著者
三浦 麻子 鳥海 不二夫 小森 政嗣 松村 真宏 平石 界
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
pp.NFC-EC1, (Released:2015-12-15)
参考文献数
27
被引用文献数
1 8

In this article, we investigate “retweeting in Twitter” or information transfer behavior in social media to figure out some characteristics of our information processing behavior in emergency situation from social psychological perspective. We made an exploratory log analysis of Twitter focusing on the relationship between diffusion of disaster information and user's emotional response on them. Disaster-related tweets which were retweeted over 10 times around the time of the Great East Japan Earthquake were extracted and emotional words in them were categorized and counted. Frequently retweeted tweets tended to include more negative (anxious or angry) or active emotional words than positive or inactive words. As results of multiple and quantile regression analyses, negative (especially anxious) or active emotional words in tweets had a significant effect on the increase of retweeting regardless of a kind of disasters. The results were discussed in terms of the difference with those based on common tweets.
著者
三浦 尚子
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2021, 2021

<p>研究の背景と目的</p><p> 法務省は次の入管法改正で国籍国への帰国を拒否する外国人対策に,送還忌避罪や仮放免逃亡罪という刑事罰や難民申請の回数制限を設けようとしている.日本は難民条約を批准しているにもかかわらず難民認定率が1パーセントに満たない「難民鎖国」であり,不法残留(オーバーステイ)の送還忌避者に対して収容という措置を講じている.入管法には収容期間の基準がなく,送還忌避者の長期収容が恒常化しており,国際連合の恣意的拘禁作業部会からも勧告を受けている.</p><p></p><p> 日本の入国管理体制は,1990年代では外国人の入管法違反に対して減免措置を取り続け,政府の責任及び義務を免じてきた(明石2010).しかし2001年に起きた同時多発テロを契機に,日本でもテロ対策が強化され,さらに2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて不法残留者の摘発および収容が厳格化されていく.出入国在留管理庁の収容空間は,各地方の出入国在留管理局(収容場)と2カ所の入国者収容所にある.</p><p></p><p> これまでも,入管の収容処遇に関する非人道性や被収容者のメンタルヘルス不調が,報道機関や支援団体によって批判されてきた.一方仮放免制度で一時的に収容所の外に出られたとしても,仮放免者はいつ再収容されるかどうか予測できず,就労不可,医療費の全額負担,さらにコロナ禍で家族・親族の収入が激減し生活困窮にあるという.移民の権利に対する政策の不在が,問題の根底にある(髙谷2019).加えて,支援団体の活動展開は収容所のin(内)/ex(外)で分かれる傾向にあり,被収容者・仮放免者等に対するシームレスな支援体制の構築が求められる.そこで本研究では,まず東日本入国管理センター(以下牛久入管収容所と記す)の被収容者と支援団体を調査対象に選び,コロナ禍における入管収容と課題を検討したい.</p><p></p><p>2.調査方法</p><p></p><p> 2020年11月からSWNW入管収容問題を考える会,2021年1月から牛久入管収容所問題を考える会に参加し,牛久入管収容所に週1回面会ボランティアをしながら聞き取り調査を実施した.面会は各30分間で1日最大7名に行い,主に日本語で,ごくたまに英語で対話した.</p><p></p><p>3.被収容者の生活状況とメンタルヘルス</p><p></p><p> 1993年12月に開設された牛久入管収容所,通称「ウシク」は,700名定員の大規模な収容施設である.通常,退去強制令書が発布された300名程度の男性送還忌避者を収容していたが,新型コロナウィルスの影響で2020年4月から2021年1月18日までで231名が仮放免となっている(牛久入管収容所問題を考える会の代表田中氏による).2021年1月現在で100名弱が収容されており,ナイジェリア,タンザニア,コンゴ民主共和国,ネパール,ミャンマー,スリランカ,イラン,ベトナム,ペルーの日系人などが含まれる.被収容者の中には入管法違反以外に薬物,傷害,窃盗などの違反歴があり,虞犯の観点からか刑期を終えているにもかかわらず収容されている者がいる.調査対象者は1990年代から2000年代に訪日しており,概ね日本語を流暢に話す.</p><p></p><p> 収容棟には旧館と新館があり,各階に配置された2つのブロックは通り抜けできないようになっている.被収容者が自動ドアで施錠された各居室からブロック内の共有スペースに自由に行き来できるのは,1日6時間に制限されている.旧館の居室は和室6畳にトイレとテレビが配置され,7時に電気とテレビを職員がつけ22時に消しに来るという.コロナ禍で暖房が24時間完備され,寒さが緩和されている.作業やプログラムなどは一切なく,運動場の利用は1日50分である.シナガワ,ヨコハマなどの収容場での収容期間と合わせると,調査対象者は1名を除き4年間以上収容され,仮放免の不許可に精神的なダメージを受けている.収容に対して,比較的短期の被収容者は帰国するより「生き残れている」と述べる一方,最長7年間の者は「自分は動物じゃない」,「外も大変なのはわかるが自由を得たい」と主訴している.車いすを常時使用する者,100日超のハンガーストライキを行う者,思春期の子供を心配する者,保証金が支払えず無気力になった者など,被収容者の健康状態,経済状況,家庭環境,国籍国の政情,過去の教育へのアクセス等は個々別々でそれぞれにケアが必要である.被収容者は収容所内でも極端に移動が制限されており,電話,面会,差し入れ,将来の希望など,外界との僅かなつながりで何とかメンタルヘルスを保っている状況にあり,長期収容の廃止等喫緊な対応が求められる.</p><p></p><p>文献 </p><p></p><p>明石純一2010.『入国管理政策—「1990年体制」の成立と展開』ナカニシヤ出版.</p><p></p><p>髙谷 幸2019.『移民政策とは何か—日本の現実から考える』人文書院.</p>
著者
三浦 光哉 布澤 春爛
出版者
宮城教育大学特別支援教育総合研究センター
雑誌
宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀要
巻号頁・発行日
no.4, pp.17-29, 2009-06

漢字の書きに著しい困難を示す中学1年生のLD児に対して、小学校6年生で学習する漢字の指導を試みた。対象児の認知処理様式の特性を分析し、強い能力を活かした教材を開発して漢字指導を行った。その結果、実態調査時に誤答となった106字(全181字中)については、22回の指導で全て書くことができるようになった。さらに、指導1週間後に再テストをした結果、74字(正答率70%)の正答であった。対象児の漢字指導では、同時処理や動作性が強いといった認知処理様式を活かすことにより、偏と旁、漢字を構成している部分的な形に着目させる方が覚えやすいことが指摘された。
著者
松尾 政輝 坂尻 正次 三浦 貴大 大西 淳児 小野 束
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.303-312, 2016

<p>Although many computer games had become diversified in recent years, a lot of effort and ingenuity is needed to produce games that persons with a total visual impairment can enjoy. On the other hand, some games for visually impaired persons have been developed. However, games that use only auditory information present challenges for sighted persons. Unfortunately, no games exist that both sighted and visually impaired persons can enjoy together. It is difficult for visually impaired persons to play the same game with sighted persons and for sighted and visually impaired persons to share a common subject. In this paper, we aim to develop a accessible action roll playing game (RPG) that both sighted and visually impaired persons can play using their dominant senses including visual, auditory and tactile senses. To develop the game, we also develop a field creation tool for a game developer with visual impairments, and provided an integrated game development environment for them. In this paper, we describe the development and reflections of the accessible action RPG and our game development environment.</p>
著者
石井 照久 保坂 学 佐藤 宏紀 三浦 益子
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 (ISSN:13449214)
巻号頁・発行日
no.34, pp.145-156, 2012-05

中学校理科の生物分野と高校生物において,教師が指導上難しさを感じることのある単元や箇所を抽出し,指導を困難にしている原因を明らかにするととともに改善策を検討した.抽出された事項は,(1)教科書の記載に関するもの,(2)色に関するもの,(3)実験の技術に関するもの,(4)教授法に関するもの,に大別された.そのうち(1)には,教師の指導を困難にしているだけでなく,生徒の理解を混乱させるものも含まれていた.それぞれの改善策を検討した結果,教師側の教材研究・実験技術の向上,などにより改善できる場合もあったが,教科書出版会社に改善を依頼したほうがいい場合もあった.また,容易には解決できない事項もあった.本報告は,秋田大学大学院教育学研究科の教科教育専攻理科教育専修の授業科目「生物学研究II」において,平成23年度前期の授業で展開された成果報告でもある.
著者
鴨井 久博 吉峰 正彌 三浦 悠 濵田 真理子
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.83-89, 2020 (Released:2020-03-02)
参考文献数
18

目的 : う蝕や歯周疾患の予防のためには日々のプラーク・コントロールが重要であり, その方法として歯ブラシによるプラーク除去とともに水流により口腔内の汚れを洗い流す口腔洗浄器が使用されている. そこで今回, 口腔洗浄器による汚れの除去性能を向上させるために, キャビテーション気泡が発生するノズルから吐出される水流による除去効果について, 人工プラークを用いてin vitroで検証した. また, 臨床応用としてキャビテーション気泡を含む水流を吐出する口腔洗浄器を用いて, 歯周組織の改善への有用性および安全性を検証した. 結果 : キャビテーションノズルから吐出されるキャビテーション気泡を含む水流は, 従来ノズルから吐出されるキャビテーション気泡を含まない水流と比較して有意に人工プラークを除去することが示された. また臨床応用においては, 口腔洗浄器は口腔内に為害作用がなく, キャビテーション気泡を含む水流により歯周組織の改善がみられた. 結論 : キャビテーション気泡を含む水流による口腔内清掃は, 日々行う口腔内のプラーク・コントロールに対して有用性のあることが示された.
著者
荒井 章司 阿部 なつ江 松本 一郎 三浦 真
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.5-30, 2021-03-25 (Released:2021-03-25)
参考文献数
146

Chromitites (chromite ores) are reviewed for their importance in magmatism, hydrothermalism, geodynamics and production of resources. The key process for chromitite production is possibly the formation of magmas oversaturated with chromite (or chromian spinel).Production of relatively silica-rich magma during the formation of dunite envelope is coupled with the production of the podiform chromitite. The origin of stratiform chromitites is challenged based on a new idea on the origin of chromite-hosted mineral inclusions, commonly found in all types of chromitites. The chromite-hosted melt inclusions, now characterized by the assemblage pargasite+aspidolite+orthopyroxene, are possibly formed during reaction melting of orthopyroxene within the mantle. Chromite grains in the crustal stratiform chromitites, at least in part, are produced in the mantle stage and transported upward to the magma chamber. Origin of ultrahigh-pressure chromitites has been highly debated, but is still enigmatic. Chromitites of hydrothermal origin have been found and may contribute to redistribution of Cr both in the mantle and in the crust. Production of chromitite ores in Japan is also reviewed. Chromitites serve as a good petrologic marker in both mantle and crustal rocks, and will greatly contribute to our understanding of deep-seated structure and mantle processes in the mantle drilling.
著者
蒔苗 勇成 青木 秀敏 丹野 庄二 三浦 隆利
出版者
日本熱物性学会
雑誌
熱物性 (ISSN:0913946X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.221-226, 1993-10-30 (Released:2010-03-16)
参考文献数
13

非定常熱流法を用いて高吸水性ポリマーの熱物性値を測定した。 有効熱拡散率および有効熱伝導率を乾燥状態と吸水状態について測定し、 含水率はポリマーとの重量比で0から100まで変化させ、 温度は20℃から80℃まで変化させた。 乾燥ポリマーは温度依存性がみられなかったが、 吸水状態では、 有効熱伝導率について温度依存性がみられた。