著者
梅原 頼子 Yoriko Umehara 鈴鹿大学短期大学部 Suzuka Junior College
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-10, 2016-03-10

内臓脂肪の蓄積は、生活習慣病と密接な関連がある。また、内臓脂肪の蓄積は年齢に伴って増加することから、青年期より内臓脂肪を蓄積することは生活習慣病へのリスクが高まるため、早期に発見し、生活習慣の改善に努めることは大切である。そこで、青年期の内臓脂肪蓄積と身体状況および生活習慣の関連について検討を行った。平成27年4月~6月、S大学短期大学部女子学生を対象に、内臓脂肪蓄積、身体状況調査、生活習慣を調べるための食物摂取頻度調査、食意識、運動習慣、睡眠についての調査を実施した。内臓脂肪蓄積と身体状況の関係については相関分析、内臓脂肪蓄積とBMIについては一元配置分散分析、内臓脂肪蓄積と体脂肪率、腹囲、AFI、食意識、睡眠についてはt検定を行った。その結果、内臓脂肪蓄積の推定には、身体状況を指標にできる可能性が示唆された。また、内臓脂肪蓄積と関連のあった生活習慣は、ご飯などの穀類をしっかり食べること、睡眠時間7時間未満であった。したがって、女子学生における内臓脂肪の蓄積を防ぐためには、適切な生活習慣を身につけ、体脂肪率や腹囲の測定を義務付けることが必要であると考えられた。
著者
柴村 紀代
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学紀要. 第II部 (ISSN:13461389)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.97-104, 2010-03-31
著者
趙 衛国
出版者
東京大学
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.337-346, 2008-03-10

This paper examines the effects of interaction with a different cultural environment on personality formation and ego establishment in ten Chinese students, and then draws conclusions concerning the main effects of adjusting to a new cultural identity. An analysis of data from a three-year ethnographic study in K. High School suggests that three key factors influence adjustment: the existence of friends and important others comparisons between Chinese and Japanese schools, and family influences. These three factors are interactive, and influence students'adjustment to a new school and the re-adjustment of their cultural identity.
著者
須田 千里
出版者
奈良女子大学
雑誌
叙説 (ISSN:0386359X)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.1-17, 1993-12-01
著者
豊島 直博
出版者
奈良大学
雑誌
奈良大学紀要 (ISSN:03892204)
巻号頁・発行日
no.44, pp.93-98, 2016-03

斑鳩大塚古墳は奈良県生駒郡斑鳩町に所在する直径35mの円墳である。1954年に最初の発掘調査が行われたが、正確な墳丘の規模や形は明らかにされなかった。奈良大学文学部文化財学科は斑鳩町教育委員会と共同で、2013年から斑鳩大塚古墳の調査を開始した。測量調査、地中レーダー探査、2度の発掘調査によって、①古墳は幅約8m、深さ約80cmの周濠をもつこと、②円墳ではなく、前方部をもつこと、③円筒埴輪、形象埴輪が樹立されていたこと、④古墳時代中期前半(5世紀前半)に築造されたことなどが明らかになった。今後は前方部の規模を確定すること、段築成や葦石、埴輪の残存状況など、墳丘本体に関する情報を得ることが課題であり、発掘調査を継続する予定である。

1 0 0 0 脚下照顧

著者
井出 雅弘
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, 2005-05-01

表題にからめて,不安について思うところを述べたいと思う.安永によれば,不安を恐怖という感情に対比させて論じている.切迫する現実的有危険や困難が,明確な形で直接に認知された場合,われわれは恐怖を感じるものである.その際,その対象に対抗意識をもって注意が集中し,緊張し,衝動的逃避,あるいは反撃の構えをとる.それに対して危険感が,明らかな形をとらずに襲いかかるとき,われわれは不安を感じる.それは,よりび漫性に精神に侵し込む「根本的心情性一であり,無力感や狼狽の状態に陥る.それはあまり外を志向せず,身体感覚とともに感じられる陸面的な混乱状態の感覚である.つまり,不安は莢象がはっきりしない内的な葛藤を含む感情で麦り,差し迫った危険に対して覚醒度を上げて,危険回避の対処行動をとらせるための信号と解釈てきる.誰しも不安を感じるものであるが,病的な不安になると自分では制御することが難しく,比較的長く持続したり,再現を繰り返したり,再現するのではないかという不安感を伴う.不安に関して印象に残った患者の言葉をここに紹介しよう.「いろいろなことに不安になるのは,もし不幸なことが生じたときに不安という心の準備をしていたので,そのときは不安が強くならないのです」と.これは不安について考えさせられる言葉であった.折りしもその後患者は乳癌に罹患したが,冷静に対応されていたのである.心の対処様式の一つであろう.対比的だが,ここで次のような有名な禅問答を思い出す.雪の降りしきる極寒の日,壁に向かい続ける達磨に一人の男が訪ねてきた.名を神光.四書五経の万巻を読み尽くしていた人物である.彼は膝まで積もった雪の中で達磨に問うた.「心が不安でたまらないのです.先生,この苦悩を取り去ってください」.達磨は答える.「その不安でたまらない心というものを,ここに出してみろ.安心せしめてやる」.神光は,「…出そうとしても出ません.心にはかたちがないのです」.達磨はすかさず,「それがわかれば安心したはずだ.かたちのないものに悩みがあるはずもない」と.神光は,その後達磨の弟子となり,第二代の祖となった.ここで「不安に不安となる」という言葉が浮上してくる.これは守ろうとする自己と,煩悩,執着,こだわりなどを捨てようという自己との葛藤に関連するものかもしれない.守りに入ると維持するのが苦しい.かといって捨ててしまうには,相当な心的エネルギーを要する.このように,われわれの心は絶えず揺れ動いている.心は身体と違ってひとつのところに置いておけないものであるから,それをありのまま認めるしかないのである.そこで「脚下照顧」という四字禅語が登場する.意訳すればあまり外のことばかりに気をとらわれず,むやみに動かず,自分の足もと,心の中を観ておきなさいということであろう.ごく当たり前の日常生活の中に自分の心を根付かせよということのようだ.具体的にいえば「飯を食うときは飯を食うことに徹し,糞をするときは糞をすることに徹しよ」ということであろう.そこには不安が介在する間がないのである.

1 0 0 0 脚下照顧

著者
井出 雅弘
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, 2005
参考文献数
1

表題にからめて,不安について思うところを述べたいと思う.安永によれば,不安を恐怖という感情に対比させて論じている.切迫する現実的有危険や困難が,明確な形で直接に認知された場合,われわれは恐怖を感じるものである.その際,その対象に対抗意識をもって注意が集中し,緊張し,衝動的逃避,あるいは反撃の構えをとる.それに対して危険感が,明らかな形をとらずに襲いかかるとき,われわれは不安を感じる.それは,よりび漫性に精神に侵し込む「根本的心情性一であり,無力感や狼狽の状態に陥る.それはあまり外を志向せず,身体感覚とともに感じられる陸面的な混乱状態の感覚である.つまり,不安は莢象がはっきりしない内的な葛藤を含む感情で麦り,差し迫った危険に対して覚醒度を上げて,危険回避の対処行動をとらせるための信号と解釈てきる.誰しも不安を感じるものであるが,病的な不安になると自分では制御することが難しく,比較的長く持続したり,再現を繰り返したり,再現するのではないかという不安感を伴う.不安に関して印象に残った患者の言葉をここに紹介しよう.「いろいろなことに不安になるのは,もし不幸なことが生じたときに不安という心の準備をしていたので,そのときは不安が強くならないのです」と.これは不安について考えさせられる言葉であった.折りしもその後患者は乳癌に罹患したが,冷静に対応されていたのである.心の対処様式の一つであろう.対比的だが,ここで次のような有名な禅問答を思い出す.雪の降りしきる極寒の日,壁に向かい続ける達磨に一人の男が訪ねてきた.名を神光.四書五経の万巻を読み尽くしていた人物である.彼は膝まで積もった雪の中で達磨に問うた.「心が不安でたまらないのです.先生,この苦悩を取り去ってください」.達磨は答える.「その不安でたまらない心というものを,ここに出してみろ.安心せしめてやる」.神光は,「…出そうとしても出ません.心にはかたちがないのです」.達磨はすかさず,「それがわかれば安心したはずだ.かたちのないものに悩みがあるはずもない」と.神光は,その後達磨の弟子となり,第二代の祖となった.ここで「不安に不安となる」という言葉が浮上してくる.これは守ろうとする自己と,煩悩,執着,こだわりなどを捨てようという自己との葛藤に関連するものかもしれない.守りに入ると維持するのが苦しい.かといって捨ててしまうには,相当な心的エネルギーを要する.このように,われわれの心は絶えず揺れ動いている.心は身体と違ってひとつのところに置いておけないものであるから,それをありのまま認めるしかないのである.そこで「脚下照顧」という四字禅語が登場する.意訳すればあまり外のことばかりに気をとらわれず,むやみに動かず,自分の足もと,心の中を観ておきなさいということであろう.ごく当たり前の日常生活の中に自分の心を根付かせよということのようだ.具体的にいえば「飯を食うときは飯を食うことに徹し,糞をするときは糞をすることに徹しよ」ということであろう.そこには不安が介在する間がないのである.
著者
趙 恃雷 米谷 淳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.174, pp.7-10, 2002-06-21
被引用文献数
3

中国人の顔面行動を研究する手始めとしてわれわれは彼らの典型的な表情を集めて分析する作業を進めている。北京在住の演劇学生が様々な感情表出場面で演じたアドリブ演技を撮影し、どのような場面でどのような表情が表出されるかを調べてみた。一人の男子学生のアドリブ演技をFACSで表情分析したところ、7種類の明瞭な基本表情が認められた一方、付随するジェスチャーや感情生起因に中国的と思われる特徴が見られた。討議では中国人の表情研究において様々な条件で撮影した表情の動画像とその時系列分析結果、そしてそれを刺激に用いた評価実験の結果を含む統合データベースを構築することの重要性を論じた。
著者
田村 俊明 鈴木 史朗 大和 明子 須藤 一郎 原田 容治 望月 衛
出版者
The Japanese Society of Gastroenterology
雑誌
日本消化器病學會雜誌 = The Japanese journal of gastro-enterology (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.8, pp.1043-1047, 2000-08-05
被引用文献数
2

症例は39歳女性,皮膚黄染を主訴に入院となり肝機能障害とIgMHA抗体陽性を認め,急性A型肝炎と診断された.40日で軽快退院したが,退院後17日目に再度肝機能が増悪し再入院となった.抗核抗体陽性,高ガンマグロブリン血症を認め,肝生検では慢性活動性肝炎像を呈し自己免疫性肝炎と考えた.プレドニゾロン投与が著効し経過良好で現在も外来通院中である.急性A型肝炎を契機に診断した自己免疫性肝炎の報告例は少なく,我々は国際診断基準を含め自己免疫性肝炎の診断について若干の文献的考察を加え報告した.
著者
神谷 英樹 峰野 博史 小佐野 智之 角野 宏光 石川 憲洋 水野 忠則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.460, pp.67-72, 2009-02-26
被引用文献数
1

携帯電話やPDAなどの位置測位可能な携帯端末の普及に伴い,GoogleMapやNaviTimeに代表されるロケーションアウェアネスなサービスの提供が注目されている.このようなサービスを提供するために任意の位置に存在する情報端末を,位置に基づきP2Pで効率良く探索する様々な手法が提案されてきた.しかし,既存の手法は効率の良い探索を実現するために多くのノード情報を管理するスーパーノードなどの特殊ノードが要求され,スケーラビリティの点で現実的とはいえない。そこで,本研究ではP2Pネットワークにスモールワールド理論を適用し,特殊ノードを使わずに低リンク次数で位置に基づく探索を効率的に行う手法を検討・提案する。
著者
金丸 但馬 杉谷 房雄
出版者
日本貝類学会
雑誌
ヴヰナス
巻号頁・発行日
vol.4, no.6, pp.388-399, 1934-12-15