著者
木下 照子 小野 晴子 井関 智美 三上 ゆみ
出版者
新見公立大学
雑誌
新見公立大学紀要 (ISSN:21858489)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.155-160, 2012

2011 年度の国際交流・国際貢献活動として「カンボジア・スタディツアー」を実施した。研修内容はHIB・州立病院・アンコール小児病院等の訪問し,キリング・フィールドやトンレサップ湖・アキラ地雷博物館の見学を行った。また主な活動は村の小学校で子どもたちとの交流やジャックフルーツの植樹作業であった。開発途上国であるカンボジア(シェムリアップを中心)の暮らしと国際貢献活動の実際を学び,体験の中からカンボジアの抱える医療・福祉・教育などの課題と各自の専門性を活かした活動を考えることができたので報告をする。
著者
長谷島 伸親 小林 淳晃 竹澤 信治 大和 邦雄 門山 周文 川野 裕
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.33, no.10, pp.1105-1110, 1995

ベリリウムの使用量に比し, 本邦の慢性ベリリウム症の報告は少なく20数例である. 今回, 我々は, 低含量Be銅合金加工工場で発生した慢性ベリリウム症の一例を経験した. 症例は24歳, 男性, 労作時呼吸困難を主訴に受診した. 19歳の時より当院受診時まで, 1.8%未満のベリリウム銅合金加工工場に勤務し, 細線加工に従事していた. 胸部X線像では左気胸と両肺にびまん性の微細な粒状影と嚢胞が認められ, 肺機能検査は, 拡散障害と拘束性障害を示していた. 肺生検組織で壊死を伴わない類上皮細胞性肉芽腫と胞隔炎を認め, 肺組織に正常より高濃度のベリリウムが検出された. BeSO<sub>4</sub>による気管支肺胞洗浄液リンパ球刺激テストと末梢血リンパ球刺激テストは共に陽性であった. 職業歴と検査所見より慢性ベリリウム症と診断した.
著者
清原 聖子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.94, no.5, pp.354-358, 2011-05-01

2009年,政権交代によって原口総務大臣が就任すると「日本版FCC」の設立がアジェンダ化された.そこで,本稿の目的は,これからの日本の情報通信政策の展開においてアメリカの連邦通信委員会(FCC:Federal Communications Commission)のような独立規制機関が必要なのかどうか検討する際の材料を提示することにある.本稿ではFCCとはどのような組織なのかその特徴を説明し,独立規制機関の政治的中立性の問題について考察し,通信・放送の規制機関を様々なアクター(政治的主体)が監視することができる体制の確保が重要である点を指摘している.
著者
上田 祐彰 大内 大輔 高橋 健一 宮原 哲浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.86, no.9, pp.691-701, 2003-09-01
被引用文献数
4

大学を対象とした時間割作成問題への遺伝的アルゴリズム(GA)の適用について考察する.本論文で対象とする問題は,授業の時間割表への配置と各授業で使用する教室の割当ての双方を扱い,実施可能かつ教員の要望を充足した時間割表の導出が目的である.実施可能な時間割表を効率的に探索する手法として,授業の時間割表への配置を扱う遺伝子操作と教室の割当てに関する遺伝子操作を分割して実施する手法(分割GA)が提案されているが,様々な規模,複雑さをもった問題に対して分割GAが有効であるか否かは検証されていない.本論文では,分割GA,単純GAを応用した手法(SGA),授業の時間割表への配置を決定した後に教室の割当てを行う手法(逐次GA),教室の割当てを行う代わりに授業配置に対して適切な教室の割当てが行えるか否かを検査する手法(SGA2),焼なまし法を応用した手法(SA),及びタブサーチを応用した手法(TS)の6手法を実装し,比較実験を行った.時間割作成問題生成プログラムによって生成された問題と現実の時間割作成問題とを用いた実験の結果,ほとんどの問題に対してSGA2が良好な結果を導出できることが示された.また,授業の開講率が高い問題に対しては分割GA,問題の規模が大きく複雑性の高くない問題に対しては逐次GA,規模が小さく制約条件の多い問題に対してはSAが適していることも示された.
著者
鎌田 浩
出版者
The Japanese Society of Insurance Science
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.622, pp.622_83-622_101, 2013

保険業法等における募集行為規制は,主に対面募集の保険募集人の募集行為を対象としており,インターネット募集等のあらたな販売形態については付随的に言及されているにとどまっている。ITの進化により,保険業法等の制定・改正時には想定しなかった問題も発生していることから,保険業法300条1項1号から3号のいわゆる情報提供義務の観点から,インターネット募集のあり方を考察する。インターネット募集には,保険者が顧客に提供する「情報の内容」,保険者が説明すべき「重要事項の説明方法」,特約の「説明義務の範囲」の3点において対面募集とは同一には論じられない側面がある。インターネットにおける情報の即時性,最新性,連携性の利点を活かし,募集画面等において「顧客が知る必要がある情報」を効果的に充足させ,顧客への情報提供義務に応えることは可能であると考える。
著者
末永 俊朗
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.578-579, 1996-09-20
被引用文献数
1
著者
小池 道広 坂上 恭助 鶴田 進 中野 和幸 石坂 正文 清水 文泰
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
学術講演会論文集
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.811-814, 2009-08-18

We carried out the investigation on deterioration of stainless steel piping by the passing of 8 years. Though Stainless steel pipes could expect high durability, it could confirm that the intentional maintenance was necessary for housing type fittings and valves. From now on, making the maintenance technique that unnecessary related construction or suspension ofwater supply time can be restrained to a minimum will become the subjects.
著者
長門 研吉
出版者
静電気学会
雑誌
静電気学会誌 (ISSN:03862550)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.102-107, 2011-05-31
著者
貞野 宏之
出版者
福岡女学院大学
雑誌
福岡女学院大学紀要 人間関係学部編 (ISSN:13473743)
巻号頁・発行日
no.8, pp.35-43, 2007-03

1999年放映後ビデオとして販売されている「NHKスペシャル人体III遺伝子第1集」の内容を分析し、現在の教育現場で本作品を教材として使用する際に留意すべき問題点を探った。まず、本作品では人の遺伝子の種類は10万種類としているが、2004年のヒトゲノム計画の報告では2万4千個程度と修正された。この部分は本作品を教材として使用する場合には注意を要すると考えられた。一方で、2003年以後に本作品のCG(コンピューターグラフィック)映像が部分的に移植されたNHKの教育番組では、遺伝子の数の解説が修正されていることが判明した。次に、遺伝子の突然変異が受け継がれたイタリアの例の紹介で、特殊な遺伝子を運ぶヒトという意味の語句としてイタリア語で「ポルタトーリ」という語句が紹介されている。今回の調査では、科学専門雑誌の文献にも当該語句の使用例は見られなかった。このことから、教育現場での「ポルタトーリ」の語句の使用は一般性という面からは避けるべきと考えられた。本作品は秀逸なCG映像以外にも、生化学のみならず、現代の生命を幅広くとらえるための重要なメッセージが含まれており、科学ジャーナリズムの真摯な取り組みを教育界が重く受け止めるべき内容を含んでいる。生化学分野の進展により教材としての使用には留意すべき点は見られるが、そういった部分をおさえた上でも、本作品は十分に通用すると考えられた。
著者
安藤 知子
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.95-106, 2001

本研究では,第一に子ども理解規範と学校組織の構造的矛盾の可能性について考察を行い,第二に実践場面における子ども理解表現を二人の中学校教諭の事例に基づいて検討した。その結果,受容,共感,個別的配慮という子ども理解規範の構成要素と,教師-生徒関係による秩序維持を必要とする学校組織の枠組みとには,両立の不可能性が内在していることを指摘した。さらに,二教諭の子ども理解表現の相違は,学校組織における教職役割と子ども理解という二つの期待の間でのバランスの取り方によって生じているものと捉えることができた。これらの検討を経て,全面的な受容としての子ども理解規範へのコミットメントと,学校組織における教職役割へのコミットメントの間での,バランスの取り方による子ども理解表現の多様性を把握するための概念枠組みとして,「子どもへの同調性尺度」を試論的に提示した。In this study, I considered variance between norm about understanding children and teachers role on school organizations. And then, I analyzed two teachers daily expressions of understanding children at school. The following points are found. 1. There are contradictions between norm about understanding children and teachers role on school organizations. Because, on the one hand, norm about understanding children consists of the factor that, unconditional accept, empathic understanding, and regard with each other. And on the other hand, school organizations need to teacherstudents order and discipline to keep up schools. 2. The difference expressions between two teachers are cause by difference where put stress on between norm about understanding children and teachers role on school organizations. So, I tried to set up the framework of norm about understanding children. It is one dimension scale that one end of axis points the commitment to norm about understanding children, and the other end of axis points the commitment to teachers role on school organizations, which names "scale of sympathize with children". The end of commitment to norm about understanding children is high sympathize, and the other is low. This article is limited only set up the scale. But next, I'll investigate the actual conditions of teachers expressions of understanding children by using this scale, and research how school organizations should support high sympathize teachers.
著者
石崎 厚美 高木 哲夫
出版者
THE JAPANESE FORESTRY SOCIETY
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.307-311, 1951

1.本試験は飫肥地方のスギ各品種について実験生態学的見地から屈折率に就て1950年5月より翌年3月に到る1ケ年間の季別変化を見たものである。<br> 2.供試材料は地質,土壤,外囲の気象条件の殆んど同一と認めらるる飫肥営林署大戸野国有林内の18年生造林地より採取し,各個樹共に梢頭部先端2年生幹枝の先端の当年度伸長の枝葉を毎月18日朝10時を期して採取したが, 7月のみは1週間連続雨天のため午前中の雨の晴間を見て採集した。<br> 3.圧搾液は油圧式圧窄器を使用し, 300kg/m<sup>2</sup>にて搾液した。<br> 4.屈折率は島津製作所の加温装置附のAbbe屈折計を用い,温度は18℃と200℃に分つて測定した。<br> 5.屈折率の変化を季別に見るにスギの開舒期に於ては稍低く,生育最盛期に於ては漸次高まり,終止及び休止期に於ては昇騰の傾向を示して, 2月に最高に達し, 3月には急に降下する。<br> 6. 7月に於て総じて低位の屈折率を示すのは採取前日まで数日間連続雨天続きであつて,僅かな雨の晴間を見て採取した結果に基因するものであるが,これは一面同地方に於て同時期が最も旺盛な生長を行いつゝあることを示すものと認むべきである。<br> 7.屈折率が12月より2月の期間に累積的な増大を示すのは,同時期に於ては同地方の雨量は極めて少く,土壤水分減少し,地温も低いため,体内の水分は一層濃縮せられて養料も亦深費少く糖としての貯蔵せられた結果に基因するものと考えた。<br> 8. 品種による屈折率の月別変化の型を次の5種類に分類した。<br> 1. アカ型<br> 2.トサアカ,カラツキ,エダナガ型<br> 3.ガリン,ヒダリマキ型<br> 4.クロ,トサグロ,ハアラ型<br> 5.チリメントサ型<br> 6.メアサ型