著者
道脇 幸博 角 保徳 三浦 宏子 永長 周一郎 米山 武義
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.275-280, 2003-03-31 (Released:2014-02-26)
参考文献数
14
被引用文献数
3

要介護高齢者に対する口腔ケアの効果について, 誤嚥性肺炎患者の診療報酬を対象に費用効果分析を行ったところ, 口腔ケアは医療経済学的観点からも有用であることが示されたのでその概要を報告する。研究に当たってはまず文献的な考察によって誤嚥性肺炎予防に関する口腔ケアの効果を検討すると共に, 口腔ケアの診療報酬を算出した。次いで誤嚥性肺炎にて入院加療を要した患者の診療報酬請求額を算出し, 両者を比較して費用効果分析を行った。その結果, 口腔ケアの局所効果としては, 口腔や咽頭の細菌量の減少, 口臭の低下, 歯肉炎の減少などがあり, 全身的な効果としては発熱率の低下, 誤嚥性肺炎罹患率の低下, 死亡率の減少などが挙げられた。また誤嚥性肺炎予防の観点から算出した口腔ケアの費用便益比は, 直接費用のみを比較しても0.82であった。従って口腔ケアの局所的効果や全身的な効果について, 直接費用と間接費用を含めると, その費用効果はさらに上昇すると考えられた。
著者
三浦 伸夫
出版者
化学史学会
雑誌
化学史研究 (ISSN:03869512)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.193-204, 1997-11-25
著者
三浦 清美
出版者
電気通信大学
雑誌
電気通信大学紀要 (ISSN:09150935)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1-2, pp.73-96, 2005-01-31

This paper aims to bring into light the medieval Russian folk pagan cult, which was mentioned inseveral preaches by the medieval Russian authors as the cult to "Rod i Rozhanitsa". The presentauthor has collected all the materials about it and analyzed them, using the method of "theprospective and retrospective way", proposed by B.A. Uspenskii. It has been proved that this cultwas associated with the worship of the Earth-Great Mother, retrospective to the Indo-Europeanarchaic religious views. This paper is composed of two parts, the first part of which analyses andinterprets the materials, is printed in this bulletin. The second part, which analyses the religiousphenomena, will appear in the next issue of this journal.
著者
三浦 正子
出版者
中部大学現代教育学部
雑誌
現代教育学部紀要 (ISSN:18833802)
巻号頁・発行日
no.1, pp.165-172, 2009-03

戦後の1947年に児童福祉法が制定された。この児童福祉法第45条「児童福祉施設最低基準」に保育所の最低基準がある。現在もなお4 歳以上児に対して保育士配置基準の改善がされず当時のままである。保育所は、社会の変化に対応しながら、保育に対するさまざまなニーズをとりいれて、子どもたちの健やかな育成を今日までに担ってきたのである。このことは、保護者や社会的な協力もさることながら、保育士の密度の濃い仕事ぶりで乗り越えてきたといっても過言ではない。保育所における最抵基準の保育士配置基準に焦点をあて、その雇用形態の現状を明らかにし、保育所に求められている多様な役割に対して、現状の保育士配置基が適切に応えられているかどうか検討する必要があった。その結果、保育の現場での保育士の努力や能力によって解決できる課題ではないことが明らかとなり、最低基準の改善に向けた論議を活発化する必要がある。
著者
沼部 幸博 三浦 雅美 鴨井 久一
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.358-367, 2002-12-20 (Released:2012-08-27)
参考文献数
13

ラフイノースは,砂糖の原料となるビート(甜菜)からできるオリゴ糖の一種である。本研究では,ラフイノース連続投与の全身および口腔内環境に及ぼす影響を検索する目的で,ラフイノース摂取前後の末梢血および唾液中の成分変化を調べた。その結果,ラフイノースには正常値の範囲内ながら,末梢血および唾液のLDH(乳酸脱水素酵素)を上昇させるとともに,唾液中の歯周病原性微生物の増殖抑制効果があることが示された。
著者
遠藤 佳章 久保 晃 木村 和樹 三浦 寛貴
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.42-46, 2016 (Released:2017-02-20)
参考文献数
24
被引用文献数
1

【目的】超音波画像診断装置を用いて健常若年男性の腰椎各レベルの多裂筋横断面積の腰椎レベル高低での差異と左右差の2 要因を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は過去に腰部の疾病や外傷,腰痛の既往がない上下肢ともに右利きの健常若年男性55 名とした。超音波画像診断装置を用いて,腹臥位で左右の第5・4・3・2・1 腰椎レベルの多裂筋横断面積を計測した。【結果】多裂筋横断面積の左右比較では,第5・4 腰椎レベルで右側が有意に大きく,第3・2・1 腰椎レベルでは有意差は認められなかった。また,左右ともに下位腰椎にいくにつれて多裂筋横断面積は有意に増大した。【結語】腰部多裂筋横断面積は下方にいくにつれて大きくなり,利き側がより発達することが示唆された。
著者
工藤 尚子 三浦 耕資 周東 千緒 村上 敏史 齊藤 理 的場 元弘
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
pp.13-0014, (Released:2013-09-30)
参考文献数
9

オピオイドの全身投与で十分な鎮痛が得られなかった2 例のがん性痛患者に対して,くも膜下モルヒネに高用量のブピバカインを併用し良好な鎮痛を得たので報告する.症例1:72 歳の男性で,肺がんの腸腰筋・大腿筋群転移による下肢の痛みに対し,くも膜下鎮痛法を施行した.モルヒネ単独で十分な鎮痛が得られずブピバカインを最大94 mg/日で併用し,痛みはverbal rating scale で4 から1~2 へ軽減した.症例2:64 歳の女性で,直腸がんの皮膚転移による陰部,大腿の痛みに対し,くも膜下鎮痛法を施行した.モルヒネ単独で十分な鎮痛が得られずブピバカインを最大66 mg/日で併用した.レスキュードーズ使用時に下肢のしびれ,低血圧を認めたが,レスキュードーズの調整で軽減し,痛みはnumerical rating scale で10 から2~5 へ軽減した.くも膜下モルヒネの効果が不十分ながん性痛の患者において,ブピバカインを加え,副作用や合併症に注意しながら高用量まで漸増することで,患者満足度の高い優れた鎮痛が得られた.
著者
三浦 俊彦
出版者
日本科学哲学会
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.69-81, 2002

The question "How can I be a?" ("a" being a proper name) has been recently referred to as "The Harder Problem of Consciousness", which would remain mysterious even after "The Hard Problem" about how subjective experiences arise is solved. Since both the indexical "I" and an exemplifying name "a" are ambiguous in their references, a formal analysis is required. Then, it turns out that any disambiguated version of "Harder Problem" is logically reduced to "The Hard Problem" or its special case "How can there be a?". There is no "Harder Problem" with its additional philosophical value. This is simply a matter of logic, independent of any ontology on whether metaphysical self exists or not.
著者
吉川 亮平 小原 香耶 三浦 士郎 小林 信周 吉田 光宏
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.381-386, 2020 (Released:2020-07-01)
参考文献数
27

認知症高齢者は認知機能の障害とそれに伴う行動心理症状により転倒リスクが高く、転倒による骨折が患者の生活の質のみならず、認知症進行への関与が予想されることからも、骨量の評価は極めて重要と考えられる。本研究では、独立行政法人国立病院機構北陸病院の認知症外来受診者における骨量の実態を調査するとともに、栄養状態等との関連性について検討を行った。骨量の評価には超音波骨密度測定装置を用い、踵骨部における音響的骨評価値(OSI)を測定した。対象者の平均OSIは、男女ともに若年成人平均値よりも著しい低値を示した。OSIを目的変数とした重回帰分析の結果、男性ではBMIとヘモグロビン濃度、女性では年齢、赤血球数、手段的日常生活動作が寄与因子として認められた。認知症外来受診者のOSIが低値であることを認め、骨粗鬆症対策や転倒予防の重要性が示唆された。また、男性は骨量と栄養状態に関連性を認めたが、女性は外来受診時の骨量と栄養状態に顕著な関連性は見られず、若年時からの一次予防が重要であると考えられた。
著者
三浦 郁夫
出版者
広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

遺伝的にオスとメスを決める性決定の仕組みには、大きく2つが存在する。哺乳類に代表されるXX/XY型と鳥類に代表されるZZ/ZW型である。近年、2つのタイプは相互変換が可能であることがわかってきた。我が国に生息するツチガエルは2つのタイプが地域集団に別々に存在しており、性決定機構変換の仕組みを解明する上で、最適な研究材料と言える。本研究では、2つのタイプが接触した近畿地方において、性決定の仕組みがZW型に収束した集団を発見し、その変換の遺伝学的、進化学的仕組みを明らかにした。その際、既に遺伝子退化が始まっていたW染色体がX染色体と入れ替わり、新しいW染色体として若返る現象も明らかにした。
著者
川端 悠士 竹原 有紀 三浦 千花子 小川 浩司
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.152-161, 2019 (Released:2019-06-20)
参考文献数
50

【目的】大腿骨転子部骨折例における骨折型,小転子骨片転位の有無が術後4 週の短期的な運動機能に与える影響を明らかにすること。【方法】対象は転子部骨折例95 例とした。運動機能として術後4 週の安静時痛・荷重時痛,関節可動域(患側股屈曲・伸展・外転,患側膝屈曲),筋力(健患側股外転,健患側膝伸展),歩行能力を評価した。従属変数を運動機能,独立変数を骨折型・小転子骨片転位の有無,共変量を年齢・受傷前の自立度・認知症の程度等として共分散分析を行い,骨折型・小転子骨片転位の有無が術後の運動機能に与える影響を検討した。【結果】骨折型と有意な関連を認めた運動機能は荷重時痛,患側股屈曲・膝屈曲可動域,患側股外転筋力,健患側膝伸展筋力,歩行能力であった。また小転子骨片転位と有意な関連を認めた運動機能は歩行能力であった。【結論】不安定型骨折例および小転子骨片転位例は,術後4 週の短期的な運動機能が不良であることが明らかとなった。

2 0 0 0 OA 歴代詔勅全集

著者
三浦藤作 謹解
出版者
河出書房
巻号頁・発行日
vol.第5巻, 1943
著者
佐竹 純二 三浦 純
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.28, no.9, pp.1091-1099, 2010 (Released:2012-01-25)
参考文献数
21
被引用文献数
10 9

This paper describes a stereo-based person detection and tracking method for a mobile robot that can follow a specific person in dynamic environments. Many previous works on person detection use laser range finders which can provide very accurate range measurements. Stereo-based systems have also been popular, but most of them have not been used for controlling a real robot. We propose a detection method using depth templates of person shape applied to a dense depth image. We also develop an SVM-based verifier for eliminating false positive. For person tracking by a mobile platform, we formulate the tracking problem using the Extended Kalman filter. The robot continuously estimates the position and the velocity of persons in the robot local coordinates, which are then used for appropriately controlling the robot motion. Although our approach is relatively simple, our robot can robustly follow a specific person while recognizing the target and other persons with occasional occlusions.