著者
藤森 立男
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.108-116, 1989-03-20 (Released:2016-11-23)
被引用文献数
1

The present study aimed at: (1) clarifying the structure of conflict resolution strategies used in interpersonal conflict situations; (2) examining the relationship between the attribution and meta-attribution for conflict and the types of conflict resolution strategies; (3) investigating the relationship between the types of conflict resolution strategies and the outcomes of the conflict. Eighty-two male students living in university dormitories were asked to answer about conflicts they had experienced with other dormitory residents. The survey comprised three parts: a checklist of interpersonal conflicts, an interview on the subject's strategy to solve the conflict, a questionnair pertaining to the subject's cognition of the conflict and conflict outcome. The main results can be summarized as follows: (1) Conflict resolution strategies could be rated along two dimensions as restrained-unyielding, restrained-reconciliatory, promotive-unyielding and promotive-reconciliatory according to the subject's attribution and meta-attribution for conflict and their respective power. (2) The Conflict outcomes (resolution of the conflict, duration of the conflict, satisfaction with the outcome, attraction for the partner after the conflict) were determined by the types of conflict resolution strategies. The restrained-unyielding type and the restrained-reconciliatory type were less effective than the other two types, in that the subjects were likely to be dissatisfied with the conflict outcome. Moreover, the restrained-unyielding type was less likely to provide with a resolution to the conflict.
著者
宮地 弘子
出版者
Polytechnic University of Japan 職業能力開発総合大学校
雑誌
技能科学研究 (ISSN:24343706)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.1-10, 2022 (Released:2022-07-11)
参考文献数
14

This study clarified the "ived experience" of autonomous career development by analyzing the life story of the worker who migrated from Japan to the United States based on dialogical constructionism. The worker chose work styles and jobs that fit her circumstances as rational choices and strategies guaranteed by the social context (norms and common sense) in the U.S. and achieved autonomous career development, which means the stability of life and realization of the life she wants. The findings of this study force us to reconsider the measures to achieve autonomous career development in Japan. In other words, to realize autonomous career development in Japan, it is essential not only to support the proactive efforts of individual workers but also to update the social context by deconstructing and reconstructing the norms and common sense of Japanese society.
著者
法橋 尚宏 太田 浩子 林 綺婷 和辻 雄仁
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20220519160, (Released:2022-07-12)
参考文献数
32

エスノグラフィックリサーチは,“エスノグラフィックインタビューと参加観察を主とするフィールドワーク(現地調査)によって,イーミックとエティックな視点から対象の生活世界で起きている現象や文化を記述する方法論”である。これは方法のトライアンギュレーションであり,フォーマルインタビュー,インフォーマルインタビュー,参加観察,質問紙調査,既存の書籍・文献・ウェブサイト資料の収集,写真撮影,映像撮影などを行う。データ収集と分析を繰り返しながら,問いや仮説を精緻化する。信用可能性,確認可能性,脈絡に応じた意味,反復的パターン形成,飽和,転用可能性などを質的評価基準として,信憑性を保証する。すべてのデータは定性化してフィールドノーツに記述し,コーディングを行い,コードの類似性と相違性の観点からカテゴリー化した後,テーマにそってストーリー化して報告書にまとめる。
著者
平田 義人 上村 裕樹 堀上 正義 大坪 智範
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.217-222, 2019 (Released:2020-11-11)
参考文献数
10

車を運転する際,ドライバーは腕や脚を巧みに使い,ステアリングやペダルといった機器を操作する.ドライバーが車 両を思い通りに操れるようにするには,自動車設計において,人間特性を考慮したユニット配置,機械特性の設計が必要であ る.本稿では,素早く,正確に運転操作機器を操作するために,ペダル操作に関係する人間の筋特性とその特性の設計への適 用を紹介する.
著者
高梨 琢磨 土原 和子 山崎 一夫 杉浦 真治
出版者
国立研究開発法人森林研究・整備機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

チョウ目の幼虫は、体表に存在する糸状の機械感覚子(以下、糸状感覚子)で音や気流を感知することが知られている。本課題において、この糸状感覚子の同定並びに比較を複数の分類群においておこなったところ、糸状感覚子を1)胸部にのみを持つ種、2)腹部にのみ持つ種、3)腹部と胸部の両方に持つ種、そして4)糸状感覚子を欠く種がみられた。感覚子の有無は、植物体内外での摂食(内部食や外部食)等の生活様式と捕食回避に関連していると考察した。
著者
上杉 龍士 田渕 研 小西(降幡) 令子 吉村 英翔
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2020, no.71, pp.131-137, 2020-12-15 (Released:2021-12-15)
参考文献数
14

キャベツ圃場でのオオムギ混植とネット障壁設置による害虫の発生抑制効果とその要因を検証した.対照区(無処理区),ネット障壁区(物理的障壁区),オオムギ混植区を比較したところ,コナガ,キンウワバ類,モンシロチョウ,およびアブラムシ2種いずれについても,オオムギ混植区で発生量が最も低く抑えられ,特にモンシロチョウとアブラムシ2種に対する効果が顕著であった.ネット障壁でも害虫の発生が抑制されたが,その効果はオオムギ混植に劣った.このことから,オオムギには害虫に対する物理的障壁機能に加えて,害虫の定位行動を視覚的・化学的に攪乱する機能の存在が推察された.また本研究では,オオムギ混植によるゴミムシ類,クモ類,アリ類,コメツキムシ類の発生量の増加はなく,これらの天敵類は害虫の発生抑制の要因ではないと考えられた.一方で,キャベツ葉上のヒラタアブ類幼虫・蛹がオオムギ混植区で速やかに増加したことから,これがアブラムシ類の発生抑制の一要因であると考えられた.
著者
会津藩地誌局 編
出版者
万翠堂
巻号頁・発行日
vol.第11−17, 1901
著者
田村 朋美
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

日本列島では5世紀後半に西方起源と考えられる植物灰ガラスが突如出現し、6世紀にかけて大量に流通した。この時流入した植物灰ガラスは極めて多く、それまで流通の中心であったインド~東南アジア産のガラスに匹敵する。すなわち、日本列島への植物灰ガラスの大量流入は、交易ルートの中心が海路から陸路へ転換したことを示唆する。一方で、日本で出土する植物灰ガラスは、西アジア産の典型的な植物灰ガラスとは化学組成の特徴がやや異なる。本研究では、日本で出土する植物灰ガラスの具体的な生産地は一体どこなのか、そして、どのようなルートで流入したのか、という問題について同位体分析や超微量成分分析から明らかにする。
著者
李 大勇
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.124-129, 1992-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
5

本誌86巻9号に, 第1回国際酒文化学術討論会の様子を報告した。今回は同討論会の通訳を勤め, 坂口先生の「日本の酒」を中国語に翻訳紹介された筆者に, 歴史, 自然, 文化に恵まれた中国四川省の酒周辺について解説していただいた。本稿は筆者が, 自から日本語で書かれた文章なので, その実際と雰囲気を直に味わうのに充分である。
著者
下川 哲也 ライプニッツ 賢治 ペパー フェルディナンド
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.57-63, 2014-06-05 (Released:2014-07-31)
参考文献数
37

脳科学分野と情報ネットワーク分野との横断的研究として,脳機能ネットワークのグラフ理論解析を中心に解説する.前半は脳科学者を対象に,グラフ理論の解説とネットワーク研究の現状を紹介する.後半は情報ネットワーク研究者を対象に,新しいネットワーク設計の参考になりそうな脳ネットワークの特徴を紹介する.
著者
金原 秀行 岩本 正実
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.189-199, 2014 (Released:2017-02-15)
参考文献数
24
被引用文献数
1 2

アメフトは, 軽度の外傷性脳損傷 (MTBI) が最も多く発生する競技といわれている. 我々は頭部の角加速度の大きさとその持続時間に基づいた脳傷害評価指標RIC36とPRHIC36を提案している. 本研究ではアメフト衝撃時の頭部の加速度データを取得し, スポーツにおけるMTBIを対象とした脳傷害評価指標の妥当性と有用性について示す. 頭部の衝撃挙動についてよく検証された人体有限要素 (FE) モデルを用いて, アメフト衝撃時の頭部挙動を再現し, 頭蓋内の脳ひずみを予測した. 頭部挙動と脳ひずみの関係を調査した結果, RIC36とPRHIC36は脳ひずみから推定される脳損傷率と強い相関を示した.
著者
山本 克也
出版者
The Institutew of Noise Control Engineering of Japan
雑誌
騒音制御 (ISSN:03868761)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.368-373, 2007-10-01 (Released:2010-02-19)
参考文献数
8
被引用文献数
1
出版者
運輸大臣官房審理官室
巻号頁・発行日
vol.昭和38年1-6月, 1963

2 0 0 0 将棋評論

出版者
將棋研究會
巻号頁・発行日
vol.4(1);新年號, 1950-01
著者
侭田 圭太 片上 大輔
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.2B6GS1005, 2022 (Released:2022-07-11)

本研究では,野球初心者を対象とした認知的観戦を補助する対話ロボットを提案する.認知的観戦とは「プレイやゲームに関する知識を活かし,観戦者が観戦を通して理解したり評価したりしながら,自身の内面に意味づけすること」である.本稿では,ロボットが野球観戦中に行う発話を検討するため, 5つの発話カテゴリ,選手出場場面・選手プレイ場面における発話ルールを定義した.認知的観戦の補助効果を検証するため,定義した発話カテゴリ・ルールを適用したロボットと野球映像を視聴する実験を行った.実験の結果として,認知的観戦能力を構成する選手プレイ知性認知能力の補助において,提案手法の有効性が確認された.