著者
金谷 京子
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.31-37, 1994-03-31

本研究は対人行動に問題を持つ、軽度の発達障害幼児にパートナーとの2人学習の場面で1年9ヵ月の間、社会的スキルの獲得のための指導を行った経過を通して、そのプログラムと指導法について検討したものである。指導法には、行動修正技法を用い、初期の段階では、個別的課題を2人で同じ机上で移行し、お互いを観察すること、模倣することを強化した。第2段階では、パートナーとの共同作業やゲームを増やし、適切な言語伝達法を学習させるとともに、ルールの理解や競争意識の喚起を促した。そして最終段階では、ごっこ遊びやゲームを通して相手への援助行動や協力行動を強化し、子ども同士の相互作用を促して、教師の介入は漸次撤去していった。以上の結果、対象児の注目行動の定着、適切なコミュニケーション手段の獲得、相手との協力・援助行動の増加をもたらした。
著者
鈴木 直人 廣井 富 千葉 祐弥 能勢 隆 伊藤 彰則
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.2177-2189, 2015-11-15

本研究では,音声を用いた英会話の学習が可能なコンピュータ利用言語学習(Computer-Assisted Language Learning, CALL)システムを提案する.特に,英会話学習における学習者の応答タイミングに着目する.一般的に学習段階において応答タイミングは適切なものに比べ遅くなりがちであるが,システムとの英会話では応答タイミングを意識しにくい.そこで対話相手としてCGキャラクタを導入し,応答を要求する表現であるタイムプレッシャー表現を付加する練習方法を提案する.CGキャラクタの有無,タイムプレッシャー表現の有無のほかに,短期間での繰返し練習,および期間をおいた練習を通じて,提案手法の有効性について論じる.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.948, pp.24-27, 1998-07-06

米国株にはバブルがあり、大幅な割高になっている。二重の意味で過大評価だ。1982年から95年までの株価上昇トレンド線を延長すると、現在のダウ平均株価は5500ドル前後が妥当となる。95年から98年5月の最高値まで、ダウ平均は3700ドルから9200ドルに上昇した。だが、95年からのトレンド線でみても、現在の株価は7700〜8300ドルである。
著者
篠崎 俊子 増井 絢子
出版者
福岡女子大学
雑誌
福岡女子大学家政学部紀要 (ISSN:02883953)
巻号頁・発行日
no.18, pp.p13-29, 1987-01

福岡女子大学, 福岡女学院短期大学18歳学生総数1,785名を対象に, アンケート式「月経に関する調査」を行なった。昭和56年度から昭和60年度の5年間の初潮発来前後における実態を分析し, その結果を, 全九州大学女子体育研究会調査昭和30年, 45年, 55年度の傾向と比較し, その推移をみて若干の検討を加えた。1.初潮年令は, 昭和56年度から60年度の5年間(以下略して5年間とする)の平均12歳7ケ月(151.1カ月)である。5年間の最低9歳4カ月, 最高17歳11カ月である。最低初潮出現年齢は, 昭和55年度の8歳1カ月で, 30年間では, 1歳8カ月の加速的な若年化をみた。2.平均初潮率は, 5年間12歳で38.9%とピークを迎え, 次いで, 13歳, 11歳となっている。そして中学3年生(14歳)で大半の者が既潮している。30年間の比較では, 発来の加速的傾向が著しく, 約2年あまりの大幅な差がみられる。3.初潮時の身長は, 5年間約150cm前後, 体重は約41・2kg時が初潮発来のめやすである。文部省資料による身長・体重の増加曲線は, 昭和30年と60年の比較では, 約2年の発育発達速度で若年化している。本調査での初潮年齢においても約2年の早期化をみたことから, 初潮は発育と大変深い関係にあることがいえる。乳房のふくらみは, 9歳頃から13歳にかけて9割以上のものが自覚している。初潮発来の約1年前にはふくらみを感じている。4.来潮の月は, 1月, 8月, 4月の順で休暇を含む月に来潮が多く, 2月が最も少ない。45年, 55年にみられた8月に多い傾向が減少し, 1月が最も多くなった。5.初潮を迎えた場所は, 自宅約8割であった。6.初潮時の所感は, びっくりした, いやな感じ, 恥ずかしかった, 不安になった, わずらわしかったなどの不安自覚が約7割であった。ほっとした, 大人になったような気がした, うれしかった, と心の備えのあったものが約2割であった。7.初潮時の予備知識は, 本調査では, 知識あり9.5割を示した。15年間(昭和45年〜60年)を比較すると, わずかながらも3.3%増加となり, 事前教育は進んでいる。その時期は, ほとんどが小学校期に持っていることになる。昭和45年には6年生がピーク, 55年では5年生, 60年度ではほぼ4年生に移行している。初潮率, 既潮率および予備知識の時期をみると, 本調査では, 既潮率に対して予備知識は常に先行している。その時期は, 昭和45年から15年間に, 約2年間先行したことになる。8.本調査によると, 初潮前の指導は先生約6割以上, 母親約3割他友人, 校医, 姉となっている。15年間の比較をみると, 先生12.3%増, 母親5.2%減となる。初潮発来時に困ったことがあった者は, 約5割強, 困らなかった者は約5割弱であった。困った事の内容は, 精神的不安25.5%, 準備不足17%, 他人に知られること16.3%, 体育活動への参加14.7%, 手当の方法12.2%, 随伴症状6.7%, 知識がなかった6.3%などの順である。
著者
笠原 英城
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.100, pp.63-65, 2006-02-10

戸越助手 ひゃー、校舎前はすごい騒ぎでした! 今日はうちの大学の合格発表日だったんですね。白金博士 そうそう。今日、6年制の入学者150人と4年制の入学者30人が決まったのだ。戸越君、まさにこれからが我々創薬研究者の正念場だぞ! 私たちが良い研究をして、30人の中から少しでも多くの人にこの研究室に入ってもらうのだ。
著者
市田 憲司
出版者
日経ホーム出版社
雑誌
日経マネー (ISSN:09119361)
巻号頁・発行日
no.297, pp.60-67, 2007-09

耳の早い投資家の間で大人気になっているのが日経225mini。10万円程度の資金で始められ、大きな利益を狙える点が受けている。しかも、下げ局面で「守り」に使えるなど使い方は多彩。miniを活用して投資力をアップしよう。本誌/市田憲司イラスト/石川ともこ'06年7月のスタートから1年、個人投資家の間で「日経225mini(通称・mini)」の人気が急上昇している。取引高では本家・日経平均先物を逆転(下図)。本誌のアンケート調査でも、「これから始めてみたい商品」として上位にランク入りしている。
著者
Taichi Imaizumi Akira Kumakura Keiko Yamamoto-Shimojima Yumko Ondo
出版者
International Research and Cooperation Association for Bio & Socio-Sciences Advancement
雑誌
Intractable & Rare Diseases Research (ISSN:21863644)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.245-250, 2018-11-30 (Released:2018-12-17)
参考文献数
18
被引用文献数
10

Because biallelic SZT2 variants have been reported in patients with neurodevelopmental disorders associated with various degrees of developmental delay, intractable seizures, and distinctive features; this condition is recognized as an autosomal recessive disorder. Previously, eleven patients have been reported and most of them have compound heterozygous SZT2 variants, leading to premature termination. In these patients, all reported variants were unique and there were no common pathogenic variants identified. In this study, we identified a paternal uniparental disomy of chromosome 1 in a patient with a neurodevelopmental disorder associated with severe intellectual disability, intractable epilepsy, autistic features, distinctive features, and transient macrocephaly. This resulted in homozygous patterns through chromosome 1. Among the variants in chromosome 1, a rare SZT2 variant, NM_015284.3:c.6553C>T (p.Arg2185Trp), was selected as a powerful candidate variant in this patient. Although the clinical features of this patient are relatively milder than that reported previously, it may be derived from genetic heterogeneity. This is the first report of a homozygous missense SZT2 variant.
著者
古橋 英枝
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.573, 2018-12-01 (Released:2018-12-01)

今月号の特集タイトルは「人工知能(AI)について」です。近年「機械学習」や「ディープラーニング」といった言葉を耳にすることが多くなり,自動運転技術や囲碁の対局等が大きなニュースになるなど,人工知能の技術が日々進化し,生活レベルでも身近なものになりつつあります。そこで,人工知能技術が学術情報流通においてどのように関わっているのか/関わってくるのか,また今後インフォプロが人工知能とどう関わり,付き合っていくべきかなどについて,身近にある人工知能技術や実際の活用事例などを踏まえながら必要な知識を分かりやすく提供することを,本特集の目的としました。国立情報学研究所の相澤彰子氏には,学術論文を中心とする学術情報の検索システムにおける人工知能の活用を事例として,人工知能の背景にある解析技術について,現状と課題を概観していただきました。骨董通り法律事務所の出井甫氏には,内閣府が今年公表した第5期科学技術基本計画において提唱されているSociety 5.0の話題を交えつつ,著作権法を中心に,人工知能によって生成されたものに関する知的財産権の現状と課題について,考察していただきました。京都大学の西田豊明氏には,人工知能における,倫理,法,社会の分野を総称したELSI(Ethical, Legal and Social Issues)と呼ばれる観点での取り組みについて,セキュリティやプライバシー等,慎重な検討が必要な点から利活用に向けた動きまで,詳細に執筆いただきました。そして,このような人工知能をめぐる歴史的な背景や技術発展,著作権やELSI等,利活用が進む現在において念頭に置かなければならない観点を前提に,人工知能を利用したサービスについて2本ご執筆いただきました。朝日新聞社メディアラボの田森秀明氏,人見雄太氏,田口雄哉氏には,ラボにおける人工知能研究の取り組みとその成果について,近畿大学アカデミックシアターの寺本大修氏と株式会社エイド・ディーシーシーのスガオタカヒコ氏には,本のマッチングサービスの開発に至る経緯から仕組みやサービス開始後の反響等についてご紹介いただきました。相澤氏のまとめを一部引用させていただくと,人工知能の活用目的は「研究そのものを代替することではなく,AI技術の助けを借りて,より有望な知識の候補を,より素早く見つけ出して,ユーザに提示することである。」とあります。本特集をご覧になった読者が,今後「人工知能」と対面していく中で,どのような観点を持ち,どのような姿勢で考えていけばよいのか,少しでもヒントになれば幸いです。(会誌編集担当委員:古橋英枝(主査),稲垣理美,炭山宜也,長屋俊,松本侑子,南山泰之)
著者
池谷 和信
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100224, 2012 (Released:2013-03-08)

1 はじめに 途上国における定期市は、野菜や家畜や衣料品などの流通のなかで生産者と消費者とをつなぐ結節点として経済的に重要な役割を果たしてきた(石原1987ほか)。同時に、定期市は様々な社会集団が相互に交流する場として社会文化的な側面を持つ。これまで報告者は、乾燥帯アフリカにおける牛市・ラクダ市に焦点を当ててフルベやソマリの牧畜民と定期市とのかかわりについて報告したが、ここではモンスーンアジアのバングラデシュの家畜市のなかで豚市に焦点を当てて、地域における豚の流通の実際を把握する。同時に、アフリカとアジアの家畜市における地域間比較の際の枠組みについて考察する。現地調査は、2011年12月にバングラデシュ北部のマイメンシン・ディストリクトを中心に約2週間にわたって行われた。対象地域は、ベンガル系のイスラム教徒が多数を占めているが、豚市に密接にかかわるのはベンガル系の非イスラム教徒およびマイノリティのマンディ(ガロ)の人々である。なお、豚市の分布および豚の売買の概観に関してはすでに報告した(池谷2011)。2 結果と考察 今回の調査では、年中行なわれている2つの豚市(Gaptoli,Shombugon)に加えて、12月から3月までの季節限定の2つの豚市(Bakgahitola, Haluaghat)を訪問した。その結果、「都市近郊型」と「都市郊外型」の2つのタイプに豚市は分類できる。前者は、大部分の購買者がベンガル系ヒンドゥー教徒であり、100km以上離れた地域からの購入者(仲買人)もみられた。これに対して後者では、購買者の大部分は近隣で暮らすマンディの人々である。 後者の事例を詳しくみてみると、マンディはキリスト教徒であり、クリスマス前後の時期の食用のため、およびそれ以降年始までの時期に親族の結婚式ほかなどが集中して、そこで豚を消費するために9-11ヵ月の大型の豚を購入していた。同時に、前回と同様な傾向として3-5ヵ月の小豚を肥育用に購入していた。この場合、飼育してきた豚を対象時期に地域需要に応じて販売するために新たな肥育豚を備えるということもみられた。 2つの季節限定型の市では,大部分の購買者がマンディであり仲買人が豚の群れをそのまま市場に移動してきていた。このため、市の開設時には牧夫が常に群れを監視していた。しかし、どうして市が3月まで継続する必要があるのかは明らかではない。 その一方、市に参与して豚を販売する仲買人の暮らす村を訪問することで、そこには多数の仲買人(ベンガル系ヒンドゥー教徒)が集まっていること、ダッカ市場、チッタゴン市場、本研究が対象とする豚市、近隣地域市場などのように個々の仲買人によって市場が異なっていた。彼らは、自らの群れを所有している人も多いが、別の群れの所有者から家畜を購入する。但し、肉量の大きい成獣を求めるダッカ市場と肥育用の幼獣を求める家畜市への供給では、仲買人の販売戦略が異なっている。 以上、国内の豚流通のなかで家畜市を媒介とする流通の位置づけ、および家畜市をめぐるベンガル系非イスラム教徒と近隣民族とのかかわり方が明らかになった。また、アジアとアフリカでは、家畜の流通における家畜市の役割やその比重が異なっていると考えられる。文献池谷和信2011「バングラデシュにおける家畜市と豚」日本地理学会予稿集石原 潤1987『定期市の研究:機能と構造』名古屋大学出版会

2 0 0 0 OA 有島武郎全集

出版者
叢文閣
巻号頁・発行日
vol.第2巻, 1925
著者
桑原 博道
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.165-167, 2007-10

セクハラで患者に訴えられた医師が、裁判で勝訴しました。しかし、この提訴が新聞で報じられたため、読者にセクハラの疑念を抱かれることになったとして、患者や新聞社を名誉棄損で訴えましたが、敗訴してしまいました。事件の概要 患者Aは、複数の医師から半陰陽と診断され、男性の生殖腺除去、音声形成術を受けた。
著者
岡村 秀昭
出版者
日経BP社
雑誌
日経パソコン (ISSN:02879506)
巻号頁・発行日
no.628, pp.99-102, 2011-06-27

日付は「前日+1」で順番に表示/祝日一覧には振替休日も加える/翌月部分は「白」にして隠す/入力を許すセルはロックを外す
著者
杉原 弘恭 松島 耕太 大口 遼太郎 鬼崎 衛 雜賀 順己 花井 聖仁 小田 幸子
出版者
学校法人 自由学園最高学部
雑誌
生活大学研究 (ISSN:21896933)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.71-90, 2016 (Released:2017-04-21)
参考文献数
16

江戸期の上名栗が林業主体,下名栗が薪炭業主体という地域経済の違いは,地域の政治体制にも影響を及ぼしているが(上名栗世襲制・下名栗輪番(年番)制),その違いは地域の基盤の地質の違いが植生の違いに影響している可能性があることを指摘した.その上名栗の名主の町田家と組頭の柏木家の地域経済への取り組みの特色を分析した.町田家は林業を主軸に江戸に進出し名栗との両輪経営を行って名栗の繁栄に寄与し,柏木家は江戸・東京より名栗に回帰する形で名栗の各種産業発展に寄与した.町田家は,林業から筏輸送,材木卸までの川上(名栗)から川下(江戸)へのサプライチェーンを形成したものの,当時の制度的制約から仲買以降の江戸の消費者までを取り込むことはほとんどできなかった.一方,柏木家は,各種事業を行って,大正期には筏の代わりに公共交通機関を整備し,温泉旅館を核とし東京の消費者の名栗への来訪を促進するという川下(東京)から川上(名栗)への流れのバリューチェーン形成を指向した.町田家は林業のキャピタルゲイン指向かつ「規模の経済性」を求め,柏木家はキャッシュフロー重視のインカムゲイン指向かつ「範囲の経済性」を求めたといえる.林業からいち早く離脱した柏木家であったが,柏木家の山づくりで見られた生態学的な「範囲の経済性」の考え方が反映されたといえる.一貫経営は資金の内部留保となることから私的な蓄財ともなるが,当時資金を負担して公共事業を行うのは名主・庄屋層であったことから,名主としての雇用や公共事業等の原資を獲得するための面があったと思料される.
著者
西村 安弘 Yasuhiro NISHIMURA 東京工芸大学芸術学部映像学科 Department of Imaging Art Faculty of Arts Tokyo Polytechnic University
雑誌
東京工芸大学芸術学部紀要 = Bulletin, Faculty of Arts, Tokyo Institute of Polytechnics
巻号頁・発行日
no.23, pp.11-26, 2017

Kon Ichikawa, a prolific director who made over 80 films in his life, was under the influence of foreign films including The Spirits of St. Luis (1957) and Murder on the Orient Express (1974). Both of them are connected with an American hero Charles Lindberg who flew over the Atlantic Ocean alone and whose little daughter was kidnapped and killed. Comparing Ichikawa's Alone Across the Pacific (1963) and The Inugami Clan (1976) with those films, we might find out the specific characters of his films.

2 0 0 0 OA 源氏物語

著者
紫式部
出版者
吉田善五郎
巻号頁・発行日
vol.[18], 1749