著者
松岡 桓準 平 徳久 中村 清香 勝山 雄志 吉岡 正人
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.200-207, 2014-09-20 (Released:2016-09-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1

アスコルビン酸は生体にとって不可欠な成分であり,化粧品分野においても抗酸化作用をはじめとする様々な生理機能を求めて多くの製剤に配合されている。しかし,アスコルビン酸は非常に不安定な物質で,しばしば着色・着臭をはじめ乳化系の破壊や製剤の粘度低下の原因となる。今回われわれは,アスコルビン酸とグリセリンを結合させた2種類のグリセリル化アスコルビン酸を開発した。これらはB16細胞を用いたメラニン生成抑制試験において高いメラニン生成抑制効果を示した。また,in vivoの連用試験ではグリセリン由来の保湿効果を示し,肌表面の紋理を整え,乾燥による目尻の小じわを目立たなくした。さらに,水溶液や粘性製剤において高い安定性を示すことも確認された。これらの結果よりグリセリル化アスコルビン酸は既存の誘導体と同様の生理活性を有するだけでなく,化粧品市場に求められる付加的機能を併せ持った保湿型アスコルビン酸誘導体であることが確認された。
著者
木山 竜一 冨士 雅弘 原 真里子 藤本 正文 川畑 友二 中村 益久 藤下 利夫
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.450-460, 1995-03-15 (Released:2008-03-31)
参考文献数
24
被引用文献数
6 7

Starting from recently reported nonpeptidic angiotensin II (AII) receptor antagonists, we have designed and prepared a new series of 6-arylimidazo[4, 5-c]pyridine derivatives. Variation of phenyl groups at the 4-, 6- or 7-position of imidazo[4, 5-c]pyridine showed that substitution at the 6-position resulted in receptor-binding activity almost as potent as that of DuP 753. This led to synthesis and evaluation of an extensive series of 6-aryl-imidazo[4, 5-c]pyridine derivatives. Some of them were 4-fold more potent in vitro than DuP 753, but only showed weak antihypertensive activity in vivo when given orally to rats.
著者
中村 みなみ 乙武 北斗 吉村 賢治
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 平成28年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第69回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.290, 2016-09-21 (Released:2018-02-16)

観光客が興味をもつ観光ルートを作るためには、巡る観光地に何らかのストーリー性があることが望ましい。本稿では、観光地の案内文を使ってストーリー性がある観光ルートを作成するために必要な観光地のグルーピング手法について提案する。文書のグルーピング手法としてはTF/IDFを使って文書をベクトル化したうえで、類似度を計算する手法がある。しかしながら、TF/IDFに基づくベクトル空間では軸の直交性が保証できないため、グルーピングの精度が低下する原因となる。本稿では、Word2Vecに基づく単語の分散表現を利用してこの問題を改善する手法を提案する。
著者
西村 典子 中村 豊 恩田 哲也 伊藤 栄治 甲斐 堯介
出版者
東海大学
雑誌
東海大学スポーツ医科学雑誌 (ISSN:09153659)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.63-68, 2007

The purpose of this study is to investigate the effect of artificial carbon dioxide-rich water for peripheral circulatory improvement on fingers of baseball players with circulatory disturbances catching hands with index fingers suffering from repetitive ball impact. A trial therapy of bathing in artificial carbon dioxide-rich water and fresh water for following the nine university baseball players having symptoms of circulatory disturbances graphic evaluation of thermograph and analysis of temperature on fixed point was done. Results suggest circulatory improvement of fingers : two players of the artificial carbon dioxide-rich water tended toward increased temperature on their catching hands, indicating improved blood flow in the index finger and center-point of the palm area. The measurement conditions were not always ideal because there were some variance in this trial therapy, for example environmental temperatures, degrees of circulatory disturbances, problem progress of bathing and so on ; nevertheless treatments for circulatory disturbances in the fingers under the condition of low temperature don't currently exist. The therapy of bathing in artificial carbon dioxide-rich water seems to be useful on the sports field.
著者
長谷 博子 野浪 亨 中村 利治
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.118, 2012 (Released:2013-09-18)

<目的> 花粉症の原因である花粉を除去するために,アパタイトと二酸化チタンの粉末を用いてマツ花粉の吸着・分解能の評価を行った. <方法> マツ花粉0.1gとアパタイト粉末0.1g,マツ花粉0.1gと二酸化チタン粉末0.1gをそれぞれ乳鉢で混合した後,走査型電子顕微鏡で観察した.さらに,マツ花粉と二酸化チタン粉末を混合した試料には,ブラックライトを照射した後にも顕微鏡観察を行った. 応用例の実験として,アパタイト被覆二酸化チタンを塗布した網目約1mmのポリエステル製ネットと不織布についても評価を行った.試験片1×1cmとマツ花粉0.1gをバイアルに入れて振とうした後に試験片を取り出し,未処理の試験片と比較して観察した. <結果および考察> マツ花粉の大きさは,球形で直径が30~50μmであり,スギ花粉と同程度の大きさであることが分かった.アパタイト粉末と二酸化チタン粉末は,いずれもマツ花粉の表面に吸着している様子が観察できたが,アパタイト粉末の方が明らかに多く吸着していた.アパタイト被覆二酸化チタンを塗布したポリエステル製のネットは,未処理のネットと比べて明らかに多くのマツ花粉を吸着していた.このことから,ポリエステル製のネットにアパタイト被覆二酸化チタンを塗布することでマツ花粉の侵入を低減できる可能性があることが分かった.なお,ポリエステルネットは蚊帳用として,不織布はマスク用として利用されているものである.
著者
清水 二郎 中村 正二郎
出版者
JAPAN SOCIETY OF NUTRITION AND FOOD SCIENCE
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.127-130, 1976

精白米, 押麦, 小麦粉の第1次, 第2次抽出液および煮熟抽出液を調製し, 可溶性たん白質をディスク電気泳動法によって比較検討した。抽出溶媒は, 蒸留水および50mMトリス塩酸緩衝液 (pH 8.0) を用いた。<BR>各食品とも抽出されるたん白質画分は抽出溶媒によりかなりの相違が認められ, きわめて多くのたん白質が含まれている。同一溶媒を使用しても, 第1次抽出液と第2次抽出液では多少の差異が認められた。精白米飯のたん白質画分は不鮮明であったが, 押麦と小麦粉の煮熟品では鮮明であった。また, 抽出溶媒による差も明らかであった。
著者
縄田 修吾 加藤 紘 中村 和行
出版者
Japanese Electrophoresis Society
雑誌
生物物理化学 (ISSN:00319082)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.257-263, 1998-12-15 (Released:2009-03-31)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Recently, tumor markers, which have been developed for the diagnosis and evaluation for cancer, are regarded as new key tools to study the malignant behavior of cancer, and therefore, much attension has been focused on their biological functions. Squamous cell carcinoma (SCC) antigen is a tumor marker of SCC arising in various sites. We have investigated the biological function and heterogeneity of this tumor marker by electrophoretic methods. In this paper, we report that SCC antigen belongs to the inhibitory type of serine protease inhibitor family, indicating that SCC antigen may affect malignant behavior such as tumor invasion. We also describe the different pattern of SCC antigen by two-dimensional electrophoresis in normal and cancer tissues, and indicate that the heterogeneity of SCC antigen results mainly from the presence of two homologous genes, SCCA 1 and SCCA 2 gene.
著者
小中村清矩
出版者
巻号頁・発行日
vol.[2],
著者
中村 尚史
出版者
The Society of Fiber Science and Technology, Japan
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.384-387,381, 1957

Influence of the catalyst, solvent and temperature on the fibrous acetalization of polyvinyl alcohol with cyclohexanone was studied. As cyclohexanone is insoluble in water, mixtures of water and methanol were used as a solvent. Degree of acetalization was higher when methanol concentration and temperature of reaction was low. But it was difficult to obtain higher degree of acetalization than 30mol%.<br>Boiling water resistence of the obtained fibers were not sufficient.
著者
中村 覚 大和 裕幸 稗方 和夫 満行 泰河 鈴木 淳 吉田 ますみ
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.267-277, 2018-02-15

近年,デジタルアーカイブの普及にともない,インターネットを介した歴史資料(以下,史料)へのアクセスが容易となっている.一方,研究者が研究対象とする史料のすべてがインターネット上で公開されているとは限らず,また実証的な歴史研究が現存するすべての関係史料を検討することを基本にするため,実際に文書館や図書館に赴き,史料の収集を行う例も多い.本研究では史料収集や整理に多大な労力を要する歴史研究の支援を目的とし,複数の研究者の共同作業による史料収集・整理プロセスの効率化,および異なる専門知識を有する研究者の協調的な史料分析を支援するシステムを開発する.また,外交文書の送付先の決定過程に関する歴史研究を行い,開発したシステムの有用性を評価する.Digital archive has become popular recently, and this facilitates easy access to historical materials by the Internet. On the other hand, it is still common for researchers to gather materials by going to libraries and archives. This is because empirical historical research requires to examine all materials related to research objectives. In this study, the system is developed in order to gather and manage materials efficiently and support collaborative research with several researchers. This system manages materials on the Internet, and enables several researchers to accumulate and analyze materials collaboratively, which takes a great deal of effort individually. The effectiveness of the proposed system is evaluated by an experiment with several researchers to analyze the process of deciding addresses of diplomatic documents.
著者
中村 郁郎 亀谷 七七子 山中 慎介 加藤 裕介 城守 寛 佐藤 洋一郎
出版者
日本育種学会
雑誌
Breeding science (ISSN:13447610)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.385-388, 1997-12-01
参考文献数
19
被引用文献数
10

植物細胞に含まれる葉緑体は,光合成原核生物であるらん藻の共生により生じたと考えられている(Pa1mer1993)。特に,リボゾームタンパク質遺伝子rpl16とrpl14は,陸上植物の葉緑体の起源を考察する上で興味深い領域の一つである。すなわち,らん藻や紅藻類の葉緑体では,rpl16とrpl14の間に共通な2遺伝子(rpl29とrps17)が介在しているが,陸上植物10種の葉緑体では,rpl29-rps17は欠失し約100塩基のリンカー配列を挟みrpl16とrpl14が隣り合っている(Fig.1)。この事は,原始植物が上陸した時に欠失が生じ,植物の種分化にともないrpl16-rpl14のリンカー配列は単一配列から変異してきたことを示唆している。rpl16およびrpl14は,イネ,タバコ,ホウレンソウの3種の間で84%以上の高い相同性を示したが,リンカー配列のホモロジーは28%と低いことが認められた(Fig.2)。rpl16およびrpl14の保存領域に対する1対のプライマーを作製し,イネ,ヒエ,リンドウ,カシから抽出したDNAをテンプレートとしてPCR反応を行ったところ,約550塩基のDNA断片が増幅され,ダイレクト法により塩基配列を決定できた。そこで,rpl16の終止配列を含む下流50塩基の配列を葉緑体型を特定するためのID(PS-ID)配列として利用できないか検討した。データベース検索および本研究で決定した各葉緑体のPS-ID配列を比較したところ,塩基置換に加え,機能のある塩基配列では起こりにくい短い欠失/挿入およびSlippage等の多様な変異が生じていることが認められた。各PS-ID間の塩基置換を数えたところトウモロコシとヒエで3カ所,インゲンマメとリョクトウで4カ所,ホウレンソウとエノテラで14カ所であった。また,興味深いことにインド型イネは,日本型イネに比べて2力所で3塩基のSlippageが認められた(Table 1)。本研究で提案したPS-ID配列の検出法は,配列の知られていない高等植物種の葉緑体を共通プライマーを用いて解析できる可能性が高く,さまざまな植物についてPS-ID配列を集積しデータベース化できれば,植物系統進化学,古生物学および植物育種等に広く応用できるものと考えられる。
著者
原田 篤史 西垣 正勝 曽我 正和 田窪 昭夫 中村 逸一
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.2093-2105, 2003-08-15
参考文献数
10
被引用文献数
1

様々な場面で使用されるようになってきた電子文書には,追記によってのみ更新が許されるライトワンス型の文書が含まれており,電子カルテなどはその好例である.ライトワンス文書では,たとえ文書中に誤りが発見されたとしてもすでに書かれている記述を削除することが許されず,修正内容を追記として付加するしかない.ライトワンス文書を電子文書として扱う際には,データの完全性と追記の順序性の保証が必要となる.本論文は,特別なハードウェアに頼ることなく,電子化されたライトワンス文書の安全な管理を実現する方式を提案する.本方式では,追記データ単位で当該データを作成したユーザのディジタル署名と文書を保存する文書管理システムのディジタル署名を2重に付加することにより,データの完全性を保証している.同時に,文書中の各追記データにおけるユーザとシステムのディジタル署名はそれらすべてをリンキングさせることにより,追記データの順序性を保証するとともに,文書改竄に対する耐性を強化している.タイムスタンプサーバなどに代表される従来のリンキング方式とは異なり,文書ごとに独立した「文書本位」の署名のリンキングをすべてのユーザと文書管理システムが積極的にリンキングに協力する方式によって行うことで,文書の改竄困難性が非常に高く,特にライトワンス文書の管理に優れたシステムを実現している.本方式は既存の標準的な署名アルゴリズムにより実装が可能で,かつ,異なった署名アルゴリズムを用いる複数のユーザが1つの文書に対して追記することもでき,運用上の柔軟性をあわせ持つ.There are documents which require to be stored in a write-once format, e.g., medical records. Such documents can be updated only by adding new records. Even when any erratum is found, a document is not allowed to be written over, instead, new record for errata is added to the document. Moreover, it is also required to keep the order of records in a document. This paper proposes a secure database management system for a ``write-once document''. In this system, two types of digital signatures are added to each record to maintain the integrity of a document. All those signatures are created with a linking scheme; the linkage between records and signatures makes it difficult for a cracker to alter/remove/insert any record or change the order of records. The system proposed here employs a ``document-oriented'' linking scheme with both of users' and system's digital signatures, whereby the system realizes a secure write-once data management system with no special hardware. In addition, this system does not depend on a particular signature algorithms. That is, a variety of users each of who uses different signature algorithms can add new records to any document in the system.