著者
白峰 旬
出版者
別府大学史学研究会
雑誌
史学論叢 (ISSN:03868923)
巻号頁・発行日
no.46, pp.76-106, 2016-03

関ヶ原の戦いに関する諸史料を検討する場合、関ヶ原の戦いに関係した部将が発給した書状などの一次史料(同時代史料)の内容検討が重要であるが、それと同時に、当時、在京していた公家・僧侶などの日記における関ヶ原の戦い関係の記載について検討することも重要である。よって、本稿ではこうした視点から慶長5年3月から同年12月までの公家・僧侶などの日記における関ヶ原の戦い関係等の記載を筆者(白峰)が現代語訳して時系列データベースとしてまとめ、それを見ていくうえでポイントとなる箇所について、若干の説明を小論として加えた。
著者
松本 昭彦 MATSUMOTO Akihiko
出版者
三重大学教育学部
雑誌
三重大学教育学部研究紀要, 自然科学・人文科学・社会科学・教育科学 (ISSN:18802419)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.92-100, 2014-03-31

歌枕「末の松山」について、それを「波が越す」という有名な措辞がある。古くは『古今和歌集』巻二十・第一〇九三番歌に、「君をおきてあだし心をわが持たば末の松山波も越えなむ」とあり、「仮名序」にも和歌表現の歴史を言う中で、「あるは、松山の波をかけ」とある。この東歌の表現は、『万葉集』巻七・第一三八二番歌「泊瀬川流る水沫の絶えばこそ我が思ふ心遂げじと思はめ」等の類型表現と同様、「非現実的現象の非実現性」を、恋心の永続性の譬喩とするものだが、仮定の上下が逆になっている。わざわざ上下が逆転した作りになっているのは、貞観津波によって「末の松山を波が越える」ことは、実現一歩手前まで行ってしまったので、類型通りでは、自らの恋心の誓いにならないと感じられたためと思われる。つまり、この東歌の、そしてこの措辞の背景には、貞観津波で末の松山に津波が迫ったという事実があったはずなのである。この措辞が都に伝わると、一気に広まったが、やがて津波の知識・記憶は薄れ、元々の意味とは別に、面白い表現として使用され、「歌枕」となったものであろう。
著者
福村 愛美
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.241-249, 1996-12-31

高校生が制服についてどの様な意識を持っているか、また制服と、家庭科及び被服実習、家庭科男女共修との関連性を調査をもとに分析した結果、次の様なことが明らかになった。1、学校を制服で選ぶかどうかという質問に対して高校1年生と2年生では、1年生のほうが学校を制服で左右されないと考えている。2、好きな制服のデザインでは、1年生男子は詰め襟の学生服を大半が支持しているが、2年生になるとブレザータイプの制服と半々に意見がわかれる。女子は全体的に差はなくセーラー服を好んでいる。3、制服の持っている枚数は、冬用を1枚、夏用を2枚持っている組み合わせが1番多い。4、音楽専攻の生徒が、スカートの長さや靴下の流行に最も敏感である。5、被服制作の完成時に充実感を感じない者ほど、制服の良くないところとして、温度調節がしにくいという理由を挙げている。6、家庭科男女共修に価値があると思う者ほど、学校を制服で選ばないと考えている。7、家庭科を男子も学ぶべきであると余り考えない者の方が、セーラー服をより好んでいる。8、制服のイメージは多面性を持っていると考えられる。終わりに、集計作業にご協力いただいた大分県立芸術文化短期大学の田仲謙司さん及び学生や副手の方々に深く感謝申し上げます。
著者
高橋 和郎 北川 達也
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.256-262, 1976
被引用文献数
1

最近多発した浮腫を伴う急性多発性神経炎25例につき,発生頻度ならびに成因について検討した.年次別にみると昭和48年以後年ごとに多発する傾向があり,春から初秋にかけて発症することが多く,とくに若年男性に多い.食事は全例白米食で,強化米はなく,インスタント食品の多食,高糖質,低VB<sub>1</sub>の清凉飲料水の多飲が目立つた.又発症時激しい運動をしているものが多かつた.詳細に検討した2症例において血中B<sub>1</sub>濃度はやや低値,乳酸,ピルビン酸濃度はやや高値,平日ならびにB<sub>1</sub>負荷時の尿中B<sub>1</sub>排泄量は明らかな低値を示した.さらにB<sub>1</sub>投与が特異的に症状改善をもたらす所などから,本症が脚気neuropathyであることを明らかにした.末梢神経は軸索変性を示し,とくに初期には特異な管状構造物が軸索内に多数出現した.有髄線維に比し,無髄線維の変化は軽度であつた.最近脚気が増加し始めたことは,本邦栄養食品に何らかの欠陥が生じ始めたことを示すものである.
著者
小曽戸 洋
出版者
日本生薬学会
雑誌
生薬學雜誌 (ISSN:13499114)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.68-78, 2007-08-20

Crude drugs are natural products which over the years of human experience have come to be regarded as medicine. Of course, if one does not understand their history, one cannot understand their significance as medicine. Since crude drugs exist because of the experience of human beings, the sciences of pharmacopoeia and natural products are inherently different. In the study of crude drugs it is therefore important to consider their history as well. Since the middle of the 20th century, there have been a series of archaeological discoveries in China and Japan relating to traditional pharmacopoeia. These discoveries are important historical data, which provide reliable information about the origins of the pharmacopoeia. Regrettably however, this new knowledge, brought to light by these recent discoveries, is not reflected in the "Commentary of the Japanese Pharmacopoeia". This paper contains new knowledge about the 100 kinds of crude drugs listed in the "Japanese Pharmacopoeia Fifteenth Edition".
著者
玉田 桂子
出版者
九州大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:0022975X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.31-42, 2007-10
著者
金沢裕
雑誌
臨床と微生物
巻号頁・発行日
vol.18, pp.729-738, 1991
被引用文献数
8
著者
山本 文治 中村 一彦 尾久土 正己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.530, pp.13-18, 2006-01-12
被引用文献数
3

天文に関する様々な現象をネットワークを通じて紹介する団体「ライブ!ユニバース」は, 2005年10月3日にマドリッドで観測された金環日食の模様をインターネットを通じて生中継した. 本稿では中継の全体概要とともに, マドリッドから日本に向けて実施したIPによる高画質映像伝送システムの構成とその運用について報告する.
著者
奥村 潔 石田 克 樽野 博幸 河村 善也
出版者
大阪市立自然史博物館
雑誌
Bulletin of the Osaka Museum of Natural History (ISSN:00786675)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.1-82, 2016-03-31

熊石洞は日本の代表的な後期更新世の哺乳類化石産地の一つである.この洞窟の化石堆積物の発掘調査は主に1965年から1981年まで行われ,保存のよい大型シカ化石を含む多数の哺乳類化石を産出した.本報告では,大型シカ化石の詳細な記載を行うが,これによりほぼ同じ大きさのヤベオオツノジカ(Sinomegaceros yabei)とヘラジカ(Alces alces)という2種の大型シカの区別を明確にする.日本においてこの大型シカ2種はしばしば混同されてきたが,骨および歯の特徴からこの2種の識別を行う.また,主に角の形態的特徴に基づき,ヤベオオツノジカが中国産Sinomegacerosの種とは別個の日本固有の種であることを確認する.さらに,歯の萌出と咬耗の程度に基づいて2種の大型シカの年齢構成も明らかにする.