著者
中村 好男
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.68, pp.15-16, 2001-08-31 (Released:2017-07-20)
参考文献数
7

岩手県川井村の早池峰山のアカエゾマツ林から採集されたヒメミミズ科Enchytraeidaeに属する1新種について,ハヤチネヒメミミズ(新称)Cognettia hayachinensis sp.nov.と命名し,記載した.本種はCognettia cognettiに似ているが,肥大剛毛がC. cognettiでは1剛毛束に2本あるのに対し,本種では1本であることから,区別される.
著者
佐々井 飛矢文 中村 仁美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.67, no.11, pp.597-609, 2016 (Released:2016-11-26)
参考文献数
34

This survey focuses on the fishing activities on the shoreline of Sodeshi (Kyotango city) in Kyoto. These activities are referred to as okazu-tori in that area, as demonstrated by how fishing is conducted when gathering meals for the household from the rocky coastline.  An important factor in okazu-tori is practical knowledge about the shore life and enjoyment of sharing the food-gathering activities. Okazu-tori is influenced by seasonal changes in the weather and provides local people with the opportunity to communicate with others in a manner beyond their everyday lives.  The pleasure of this activity is shared by exchanging the collected food or simply giving it to others. This shows an essential feature of people’s everyday lives and demonstrates the rich dietary nature in this region.
著者
後藤 雄佐 中村 聡 酒井 究 星川 清親
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.473-479, 1994-09-05
被引用文献数
2

スイートソルガムの生長の解析法を確立するために, 疎植区(100 cm×50 cm)と密植区(50 cm×20 cm)とを設け, 節間の伸長と肥大とを調べた. 供試品種は早生のSucrosorgo 301 (S 301)と晩生のSucrosorgo 405 (S405). 収穫物の中心となる茎は, 伸長した節間の集合体であり, 収穫物からその個体の生長を解析するためには, どの節間がいつ頃伸長・肥大したものかを推定できなくてはならない. すなわち, 外観から測定できる個体の齢と内部での節間の生長との関連性を把握する必要がある. そこで, 葉身が抽出完了した時点ごとに, その葉位で個体の齢を表し(葉位齢と呼んだ), 節間の伸長・肥大との関係を調べた. 葉位齢を用い第9節間〜第12節間の伸長過程を基に概念的な節間伸長の生長曲線を描いた. すなわち, 第n節間(IN n)は葉位齢n+1頃から急激な伸長を始め, 葉位齢n+2頃に最も急速に伸長し, 葉位齢n+3〜n+4頃に伸長が終わった. 節間伸長への栽植密度の影響は, 伸長の速度として認められた. 節間の太さについては, 同じ節間位で比較すると, 両品種とも疎植区のほうが密植区より常に太かった. 節間の肥大は, 一つの生長曲線にはまとめられなかった. 最も単純化した場合, 栽植密度によって異なる2つの生長曲線にまとめられた. INnは, 葉位齢nくらいまでは栽植密度の影響を受けずに肥大したが, 密植区は葉位齢n+1くらいから肥大速度が鈍り, 葉位齢n+2くらいで最大径となった. ところが疎植区は, 葉位齢n+5くらいまで肥大が続き, 最大径は密植区を上回った.
著者
成田 暁 中谷 直樹 中村 智洋 土屋 菜歩 小暮 真奈 辻 一郎 寳澤 篤 富田 博秋
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.157-163, 2018 (Released:2018-05-03)
参考文献数
18

目的 自然災害による身体的外傷がメンタルヘルスに与える影響に関する研究はこれまでにも報告されているが,軽度の身体的外傷においてもメンタルヘルスと関連するかはほとんど検証されていない。本研究は,東日本大震災に起因する軽度身体的外傷と心理的苦痛の関連を横断研究デザインにて検討することを目的とした。方法 宮城県七ヶ浜町と東北大学は,共同事業「七ヶ浜健康増進プロジェクト」において,東日本大震災後の町民の健康状態や生活状況を把握するための調査を実施している。本研究では,七ヶ浜健康増進プロジェクトが大震災から約1年後に行った調査に参加し,大震災に起因する外傷およびKessler 6項目心理的苦痛尺度(以下,K6)の全設問に回答した対象者のうち,20歳以上の男女3,844人(男性1,821人/女性2,023人)を解析対象とした。心理的苦痛(K6で24点満点中13点以上を「あり」,12点以下を「なし」と定義)を目的変数,身体的外傷の有無を説明変数とし,性,年齢,社会的要因,生活習慣を調整した多変量ロジスティック回帰分析を行った。軽度身体的外傷と心理的苦痛の関連について,震災被害(近親者の喪失,人の死の目撃,家屋損壊程度)のそれぞれで層別化した解析も併せて実施した。結果 身体的外傷なしの群に対し,ありの群における心理的苦痛の多変量調整済みオッズ比は2.05(1.26-3.34)と有意な正の関連を示した。また,軽度身体的外傷(「擦り傷」,「切り傷・刺し傷」,「打撲・捻挫」)なしの群に対し,ありの群における心理的苦痛の多変量調整済みオッズ比は2.18(1.32-3.59)と有意な正の関連を示した。家屋損壊程度に基づく層別化解析において,家屋が半壊以下であった群では4.01(2.03-7.93)と有意な関連を示したが,大規模半壊以上の群では両者の関連は有意でなく,家屋損壊程度と軽度身体的外傷の間に有意な交互作用が示された(P for interaction=0.03)。結論 東日本大震災の甚大な被害を受けた地域住民約4,000人を対象に,大震災に起因する身体的外傷と心理的苦痛の関連を検討した。その結果,大震災に起因する軽度身体的外傷と心理的苦痛の間に有意な正の関連が認められた。心理的苦痛のハイリスク者を同定する上で,軽度身体外傷を有する者についても考慮する必要がある。
著者
中野 拓治 中村 真也 松村 綾子 高畑 陽 崎濱 秀明 大城 秀樹 幸地 優作 平田 英次
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.I_87-I_94, 2018

<p>沖縄本島北部に分布する国頭マージ土壌を用いて油汚染土壌の浄化室内試験を実施し,油汚染土壌の浄化方法の一つであるバイオレメディエーションを適用した場合の油分浄化特性と影響要因について考察した.その結果,含水比を適切に管理したうえで栄養塩を添加し,空気を通気することによって,酸性土壌である国頭マージ土壌であっても土中に存在する油分解菌によって油分が浄化されることを明らかにした.さらに,油汚染土壌内でのTPH除去作用が1次反応であると仮定して浄化効率を示すTPH除去速度係数を求め,栄養塩添加量,通気量,含水比を説明変数とする多変量解析を通じて,含水比がTPH浄化効率に与える影響が最も大きいことが確認された.</p>
著者
白井 喜代子 中村 隆夫 楠原 俊昌 山本 尚武
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.179, pp.1-4, 2004-07-07
参考文献数
4

簡便な装置により無侵襲的な測定ができるという特長を持つインピーダンス法は,生体情報計測に適しており皮膚インピーダンスを用いた多くの応用計測がある.しかしながら,皮膚インピーダンスには個体差や部位差が存在し,これらは目的因子の変動と重なり評価を困難にしている.今回,応用計測を障害する個体差および部位差を較正するために,一般的なデータをもとに構築する皮膚インピーダンスの標準化モデルを提案した.各パラメータにおいて測定値とモデル皮膚インピーダンス値との相関は高かった.また,規格化皮膚インピーダンス値の変動係数は測定値の変動係数の約60%に減少し,本法の妥当性を確認できた.生体情報計測に標準化モデルを活用することは,測定値そのもので評価する方法と比較し診断精度は高く,今後の応用計測に有用と考えられる.
著者
中村 善紀 宮沢 健 井口 欽之蒸 北原 昇 松尾 俊彦
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.351-359, 1979

高山病は適切な処置をとれば, まことに治りやすい急性疾患であるが, 処置を誤れば死に至る疾病である. 昭和46年から昭和53年8月まで当院へ入院した19例の高山病患者について臨床的観察を行つた.<br>対象患者は男17例, 女2例で, 年令は29才以下18例, 52才1例であつた. うち死亡2例であつた. 登山歴のあるもの11例で, そのうち5例は高山病を経験していた. 高山病をおこした山岳は槍ヶ岳(3,179m)が最も多く7例, 次いで穂高連峰(3,000m)5例であつた. 高山病19例の入院した季節は夏山シーズン14名, 冬山シーズン4例で, 死亡者2例は夏山にみられた.<br>高山病発症時の症状と入院時の症状はかなり異なつておる. 一般に本症は低地に移送すれば症状は軽減するからである. その症状を大別すると脳症状, 呼吸器症状, 眼症状である. 低地に移すと脳症状は急速に改善するが呼吸器症状と眼症状は残るので, 高地性肺水腫や網膜出血として観察される.<br>高所反応が現れたら可及的速やかに低地に転送すべきであつて, 脳症状が固定すると死の危険がある.
著者
中村 忠行
出版者
甲南女子大学
雑誌
甲南女子大学研究紀要 (ISSN:03864405)
巻号頁・発行日
no.20, pp.p31-58, 1983
著者
三浦 亮 井和丸 光 野口 直人 伊藤 誠 山下 幹也 中村 恭之 三浦 誠一
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
JAMSTEC Report of Research and Development (ISSN:18801153)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.84-95, 2018-03-01 (Released:2018-04-24)
参考文献数
7

2011年に海洋研究開発機構で導入された可搬式マルチチャンネル反射法地震探査(可搬式MCS)システムでは,運用を開始して以来,ストリーマーケーブルの複数のアクティブセクションに同時に現れるノイズ(等走時ノイズ)が発生している.この等走時ノイズは,スクリューの回転あるいは電源系に起因して周期的に現れる場合,およびランダムに発生する場合がある.ノイズの発生はストリーマーケーブルの電気的性質に起因すると推定されているが,現在のところ根本的な解決には至っていない.中でもランダム型の等走時ノイズは,反射波シグナルより強い振幅かつ反射波シグナルに近い周波数帯域で現れることが多いため,重合後データに対しての悪影響が大きい.可搬式MCSデータの処理においては等走時ノイズのみを抑制し,シグナルを残すようなデータ処理法を適用する必要がある.等走時ノイズの速度特質を利用し,速度フィルターの一種であるF-Kフィルター(周波数・波数領域フィルター)の適用を試みたところ,完全に除去することはできないものの,ノイズの影響を抑制することができた.
著者
中村 節子 (旧姓森中
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.145-155, 2013 (Released:2013-08-01)
参考文献数
52
被引用文献数
1

There have been several reports about the relation between acid-base imbalance or arterial blood gas abnormalities and the occurrence of vertigo, including Meniere' disease. In animal experiments, respiratory acidosis induced by CO2 inhalation or metabolic acidosis induced by injection of NH4Cl has been shown to cause attacks of vertigo in rabbits with hemilabyrinthectomy. In clinical studies, approximately half of the patients with dizziness have arterial blood gas abnormalities when their dizziness occurs. An increase of HCO3- is found in many patients with dizziness, and the frequency of attacks is higher in patients who have arterial blood gas abnormalities during the remission period. These patients are thought to have unilateral vestibular dysfunction, and it is suggested that arterial blood gas abnormalities cause temporary vestibular dehabituation that increases the frequency of dizziness. It has also been reported from a study that the middle ear pressure difference between both ears, which is larger during periods of dizziness or recurrent dizziness than at the time of remission, might be related to blood gas abnormalities in Meniere's disease. In the same study, a difference of more than 50 decapascals was significantly more common in the patient group with blood gas abnormalities. In addition, metabolic acidosis has been reported in patients with Meniere's disease, and the base excess and bicarbonate levels were also found to be beyond the normal range in Meniere's disease. Arterial blood gas abnormalities might develop for various reasons, including underlying diseases and middle ear pressure differences. The endolymph in the endolymphatic sac is acidic (pH6.6-7). It has been reported that carbonic anhydrase, vacuolar H+-ATPase, pendrin and aquaporin may participate in the acidification process or homeostasis. The role of acid-base disturbance or arterial blood gas abnormalities in dizziness, and the relation in acid-base balance between inner ear and arterial blood gas need to be investigated further.
著者
中村 勝範 玉井 清
出版者
慶應義塾大学
雑誌
法學研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.1-35, 1988

論説序章第一章 好意的中立戦略を支えた原の政局観(I) : 寺内内閣支持回避の理由第二章 好意的中立戦略を支えた原の政局観(II) : 寺内内閣不支持回避の理由第三章 解散に向けての好意的中立戦略の展開第四章 総選挙に向けての好意的中立戦略の展開結語
著者
中村 孝士
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.99, no.2, pp.93-99, 2004-02-15 (Released:2011-09-20)

真空凍結乾燥法は食品, 医薬品などの製造に広く利用され, 現在の社会生活を支える上でなくてはならない存在になっている。一口に真空凍結乾燥といっても被乾燥物の性状や乾燥目的によりその方法は異なり, それぞれ最適な方法が選択されている。真空凍結乾燥法の用途は限りなく拡大しつつあるが, コストや操業の季節変動などの課題も抱える。凍結乾燥に詳しい筆者に真空乾燥法の概要と業界の実状などを解説していただいた。
著者
川口 安郎 中村 芳正 佐藤 俊幸 武田 節夫 丸中 照義 藤井 節郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.525-536, 1978-04-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
14
被引用文献数
5 8

After oral administration of 5-fluoro-1, 3-bis (tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (FD-1), the level of 5-fluoro-2, 4-pyrimidinedione (5-FU) was 5 to 7 times higher in the plasma and normal tissues and 8 to 12 times in tumor tissue than after administration of 5-fluoro-1-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (FT). Moreover, these levels were maintained longer than after administration of FT. In tumor tissue, the concentration of 5-FU was still as high as 1.42 μg/g 12 hr after administration of FD-1. FD-1 was degraded to 5-fluoro-3-(tetrahydro-2-furanyl)-2, 4-pyrimidinedione (3-FT) by liver microsomal drug-metabolizing enzymes in vitro and to FT spontaneously. Subsequently, FT was converted enzymically to the active substance, 5-FU, and 3-FT changed to 5-FU spontaneously. Conversion of FD-1 to 5-FU via 3-FT was greater than via FT. It is concluded that a large amount of 5-FU formed after administration of FD-1 is formed via 3-FT. γ-Hydroxybutyric acid was found to be formed in vivo and in vitro from the tetrahydrofuranyl group of FD-1.