著者
中村 貴志 松木 裕二 志堂寺 和則 渡邊 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.103, pp.65-68, 2006-09-29

在,運転挙動の測定を行う実験の多くは,運転挙動測定装置を搭載した実験専用車両を被験者が運転することによって行われている.しかしながら,この方法では,自分の運転に対する評価を被験者が過剰に意識したりするため,普段の運転挙動を測定することが困難となっていた.そこで,著者らは,被験者の車両に容易に設置可能なシステムを開発した.この装置を被験者が普段使用する車両に搭載することで,速度,加速度,車両位置,車間距離,前方映像を長期間連続して測定することが可能になった.また,取得した全ての運転挙動データを人が確認するのは大変であるため,データから必要な部分を自動的に抽出するシステムを開発した.To measure drivers' behavior, experimental vehicles must be driven by test drivers. But because drivers are then conscious of the experiment, their everyday driving behavior cannot be analyzed. To measure and record everyday driving behavior, we developed a portable device that installs easily and measures car speed, acceleration, position, distance gap, and a frontal image. This device can be installed in drivers' personal cars so that we can examine their long-term driving behavior. In addition, we have developed a system that automatically analyzes the recorded driving behavior.
著者
平野 仁之 中村 康弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.129, pp.83-88, 2004-12-20
被引用文献数
1

比較的小規模な組織内で共有ファイルを分散保管する一方式として,分散ストレージシステムが提案されている[3].この方式では,共有ファイルを複数のセグメントに分割し,各セグメントにヘッダ情報を付加してネットワーク内の複数端末に分散保管するが,稼動していない端末が存在するなどの理由で,いくつかのセグメントが欠落した場合,共有ファイルを復元することが困難となる.このため,ファイル分割時に冗長性を持った符号化を施すことが課題とされていた.本稿では,使用局面に応じて柔軟に符号化を施すデータ分割の方法を提案するとともに,符号化の違いによって得られる幾つかの性質を明らかにする.本手法を用いれば,個別端末の稼動状況への依存性が少なく,かつ高い復元性を保った分散ストレージシステムを構築できる.Distributed Storage System is proposed as a one of network file sharing system for small peer to peer network environment [3]. The method divides a target file into small segments, add some header information to each segment and distribute them to the network. However, the some problem remains that system cannot restore the shared file when some segments in cooperative node were lost for some reason. So it is subject to make data segments using redundancy code. This paper proposes an additional scheme that enables high performance distribution with user oriented coding control. This method improve the durability of distributed Storage System with flexible coding control, and as results, implementation of Distributed Storage System with fault tolerance and publicity control will be achieved independent of other network storages.
著者
布仁特古斯 宮本 拓 中村 昇二 野坂 能寛 青石 晃宏
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.441-448, 2002-08-25
被引用文献数
6 9

中国内蒙古自治区の中部に位置するシリンゴル盟アバハ・ノール旗 (シリンホト市の所在旗) の草原地域に住む遊牧民の家庭で製造されている馬乳酒の10試料から乳酸球菌 (153株) と乳酸桿菌 (105株) を合わせて258株分離した. 各試料には, 乳酸球菌の優勢な試料と乳酸桿菌の優勢な試料が見られた. これら乳酸菌株の分類学的性状を調べたところ, 乳酸球菌では<i>Enterococcus faecium</i> (23.3%) と<i>Leuconostoc mesenteroides</i> subsp. <i>dextranicum</i> (20.9%) の出現率が高く, <i>Streptococcus thermophilus</i> (6.9%), <i>Lactococcus lactis</i> subsp. <i>lactis</i> (3.9%) および<i>Pediococcus dextrinicus</i> (0.8%) も分離された. 一方, 乳酸桿菌では<i>Lactobacillus plantarum</i> (21.3%) がおもに分離され, <i>Lactobacillus casei</i> (9.3%) や<i>Lactobacillus paracasei</i> (4.7%) の中温性乳酸桿菌も多く分離された. また, ホモ型乳酸発酵を示す<i>Lactobacillus helveticus</i> (1.6%) および<i>Lactobacillus kefiranofaciens</i> (1.2%) の乳酸菌種も含まれていた. その他に, 今回実施した性状試験では菌種の同定ができなかった<i>Enterococcus</i> sp. (3.4%) と<i>Lactobacillus</i> sp. (2.7%) が分離された.
著者
綾部 広則 中村 征樹 両角 亜希子 黒田 光太郎 川崎 勝 小林 信一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

欧米においては、近年、科学コミュニケーションにおける新たな試みとして、カフェ・シアンティフィーク(以下、CS)と呼ばれる活動が急速に広まっており、すでに実施主体間での国際的なネットワークが形成されている。一方、日本においても最近になってCSの手軽さもあって実際に実行しようとする団体が増えてきているが、しかしそれらの大半は欧米の表面的な模倣である場合が多く、そもそもなぜCSが開始されたのか、そしてそれは科学コミュニケーションにおいていかなる位置づけをもつのかを十分に理解した上で行われているとは言い難い。そこで本研究では、1)欧州各国における対話型科学コミュニケーションの現状に関する調査と国際的ネットワークの確立を行うとともに、2)日本における実験的導入と国内ネットワークの構築を実施した。まず、1)については、その他の国と際だった違いをみせているフランスとアジア地区の事例として韓国の状況を調査した。とりわけ、フランスについてはCSの発祥とされている英国のように話題提供者による発話を基本とするスタイルとは異なり、最初から議論に入ること、しかも単一の話題提供者ではなく、賛否双方の意見を持つ複数の話題提供者を参加させるというスタイルなど、英国やその他の地域において一般的に行われるのと際だった違いが見られ、日本における今後のCS運営においてもきわめて示唆的な成果であった。2)については、1)の海外調査の結果を活かしつつ、東京・下北沢において数回程度の実験的活動を繰り返したが、さらに4月に開催された「カフェ・シアンティフィーク」に関するシンポジウムに企画段階から協力することで、国内の実施主体を招聘し交流を行い、国内間でのネットワークが形成される重要な契機をつくった。
著者
合志 剣之助 中村 仁彦 岡田 昌史
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2003, 2003

医療やスポーツの分野などで筋骨格人体モデルのシミュレーションが有用であるが, 人の動きの制御系の設計が問題となる。本研究では, 人体のような大自由度系のコントローラとして, ヒューマノイド等の力学特性の似た低自由度系のコントローラを適用する方法を提案する。
著者
古本 勇記 山根 克 中村 仁彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2000, 2000

近年, 情報メディアの中心になるであろう動画作成の手段としてCGが注目を集めているが, CGでは人間などの生体の自然な動作を再現することに莫大な時間と労力を要する。そのため容易に人間動作生成を行なうための研究が進められているが, 本研究ではそれらを踏まえて, より人間らしい動作の生成を目的とし, CG上のキャラクタに力を入力として加えることでよろめく, 踏みとどまる, といった動作の生成をインタラクティブに行なうことを試みる。
著者
森 定雄 西村 泰彦 高山 森 後藤 幸孝 永田 公俊 絹川 明男 宝崎 達也 矢部 政実 清田 光晴 高田 かな子 森 佳代 杉本 剛 葛谷 孝史 清水 優 長島 功 長谷川 昭 仙波 俊裕 大島 伸光 前川 敏彦 中野 治夫 杉谷 初雄 太田 恵理子 大関 博 加々美 菜穂美 上山 明美 中橋 計治 日比 清勝 佐々木 圭子 大谷 肇 石田 康行 中村 茂夫 杉浦 健児 福井 明美 田中 鍛 江尻 優子 荻原 誠司
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.497-504, 1995-06-05
被引用文献数
9 9

サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量測定において, 異なる測定機関における分子量測定値がどれくらい異なるかを知る目的で, 傘下26測定機関で共同測定を行った.試料はポリスチレン(PS)3種, ポリメタクリル酸メチル(PMMA)2種で, 被検試料の測定条件と較正曲線作成条件は各測定機関で用いている要領で行った.その結果, 各測定機関での相対標準偏差は1〜3%と良好であったが、26測定機関による全平均値の相対標準偏差は13〜32%となった.測定データを吟味し, 望ましい測定条件からかけ離れているデータを除外した場合, PSのRSDは数平均分子量で13.6〜15.5%, 重量平均分子量で6.0〜9.4%となり.又PMMAではそれぞれ14.3〜16.0%, 7.8〜12.2%であった.
著者
中村 美枝子
出版者
流通経済大学
雑誌
流通經濟大學論集 (ISSN:03850854)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.54-73, 1997-07

本報告は,1993年度,1995年度,1996年度に著者が流通経済大学にて担当した統計学総論Bの受講者による授業評価の結果を分析したものである。受講者は,テキスト,教員の話し方,教員の板書,授業の進め方,練習問題の内容,練習問題の実施,実習の実施,授業のペース,授業の内容・程度,授業への満足度,自己申告による出席率,以上11の項目について5段階評価を行なった。分析にあたり,80%以上の回答者がふつうかそれ以上と答えた項目は受講者から受け入れられているとみなし,20%以上の回答者が否定的に答えた項目は受講者から受け入れられていないとみなすことにした。主な結果は以下の通りであった。(1)1993年度においては,実習,ペース,内容・程度,の3項目が受け入れられていなかった。また,出席率も20%以上の回答者が悪かったと自己申告していた。しかし1995年度には,出席率が悪かったと申告した回答者の割合は20%をきった。1996年度においては,実習も受け入れられるようになり,依然として否定的な回答者が多かったのはペースと内容・程度の2項目だけであった。(2)アンケートは,1993年度と1995年度が無記名式,1996年度が記名式で行なわれた。そこで,1996年度については,自己申告による出席率と実際の出席回数との比較が可能になった。独立性の検定の結果,自己申告による出席率は実際の出席回数と独立ではなく,実際の出席回数を反映した自己申告であることがわかった。(3)年度間の比較を項目ごとに行なった結果,テキスト,進め方,実習,自己申告による出席率において有意差が認められた。このうち,テキストは1996年度の評価が高く,また自己申告による出席率は1996年度が低かった。これらは,1996年度のアンケートが記名式であったことによるものと推察される。次に,実習については年々受け入れられるようになっている傾向が顕著に認められた。進め方については一貫した傾向は認められなかった。(4)各項目をペアにして,二つの項目への回答を分割表にして独立性の検定を行なった。特に,自己申告による出席率,満足度,内容・程度,ペース,実習に注目し,これらと関連性の認められた項目について,その関連性の傾向を分析した。まず満足度については,話し方,進め方,練習問題の内容についての評価が高い人ほど満足度が高かった。また,ペースは進め方と関連しており,ペースが速いと感じている人ほど進め方が悪いと思う傾向があった。そして,実習の実施は,練習問題の実施に賛成の人ほど賛成する傾向があった。出席率および内容・程度については,一貫して強い関連性がみられる項目はなかった。今後の課題として,理解度に関する項目の追加が提案された。
著者
金 鉱敏 官路 史明 小久保 正 中村 孝志
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会学術論文誌 : Nippon Seramikkusu Kyokai gakujutsu ronbunshi (ISSN:18821022)
巻号頁・発行日
vol.105, no.1218, pp.111-116, 1997-02-01
被引用文献数
13 132

The essential requirement for an artificial material to bond to living bone is the formation of bonelike apatite layer on its surface in the living body. This apatite layer can be reproduced on its surface even in a simulated body fluid (SBF) with ion concentrations nearly equal to those of human blood plasma. In the present study, Ti metal was treated with various NaOH aqueous solutions, and apatite formation on the resultant metals were examined in SBF. A sodium titanate hydrogel layer was formed on the surface of Ti metal, when it was treated with NaOH solutions with concentrations higher than 0.5 M at 60℃ for periods longer than 24h. Thus treated metals exchanged Na^+ ion in the surface layer for H_3O^+ ion in SBF to produce a hydrated titania on their surfaces and to increase the degree of supersaturation with respect to the apatite of SBF. The hydrated titania induced the apatite nucleation and the increased supersaturation accelerated the apatite nucleation. Thus formed apatite nuclei spontaneously grow by consuming calcium and phosphate ions from SBF. These results indicate that bioactive metal can be obtained by a simple alkali treatment.
著者
釘貫 靖久 中村 幸司 飛騨 健一 吉川 宏昭
出版者
日本育種学会
雑誌
Breeding science (ISSN:13447610)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.341-346, 1997-12-01
被引用文献数
3

ハクサイにおいて,小胞子からの胚横体形成能及び植物体再生能の品種・系統間差異を調査した。小胞子1×10^5個当りの胚横体形成数及び植物体再生数に有意差が認められた。日本型ハクサイでは胚横体形成数および植物体再生数が著しく少なかった。`Hsifu Early 30 days'は胚横体形成数が最も多かったが,胚横体からの植物体再生率は低かった。`Hsifu Early 30 days'と比較すると,`Homei'は胚横体形成数は少ないものの,植物体再生数は有意に多かった。また、胚機体形成数と植物体を再生した胚横体の割合との間に相関が認められなかった。これらのことから,胚横体形成を支配する遺伝子と胚横体からの植物体再生に影響を及ぼす遺伝子とは異なっているのではないかと推定された。高再分化能を日本型のハクサイヘ導入するために,`Homei'と`野崎2号'とのF_1を用いて小胞子培養を行った。これら再分化植物のうち,比較的日本型に近い形質を持ち,再分化能が高い系統の選抜が可能であった。このような高い植物体再生能を持つ日本型ハクサイの作出により,日本でのハクサイにおける半数体育種法の適用が容易になると考えられる。
著者
大畠 雅之 田中 賢治 中村 昭博
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.313-317, 2004-12

漏斗胸に対する胸骨翻転術,胸骨拳上術に変わる治療として2001年よりNuss法を行っている. Nuss法は金属プレートにより変形胸骨を表面より支える方法で現在まで12例に施行した. 8例にステンレス鋼を4例にチタン合金のプレートを使用した. 手術時間は48分から4時間11分で平均1時間47分であった. 出血量は前例20g以下であった. 術後の鎮痛として10例に硬膜外麻酔を用いた. 術後合併症が2例に発生し,1例は皮下気腫,他の1例は術後金属プレートの偏位のための金属プレートの抜去術が行われた. Nuss法後2年が経過した1例に金属プレートの抜去術が行われたが,胸郭の変形,再陥凹を認めていない. 多くの患児とその家族は術後の結果に非常に満足しているが,成長過程にある小児の場合注意深い経過観察が重要であると思われる.
著者
立石 潤 高久 史麿 今堀 和友 辻 省次 井原 康夫 畠中 寛 山口 晴保 貫名 信行 石浦 章一 勝沼 信彦 中村 重信
出版者
九州大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

当研究班では脳老化に伴う神経変性とくにアルツハイマー型老年痴呆を中心課題としてとり挙げ、その発症機序を分子生物学的ならびに分子遺伝学的手法により追求した。まず神経系細胞の生存維持に直接関与する神経栄養因子に関しては神経成長因子(NGF)およびそのファミリー蛋白質であるBDNF,NT-3,4,5を中心に特異抗体の作成とそれによる鋭敏な測定方法の確立、受容体のTrkA,B,Cなどの核酸、蛋白レベルでの検索で成果を挙げた。さらに神経突起進展作用を持つ新しい細胞接着因子ギセリンを発見し、逆に成長を遅らす因子GIFについてそのcDNAのクローニングから発現状態までを明らかにした。アルツハイマー病の2大病変である老人斑と神経原線維変化(PHF)については、主な構成成分であるβ蛋白とタウ蛋白を中心に検討を進めた。β蛋白に関してはびまん性老人斑は1-42(43)ペプチドから成り、アミロイド芯と血管アミロイドは1-40ペプチドから成ることを発見した。タウ蛋白に関しては、そのリン酸化酵素TPKI,IIを抽出し,それがGSK3とCDK5であることをつきとめた。さらには基礎的な業績として神経細胞突起の構成と機能、とくに細胞内モーター分子についての広川らの業績は世界に誇るものである。アルツハイマー病の分子遺伝学上の重要点は第14,19,21染色体にある。第14染色体の異常は若年発症家系で問題となり、わが国の家系で14q24.3領域のS289からS53の間約8センチモルガンに絞り込んでいた。最近シエリントンらによりpresenilin I(S182)遺伝子が発見され、その変異が上記のわが国の家系でも検出された。第19染色体のアポリポ蛋白E4が、遅発性アルツハイマー病のみならず早発性の場合にも危険因子となることを、わが国の多数の症例から明らかにした。第21染色体ではダウン症関連遺伝子とともにAPP遺伝子があり、そのコドン717の点変異をわが国のアルツハイマー家系でも確認した。さらに第21染色体長腕部全域の物理地図を完成した大木らの業績は今後、学界への貢献度が大であろう。これらの研究成果を中心に、単行本として「アルツハイマー病の最先端」を羊土社より平成7年4月10日に発行し、また週刊「医学のあゆみ」の土曜特集号として平成7年8月5日号に「Alzheimer病-up date」を出版した。
著者
石橋 理恵子 丸山 千寿子 田中 利枝 南 昌江 島田 朗 内潟 安子 黒田 暁生 横野 浩一 筒井 理裕 目黒 周 小山 一憲 大村 栄治 清水 一紀 高橋 和眞 中村 佳子 益子 茂 丸山 太郎
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 = JOurnal of the Japan Diabetes Society (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.189-195, 2005-03-30
被引用文献数
1

1型糖尿病患者の治療および, 食生活の実態を明らかにすることを目的に調査を行った. 糖尿病専門医14名に計463部の調査票を配布し, 外来時に1型糖尿病患者に渡してもらい, 留め置き法で回収者に直接郵送してもらった (回収率54.4%). コントロールとして, 健常者166名に食生活習慣調査を実施した. 健常者に比べ, 1型糖尿病患者は望ましい食生活習慣が形成されていたが, 食事にストレスを感じる者が多かった. さらに, 1型糖尿病患者を食事療法実践意識により4群に分類したところ, 食事療法実践意識が高い者は他群に比較して有意にカロリーに配慮する者が多く, 野菜摂取量も多く, 海藻や果物, 低脂肪乳摂取頻度も高かったことから, 食事療法を遵守していると考えられた. しかし, 食事療法実践意識によりHbA<sub>1</sub>cや低血糖回数に差はみられず, 1型糖尿病の食事療法の教育内容を検討しなおし, ストレス軽減に考慮した栄養教育を展開していく必要があると思われた.
著者
中村 哲
出版者
日本観光ホスピタリティ教育学会
雑誌
観光ホスピタリティ教育 (ISSN:18803059)
巻号頁・発行日
no.1, pp.32-49, 2006-03-11

日本において,インターンシップは1990年代後半以降に急速に定着し,2004年度には全国の418大学が実施し,4万人近くの大学生が参加している.同時に,インターンシップに関するさまざまな研究・調査が行われるようになったが,その多くは参加した学生の意識を分析したものであり,参加していない学生層を対象としたものは少ない.大学が学生の就職支援を行ううえで,インターンシップに参加していない学生層の意識を把握し,フォローしていくことが必要となる.そこで本研究は,インターンシップ経験のない学生を対象とした意識調査を実施し,インターンシップを認知していたか否か,参加意向の強弱によってどのような意識の相違があるかを明らかにすることを目的としている.分析の結果,(1)大学主催型のインターンシップを実施していない大学では,インターンシップの認知度は必ずしも高くはない,(2)インターンシップを認知していた学生はインターンシップに対して楽観的なイメージを抱いている,(3)参加意向が強い学生をみてもインターンシップに対して正しいとは言えないイメージや多大な期待を持っている,(4)インターンシップへの参加意向の強い学生と弱い学生を比べると,意向の弱い学生のほうがさまざまな不安を示しており消極的な態度につながっている,(5)参加意向を示さない学生は不安を持つと同時にアルバイトを第一に考える傾向がある,といったことが明らかになった.
著者
佐々木 芳宏 正木 忠良 小林 俊央 鷲谷 貴洋 西田 眞 中村 雅英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.72, pp.61-66, 2008-07-17
被引用文献数
2

情報漏洩対策やソフトウェア資産の集中管理,運用メンテナンスの容易さ等の特徴をもつシンクライアントシステムを平成 19 年度に本学の情報教育用端末約 210 台に導入した。本システムは,ミドルウェアとして "Ardence" を適用し,ローカルディスクキャッシュ方式を採用することで,端末の起動時間の改善を図った。本研究では授業による一斉アクセス時におけるシンクライアント構築の手法に着目し,キャッシュ方式の違いによる影響やネットワークブート時のトラフィックについて検証した。The thin client computer with the features, such as a measure against a leak of information, central control of software property, and ease of employment maintenance, was introduced into about 210 units in 2007. This system applied "Ardence" as middleware, and attempted the improvement of computers at start-up time by adopting the local disk cash form. This research verified the influence by the difference of the each cash form and the traffic when the computers does boot over a network.