko Seike Koji Tanabe Kazushige Minami Masayo Nakamura Toshio
出版者
名古屋大学宇宙地球環境研究所
雑誌
名古屋大学年代測定研究
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-6, 2018-03-31

Mercenaria stimpsoni (Stimpson's hard clam), found in shallow sandy seafloor of northeast Japan, has been proved to have longevity of more than 100 years, which is the longest record in Japan. The present study established nuclear bomb testing induced bomb-14C records from M. stimpsoni shells, for the first time in high latitude western North Pacific, in which chronology is robustly constrained from a synchronized annual growth width pattern among individuals. The record revealed a strong influence of Tsugaru Warm Current on shallow water of northeast Japan. Furthermore, age-determination of dead shells collected from the seafloor of the study region by utilizing the established bomb-14C records suggests that past tsunamis are one of the most important reasons of death of M. stimpsoni.東北日本(岩手県大槌)から見つかった二枚貝の一種ビノスガイ(Mercenaria stimpsoni)は100歳を超す寿命を持ち,日本産の二枚貝としては最長寿であることが最近明らかになった.本研究では,ビノスガイの殻を用いて,複数個体間で同期した年間成長パターンをもとに厳密な年代モデルを構築し,東北地域としては初となる核実験起源の放射性炭素曲線を復元した.その結果,三陸沖の浅海域においては,津軽暖流(対馬海流を起源とする)の影響が強く見られることがわかった.さらに,得られた放射性炭素曲線を大槌の海底から得られた死殻の死亡年代の推定に用いることで,過去の津波イベントがビノスガイの死を招く重要な要因になっている可能性が示された.
著者
定松 淳 花岡 龍毅 田野尻 哲郎 田中 丹史 江間 有沙 廣野 喜幸
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.3-15, 2017-06

科学技術コミュニケーションの重要な課題のひとつとしてリスクコミュニケーションがあり(廣野 2013),そのなかでも一般市民にも広く接点のある領域として医薬品のリスクコミュニケーションがある.特に医薬品の副作用は身近で,重大なものになりえるにもかかわらず,その事実は社会的に十分認知されているとは言えない.医薬品リスクについてのコミュニケーションを活性化させ, リテラシーを向上させる必要がある.本稿では,医薬品についてのリスク情報を掌握している薬剤師の専門性に注目し,一般市民の薬剤師との関わりの実態についての探索的調査を行った.その結果から,医薬品リテラシーの向上のために薬剤師の専門性を活用する余地があること,その際には 前提としての「薬剤師が医薬品についての専門性を持っている」という点についての社会的認知を 高める必要があることを指摘する.これは,一般市民に対して知識の増進をつい求めてしまいがちな科学コミュニケーション一般に対しても,社会的なインデックス情報の重要性を指摘するものとして示唆するところが小さくないと考えらえる.
著者
野澤 英希
巻号頁・発行日
2013-03-25

名古屋大学博士学位論文 学位の種類 : 博士(工学)(課程) 学位授与年月日:平成25年3月25日
著者
倉井 龍太郎
出版者
ERATO湊離散構造処理系プロジェクト
巻号頁・発行日
2011-06

インターネットの本格的な普及から十数年が経過し、成熟しつつあるように見えるWebサービス業界ですが、現在も驚くべき速度で技術革新や新たなサービスが生まれています。なかでもTwitterやFacebookといったリアルタイム性が高く、そしてソーシャルな関係性をもったサービスは高い関心を集めています。一方で各サービスが扱うデータベースはより大量かつ高速な処理が求められており、RDBMSだけでは対処できず、NoSQLと呼ばれるSQLに代わるDBシステムが台頭しはじめています。またWebサービスを通じて集積された巨大なデータに対してはMapReduce(Hadoop)を利用したデータマイニング・機械学習が、クライアントサイドに対しては、スマートフォンに向けたアプリケーション開発が注目されるなど、幅広く様々な技術がWeb業界と関わるようになっています。今回はこれらの現在注目されている技術やサービスについて、株式会社はてなでの研究開発事例も交えながら解説します。また、はてなでの研究開発事例については、現在Webで注目されているドキュメントの発見、ドキュメントのクラスタリングとトピック抽出といった研究事例、スマートフォンアプリ開発動向について説明させていただきます。
著者
久木田 水生 KUKITA Minao
出版者
中部哲学会
雑誌
中部哲学会年報 (ISSN:13439138)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.27-40, 2018-04-30

シンポジウム「現代における対話の可能性」=Symposium: Philosophical Potentiality of Dialogue in the Present Day
著者
須永 進 青木 知史 堀田 典生 SUNAGA Susumu AOKI Satoshi HOTTA Norio
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要. 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学・教育実践 = BULLETIN OF THE FACULTY OF EDUCATION MIE UNIVERSITY. Natural Science,Humanities,Social Science,Education,Educational Practice (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.137-142, 2017-03-31

基本的生活習慣と社会性の関係では、A群(基本的生活習慣が獲得されている子ども)がそうでないB群の子どもより、社会性の発達の面で各項目ともに上回っていることが、今回のクロス集計で明らかになった。また、精神面における項目においても同様の傾向がみられるなど、子どもの成育と健康度という視点から、幼児期の子どもにとって基本的生活習慣の獲得が不可欠な要因であることが、改めて確認されたといえる。キーワード:子どもの基本的生活習慣、社会性の発達
著者
若井 航平

筑波大学修士 (図書館情報学) 学位論文・平成27年3月25日授与 (34294号)

2 0 0 0 OA Raynaud症候群

著者
竹宮 敏子 杉下 裕子 伊藤 綾子 立石 紀美子
出版者
東京女子医科大学学会
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.989-998, 1990-12-25
著者
齊藤 愼一 土田 博 向井 直樹 阿部 岳
出版者
筑波大学体育科学系
雑誌
体育科学系紀要 (ISSN:03867129)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.71-78, 2001-03

持久性運動能力と栄養に関するこれまでの研究から,脂肪(酸)のエネルギー代謝が活発化したなかで運動を遂行すると運動継続時間が延長することが動物でもヒトでも明らかにされている18)。これに関して, ...
著者
高山 龍太郎
出版者
富山大学経済学部
雑誌
富山大学紀要.富大経済論集 (ISSN:02863642)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.603-652, 2007-03

富山県の地域性は、しばしば東西に分けて語られる。県中央部にある呉羽丘陵を境に、県東部を「呉東」(ごとう)、県西部を「呉西」(ごせい)とする呼び方は、そうした人びとの認識の一例である。たとえば、富山県を全国の人びとに紹介するある本は、富山県の市町村を呉東と呉西に分けて紹介している(須山 1997)。また、国民的作家と呼ばれた司馬遼太郎も、『週刊朝日』の連載「街道をゆく」のなかで、呉東と呉西という言葉にふれ、「人文的な分水嶺を県内にもつというのは、他の府県にはない」(司馬 1978:116)と紹介している。今回の私たちの調査でも、回答者の95%の人が、富山県を呉東と呉西という呼び名で二分されることを知っており、75%の人が、呉東と呉西の間に全般的な違いがあると考えていた。このように、富山県を東西に分けて把握する認識は、かなり一般的である。しかし、こうした認識枠組みがある一方で、現実の富山県の東西の違いはなくなりつつある。自動車を中心とする交通手段の発展は、富山県をますます一体化させている。本稿の目的は、こうした問題意識にもとづき、富山市と高岡市でのサーベイ調査から、富山県の東西の違いが、実際にどのくらい存在するのかを、実体と人びとの意識の両面から具体的に明らかにすることである。調査の概要は、以下の通りである。富山県の東西をそれぞれ代表する都市として、富山市(東)と高岡市(西)を調査対象に選んだ、調査は、2005年12月から2006年1月にかけて、自記式郵送法による標本調査でおこなっている。実査の対象者は、富山市と高岡市から、500めいずつ合計1000名を選んだ。実査対象者の標本抽出には、選挙人名簿を台帳として二段階抽出法によっておこなった。回答者は446名(富山市213名、高岡市233名)で、回収率は全体で44.6%(富山市42.6%、高岡市46.6%)であった、
著者
橘内 勇 大塚 吉則
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.104, pp.205-211, 2008-03-31

“猫背”と呼ばれる不良姿勢は,腰や背中にかけての鈍痛をもたらす腰痛症,頚・肩凝りを主訴とする頚肩腕痛の原因となり,小・中学生の若年者から高齢者まで幅広い年代を悩ませる要因となっている。とくに近年,運動不足や不良姿勢が原因とみられる子供の肩凝りの報告も多い。今回,学童期の影響も関連すると思われる大学生を対象に,不良姿勢を自覚する者の割合やそれに伴う有訴率,各自の対処法についてアンケートを実施した。なお,得られた結果を要約すると下記の通りである。 1.自分の姿勢が悪いと思う男子学生は54%・女子学生は67%であった。 2.腰背部痛を有する男子学生は39%・女子学生は46%であった。 3.頚・肩凝りを有する男子学生は31%・女子学生は40%であった。 これらの結果は,「平成16年国民生活基礎調査の概況」による同年代の有訴率より極めて高いものであった。この背景には,授業中は座位を取り続けなければならない学生の特殊な環境要因も大きいと考えられた。