著者
Yuto Sekiguchi Mayuka Yamada Takuya Noguchi Chise Noomote Mei Tsuchida Yuki Kudoh Yusuke Hirata Atsushi Matsuzawa
出版者
The Japanese Society of Toxicology
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.435-440, 2019 (Released:2019-06-04)
参考文献数
24
被引用文献数
3 15

Fas/CD95 plays a pivotal role in T cell-mediated cytotoxicity. Accumulating evidence has suggested that resistance to Fas-mediated apoptosis contributes to the escape of cancer cells from immune destruction, and allows to undergo proliferation and outgrowth of cancer cells. In this study, we found that the anti-cancer drug gefitinib, a tyrosine kinase inhibitor of epidermal growth factor receptor (EGFR), has an ability to enhance Fas-mediated cytotoxicity. In the presence of nontoxic concentrations of gefitinib, Fas-induced activation of caspase-8 and subsequent apoptosis was dramatically promoted, suggesting that gefitinib increases the sensitivity to Fas-mediated apoptosis. Interestingly, the effects of gefitinib were observed in EGFR or p53 knockout (KO) cells. These observations indicate that both EGFR and p53 are dispensable for the enhancement. On the other hand, gefitinib clearly downregulated heat shock protein 70 (HSP70) as previously reported. Considering that HSP70 contributes to protection of cells against Fas-mediated apoptosis, gefitinib may increase the sensitivity to Fas-mediated apoptosis by downregulating HSP70. Thus, our findings reveal novel properties of gefitinib, which may provide insight into the alternative therapeutic approaches of gefitinib for Fas-resistant tumors.
著者
加納諸平, 神野易興 著
出版者
貴志康親
巻号頁・発行日
vol.後編 中巻, 1937
著者
笠原 英彦
出版者
慶應義塾大学
雑誌
法學研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.177-199, 1998-01-28

小田英郎教授退職記念号一、はじめに二、法制局成立への道程三、参事院の成立と大森鐘一四、参事院職制章程第八条第一項の運用五、結び
著者
五十嵐 崇訓
出版者
一般社団法人 日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.65, 2018-03-01 (Released:2018-06-09)
参考文献数
87
被引用文献数
1

肌は,人間にとって最も“目にする”身近な認識対象の一つである.そのため,肌の外観(アピアランス)は,学術・産業分野における重要な研究の対象として研究が進められている.この際,肌のアピアランスの特徴を決定する重要な因子の一つである“色”は,不可欠な評価対象である.そのため,肌の色彩を理解する上で有用となる様々な観点からの研究が展開されている.本報では,このような多岐にわたる研究分野の中から,肌色とその周辺に関する基礎知見として三つの観点から先行研究をレビューする.まず,肌色に関する一般的な評価知見として,(1)データベースに基づいた肌色特徴に関する最近の研究を振り返る.次に,しばしば肌色の理解において必要となる生理学的観点からの評価知見として,(2)分光データや画像データなどから肌の主要色素(メラニンとヘモグロビン)を定量化・指標化するための解析法の事例をレビューする.最後に,これらの評価では捉えづらいと考えられる肌特有の評価知見として,(3)肌・顔に特徴的な知覚を扱った最近の研究事例の一端を振り返る.
著者
小峰 智行
出版者
智山勧学会
雑誌
智山学報 (ISSN:02865661)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.359-374, 2016

&nbsp;&nbsp;&nbsp;&nbsp;真言声明の伝承や記譜法の分析をする上でしばしば問題になる理論として「反音」がある。四種類あるとされるこの「反音」については、『魚山蠆芥集』として幾つかの版が知られる真言声明の譜本の巻末にも、「四種反音図」が記されており、これらは転調や移調について示したものとして今日理解されている。確かに広い意味での転調・移調ということであるなら異論はないが、近年の多くの研究者はこれを特に16世紀のヨーロッパに端を発する基礎的な和声学、機能和声の論理や用語で説明しようとする傾向があるように思える。そもそも声明は単旋律無伴奏ユニゾンであり、和声法の概念が無い。もちろん、西洋音楽の楽典で用いられる用語や理論を適用して、声明の理論を考察することは大変有効である。しかし、それらを声明の音楽理論に正しく適用するためには、現在我々が一般的に聞いたり演奏したりしている現代の音楽のほとんどが、和声の機能によって調性が確定される音楽であり、我々は自然とその論理に支配されているということを意識する必要があると考えている。<br> そもそも音楽とは理論ありきのものではなく、音楽理論はその理解や分析、整理、伝承、そして普及などのために後から発展したものである。それは言語が意志伝達の手段として必然的に発生し、後に文字や文法によって整えられてきたという事実と同様である。そのような意味で楽譜とは言語における文字であり、音楽理論は文法であるともいえる。そしてそれらは言語、あるいは音楽が同じ様式を保ちながら普及する上で不可欠である。しかし、言語がそうであるように、音楽もまた日々変化している。従って、例えば中古日本語の文法と現代国語文法が異なるように、声明に必ずしも現代の音楽理論をそのまま適用することはできないのである。<br> 我が国における声明は奈良時代に始まり平安時代に発達したとされている。当時の中国ではすでに音楽理論が整えられ、7世紀に始まる遣隋使の派遣以降、楽曲や楽人と共に日本に輸入されていくこととなる。我が国においては、701年の大宝律令制定時には雅楽寮が設置され、組織的な音楽・舞踊の教習・演奏が行われるようになり、これが雅楽の起源となったことはよく知られている。一方、この時代のヨーロッパではグレゴリオ聖歌が普及し、記譜され、そして教会旋法が整えられた。アジアでもヨーロッパでもこの時代の音楽はモノフォニーかその変種であり、音楽理論も音律・音階・旋法に関するものである。従って声明の音楽理論もまた、そのような視点から考察する必要がある。<br> 筆者は拙稿「四智梵語の反音(1)」で、声明における「反音」について「旋法の変化」あるいは「旋法の移動」という表現を用いて考察を試みた。しかし調査や知識の不足のため、多くの課題を残した。本稿はこれを補うとともに、主に旋法の視点から声明の音楽理論を考察するものである。それにあたって、基礎的な音楽理論と旋法論について述べなければならないが、これらは一般的な楽典に加え、音楽学者である東川清一氏による旋法論や分析のための方法論を参考にしていることを一言添えておきたい。
著者
二村 良彦 川合 敏雄 堀越 彌 堤 正義
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.259-267, 1980-07-15

「コーディングは流れ図の作成から始まる(Coding begins with the drawing of the flow diagrams.)」と言ったのは 1940年代のGoldsteinとNeumannだった.それ以来今日まで プログラムを書く前に流れ図 すなわちフローチャートを書くことが 多くのプログラマの習慣になってきた.ところが 高級言語が発達したり 構造化プログラミング技法が普及するにつれ フローチャートの欠点が目立つようになった.フローチャートに構造化プログラミングやプログラムの段階的改良(Stepwise Renfinement)の考えを取入れた図式としてはNSチャートやFerstlチャート等が提案された.また フローチャートを使わずに 直接 PASCAL 等の構造化プログラム言語やPDL等のシュードコードでプログラムの論理を記述することも提案されている.しかし これ等はフローチャートほどには広く使われていない.われわれは PAD(Problem Analysis Diagram すなわち問題分析図)と呼ぶ2次元木構造をした図面によりプログラムの論理を記述する方法を提案してきた.そして 多くの機種(プログラマブル電卓から大型計算機まで)に対する各種(OS アプリケーション等)のプログラムの開発を使用してきた.PADは ワーニエ図の問題点を改良するために (1)制御構造を強化し (2)図式から直接コーディングできるようにし さらに (3)ハードウェアの図面のような体裁を持つように図式を改良したものである.結果的には PADは 構造化プログラムを2次元的に展開した図式になった.特にPADが標準的に備えている制御構造はPASCALに基づいて定めてあるので PADはPASCALプログラムを2次元的に展開したような図式であり PASCAL Diagzamと言うこともできる.
著者
猪阪 善隆 楽木 宏実
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.5, pp.1074-1080, 2014-05-10 (Released:2015-05-10)
参考文献数
10

ヨード造影剤は時に急性腎障害をきたすが,慢性腎臓病患者ではそのリスクが高い.造影剤投与直後に起こる血管攣縮に伴う腎虚血と造影剤による尿細管の障害が造影剤腎症のメカニズムと考えられているが,造影剤投与後短時間で発症するため,予防が重要である.さまざまな臨床研究が行われているが,現時点で有効な予防法は,造影剤使用量を最小限にすることと,適切な輸液のみであり,患者のリスクと病態の把握が肝要である.
著者
藤倉 善郎
出版者
新潮社
雑誌
週刊新潮 (ISSN:04887484)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.50-53, 2010-01-14
著者
Kazushi Ohya
出版者
Japanese Association for Digital Humanities
雑誌
Journal of the Japanese Association for Digital Humanities (ISSN:21887276)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.68-85, 2015-09-02 (Released:2015-09-02)
参考文献数
24

This paper introduces the idea of data sharing strategy based on a conversion service, not on a sharing application, scheme, or ontology, that are dominant in proposals for language documentation. Although these three methods have been basic tactics for sharing corpora, they have a conceptual flaw in terms of descriptive linguistics. In this paper we report the results of a previous project - the LingDy project, and propose a basic concept for corpus sharing strategy to support personal diachronic data sharing. This paper is a revised version of a handout at JADH2012, so readers should be careful that this content is based on results at the time of 2012.
著者
清水 彩洋子 平良 暁子 畑﨑 聖弘 馬屋原 豊 平良 真人 古賀 正史
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.121-127, 2015-02-28 (Released:2015-03-05)
参考文献数
18
被引用文献数
2

HbA1cは血糖コントロール指標として広く用いられているが,貧血や異常ヘモグロビンを有する患者のHbA1cは血糖コントロールを正しく反映しない.今回,HbA1cが偽性高値を示したために,経口血糖降下薬の投与を受けた非糖尿病異常ヘモグロビンの2例を経験した.2例とも高血糖は認めなかったが,免疫法で測定したHbA1cが高値を示した.1例はスルホニルウレア薬の投与で低血糖をきたしたが,他の1例はDPP4阻害薬およびビグアナイド薬の投与のために低血糖は起こさなかった.内服薬中止後に行ったOGTTの結果,1例は境界型,他の1例は正常耐糖能であった.HbA1cと血糖の乖離より異常ヘモグロビンを疑い,グロビン遺伝子解析を行った結果,β鎖のヘテロ変異を認め,Hb Himeji[β140Ala→Asp]と診断した.今回の経験より,糖尿病の診断はHbA1cのみでは行ってはならないことを再認識した.
著者
岩崎 幸司
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際プロジェクト・プログラムマネジメント学会誌 (ISSN:24329894)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.79-88, 2008-03-14 (Released:2017-10-18)

新薬開発は10年以上の長期間にわたり数百億円を先行投資するにもかかわらず、成功確率は1%以下の典型的なハイリスクハイリターンのプロジェクトである。国際P2M学会(IAP2M)製薬研究会では、これにP2Mのプログラムマネジメントを適用することにより、成功確率を向上させ企業としての国際競争力を向上させることを目指して2006年2月から検討を進めてきた。今回は、医薬品開発の特殊性を解説したうえでP2Mのプログラムマネジメントの概念を適用することを考え、アーキテクチャマネジメント、プロジェクトの経済性評価、製品プロファイルとリスク管理、資源調達マネジメント及びプロジェクトマネジャーの資質について考察しているので、その中間結果を報告することにより議論の材料を提供したい。