著者
藤上 隆治
出版者
文教大学
雑誌
文学部紀要 = Bulletin of The Faculty of Language and Literature (ISSN:09145729)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.59-72, 2019-10-31

文字では正確に発音を表記できない上に、英語は綴りどおりに必ずしも発音しない言語の一つである。従って、コミュニケーション上、カナであれ発音記号であれ、英語を読ませる工夫が必要である。これを本稿の立脚点とし、本稿では幕末・明治初期の英学書における英語の発音表記に関する研究の一環として、1867(慶応3)年に出版された『洋學指針 英學部』に見られるカナ表記の工夫を探った。その結果、『洋學指針 英學部』では、カナで英語音を表すことには無理があるという見解を示しながらも、wineを「ウワイン」というように[w]をカナ2文字で表すなどの工夫が見られた。
著者
渡部 真 宍戸 道明
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.41-46, 2016 (Released:2016-07-07)
被引用文献数
1

人間の精神状態はスポーツや知的作業の結果に影響を与え、とくに高い集中状態のとき良好な結果を得ることができる。この集中力向上のアプローチのひとつにバイオフィードバック (Biofeedback: BF) が挙げられる。BFは、工学的な手法を用いて生体情報を利用者の視覚あるいは聴覚へとフィードバックし、心身の随意的制御を可能とする技法である。このとき、生体情報の呈示手法の違いにより集中力向上効果には差異が生じると考えられる。そこで本研究では、集中力向上を目的としたBFの装置の開発設計を行い、視覚と聴覚のBFにおける集中力の向上効果を比較した。とくに(1)BF前後における集中力の向上度、(2)継続的なBFによる平均集中力の推移について評価した。実験(1)では、被験者は12名とし呈示手法により6名ずつに分け、各被験者の安静時とBF時の平均集中力を比較した。その結果、視覚呈示法は6名中5名、聴覚呈示法は6名全員の集中力が向上した。一方、実験(2)では被験者3名とし、実験(1)と同様の実験を10日間継続して行った。その結果、両呈示手法にて集中力の向上が確認された。しかし、関心意欲の低下や、聴覚呈示法が困難であるために向上効果にばらつきが生じるなどの問題点が明らかとなった。以上の結果より、BFの効果は感覚器官の特性に依存しないことが明らかとなった。そのため、BFの装置の設計では呈示手法のデザインが重要であるといえる。
著者
村田 亜悠美 小尾 信子 中平 比沙子 宮原 龍郎 落合 宏
出版者
富山大学看護学会編集委員会
雑誌
富山大学看護学会誌 (ISSN:1882191X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.39-49, 2008-03

ホタテ貝殻焼成粉末(HSSP)の殺菌および殺インフルエンザウイルス作用を検討した.微細HSSP(平均粒径3.5μm:f-HSSP)の0.15%生理食塩水懸濁液に5分接触させた場合,大腸菌の生残菌数は検出限界以下であったが,緑膿菌と黄色ブドウ球菌の生残率は,それぞれ3×10-3%と2.5%であり,大腸菌に最も強く殺菌作用を示した.f-HSSP,粗製HSSP(平均粒径18.4μm:c-HSSP),酸化カルシウムおよび水酸化カルシウムの0.15%生理食塩水懸濁液はほぼ同じpH(12.6~12.76)を示した.しかし,これら4試薬の大腸菌に対する経時的殺菌力を比較したところ,5分接触では全ての試薬においても生残率は検出限界以下であったものの,2分より短い接触時間域でf-HSSPが他3試薬より10~1000倍強い殺菌作用を示した.さらに,f-HSSP生理食塩水懸濁液は,濃度と接触時間依存的にインフルエンザウイルスA型PR8株とB型Sing株の感染性を失活させた.しかし,f-HSSP(37℃,30分接触)は少なくともA型PR8株の赤血球凝集活性には影響を与えなかった.0.75%生理食塩水懸濁液の殺インフルエンザウイルス作用を4試薬間で比較したところ,f-HSSPは短時間接触域で,c-HSSPよりおよそ1000倍強かったが,酸化カルシウムと水酸化カルシウムよりは弱い傾向を示した.これらの結果は,f-HSSPは強い大腸菌殺菌作用に加え,殺インフルエンザウイルス作用があることを示している.いずれにしても,このように少なくともc-HSSPより強力な抗微生物作用を有するf-HSSPは,感染看護の視点からも,様々な医療器具・看護器材の有用な天然資材と思われた.興味あることは,リン酸緩衝食塩水に懸濁すると,これらの作用は100倍から1000倍に減弱することであった.この知見に加え,4試薬間の生物活性の強さの違いの研究は今後の検討課題として残った.

2 0 0 0 IR うどんの歴史

著者
岡 玲子
出版者
福岡女学院大学
雑誌
福岡女学院大学紀要. 人間関係学部編 (ISSN:13473743)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.29-34, 2006-03-31
著者
中込 四郎 Nakagomi Shiro
巻号頁・発行日
2000

競技スポーツ選手を支えるスポーツサイエンスの多くが競技力向上のサポートを目的としている.また最近では,タレント発掘といった方面にもいくつかの関連領域が基礎資料の積み重ねに着手し始めている ...

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1918年07月12日, 1918-07-12

2 0 0 0 OA 官報

著者
大蔵省印刷局 [編]
出版者
日本マイクロ写真
巻号頁・発行日
vol.1948年06月29日, 1948-06-29
著者
松盛 裕明
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.140, no.8, pp.NL8_5, 2020-08-01 (Released:2020-08-01)

This paper describes the introduction and research topics of Kosaka and Matsumori Laboratory in Nagoya Institute of Technology.
著者
満園 憲治 黒田 満 村上 勝彦 北川 一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.49, pp.325-326, 1994-09-20

ボロノイ図を各ボロノイ領域内に再帰的に描くことでフラクタルパターンが生成できる。これを発展させて,母点の数や配置に変化をもたせるとともに表示方法を工夫することで異なるパターンを生成する方法を示す.ボロノイ図の構造を変えることなく一部の情報を強調するだけで,通常のボロノイ図のイメージからかけ離れたパターンがえられる.
著者
河本 夏雄 行弘 研司 木内 信 阪口 洋樹 和田 旭紘 伊藤 雅信 小瀬川 英一 中村 匡利 池田 真琴 木内 彩絵 桑原 伸夫 金児 雄 比留間 潔 水谷 信夫 浅野 眞一郎 石橋 純 飯塚 哲也 神村 学 志村 幸子 瀬筒 秀樹 冨田 秀一郎
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.1_053-1_063, 2019 (Released:2019-05-16)
参考文献数
24

We surveyed the distribution of the wild mulberry silkmoth, Bombyx mandarina, using pheromone traps. Male moths were captured in all the prefectures of Japan except Okinawa Prefecture. In Tokara Islands, B. mandarina inhabits Nakanoshima and Akusekijima Islands while it is absent in Takarajima Island, which lies to the south of the Watase line. No Bombyx moths were captured in Iki, Amami, and Okinawa Islands. In addition, we collected B. mandarina in Hachijo Island for the first time. 1) Institute of Agrobiological Sciences, National Agriculture and Food Research Organization, 1-2 Owashi, Tsukuba, Ibaraki 305-8634, Japan; 2) Department of Applied Biology, Kyoto Institute of Technology, Matsugasaki, Sakyoku, Kyoto, 606-8585, Japan; 3) Genetic Resource Center, National Agriculture and Food Research Organization, 6585 Kobuchisawa, Hokuto, Yamanashi, 408-0044, Japan; 4) Gunma Sericultural Technology Center, 2326-2 Soja, Soja-machi, Maebashi, 371-0852, Japan; 5) Faculty of Agriculture and Life Sciences, Hirosaki University, Hirosaki 036-8561, Japan; 6) Kyushu Okinawa Agricultural Research Center, National Agriculture and Food Research Organization, 2321 Suya, Koshi, Kumamoto 861-1192, Japan; 7) Graduate School of Agriculture, Hokkaido University, Sapporo, Hokkaido, 060-8589, Japan.

2 0 0 0 美術手帖

出版者
美術出版社
巻号頁・発行日
vol.28, no.407, 1976-05
著者
山本 直弥 勝平 純司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.44 Suppl. No.2 (第52回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1235, 2017 (Released:2017-04-24)

【目的】サッカーのキック動作に関する研究は下肢三関節を中心に行われており,腰部負担が客観的数値で示された研究の報告は見当たらない。腰部負担を示す指標として,椎間板圧縮力がある。椎間板圧縮力(以下,LBC)は年齢や性別の違いで許容値が異なるとされており,20代男性は6000Nとされている。この年齢性別の違いを総合して,National Institute of Occupational Safety and Healthは性別年齢問わず,3400N以下を推奨している。本研究では,この3400Nを許容値,20代男性の6000Nを限界値と定義して行った。本研究の目的はサッカーのキック動作における腰部負担を運動力学的に明らかにすることとし,その中で,インステップとインサイドのLBCを算出し,比較検討した。また,腰部体幹に着目し,それぞれのキックのLBCの増加に影響を及ぼす因子を比較した。【方法】対象はサッカー経験のある健常若年男性12名とし,全員右利きの者とした。平均年齢21.1±1.7歳,平均身長171.8±5.7cm,平均体重64.3±5.9kgであった。三次元動作解析装置,床反力計,赤外線カメラを使用し,被験者には赤外線反射マーカーを計36個貼付した。計測条件としては固定した位置から助走を開始し,その後床反力計の上に置かれたボールをインステップ,インサイドで3回ずつ蹴る。本研究では,ボールスピードの再現性のため65~75%のボールスピードで行うこととした。65~75%の算出方法は,計測前被験者に最大努力でのキックを実施させ,そこで得たボールスピードの値を100%として65~75%を算出した。計測期間は軸足の踵接地からボールインパクトまでを測定した。その期間内でLBCが最大となった時点での腰部モーメントを抽出した。また計測期間内での体幹と骨盤の角度を抽出した。統計解析は対応のあるt検定を用い,有意水準は5%とした。【結果】LBCのピーク値はインステップで3906.28±591.40N,インサイドで2647.31±401.68Nとなった。LBCを体重で正規化した値において,インステップはインサイドよりも有意に大きな値を示した。腰部モーメントについては,右側屈モーメント,左回旋モーメントでインステップのほうが有意に大きな値を示した。骨盤は全施行左へ回旋していき,その左回旋角度量はインステップで有意に大きな値を示した。【考察・結論】LBCは,インステップでは6000Nの限界値までは達しないが,3400Nの許容値は超えており,インサイドでは許容値以下に抑えられていた。体重で正規化すると,インステップで有意に大きい値を示した。この原因として,インステップでの腕の振りが大きいことや,またインサイドでは蹴り足股関節外旋モーメント発生に備えるため,腰部左回旋モーメントを抑えていたことなどが考えられる。以上の点から,インステップでの強いシュートを目指すだけでなく,インサイドでの正確なシュートも交ぜて練習を行うと,腰痛の障害予防になるのではないかと考えた。