著者
柳沢 猛 中村 喜十郎 白柳 伊佐雄
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.31, no.11, pp.661-666, 1975-11-01

In this paper, the vibration system of a piano string and a sound board (Fig. 1) is analyzed by the finite element method (Fig. 2). The string is stretched with constant tension P between the upper bearing and the lower bearing, and is assumed to be completely flexible. The mass point m are distributed along the string at equal distances, and m_1 indicates the upper bearing, m_&lt103&gt the lower bearing, m_&lt97&gt the equlivalent mass of the sound board, and k the spring constant. It is also assumed that the mass-point of the hammer m_H collides with the point m_N on the string with an initial velocity x^^^. _H, that they repel each other according to Newton's law, and that m_N is decelerated by the tension P. Then it collides with m_H again, and this series of motions is repeated. These motions of all points m_i, m_H, m_N are expressed by Eqs. (1), (2), and (3). The flow diagram of the program is shown in Fig. 6. The calculated values by this simulation program and the measured values of an actual piano are presented in Figs. 7 and 8. Comparisons between them show good agreement.
著者
溝田 隆之 中村 徹也 岩崎 廉
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.425-431, 1992-09-05
被引用文献数
9 7

グロー放電質量分析法により高純度モリブデン中のppb〜ppmレベルの微量37元素を迅速定量した.約3時間にわたる繰り返し測定の結果から, 王水で洗浄した試料について更に表面汚染を除くために約30分, 特に超微量の炭素, 酸素, 塩素の定量では2時間の予備放電が必要なこと, 大部分の元素についての再現性は相対標準偏差で3%以下であることが分かった.又ICP-AESなど他法による分析結果との比較ができたナトリウム, アルミニウム, 鉄など10元素については, 一方の分析結果が他方の2倍を超えることがなく, ここで使用したVG社推奨の相対感度係数が実用上満足すべきものであることが分かった.なお, チタンはモリブデンの二価イオンの妨害のため定量困難であり, 亜鉛, 銀についても何らかの妨害が予想された.
著者
鹿庭 正昭 小嶋 茂雄 中村 晃忠
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.391-398, 1981-12-31
被引用文献数
2 1

It has been recognized that lead poisoning in children in the United States is mainly caused by lead containing paints. In order to clarify whether children in Japan are safe from lead poisoning or not, we investigated lead contents in paints, paints covering pencils, wax crayons, water colors, and those in paint scrapings collected from the buildings of the National Institute of Hygienic Sciences and from its members' houses by the modified A.O.A.C. method. Consequently, considerable numbers of samples containing more than 0.06% of lead, which is the regulatory limit in the United States, were found : 10/31 in paints, 3/49 in paints covering pencils, 0/55 in wax crayons, 3/54 in water colors, and 19/68 in paint scrapings collected. From those analytical data, it was clarified that children in Japan are not always safe from lead poisoning and the further investigation should be undertaken to obtain more exact information.
著者
山崎 聡 中村 直人 宮寺 庸造 横山 節雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.2364-2372, 2004-10-15

近年,ネットワークを介して制御可能なリモートカメラを用いたインタラクティブなビデオ会議システムが開発されている.このようなシステムにおいて,カメラを操作する参加者が「どこを」「どれぐらい」「なぜ」見たかという視覚的な行動を分析することは,その機能や配置方法を発展させるために有効な手段である.現在,このような分析にはプロトコル分析法に代表される観察的な行動分析手法が一般的に用いられている.しかしながら,これらの手法では,参加者の行動モデルを構築するために記録メディアの中から特徴的な行動を抽出し,その回数や時間を計測・集計する必要があり,分析者にとって大きな負担となっている.そこで本論文では,リモートカメラを利用したビデオ会議システムにおいて参加者がカメラを通して得た映像とカメラの状態の組合せは,参加者の視野と本質的に同一であることを利用し,従来の観察的な行動分析手法に代わる新しい分析手法を提案する.具体的には,カメラの実映像に対してパン,チルト,ズーム率をメタデータとして記録し,分析時にその情報を活用することで参加者行動分析を支援する"Visual Field Record System" を開発する.最後に,開発したシステムを遠隔教育実習指導により評価した.その結果,学生のノートにズームを行うような参加者の特徴的な行動を,従来の手法に比べて円滑に抽出し定量的に計測・集計できた.Recently, interactive video teleconference systems using a camera enabled to control through a computer network are developed. To advance the systems, it is important to analyze what a participant is viewing in a distance place on the system; when, what, how long and why. However, much time is necessary for the analysis with behavior analysis methods generally used. Therefore, the purpose of this paper is to propose and develop a support system for a participant's behavior analysis in the interactive video teleconference. Firstly, observative participant's behavior analysis process and its subject are discussed. After that, the author proposes "Visual Field Record" newly behavior analysis method base on a relationship between remote camera's visual field and participant's its. Secondly, "Visual Field Record System" implements above newly method is designed and developed. It is described that this system composed by two sub-systems: the Record System and the Analyze Support System. Finally, these systems are evaluated by adapting to distance pre-service teacher training. As a result, it became clear that an effective participant's behavior analysis was provided by the Visual Field Record System.
著者
菊地 香 中村 哲也 魏 台錫 仲間 勇栄
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.93-99, 2003-12-01

本稿では,本来ならば経営を引退して地域に埋没してしまう高齢者自らがその知識と経験を活用することで農産加工の起業することが地域にとってどのような効果をもつのかについて沖縄県具志川市の事例をもとに明らかにする。その方法として最初に農村における農産加工での起業化が一般にどのような位置付けがなされるのか,その枠組みを設定する。次いで起業的な経営を行っている生産者グループを対象にして,どのような経緯で起業化を行ったのかを明らかにする。分析の結果は,次の3点にまとめられる。第1に大手メーカーに原料を供給するだけの組織は,ドメインを構築するまでもなく原料を生産するだけの組織であり,起業的な取り組みは全くなされていない。第2に原料の生産はせず製造から販売を行う組織は,安定した原料確保ができず,またそれにより製品の生産量が常に一定とならないことからドメインの構築に至っていない。第3に原料の生産から販売まで行う組織では毎年一定の原料確保ができることから,製品の生産量も安定し,販売戦略もとることができることから,ドメインの構築を行うことにより起業段階から集合化段階に移行しつつある形態が沖縄県でもみられることである。特にこうした起業的な取り組みの担い手が事例のような高齢者を中心とした組織でも可能であり,新たにそこに若い担い手が参加させようとする形態をとっていることである。このことは若い担い手の流出が避けられない農村部において,若者を呼び戻す契機につながることから,こうした起業化は地域の活性化につながる利点があげられる。
著者
中村 晋
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.378-385, 1996
被引用文献数
9

著者は花粉抗原への感作と発症との関連を調べる目的で大学生における杉花粉症の頻度調査を実施してきた. 今回は1988年以来7年間に得られた成績を綜括報告する. 新入生における特異抗体保有率は1988年には27.4%で, 1989〜1993年には32.0〜38.1%のlevelを維持した. また有病率は1988年には12.0%, 1989〜1993年には15.5〜17.4%のlevelにあった. しかし1994年にはそれぞれ29.3%, 14.7%と低値を示しこれは前年の異常気象による花粉飛散の減少と関連するものと考えられた. 著者はさらに在学中の特異抗体保有率と有病率の推移についても調査を行った. 1990年以前の入学者では4年次のこれらの頻度は明確な上昇がみられた(抗体保有率38.6〜43.0%, 有病率23.1〜24.9%)が, 1991年入学者においては花粉飛散の減少との関連で1994年には有意の低下がみられた.(抗体保有率25.2%, 有病率13.6%) これらの調査結果から花粉症の症状発現は花粉抗原への曝露の多寡と直結することが結論された.
著者
中村 彰
出版者
独立行政法人国立女性教育会館
雑誌
国立女性教育会館研究紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.57-67, 2005-08

メンズリブの市民活動を始めて十数年、男たちの語りの場を提供してきた。活動の主たる目的は、男女共同参画社会の実現をめざす男性側の取り組みである。男性が「男らしさ」に縛られることなく、また女性を抑圧することなく、いきいきと生活できる社会環境づくりを訴えてきた。といっても、これまでの十数年のあゆみは、社会へのメッセージの発信よりも、私たちと出会いのあった人たちに癒しの場、リフレッシュして自分探しができる場を提供することが主たる活動だった。男たちだけの場にこだわったのは、女性にエエカッコをみせたい男たちが、ふだんは晒してはいけないと自己規制している自分の内面、多くは「強く、たくましくあれ」という男らしさのしばりとは対極の自分のもろさや弱さと向き合う機会にしたかったからである。
著者
中村 健之介
出版者
大妻女子大学
雑誌
大妻比較文化 : 大妻女子大学比較文化学部紀要 (ISSN:13454307)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.143-127, 2006

「ドストエフスキー・ノート(2)」の「ドストエフスキーとイギリス」は、「日本ヴィクトリア朝文化研究学会」創立記念講演(二〇〇一年十一月十七日 大手前大学)のノートである。今回は、十月「日本ロシア文学会」で行なった講演(ニ〇〇五年十月七日 早稲田大学)を文字に起し、それに補足加筆してみた。今回の講演もおよその筋書きは用意していったのだが、いざ話し始めるとその場で思い浮かんでくることがいろいろあって、予定していたのとはかなり違ったかたちの話になってしまった。しかしそれでよかったと思う。講師は千葉大学の御子柴(みこしば)道夫氏と私の二人で、私の前に御子柴氏が「ソロヴィヨーフからロシア正教思想へ」と題して自分の研究の道すじについて話された。私は「宣教師ニコライ、出会った人たち」という話をした。「宣教師ニコライ」とは、東京神田のニコライ堂(東京復活大聖堂)でその名が知られるロシア正教会の宣教師、幕末から明治末まで半世紀にわたって日本人にロシア正教を伝えるべく奮闘した天主教ニコライ(俗姓カサートキン 一八三六〜一九一二)のことである。ニコライは、一九七〇年ロシア正教会によって列聖された。今日ニコライは、ギリシャをはじめとする東方正教の諸教会でも、また欧米のロシア正教会(The Russian Orthodox Church outside Russia)でも、「日本のニコライ」として広くその名が知られている。二〇〇三年には、北米サンフランシスコのDivine Ascent PressからSt.Nikolai Kasatkin and the Orthodox Mission in Japan. A Collection of Writings by an International Group of Scholars about St.Nikolai and his Disciples, and the Missionが刊行された。
著者
五代儀 貴 中村 裕二
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 : hoken buturi (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.143-152, 2002-06
参考文献数
9
被引用文献数
3

This survey on daily food intake in the northwestern part (northern Tsugaru area) of Aomori Prefecture was a continuation of a previous survey conducted in the southeastern part (Sanpachi-Kamikita area) and southwestern part (southern Tsugaru area) of the prefecture. The 50 families surveyed were divided into three different groups of primary occupations: fishery worker, farmer, and "other occupations." The average total daily food consumption of the entire survey group was about 2,389 gram/day/person (g/d/p), and showed no significant seasonal variation. The consumption rates of marine, agricultural, and livestock products were around 276, 1,275 and 360 g/d/p, respectively, and were relatively constant the year around. However, the consumption rate of other products was 478 g/d/p and was slightly higher in the summer and lower in the winter. The proportions of marine, agricultural, and livestock products in total food consumption among all families were on the average approximately 12, 53, and 15%, respectively. The highest average daily food consumption recorded was 2,510 g/d/p and occurred in fishery workers' families, followed by 2,441 and 2,008 g/d/p in farming and other workers' families, respectively. The families of fishery workers showed the highest consumption of marine products among all families. The consumption of agricultural and livestock products was remarkably high in farmers' families and low in other workers' families. The foods with the highest consumption rates in the northern Tsugaru area were: (a) squid, salmon, wakame, and cod among marine products, (b) rice, radish, apple, cucumber, tomato, and tofu (soybean curd) among agricultural products, and (c) milk, egg, and pork among livestock products. Some slight but statistically significant differences were recognized in the consumption patterns in the northern Tsugaru area in comparison with those of the Sanpachi-Kamikita area and the southern Tsugaru area.
著者
加藤 正美 中村 耕太郎 田坂 修二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.709-719, 1998-11-25
被引用文献数
7

本論文では, 蓄積されたビデオと音声をインターネットプロトコルを適用してPHSで伝送する場合を考える.PHSによるデータ通信では, データリンクレベルのプロトコルとしてPIAFSが適用され, インターネットアクセス時には, トランスポートプロトコルとしてTCPやUDPを利用できる.このような環境下で複数の連続メディアを伝送すると, 再送による遅延の発生がメディア同期を乱す.しかし, PHSによるインターネットアクセスに関するこれまでの研究では, メディア同期性能の定量的な評価はなされていない.そこで, 筆者らは, モバイル端末とダイアルアップルータ間にPIAFSを, モバイル端末とインターネット上のメディアサーバ間にUDPを適用し, モバイル端末において, 受信したビデオと音声を同期・出力する実験システムを構築した.特に, メディア同期制御方式として, 筆者らの既提案のスライド制御方式を一部拡張して実装し, メディア同期性能の評価実験を行った.同期の平均2乗誤差等のシステム性能の測定結果により, その有効性を示す.
著者
橋本 光弘 三浦 健司 村岡 裕明 中村 慶久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.301, pp.17-22, 2002-08-30
被引用文献数
1

垂直磁気記録においてメディアノイズは転移性ノイズが支配的であるため、そのノイズ電圧実行値は線記録密度の平方根に比例して増加すると考えられるが、実際には高記録密度時に飽和する傾向を示す。この現象について、再生過程、磁化状態の両面から検討した。その結果、再生過程の影響はみられなかったが、磁化状態についてMFM像より高記録密度時にビット突き抜け起きていることを確認し、ノイズ特性との相関を調べたところ、比較的良い一致を示した。さらに、ビット付き抜けが再生信号に与える影響を調べたところ、信号の減衰も引き起こしていることが示唆された。
著者
中川 道夫 海老原 祐輔 江尻 全機 福田 真実 平田 憲司 門倉 昭 籠谷 正則 松坂 幸彦 村上 浩之 中村 智一 中村 康範 並木 道義 小野 孝 斎藤 芳隆 佐藤 夏雄 鈴木 裕武 友淵 義人 綱脇 恵章 内田 正美 山上 隆正 山岸 久雄 山本 幹生 山内 誠
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.75-90, 2009-02

オーロラX線イベントの2 次元イメージを得ることと,30keV から778keV の領域でエネルギースペクトルを得ることを目的として,大気球を編隊飛行させ観測を行うバルーンクラスター計画の下に,2003 年1 月13 日にPPB8 号機とPPB10 号機の2機が南極の昭和基地より放球された.両機は大気深さ9-12 g / cm^2を保ち,磁気緯度55°.5-66°.4 の範囲を飛翔し南極大陸を半周した.両機はフライト中に多くのオーロラX線イベントを観測した.特に,1月22 日から1 月25 日には,数例のイベントが両機で同じ時間帯に観測されている.2003 年1 月23 日には,始めに10 号機,218sec. の間隔をあけて8 号機でイベントが観測された.このとき8 号機は10 号機の西650km に位置していた.このことはオーロラX線源が速さ約3.0km / sec.で西に向かって移動していたことを示唆している.本論文では同じ時間帯に観測された,オーロラX線イベントについてその描像を述べる.
著者
宮村(中村) 浩子 大坐畠 智 中尾 彰宏 川島 幸之助 鈴木 喜雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.188, pp.85-90, 2009-09-03
被引用文献数
3

大規模ファイル共有ネットワーク可視化方式を提案する.ネットワークデータはノードと,ノード間の接続を表すリンクから構成されており,このリンク数が増加するとリンク同士が交差し,ネットワーク構造を把握するのが困難になる.そこでわれわれは,ネットワーク構造を把握し,主要なノードを探すために,リンクを表示しないマトリクス形式のネットワーク可視化方式を提案する.また,ファイル共有ネットワークのログデータを用いて,提案する可視化方式の有効性を検証する.
著者
中村 肇 金光 陽一 雉本 信哉 松田 浩一 河島 浩一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
Dynamics & Design Conference
巻号頁・発行日
vol.2003, pp."150-1"-"150-6", 2003-09-16

We are developing an electromagnetically levitated vibration isolationsystem for micro vibration isolation. It supports a floating isolationtable without any mechanical contact by using active magnetic bearings to reduce vibration from a floor. The system aims to regulate the microvibration in 6 degree of freedom. Two kinds of controller are designed and confirmed to levitate the table stably by experiments. A series of simulation show that the controllers have good effect on the vibration isolation.