著者
水谷 洋一
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1166, pp.117-120, 2002-11-11

10月初旬、国土交通省から西宮冷蔵(兵庫県西宮市)に対する営業停止の行政処分の決定が下されました。既に会社解散に追い込まれた雪印食品の牛肉偽装事件に関わり、在庫証明書を改竄かいざんしたというのがその理由です。 営業停止の方針を聞いたのは7月上旬のことです。
著者
山田 浩久
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 社会科学 = Bulletin of Yamagata University. Social Science
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.63-82, 2009-02-15

はじめに:近年の観光開発は、開発業者による大規模な土地改変を伴うリゾート開発に代わり、自然環境の保全を前提とする体験型、対話型の観光を提案する開発が主流になっている。体験型、対話型の観光は、環境論的な観点から肯定されるとともに、開発費用を大幅に縮小することから、 主に地方の地域振興策の一つに採用される場合が多い。また、原則的に「人の手を加えない」 開発であることから、地域内の歴史的遺物や文化資産と絡めることが容易であり、街並保有や 文化伝承に関わる議論にまで展開させることが可能である。体験型、対話型の観光は、ローリスク、ローコストであるがゆえに、提案しやすく、受け入れられやすい開発であるといえる。しかしながら、観光を産業としてみた場合、産業の育成には資本投下が不可欠であり、投下 資本量に応じた生産性の向上が利潤を増加させ、地域経済を活性化させる。体験型、対話型観光の提案者は、ローリターンであることに触れず、環境保全や地域アイデンティティ創出の重要性を強調する。もちろん、それらが重要な案件ではあることは明らかであるが、地域政策を 立案する大前提は地域住民の生活向上にある。地域住民はローリターンの開発であることを認識し、開発の努力が実を結ぶまで耐え続けなければならないというのは閣発者側の論理であり、住民は分かりやすい短期的な成果を期待する。観光政策の実施に伴い、観光客のマナーの悪さや地域住民の負担過多といった問題も指摘さ れている。目標到達までの時聞が長期化するほど地域住民の意識は希薄化するであろう。地域振興策あるいは地域活性化策のーつとして観光開発を挙げる以上、経済的な効果を明確にし、短期の目標を積み上げることによって、地域住民の観光開発に対するモチベーションを維持する工夫が必要であると考える。
著者
花輪 公雄
出版者
Tokyo Geographical Society
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.114, no.3, pp.485-495, 2005-12-25 (Released:2009-11-12)
参考文献数
12

The oceans play important roles in the formation of the earth's climate, and in climatic variations and change. One of these important roles is meridional heat transport due to oceanic general circulation, especially three-dimensional thermohaline circulation through the entire water column. The oceans transport a huge amount of heat-as much as that of the atmosphere. Accordingly, the north-south gradient of surface air temperature is greatly mitigated. Corresponding to global warming due to increases of greenhouse gasses, the oceanic heat content hasincreased sharply. Global warming might cause a weakening of the strength of thermohaline circulation.
著者
木幡 大河 佐藤 真里 菅原 布美 佐々木 聡也 八木 一正 菊池 新司
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.61-62, 2010 (Released:2018-04-07)
参考文献数
1
被引用文献数
1

本研究では、独自の粉塵爆発装置を作成して、生徒が視覚的に捉えやすい「粉塵爆発」の教室規模での教材化を試みる。粉塵爆発が起こりやすい条件を研究するとともに日常で爆発が起こり得る可能性も示し、生徒の防災の意識を高めることも目指したい。
著者
宇城 研悟
出版者
一般社団法人 日本臨床神経生理学会
雑誌
臨床神経生理学 (ISSN:13457101)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.393-398, 2014-12-01 (Released:2016-02-25)
参考文献数
7

臨床脳波の記録は, アーチファクトを最小限に抑えて判読のしやすい綺麗な脳波を記録することが, われわれ脳波記録者に課せられた業務の1つである。特に脳死判定の際にはアーチファクトを取り除くことが極めて重要な作業となり, 臨床検査技師として腕のみせ所である。確かに, 一般書籍によると, アーチファクトはその原因をつきとめて, 可能な限り除去することと述べられている。しかし, 時としてアーチファクトそのものが, 臨床脳波判読の際に大切な情報をもたらすこともあり, アーチファクトを注意深く観察しなくてはならない場合も存在する。臨床脳波の記録はアーチファクトとの闘いであり, 判読の敵となることが大半であるが, ときには結果を紐解く味方にもなりうるアーチファクトも存在する。一般的なアーチファクトの鑑別点や対処法, 臨床的意義のあるアーチファクトの鑑別を一部症例提示しながら述べる。
著者
高橋 康史
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.100-114, 2015-10-30 (Released:2017-04-30)

本稿の目的は,犯罪者を家族にもつ人びとが,いかにして自己の体験を語るようになるのかを描き出し,彼/彼女らが実践するスティグマ対処の手段の1つとしての役割距離とそのメカニズムを明らかにすることである.したがって,犯罪者を家族にもつ人びとへの支援に関する研究と異なる視点から,彼/彼女らの経験に接近する.具体的には,これまでの研究で議論されていない犯罪者を家族にもつ人びとの体験の語り得なさを乗り越える過程を捉えることを目指し,彼/彼女らの語りを事例として役割距離の観点から検討した.その結果,彼/彼女らは,加害者の家族として自己を振る舞えるようになるというスティグマの受容を経ることで,沈黙の状態から脱却していたことが明らかになった.彼/彼女らは,異質な他者や同じ属性をもたない他者との同質性の発見や,同じ属性をもたない他者との関係性を通じた自己の内にある普通さの想起によって,加害者の家族としての自己との距離化を実践し,スティグマが自己の役割の一部でしかないことを自覚していた.以上のことから,彼/彼女らの「回復」において,同じ属性をもたない他者との出会いや相互作用が重要な意味をもつことがわかる.
著者
水谷 瑛嗣郎
出版者
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所
雑誌
メディア・コミュニケーション : 慶応義塾大学メディア・コミュニケーション研究所紀要 (ISSN:13441094)
巻号頁・発行日
no.70, pp.29-42, 2020-03

1 はじめに : 公職者によるSNSの利活用と言論空間の構造転換2 SNSとパブリック・フォーラム論3 ネットワーク請願権の登場?4 SNSとネットワーク請願権5 おわりに 日本型パブリック・フォーラムの可能性?
著者
芹沢 宏明
出版者
日経BP社
雑誌
日経バイオビジネス (ISSN:13464426)
巻号頁・発行日
no.30, pp.140-143, 2003-11

米国で遺伝子スパイ事件に巻き込まれた元被告、芹沢氏による手記の第4回目。起訴された容疑は経済スパイ罪のほか、共謀罪など4件。無実を立証しようと努力したが、もう一人の被告、日本に帰国したままの岡本卓氏との連絡が取れず、同氏が勤務していたクリーブランド研究所からの協力が得られないことも芹沢氏には不利に働いた。
著者
上地 秀昭 Hideaki Uechi 豊見城中央病院産婦人科 : 獨協医科大学産科婦人科学 Devision of Obstetrics and Gynecology Tomishiro central Hospital : Department of Obstetrics and Gynecology Dokkyo Medical University
雑誌
Dokkyo journal of medical sciences (ISSN:03855023)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.25-31, 2011-03-25

近年若年女性の子宮頸部異形成や上皮内癌などの初期病変が増加傾向にあり,その治療として子宮頸部円錐切除術(円切)が施行されている.円切により子宮頸部浸潤癌の発生を減少させるが,再発した場合浸潤癌へ進展する危険性は高い.そのため治療後の再発を早期に発見することが求められる.今回,当院で円切を施行した226 例において,円切前後におけるhuman papillomavirus(HPV)感染と外科断端陰性例での再発との関連性を検討した.術前のHPV 陽性率は97.3%(220/226 例)であり,HPV16 型が最も多く44.5%を占めた.HPV 陽性220 例中54 例(25.4%)に術後HPV 陽性が持続し,HPV 陰性例に比して再発率が有意に高かった(p<0.01).また,外科断端陰性の181 例においても,円切後HPV が持続した例での再発率が有意に高かった(p<0.01).さらに円切後HPV 陽性の外科断端陰性例において,円切前後で同じ型のHPV が持続した例では有意に再発率が高かった(p<0.01).以上より,円切後HPV 陽性及びHPV の型(同一)は再発のリスク因子であり,円切後のフォローアップに細胞診のみでなくHPV 検査及び型検索を併用して行うことが重要である.
著者
堀口 申作
出版者
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.1-82, 1966 (Released:2008-03-19)
参考文献数
157
被引用文献数
4

The eipharyngeal cavity, which is situatedbehind the nasal cavity, is often affected by infla-mmation which is not always noticed even by thepatient himself. This inflammation is also diffi-cult to discover by routine observation methodssuch as posterior rhtnoscopy or epipharyngealendoscopy. The only method of ascertainingthis inflammation is the direct method ; touchingthe epipharynx wall, especially the backside ofthe soft palate, directly with a cotton applicator.If there exists inflammation in the epipharynx, the patient feels severe pain and sometimes evenbleeding is seen as a result of slight rubbing ofthe wall. The smear which is made from thisinserted cotton applicator shows the approximatedegree of inflammation.The exact diagnosis of epipharyngitis can bemade only by this direct procedure. Also by thisprocedure, many cases of epipharyngitis whichusually show no local symptoms are found.