著者
奥村 佳代子
出版者
関西大学東西学術研究所
雑誌
関西大学東西学術研究所紀要 (ISSN:02878151)
巻号頁・発行日
no.43, pp.131-142, 2010-04

There are two types of Chinese-language translations of the Japanese joruri (narrative drama) work "Kanadehon Chushingura" (The Treasury of Loyal Retainers: A Model for Emulation). "Chushingura Engi" (An Adaptation of The Treasury of Loyal Retainers) is a work translated by Nagasaki To Tsuji (Japanese interpreters of Chinese located in Nagasaki), and "Haiwai Qitan" (Tales of the Strange, a colloquial Chinese-language translation of Chushingura) is a work completed by a Japanese intellectual. Both works were translated in the Edo Period."Haiwai Qitan" (Tales of the Strange) was long ignored as a Chinese language source, but comparing it with "Chushingura Engi" (An Adaptation of The Treasury of Loyal Retainers) revealed that it depicts the results of a Japanese intellectual learning a foreign language, i.e. Chinese.This paper begins by looking at the heterogeneity of vocabulary found in "Chushingura Engi" (An Adaptation of The Treasury of Loyal Retainers) and the diverse vocabulary found in "Haiwai Qitan" (Tales of the Strange). It then examines how "Chushingura Engi" (An Adaptation of The Treasury of Loyal Retainers) is reworked in "Haiwai Qitan" (Tales of the Strange). Finally, the paper profiles the translator of "Haiwai Qitan" (Tales of the Strange) and discusses his translation style.
著者
芦部 洋子
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.417, pp.100-105, 2009-10

「OHANA 刈谷本店」がある刈谷市は、トヨタ自動車のグループ企業の多くが本社を置く"トヨタ城下町"だ。トヨタ関連の仕事に携わる人が多く、トヨタが潤えば町が潤い、トヨタが厳しくなれば町もその影響を受けて落ち込む。 そんな刈谷を2008年秋、いわゆる"トヨタ・ショック"が直撃。多くの飲食店が売り上げ激減の憂き目に遭った。
著者
田中 実マルコス
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 (ISSN:18833985)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.33-48, 2011-03-01

黄檗宗萬福寺開山隠元禅師(以下諸師敬称略)とともに来日した獨湛は、後に萬福寺の第四世となる。獨湛は日本で『勧修作福念佛図説』を上梓し、念仏教化の資糧とした。それは昭和初期まで十刷も刊行されるほど用いられた。『勧修作福念仏図説』の左右には長文があり、その典拠は蓮宗九祖の一人に数えられる明代の雲棲.宏のものであると伝えられているが、今回はそれを証明し、さらに『勧修作福念佛図説』が近世日本の念仏教化にどのような影響を及ぼしたかを考察する。
著者
神馬 征峰
出版者
医学書院
雑誌
公衆衛生 (ISSN:03685187)
巻号頁・発行日
vol.80, no.11, pp.853-858, 2016-11-15

密輸業者ナスレディンの秘密 ナスレディンの稼業は密輸業.毎日夕方になるとロバに乗って税関所を通る.税関検査官はナスレディンがまた悪さをしていると思い,吊り籠の中をくまなく調べる.しかしみつかるのはいつも藁だけ.何年も何年も繰り返し調べても,何もでてこない.ナスレディンといえば,どんどん金持ちになっていく.何か密輸しているのに違いないのだ. やがてナスレディンも年をとり,密輸から足を洗う.そんなある日のこと,たまたま退職した例の税関検査官とばったり出会ってしまった.
著者
酒井 敏行
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.3-12, 2011 (Released:2011-02-25)
参考文献数
59
被引用文献数
1 1

In previous prevention studies, molecular targets were not intended. We then proposed the concept termed “molecular-targeting prevention” and applied it to cancer prevention. In most malignant tumors, tumor-suppressor genes, the retinoblastoma gene (RB) and/or the p53 gene are considered to be inactivated. We therefore hypothesized that RB and/or p53 might be good candidates for the molecular-targeting prevention of cancer. Interestingly, many cancer-preventive food factors were found to reactivate the lost functions of RB and/or p53 by a “gene-regulating chemoprevention” strategy. We next proposed the concept termed “combination-oriented molecular-targeting prevention”, in which only the preventive effects are synergistically enhanced. We then investigated the TNF-related apoptosis-inducing ligand (TRAIL)-death receptor 5 (DR5) pathway as a candidate of the target, and found that many cancer-preventive food factors could enhance the pathway resulting in the synergistic apoptosis of various cancer cells. We hope that these strategies will contribute to the prevention of cancer.
著者
木谷 吉克
出版者
神戸松蔭女子学院大学学術研究会
雑誌
神戸松蔭女子学院大学研究紀要. 文学部篇 = Journal of the Faculty of Letters, Kobe Shoin Women's University : JOL (ISSN:21863830)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.17-28, 2014-03-05

「飼いならす」ことは、ある人間、ある事物を特別なものにする。同様に「儀礼」は、ある日、ある時間を特別なものにする。「飼いならす」ことや「儀礼」によって特別なものとなったものを軸として、人は豊かな心の世界を築くことができるし、それによって生きる意味や方向性を見つけることができる。この作品中にしばしば出てくる子どもとおとなの対立も、「飼いならす」という観点から再解釈できる。つまり、この対立は、飼いならすことに生きている子どもと、飼いならすこととは無縁な生活をしているおとなという対立として理解できる。おとなたちは自分たちが何を探しているのかもわからないまま動きまわっている。だが、問題を解く鍵は「飼いならす」ということにある。おとなたちはだれかを、また何かを飼いならせば、自分たちの探しているものを見つけることができるのである。この作品では、キツネは作者の代弁者であると言える。そのキツネは、重要なことを王子さまに伝えるとき、きまって「これはあまりにも忘れられていることだが」とか、「それは簡単なことなのだ」といった前置きを付ける。これは作者自身の前置きであり、キツネの言うさまざまな真実は、実は忘れられているだけで、本当はだれもが知っているし、だれもが経験していることである、と作者サン=テグジュペリは言いたいのである。
著者
中田 晋平 倉光 君郎
雑誌
研究報告システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2010-OS-113, no.16, pp.1-8, 2010-01-20

近年、プロセスグルーピングによるアイソレーションやリソースアカウンティングは、システムの信頼性、安定性向上のため重要な技術になってきている.これに伴い、プロセスグループ単位でのオペレーションが増えると、プロセスグループ単位のセキュリティが必要になる.Linux オペレーティングシステムでは、セキュリティフレームワークとして Linux Security Modules (LSM) フレームワークがあるが、LSM フレームワークではシステム全体でひとつのセキュリティモデルの適用しかできず、プロセスグループ毎にセキュリティモデルを変更したい場合に問題となる.そこで我々は、プロセスグループ毎に独立したアクセス制御モデルを適用させるため、Security Cube LSM を提案し、また、LSM だけでは解決できない問題に関しては LSM フレームワークの拡張を行った.本稿では我々の提案する Security Cube LSM と、LSM フレームワーク拡張のプロトタイプについて Linux 上で実装を行い、動作性能を測定した.測定の結果、オーバヘッドは 8% 未満で収まることを確認した.
著者
小海 宏之 朝比奈 恭子 岡村 香織 石井 辰二 東 真一郎 吉田 祥 津田 清重
出版者
藍野大学
雑誌
藍野学院紀要 (ISSN:09186263)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.59-66, 2000

Folstein, M. F.(1975)らが開発した簡易な認知機能検査であるMini-Mental State Examination(MMSE)は,臨床的有用性が高く,様々な分野の認知機能検査として用いられてきている。しかし,原版及び既に訳出されている日本語版ともに,重症度の判別基準は,まだ示されていない。そこで,今回,われわれは,改変した日本語版MMSE-Aino(MMSE-A)を作成し標準化を行い,さらに,MMSE-Aに重症度判別基準を適用した。その結果,MMSE-Aの平均点±標準偏差は,重度認知障害群で4.6±4.1,中等度認知障害群で11.2±3.8,軽度認知障害群で16.9±3.5,境界域認知障害群で19.1±2.4となった。また,MMSE-Aは,HDS-R(Hasegawa Dementia Scale-Revised)及びNDS(Nishimura Dementia Scale)との併存的妥当性が非常に高いことが確認された。また,MMSE-Aの再検査信頼性もきわめて高く,高い内的整合性と高い信頼性をもっていることが確認された。
著者
吉本 道雅
出版者
立命館大学人文学会
雑誌
立命館文學 (ISSN:02877015)
巻号頁・発行日
no.556, pp.384-309, 1998-09
著者
田嶼 尚子 松島 雅人 安田 佳苗
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.833-835, 1999-10-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
千秋 博紀 滝田 隼 荒井 武彦 福原 哲哉 田中 智 岡田 達明 関口 朋彦 坂谷 尚哉 はやぶさ2TIRチーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.120-125, 2015

TIR(中間赤外カメラ)は,8から12ミクロンの波長帯で熱輻射の2次元イメージングを行う.ターゲット天体の1自転分の撮像から表層物質の熱履歴をもとめ,そこから熱物性を推定する.表層物質の熱物性は,ミッション遂行に必要な情報であるばかりでなく,その後の天体の運命を決める重要な情報である.
著者
國中 均
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.109-112, 2013-06-25

宇宙工学は,宇宙への往来の実現を目指し,技術を切磋琢磨してきた.その成果の端的な例は,「はやぶさ」にて実現された地球〜小惑星間往復航行(2003年〜2010年)である.それにより,科学や技術分野を越えて,より大きな世界観を得ることができた.次の新しい知見を得るために,科学的な意義はもちろんのこと,「宇宙を自在に往来する独自能力の維持発展」と「人類の活動領域の宇宙への拡大」という宇宙工学・宇宙探査に跨る目標を担い,「はやぶさ2」小惑星探査ミッションが開発中である.
著者
大西 明宏
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.175-182, 2013-08-15 (Released:2014-02-01)
参考文献数
18
被引用文献数
4 2

本研究ではロールボックスパレットに起因する労働災害の実態把握と求められる対策を検討するため,2006年の休業4日以上の死傷病報告データの25.5%に相当する34,195件をもとに分析した.その結果,285件のRBP起因災害が確認された.これは労災全体の0.83%(95%CI:0.73~0.93)であったが,年間発生件数を試算すると1,115件(95%CI:980~1,249)と推計され,他の災害と比べても少なくない実態がわかった.業種別では運輸業の件数や千人率が高く,重傷例も少なくなかったが,労働損失日数を用いた災害リスクの比較では比較的治癒に時間を要する骨折でさえ運輸業の平均より低いことから,重篤なRBP起因災害の発生リスクは低い傾向であることがわかった.また,経験1年以下の被災が多いことから雇入れ時教育の充実が求められること,運輸業および卸・小売業では高年齢労働者の被災も多いことから体力低下等への配慮も重要であると示唆された.被災パタンは1)「上肢(指,手,腕)の激突・はさまれ」,2)「下肢(足指,足,脚)の激突・はさまれ」,3)「キャスターによる足部負傷」,4)「頭部・顔面・歯への激突」,5)「RBPの転倒・転落による下敷き等」の5つに整理され,上肢および下肢の激突・はさまれ,あるいはキャスター踏まれへの対策には手足プロテクターや足指の第5指末端まで保護可能な安全靴等の使用が災害防止には有効と考えられた.頭部等への激突防止には荷崩れしにくい積載の徹底,ステー棒を適切に固定できる範囲での積載遵守が必要になると示唆された.全体の42.1%を占め,重大災害につながりやすいRBPの転倒等による災害の防止には使用時に少しでも不具合を感じた時点でフォークリフト等の運搬機械を積極的に使用することが求められるが,実際には使用できない場合も多いことから新たな対策の検討が急務であると示唆された.