著者
堺 恵
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.14-29, 2015-02-28

本研究の目的は,児童扶養手当制度の成立過程における制度創設の経緯について考察することである.1959年から1961年までの国会審理および新聞報道の内容を分析したところ,児童扶養手当制度には,母子福祉年金の補完的制度として,かつ児童手当創設の先行制度として創設されたという経緯のあることがわかった.そして児童扶養手当制度の創設に至った社会的背景には,次の3点があることがわかった.1点目は,全国未亡人団体協議会が生別母子世帯への年金支給を求めていたことである.2点目は,母子福祉年金の予算が,厚生省の推計のミスにより大幅に余ったことである.3点目は,児童手当制度創設が当時の政策課題であったことである.また,『全国母子世帯調査結果報告書』で報告された収入に関する調査項目とその実施状況をみると,児童扶養手当制度の創設当時,生別母子世帯の生活実態に関する十分な分析を欠いたまま,制度が創設されていたということも確認できた.

3 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1886年08月07日, 1886-08-07
著者
岡部 晋典 佐藤 翔 逸村 裕
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.333-349, 2011-12
被引用文献数
2

本稿ではオープンアクセス運動の契機となったBudapest Open Access Initiative(BOAI)について分析し,これがどのような意図のもとで公開されたか調査した.まず,BOAIを提唱し,オープンアクセス運動を支援している財団であるOpen Society Institute(OSI)と,その設立者であるGeorge Sorosについて紹介し,彼らの思想的根拠であるKarl R. Popperの提唱した「開かれた社会」概念について概観した.また,BOAI中にその思想が影響していることを明らかにした.次に,オープンアクセス運動に関連する文献群中でのPopperおよび「開かれた社会」への言及状況とBOAIの受容状況の定量的計測から,オープンアクセス関係者の間での「開かれた社会」関連思想の認知状況を検討した.その結果,OSIは「開かれた社会」という政治思想の実現を目的にオープンアクセス運動に関与しているにもかかわらず,他のオープンアクセス運動関係者はこの思想の存在には言及していないことがあきらかになった.Open access movement is a hot issue in a recent Library and Information Science. This article analyzed 'the Budapest Open Access Initiative (BOAI),' which triggered the open access movement. First, this article introduced the foundation, 'the Open Society Institute (OSI),' which has proposed and supported BOAI, and its founder, George Soros. We also surveyed their philosophical basis, the concept of 'Open Society' -Karl R. Popper advocated. In addition, we revealed that BOAI was affected by the concept of 'Open Society'. Second, we revealed how people accepted the concept of 'Open Society' by quantitative analysis of literatures about open access. As a result, it was revealed that while OSI participated to the open access movements to achieve the concept of 'Open Society' people in open access movement have not referred to OSI's intention.
著者
長尾 真
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.58, no.8, pp.616-622, 2015-11-01 (Released:2015-11-01)
参考文献数
1

情報には種々の形態がある。話し言葉と書き言葉による表現のほかに,図や絵画,写真や動画像,それらの種々の組み合わせなどによって情報が表現され,伝えられ,理解される。しかしできるだけ正確に情報表現の内容や意味するところを理解させるためには,言語,特に書き言葉によらざるをえない。そういった意味で,言語は情報表現のコアとなる存在である。ただこれをコンピューターで扱うためには多くの困難を伴う。それがどのようなものか,どこまで解決してきているか,これからの課題と言語技術の応用としての言語産業の将来について展望する。

3 0 0 0 OA 輓近の心理学

著者
久保良英 著
出版者
春秋社
巻号頁・発行日
1929

3 0 0 0 OA 材能研究

著者
淡路円治郎 著
出版者
教育研究会
巻号頁・発行日
1929
著者
今枝 恒治 河合 敦夫 石川 裕司 永田 亮 桝井 文人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.13, pp.39-46, 2003-02-07
被引用文献数
2 6

本論文では,実際に日本語学習者の書いた作文を題材として,比較的書き誤る可能性の高い格助詞に対して,誤りの検出と訂正を行うシステムを構築した.この手法として,まずルールに基づいた処理をおこない,そこで検出・訂正できなかった誤りに対して,格フレーム照合をおこなう.格フレーム照合では,入力文の格フレームと辞書から得られる格フレームを比較することにより,誤りの検出および訂正をする.実験の結果として,75.6%の誤り検出率と,62.5%の誤り訂正率を得ることができ,本手法が,日本語学習者の書いた作文中の格助詞の誤り検出・訂正に有効であることを示すことができた.In this paper, we propose a method of detecting and correcting errors in usage of case particles in composition written by Japanese learners. The method has two major steps.In the first step, rules based on analysis of the composition detect and correct the errors. In the second step, a case frame dictionary is used to detect and correct the errors that the rules failed to detect. Those errors are corrected comparing the case frame of an input sentence with the case frames in the dictionary. As a result of experiments, 75.6% of rate of error detection and 62.5% of rate of error correction were obtained. The result shows that the method is effective to detect and correct errors of case particles in composition written by Japanese learners.
著者
北川 尚史
出版者
日本植物分類学会
雑誌
分類 : bunrui : 日本植物分類学会誌 (ISSN:13466852)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.63-70, 2001-11-25
著者
森 一郎(1962-)
出版者
東京女子大学論集編集委員会
雑誌
東京女子大学紀要論集 (ISSN:04934350)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.1-25, 0000

In On Revolution Hannah Arendt interprets Melville's Billy Budd, Sailor as a tragedy of natural goodness beyond virtue, and she then proceeds to describe "The Grand Inquisitor" in Dostoyevski's novel The Brothers Karamazov as another classical story of the political consequences of the French Revolution. According to Arendt, Dostoyevski contrasts the mute compassion of Jesus with the eloquent pity of the Inquisitor. Compassion, to be stricken with the suffering of someone else as though it were contagious, and pity, to be sorry without being touched in the flesh, are not only not the same, they may not even be related. While compassion never appears on the public scene, pity can succeed in entering the market-place. Pity as a boundless sentiment, however, invades and destroys every political sphere where men should act and speak to each other deliberately and dispassionately. Is there not such a "bond" of human community that can be the alternative of compassion? Arendt refers us to the very principle that inspires and guides people's actions: solidarity.ハンナ・アーレントは『革命について』のなかで、メルヴィルの『ビリー・バッド』を、徳を超えた自然的善の悲劇だと解し、次いで、ドストエフスキーの小説『カラマーゾフの兄弟』中の「大審問官」を、フランス革命の政治的帰結に関するもう一つの古典的物語として描くことへと向かう。アーレントによれば、ドストエフスキーは、イエスの無言の同情を、大審問官の雄弁な哀れみと対比させている。同情とは、まるで伝染するかのように他人の苦悩に打たれることであって、哀れみとは、肉体的には動かされないままかわいそうに思うことであり、両者は同じものでないばかりか、互いに無関係ですらある。同情は公的舞台に現われることが決してないが、哀れみのほうは、市場に登場することができる。しかしながら、哀れみは、際限のない感傷として、人々が熟慮のうえで冷静に活動し合い言論を交わすべき政治的領域に侵入し、これを破壊してしまう。同情の対案となりうるような、人間共同体の「絆」はないのだろうか。アーレントは、連帯こそ、活動を鼓舞し導くそのような原理なのだ、と指摘する。

3 0 0 0 OA 品質で推す

著者
編集部
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.548-551, 1971-06-15 (Released:2011-11-04)
被引用文献数
1

味噌業が中小企業構造改善の指定業種となり, 今その改善事業計画が実施に移されつつあるようである。そしてまた, 構造改善のあとに来るべきものは何であろうかという論義をも呼んでいる。ともかく小規模企業にとり悲観的材料ばかり多い現在であるが, 品質第一主義に徹し企業存立の基盤を鞏固にしている諸例のあることを紹介できるのは喜ばしいことであり, 明るい材料ではあるまいか。各地の産地企業にお尋ねしたところ, 快くお応え下された次の三つの, それぞれ異色ある事例を紹介することにした。その1は大消費地に新しく販路を開拓した例, その2は地方銘柄品として市場に広く普及し定着した例, その3はその品質が高く評価され, 地方市場に確固たる信用を得ている例である。

3 0 0 0 OA 銀台公

著者
池辺義象 著
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
1907