著者
寺田 暁彦 中川 光弘 大島 弘光 青山 裕 神山 裕幸
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1/2, pp.17-26, 2004

In this paper, the authors describe remarkable thermo-activities especially at the fumaroles B on the southwestern cliff of the summit dome on Tarumae volcano, which unusually occurred soon after the Tokachi-oki erathquake that took place on Sep. 26 2003 (MJMA 8.0). The unusual thermoactivities include (1) increase in gas flux, (2) weak glow witnessed by the high-sensitive camera in the nighttime with positions moving night by night, and (3) ash ejection of about 24m^3. Since the high-sensitive cameras can detect thermal radiation, the observed glow would be evidence for high-temperature of rock surface. It is considered that the Tokachi-oki earthquake would affect the volcano to eject a large amount of high-temperature gas, which resulted in the weak but unusual glow and ash deposits of the order of 10m^3 in volume.
著者
長谷川 健 中川 光弘
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.113, no.2, pp.53-72, 2007-02-15
被引用文献数
3 12

北海道東部,阿寒カルデラ周縁の火砕堆積物を調査し,その層序・年代を明らかにした.対比にあたっては本質物の岩石学的特徴も活用した.阿寒カルデラ起源の火砕堆積物は,古土壌などの介在によって,少なくとも40の噴火ユニットに区分できる.さらにこれらは,層序が連続し,かつ岩石学的特徴が類似する17の噴火グループにまとめられる(上位からAk1〜17).Ak1〜17の間には,阿寒火山以外に給源を持つ複数の火砕物が挟在する.Ak2とAk3の間には東燐の屈斜路カルデラから噴出した古梅溶結凝灰岩(0.34 Ma)が,Ak14の中には北海道中央部起源である十勝火砕流(1.3-1.46 Ma)の遠方相が堆積する.このことから,阿寒カルデラは前期更新世から活動を開始し100万年以上にわたって火砕噴火を頻発していたことが分かった.この期間,阿寒火山では,噴火グループごとに異なるマグマ系が活動していた.
著者
中橋 雄 寺嶋 浩介 中川 一史 太田 泉
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.373-382, 2010
参考文献数
14

本研究は,「電子黒板を活用して学習者が考えを説明する学習活動」で生じる相互作用を調査し,学習者同士の思考と対話を促すために教師が行った指導方略をモデル化して捉えることを目的としたものである.学習場面をビデオで撮影するフィールド調査により,学習者および教師の発話と行動について分析を行った.その結果,教師の指導方略として,「対話のための場を整える」,「説明方法を指導する」,「自らモデルを示す」,学習者の説明に対して「受け答える」,「思考を促す問いかけをする」といった事象のカテゴリーが生成された.そして,それらを構成する要素の中には,<提示画像を準備する><説明を書き込むよう注意する><印の付け方を注意する><色を変えて比較させる><書き込みを保存させる><立つ位置の見本を示す><身振り手振りの見本を示す>といった電子黒板を活用することによる特徴的な所作・動作を伴う事象が確認された.
著者
北岡 教英 赤堀 一郎 中川 聖一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.500-508, 2000-02-25
被引用文献数
37

雑音環境下の音声認識の前処理として用いられる, パワースペクトル領域でのスペクトルサブトラクションでは, 音声と雑音の間の相関の影響で雑音除去が十分でないことが指摘されている.本論文では, 相関の影響を抑えるための方法として時間方向スムージングを提案する.これは, パワースペクトルの各成分ごとにスムージングを行うものであり, 統計的に相関の影響を小さく抑えることができる.更に, スムージングによる時間分解能の低下を防いでスムージングをより効果的に実現するために, 短い分析窓長で分析を行う方法を提案する.大語彙(い)単語認識実験により, 時間方向スムージング, 特に短い分析窓を用いた場合に有効であることを示す.また, 時間方向スムージングを用いたスペクトルサブトラクションに, 音響モデルを雑音付加音声で学習する雑音付加学習を併用した場合に, 更に認識率が向上することも示す.
著者
中川 宏治
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.54-59, 2012-07-01
被引用文献数
1

2007年度から,広域自治体を単位とした学校教育における森林教育の取組が滋賀県で始まっている。この事業の推進に当たって,教員対象の研修会が毎年開催され,全学校から1名以上の教員が参加している。本研究では,事業開始から5年を経過して,教員研修および事業に対する学校現場の課題の現状や事業に対する認識を把握するために,研修参加者を対象に実施したアンケート調査の結果を整理した。その結果,事業の認識はまだまだ薄く,教員の現場からは煩雑な事務手続きなどに対する否定的意見が目立つ。しかし,教員の指導資質能力の養成に関しては,教員研修での間伐体験など体験型の学習が有効であり,やまのこ事業の体験学習への実践的な参加も指導能力を高める効果があると考えられた。滋賀県での森林教育に関する一連の取組は,学校教育で自然体験学習を導入する際の学校現場の課題解決に向けた貴重な先行事例となりうるであろう。
著者
中川 洋 石島 三郎
出版者
日本真空協会
雑誌
真空 (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.3, no.10, pp.381-388, 1960-10-20 (Released:2009-09-29)
参考文献数
8

The conventional evacuating system : combination of oil diffusion pump, booster pump and mechanical rotary pump, has serious faults in the case of pumping the chemically unstable matter. For instance, in the degassing stage of the molecular distillation plant, the gas is composed of air, volatile matter, water vapor and mist of unstable compound. These components are decomposed or polymerized in a evacuating system, and damage the normal opperation of pumps, especially in oil rotary pump. This is caused by less circulation of oil, and moving parts would be damaged.To conquer this difficulty, we tried to select the new pump composion ; diffusion-booster, steam ejector and water jet. This system has not any moving parts, so we can avoid adove difficulty. The performances of these pumps are as follows : Diffusion booster : Pumping speed (800900 l/sec at 10-310-2 mmHg) Critial back pressure (57mmHg) Steam ejector : Pumping speed (20 l/sec at 1 mmHg), Back pressure (40 mmHg) Water jet : Pumping speed (0. 95 l/sec at 5 mmHg), Back pressure (atmosphere).The overall performance shows very satisfactory result, and this system is now under continious operation for over a year.
著者
千葉 幸司 宮内 隆 石井 孝子 中川 裕道 杉崎 信彦
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.495-496, 1997-09-24

データウェアハウス(以下DWHと記す)の提唱者ビル・インモン氏は, その著書において構築や活用の具体的な方法論を述べていない。そこで, 我々富士通LS研「データウェアハウスの構築と活用」分科会では, 実在の企業をモデルに構築と活用の両面からインモン説DWHの実践的な検証を行った。モデル企業は, 幅広い適用範囲の成果が得られるように, 業態・前提条件の異なる流通業A社と製造業B社を選定した。この論文は, 上記2社の現状と今後の方針をもとにしてDWHによる情報系システムの設計を行う過程で発生した様々な課題の中から主要なものについてまとめたものである。
著者
有間 俊彦 吉田 伸二 鈴木 一人 長谷川 浩 山本 敏克 中川 善博 石井 謙二 伊坪 徳宏
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第7回日本LCA学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.38, 2011 (Released:2012-02-16)

紙製ヨーグルト・カップは本体には紙、蓋にはアルミニウムが主に使用されている。本研究では、こうした紙製ヨーグルト・カップのLCAをLIME2を使用して実施した(ヨーグルトの充填及び封緘プロセスは除く)。アルミの環境負荷は相対的に大きく、木材が環境(一次生産及び生物多様性)に与える影響がゼロであるとした場合、容器1個が環境に与える影響(統合化)の50%強が蓋に由来し、その殆どが素材製造に由来している。
著者
中川 毅 奥田 昌明 米延 仁志 三好 教夫 竹村 恵二
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.207-225, 2009-06-01 (Released:2012-03-27)
参考文献数
40
被引用文献数
4 6

過去におけるモンスーン変動のパターンを復元するための代表的な試料として,中国のレス古土壌堆積物と鍾乳石をあげることができる.だが,前者が主としてモンスーンと氷期・間氷期サイクルの密接な結びつきを示唆するのに対し,後者においては太陽放射の直接の影響の方が卓越するなど,両者の間には本質的に解決されない矛盾が存在していた.著者らは,琵琶湖の堆積物コアの化石花粉データを用いて,季節ごとの気候を過去45万年にわたって定量的に復元することで,この矛盾を統合的に説明することを試みた.その結果,シベリアと太平洋の気団の温度はいずれも氷期・間氷期サイクルに応じて変動するが,海陸の温度傾度においてはそのような変動が相殺され,むしろ太陽放射の直接の影響の方が卓越することがわかった.また海陸の温度傾度はモンスーンの直接の駆動力であるため,夏モンスーンの強度も太陽放射の変動周期に同調して(すなわち,主として23,000年の歳差運動周期で)変動していた.ただし,太陽放射の振幅が十分に大きくない時代においては,モンスーンは氷期・間氷期サイクルの方に連動する傾向が見られた.本稿では,これらの事実を総合的に説明することのできる,きわめて単純なモデルについて解説する.またモンスーンが海洋の表面温度の分布に及ぼすかもしれない長期的な影響,ならびにレス古土壌堆積物が内包している,モンスーンの記録計としての問題点についても言及する.
著者
中川元 訳
出版者
金港堂
巻号頁・発行日
vol.第1, 1887