著者
堀江 幸生
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

強い人工知能と,神の想いで創造された魂の起源・人の価値・人を人たらしめるものとの間には,キリスト者に,聖書的な教えとは何かと言う神学的な葛藤を問い続ける.それは,キリスト者として信仰が試される場でもある.技術の進歩が遅い時,キリスト者は人工知能の領域における技術的成果の可能性が,神によって本質的に制限されているという主張には関係しないことが可能であったが,強い人工知能の誕生可能性が大きくなるに連れて無視できる事柄ではなくなった.本稿では,キリスト者の聖書的な理解が,強い人工知能と対峙すべきか否か,またそれを強い人工知能にどのように作用すべきかを考察した.結果は,強い人工知能の出現を神は妨げるものではないが,強い人工知能の倫理的な影響は慎重に考慮する必要があることを提示した.
著者
千代 章一郎
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.78, no.693, pp.2409-2416, 2013-11-30 (Released:2014-07-10)
被引用文献数
2

This paper aims to elucidate the conception of Hiroshima Peace Park Project (1950) as the core of the city by Kenzo Tange (1913-2005) in the postwar reconstruction period. In addition to Peace Memorial Park in the Nakajima district, he planned the cultural complex in the Motomachi district connected the Nakajima district by the axis through the Atomic bombed Dome. However, Tange realized only Hiroshima Children's Library in the Motomachi district. In this process, the external and the internal factors are integrated in the concept of the ‘factory of peace’ by Tange.
著者
平山 健二郎 Kenjiro Hirayama
雑誌
経済学論究 (ISSN:02868032)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.351-370, 2014-12-20
著者
真鍋 友則 中川 慧 吉田 健一
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

ブランド価値や顧客満足度が B2C 企業のキャッシュ・フローや株主価値に影響することはこれまで示されてきた. 我々は本研究において, 同様の関係が B2B 企業においても成り立つかどうかを調べた. そのために, B2B 企業のブランド指標として, 名刺交換ネットワークを利用して作成された大規模アンケート調査を利用した. この新たな企業ブランド指標は, その企業の従業員と人的ネットワークを有する人々に限定した調査に基づいて作成されており, 一般的な認知の低い B2B 企業に対するブランド評価を可能にしたものである. 我々は, この企業ブランド指標が株主価値と正の関連性があることを示した. この結果は, この新規 B2B 企業ブランド指標が無形資産を反映していること, また, B2B 企業においてもブランド価値が株主価値と関連することを新たに示すものである.
著者
塚田 学 菰原 裕 粕谷 貴司 新居 英明 高坂 茂樹 小川 景子 江崎 浩
雑誌
情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON) (ISSN:21878897)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.10-23, 2018-08-20

インターネットを前提とした視聴サービスが登場し,なかでも空間に存在する視聴対象を解釈し,コンテンツとして活用するオブジェクトベースの視聴サービスの重要性が増している.2014年より,Software Defined Media(SDM)コンソーシアムでは,オブジェクトベースのメディアとインターネットを前提とした視聴空間の研究を行っている.現在,音楽イベントのDVDなどのパッケージメディアは,マイクやカメラなどの収録機材の位置によって大きく制約を受けるコンテンツである.こうした課題を解決するため,本研究では,クラシックコンサートとジャズセッションのイベントを収録し,インタラクティブに自由視聴点での三次元映像音声を再生するアプリケーション「SDM3602」を設計,実装した.SDM3602を95人の被験者に実際に体験してもらい,インタラクティブ3Dコンテンツの自由視聴点再生の有効性を検証した.さらにビルボードジャパンが開催した2017年Live Music HackasongでSDM3602のデモンストレーションを行い,審査員と一般の来場者の投票により,優秀賞を受賞した.Various audio-visual service based on Internet are deployed these days widely. Among these, object-based audio-visual services are getting more critical. We started Software Defined Media (SDM) consortium to investigate object-based audio-visual services and Internet-based audio-visual since 2014. The placement of microphone and camera limits the audience to watch at the free viewpoint of the contents of the package media such as DVD. In the study, we designed and implemented the system of interactive 3D audio-visual service with a free-view-listen point, named SDM3602. 95 persons experienced SDM3602 and answered the questionnaire in subjective evaluation. We also demonstrated the system in "Live Music Hackasong 2017" hosted by Billboard Japan. We received the second prize based on the vote of the judges and the audience.
著者
早川 敦士 北内 啓
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

新しいB2Bマーケティング手法ABM(Account-based marketing)のために,成約済みの企業データを分析して成約確度の高いターゲット企業を推薦するシステムを構築した.ターゲット企業を推薦する際,特徴量の重要度が予測スコアの増減に与える影響を解釈しやすいこと,推定時に各特徴量が相互に影響を与えないことの2点が課題となる.ナイーブベイズを拡張し,特徴量の重要度をスムージングによって修正することでこれらの課題を解決した.実験の結果,提案手法がロジスティック回帰,GBDTと同等以上のAUCを達成することを確認した.
著者
柿澤 亮三 菅原 浩
出版者
Yamashina Institute for Ornitology
雑誌
山階鳥類研究所研究報告 (ISSN:00440183)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.326-339, 1989-09-30 (Released:2008-11-10)
参考文献数
14

Tadorna cristata (Kuroda) is known only from three extant specimens. The first, a female, was taken near Vladivostok in 1877, and preserved in the Copenhagen Museum. The second specimen, also a female, and the third specimen, a male, were taken from near Fusan, Korea in 1916, and 1913 or 1914, and preserved in the Yamashina Institute for Ornithology. The first specimen was described in 1890 by Sclater, and it was then considered to be a hybrid between the Ruddy Shelduck (Tadorna ferruginea) and the Falcated Duck (Anas falcata). In 1917, Dr. Nagamichi Kuroda described the second specimen and gave it the name Pseudotadorna cristata. The inconsistency between Sclater's hybrid view and Kuroda's new species view was solved in favor of the latter, when Kuroda obtained the third, male specimen, and described it, along with the discovery of four sketches of the Crested Shelduck from the Edo period. This species has been extremely rare, and close to extinction evre since its discovery in 1887. Recently three other old sketches of the Crested Shelduck have been reported, two of them by the present authors. In this paper twelve published sketches of the species from the Edo period have been introduced, and all twenty known sketches are arranged in order based on their characteristics and descriptions, and the status of it's occurrence during the Edo period is disccussed. In conclusion, we presumed that a few Crested Shelducks were imported from Kyohou period (1716-1735) and it actually migrated once or twice to Hokkaido (northern Japan), and was captured to be illustrated as a living bird.
著者
有坂 壮平 玉川 悠貴 武居 幸次郎
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

杭施工時には杭底に構造物の沈下や傾斜に繋がるスライムが無いことを確実に検知する必要がある.従来のスライム検知方法は人の感覚に頼る部分が大きく,再現性,定量化に課題があった.これを解決するため,張力計測データをもとにした新たなスライム検知方法の開発を進めている.本論文では,この張力計測データからスライムの有無を判定する方法として機械学習の適用性を検証した.比較した6種のアルゴリズムでは1次元畳み込みニューラルネットワークが最も性能が良く,その正解率は約93%であった.これにより,スライム検知における機械学習の有効性が確認できた.
著者
趙 輝 李 蘭
出版者
日本比較法研究所 ; [1951]-
雑誌
比較法雑誌 (ISSN:00104116)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.67-99, 2014

本稿は,日本の共謀共同正犯概念の中国刑法への導入の必要性について検討したものである。中国刑法への共謀共同正犯概念とその理論の導入について,一部の研究者はその必要性を提唱しているが,筆者は,共謀共同正犯理論について多いに学ぶものがあることは認識しつつも,この概念を直ちに中国刑法理論に導入することについては,躊躇を覚えるものである。 日本の共謀共同正犯の理論については,いかに共犯規定に沿った形で再構成し,実行行為概念の明確性を担保するかが課題であると思われるが,一方,中国刑法の組織犯及び理論は,刑法の規定及び基本理論に根本的に矛盾しているとはいえないのではなかろうか。また,組織犯は,共同犯罪において支配的地位にある非実行行為犯の刑事責任を合理的に追及することができると思われる。 しかし,共謀共同正犯の理論と比較して,中国の組織犯の理論には二つの問題点があると思われる。すなわち①組織犯の成立を犯罪集団の中に限定していること,②組織犯の処罰の理論根拠が不明確であること,である。そこで本稿は,共謀共同正犯及び理論の理論的な長所を受け入れ,その理論及び見解を参考にしつつ,中国刑法の組織犯において,その成立範囲を拡大すること,処罰の理論根拠を,共同犯罪の中に占める組織犯の支配的地位に置くことによって,立法及び理論の改善を図ることを提案するものである。
著者
堀 秀昭 藤本 昭 木下 寛隆 久保 憂弥 林 正岳
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.E3P2215, 2009

【目的】高齢者の転倒による骨折は、筋骨格系の廃用症候群を生じさせ、全身の心身機能、生活機能が低下するといわれている.特に要支援、要介護1等の軽度者に、転倒骨折を予防する目的で運動器の機能向上が実施されている.前回学会で、生涯スポーツ別の身体能力を調査し、生涯スポーツ実施の有無で身体機能に有意な違いが見られ、生涯スポーツの実施による介護予防を提唱した.今回、転倒経験と生涯スポーツ、身体機能との関係について調査した.<BR>【方法】対象は、765名(平均年齢73.3±7.3、男性248名、女性517名)で、スポーツ実施高齢者366名(平均年齢69.8歳)とスポーツ非実施高齢者399名(平均年齢76.5歳)とした.スポーツの種類は、エスキーテニス、バウンドテニス、ラージボール卓球、シルバーバレーボール、グランドゴルフ、マレットゴルフ、ゲートボール、太極拳とした.身体機能評価は、片脚立位時間、握力、5m速度とし、同時に転倒経験について調査した.分析は、SPSSVer11にて、ロジスティック回帰分析、変数増加法ステップワイズ(尤度比)により分析した.またROC曲線を用いてカットオフ値を求めた.尚対象者には研究に関する説明を行い同意を得た.<BR>【結果】1、転倒経験とスポーツ実施の関係:転倒経験を従属変数としスポーツ実施、年齢、性別を共変量としてロジスティック解析を行った結果、スポーツ実施が有意な関係を示し(p<0.05)、オッズ比0.654であった.スポーツ実施者は366名中44名(12%)、非実施者は399名中69名(17.3%)に転倒経験があり、χ<SUP>2</SUP>検定で両群に有意に違いが見られた.2、転倒経験とスポーツ種目別の関係:転倒経験を従属変数としスポーツ8種目を共変量としてロジスティック解析を行った結果、太極拳が有意な関係を示し(p<0.05)、オッズ比0.217であった.3.転倒経験と身体機能の関係:5M歩行速度に有意な関係(p<0.05)を示し、オッズ比1.179であり、カットオフ値3.0秒であった.4.スポーツ実施と身体機能の関係:5M歩行速度と握力に有意な関係(p<0.01)を示し、オッズ比0.237、1.163であり、カットオフ値は、3.0秒と25.6Kgであった.<BR>【考察】今回転倒経験と生涯スポーツとの関係について調査し、生涯スポーツを実施している高齢者は、転倒経験が少なく、特に太極拳を行うと転倒の0.217倍となることが分かった.敦らによる太極拳は足関節の柔軟性の改善に有効としており、太極拳の運動要素を実施することでバランス機能が維持されるのではないかと考える.また転倒経験と身体機能の5M歩行と握力に関係が認められ、目標数値として5Mを3秒、握力25.6Kgが示されたことで、今後の介護予防事業につなげていきたい.また今回、転倒経験と年齢の関係が認められず、これはスポーツを実施することで高齢者においても転倒の危険性が軽減することが示された.