著者
鉄道省監督局 編
出版者
鉄道同志会
巻号頁・発行日
vol.昭和18年4月1日現在, 1944
著者
京傳 作
巻号頁・発行日
1804

黄表紙の稿本。草双紙の趣向を思いついてから完成までの創作の苦労を、妊娠から出産までの10か月に見立て、茶化した作品。版面の構成をスケッチし、貼紙や朱筆で訂正や注記を加えている。見返しには「かき入落字無之様奉願上候」等の伝言も記入されている。初丁は欠。
著者
長倉 淳子 重永 英年 赤間 亮夫 高橋 正通
出版者
日本森林学会
雑誌
日本林学会大会発表データベース 第114回 日本林学会大会
巻号頁・発行日
pp.443, 2003 (Released:2003-03-31)

スギとヒノキは日本の主要な造林樹種であり、スギは沢沿い、ヒノキは斜面中腹に植林するのが良い、とされてきた。このことは、スギは水要求度が高く、ヒノキは比較的乾燥に耐えるという樹種特性と、斜面上の水分傾度に基づいていると考えられる。しかし林地の斜面上には、水以外にも環境傾度が存在する。植物の生育に大きく影響を及ぼす窒素条件も斜面位置によって異なることが知られている。そこで本研究では、土壌水分と窒素がスギとヒノキの成長に及ぼす影響を明らかにするため、水分と窒素をそれぞれコントロールして苗木の育成試験を行った。森林総合研究所内苗畑において発芽させたスギ、ヒノキ当年生実生苗を、発芽から約1ヶ月後に赤玉土 (pH(H2O)=5.3)を培地とした1万分の1アールワグネルポットに一本ずつ移植した。約2ヶ月の予備栽培後、ポットを6群に分け、3つの窒素条件と2つの土壌水分条件(湿潤、乾燥)とを組み合わせた6つの処理を約3ヶ月行った(n=10)。窒素条件は培養液の窒素濃度を0.5、2、8mM(0.5N、2N、8N)と変えることによって設定した。窒素源には硝酸アンモニウムを用いた。水分条件は灌水間隔を変えることによって設定した。湿潤条件ではおよそ2日に一回の頻度で灌水し、育成期間中、最も乾燥した日で土壌含水比がθ=0.36(-0.005MPa)程度であった。一方乾燥条件ではθ=0.30(-0.06MPa)程度に乾燥した時点で培養液を灌水した。育成試験は自然光型育成温室で行い、温度25/20℃は、湿度は70/80%とした。育成期間中は経時的に主軸の伸長成長を測定した。処理開始から約7週間後に各処理半数の個体(n=5)について掘り取りを行い、その約5週間後に残りの個体も掘り取った。1回目の掘り取り後の約5週間は、各個体について蒸散量を重量法によって測定した。掘り取った個体は部位別の乾重、根元直径、苗高を測定した。各部位は粉砕して分析試料とした。これらの結果を用いて、個体乾重、R/S比(地下部乾重/地上部乾重)、育成期間後半の水利用効率(蒸散量あたりの乾物生産量)等を算出した。葉と根の窒素含有率をNCアナライザによって測定した。スギの乾物生産は窒素処理濃度の増加に伴って増加したが、水分条件による違いは有意でなかった。しかし、伸長成長は乾燥によって抑制された。一方、ヒノキの乾物生産は処理の影響は有意でなかった。ヒノキは伸長成長についても処理間差は明らかでなかった。スギ・ヒノキ共に乾燥処理によって相対的に根への乾物分配が増え、R/S比が増加した。R/S比は、両樹種とも乾燥処理内では窒素処理濃度が低いほど高かったが、湿潤処理内では窒素条件による違いはみられなかった。スギの水利用効率は、水分条件には影響されなかったが、窒素処理濃度の増加に伴って増加した。ヒノキの水利用効率は水分条件や窒素条件に対する一定の傾向がみられなかった。葉の窒素含有率は、両樹種とも窒素処理濃度の増加に伴って増加し、水分条件の影響は受けなかった。根の窒素含有率は両樹種とも窒素処理濃度の増加に伴って増加し、湿潤処理でやや高い傾向がみられた。スギは乾燥によって伸長成長が低下し、窒素処理濃度の減少によって乾物生産、水利用効率も減少した。一方、ヒノキは水分条件や窒素条件による伸長成長、乾物生産への影響は小さかった。これらのことから、スギはヒノキに比べ、窒素、水分条件に対する感受性が高いと考えられる。斜面下部に比べ、窒素や水分の少ない斜面上部における成長低下はヒノキよりもスギで大きいことが示唆された。
著者
泉 貞有 上森 知彦 今村 寿宏 平塚 徳彦 加治 浩三 松延 知哉 河野 勤 鬼塚 俊宏 畑中 均 神宮司 誠也 岩本 幸英
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.53-56, 2018-03-25 (Released:2018-05-21)
参考文献数
5

マッサージ後に発症した成人環軸椎回旋位固定(成人AARF)の1例を経験したので報告する.症例は37歳女性,喘息・アトピーの既往歴あり.初診時,後頚部痛を認めたが斜頚は存在せず,Xp・MRI精査するも有意な病変は無かった.初診後,整骨院で2日間,後頚部の愛護的マッサージを受けた.翌朝から斜頚を自覚し改善せず.2ヶ月後,斜頚を主訴に再診.Xp・CTにてFielding分類type 1のAARFを認めた.AARF以外は身体所見・臨床検査データ等も正常だった.入院後,頚椎持続介達牽引を施行.斜頚出現3ヶ月後,鎮静下に徒手整復を行った.オルソカラー固定するも1日で再脱臼した為,再整復しHalo vest固定を8週間施行した.現在,整復後2年が経過するもAARFの再発は認めない.成人AARFは非常に稀で,マッサージ後の発症例は報告がない.また,整復までに3ヶ月を要した慢性例であったが保存治療が可能であった.
著者
佐藤 徹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.2, pp.234-242, 2018-02-10 (Released:2019-02-10)
参考文献数
10

慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)は,血栓/塞栓が肺動脈の亜区域枝付近より中枢に形成され,器質化して狭窄,閉塞を起こし,肺高血圧を来たす疾患である.第4群の肺高血圧症に分類され,最も予後良好で症状等の著明な改善が得られる.急性肺塞栓症の既往があって本疾患へ発展する場合と,慢性のPHとして見つかり,鑑別診断でCTEPHと診断される症例がある.現在では,画像診断の進歩によって,ほとんどの症例が適切に確定診断される.治療法としては,1990年代後半から2010年頃までは手術療法が主体であった.2010年頃以降,バルーン肺動脈形成術(balloon pulmonary angioplasty:BPA)が日本で発展し,ほぼ同様の効果が得られるようになった.数年前には内服薬のリオシグアトが開発され,前2者には劣るが一定の効果が得られるようになった.
著者
川根 博司 松島 敏春
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.29, no.6, pp.379-383, 1998-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
13
被引用文献数
1

1996年度および1997年度に, 当大学の第5学年医学生における喫煙状況と学業成績の関係を調査した.喫煙状況の調査方法としては, 呼吸器内科に臨床実習のため回ってきた際に, 各班ごとに1人ひとりの喫煙習慣について聞き取りを行った.学業成績は第5学年までストレートに進級してきたか, 1回でも留年したことがあるかで評価した.1996年度, 1997年度の男子学生の喫煙率は, ストレート組でそれぞれ48.9%, 39.1%であるのに対して, 留年組では80.6%, 65.4%と有意に高かった.女子学生においても, 1996年度, 1997年度の喫煙率はストレート組がそれぞれ8.7%, 9.1%なのに, 留年組は25.0%, 37.5%と高率を示した.喫煙状況が学業成績に関係することが示唆される.わが国において, 医学生に対するアンチスモーキング教育をもっと積極的に進めていく必要がある.
著者
児玉 英靖 張 或〓 相澤 真一 居郷 至伸 大滝 世津子
出版者
東京大学
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.175-195, 2007-03-10

This paper examines the Japanese concept of gemba from the angle of sociology of knowledge. The concept of gemba has been widely used in Japanese schools, factories and offices, which can be literally translated to "the real scene" in English. However, the term gemba often suggests a sense of distinction between "we as powerless workers who know better about the situation" and "they as management or outsiders who do not know what really happens in the scene." Without referring to the social actors who use this concept under specified situation, it is very difficult to pinpoint down exactly what kinds of matter belongs to in a particular gemba. Delineating how this concept was actually used in different social settings, like high school, kindergarten and convenience stores, it suggests that, on the one hand, the concept's intension and the contents it connotes are often ambiguous, on the other hand, its extension often denotes a well-defined and clear boundary of what should be included within a particular gemba. The article thus discusses how the use of this concept may actually relate to group dynamics and thus it may reveal the power structure in contemporary Japanese society.
著者
中村 聡
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.103-107, 2006
参考文献数
5
被引用文献数
1

電子レンジの加執原理を説明する際に,振動する水の分子同士の摩擦熱を考える場合があるが,真実に反している上,熱の分子運動論や摩擦現象のミクロなイメージの涵養を妨げる。いくらかの調査の結果,摩擦熱の説明はかなり流布していて,生徒もテレビなどを通じて聞き,更に学校教育までも荷担していることが判明した。摩擦熱を考える代わりに,「分子が振動していれば,そのエネルギー自体が熱である」と述べた方か良い。もし分子運動論を避けるのであれば,逆に電子レンシの加熱原理についても触れない方が良いと思われる。
著者
喜多 一 森村 吉貴 岡本 雅子
巻号頁・発行日
pp.1-239, 2021-10-08

本書は京都大学の全学共通科目として実施されるプログラミング演習(Python)の教科書として作成されたものです.

130 0 0 0 OA 人事興信録

著者
人事興信所 編
出版者
人事興信所
巻号頁・発行日
vol.第8版(昭和3年), 1928
著者
加藤 穣
出版者
日本医学哲学・倫理学会
雑誌
医学哲学 医学倫理 (ISSN:02896427)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.41-51, 2015-09-30 (Released:2018-02-01)

The objective of this paper is to discuss the reasons that some individuals in the United States refuse to be vaccinated, focusing on those reasons usually described as "conscientious." This paper discusses current compulsory vaccination practices and the most common categories of reasons objectors in the United States give for refusing vaccinations (on medical, religious, or philosophical grounds, the latter two of which are often described as conscientious reasons). Possible ways to handle refusals are examined from the perspectives of the three categories of refusals mentioned above, the particularities of vaccination within biomedical ethics, and public health ethics discussions. Although refusals based on divergent perceptions of risk are commonly classified as refusals for philosophical (personal) reasons, objectors in this category are trying to present medical reasons, which do not convince experts. Even if experts try to persuade the public by presenting scientific evidence, there remain fundamental difficulties in convincing objectors. Refusals for religious reasons are to a certain extent established historically, but few major religious groups nowadays explicitly refuse vaccinations per se. Refusals in this category are not necessarily plainly "religious." Certain refusals on religious grounds, including those based on repugnance for the use of components derived from aborted fetuses, can be avoided by technological advances in the medical field. Refusals based on philosophical reasons should be handled in more sensitive, individualized ways than they are now. The inquiry ventured in this paper is important for Japanese society in that it deals with general questions surrounding the contradictions between the autonomy principle, which is paramount in biomedical ethics, and the compulsory schema of public health policy, and asks whether and how the different qualities or characters of decisions regarding health care and public health should be translated into practice.