著者
丸山 健一 丸山 稔 宮尾 秀俊 中野 康明
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.2270-2273, 2003-08-15
被引用文献数
1

本研究の目的はSVMを用いて高い累積正解率を持った多重仮説を構築することである.ある1つの候補を求める手法としては,DAGSVMが学習,識別時間の面で非常に優れている.しかしながら,累積正解率,つまり複数の候補を求めることを考慮していない.本論文ではDAGSVMとMax-Winアルゴリズムを用いたハイブリッドな認識手法を提案する.具体的には,DAGSVMの結果に基づき,Max-Winアルゴリズムの候補を限定する.実験の結果,提案手法はMax-Winアルゴリズムと同等の累積正解率でありながら,DAGSVMと同等の計算量であった.This paper describes a method to make multiple hypotheses with highcumulative recognition rate using SVMs.To make just a single hypothesis by using SVMs, it has been shown that DAGSVM is very good with respect to recognition rate, learning time andevaluation time.However, DAGSVM is not directly applicable to make multiple hypotheses.In this paper, we propose a method of DAGSVM and Max-Win algorithm.We also provide the experimental results to show that thecumulative recognition rate of our method is as good as the Max-Winalgorithm, and that the execution time is almost as fast as DAGSVM.
著者
中野 学 田治米 純二 野村 俊之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.8, pp.1565-1572, 2012-08-01

本論文は,全停留点の直接計算に基づく一般カメラモデルのPnP問題に対する統一的解法を提案する.提案解法の特徴は,PnP問題を3変数の無制約最適化問題として定式化し,グレブナー基底を用いて全ての停留点を計算することである.目的関数のこう配をゼロとした連立代数方程式は,n3で互いに独立であり,方程式中の項は三次元座標の分布により変化しない.そのため,提案解法は,n=3の場合はP3P問題の複数解,n4の場合は大域的最適解が得られ,平面にも非平面にも適用可能な統一的解法である.また,提案解法の演算量はn点の入力に対し(n)である.n=100に対する平均実行時間は,内点法を用いる従来解法と比較して約14倍高速であることを実験により示す.
著者
小林 英夫 中野 実 河村 文夫 須藤 至
出版者
日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 : 日本気管支研究会雑誌 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.423-429, 1993-07-25

急性呼吸不全症例に対して, 標準的治療にサーファクタント(PSF)注入を併用することの有用性を, prospectiveに検討した。人工呼吸開始より平均27時間後に, 気管支鏡を用いてPSF 600mg/bodyを, 8例に注入した。同時に, TBLBとBALを施行し, 診断の確定に努めた。施行症例は, IIPの急性増悪2例, acute interstitial pneumonia 2例, 細菌性肺炎2例, RA肺1例, Goodpasture症候群1例であった。注入72時間後のPaO_2/F_IO_2とX線所見は有意な改善を認めた。予後は3例が死亡, 5例が生存退院した。PSF注入に関連する副作用は認めなかった。PSF注入による呼吸不全の改善は顕著ではなかったが, 満足すべき治療法の確立していない現況では, 救命率向上に寄与する可能性について, 今後の症例の蓄積が望まれる。
著者
中野 寛 末岡 淳男 劉 孝宏 家藤 英世 折居 利昭 中江 貴志
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.72, no.720, pp.2373-2381, 2006-08-25 (Released:2011-03-04)
参考文献数
8
被引用文献数
2 4

This paper deals with the occurrence mechanism of the squeal phenomena generated in a new type of bicycle disk brake unit and its countermeasure experimentally and analytically. It was made clear that squeal was in-plane vibration in the direction of disk surface with frequency 650 Hz caused by frictional characteristics with negative slope with respect to the relative velocity, and was generated in the vibration system including brake unit and spokes, in the same manner of old type of disk brake unit. The countermeasure against squeal by using a dynamic absorber was conducted. The simple analytical model of the bicycle disk brake system was set up. Some features of squeal phenomena and the optimal design of dynamic absorber for quenching squeal were made clear analytically and it was confirmed that the analytical results agreed well with the experimental ones.
著者
中野 加奈子
出版者
佛教大学
雑誌
佛教大學大學院紀要 (ISSN:13442422)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.221-235, 2007-03-01

退院援助は、日本に医療ソーシャルワークが導入されて以来取り組まれてきた医療ソーシャルワーカー(以下、MSW)の主要な業務の一つである。これまでの歴史の中で、MSWは、社会問題としての生活問題の解決に取り組む実践を積み重ね、実践の中から退院援助の理論を構築してきた。しかし一方で、これまで「退院問題」「退院計画」「退院援助」という用語は曖昧な使われ方をしており、さらに、医療制度の様々な「改正」によって、医療ソーシャルワークが機能し得ない状況が起こりつつある。本論では、上記の用語の概念整理を行い、「退院援助」において、MSWが患者・家族の様々な生活問題を捉え、それらの解決・調整をしながら、患者・家族の主体形成にも関わる援助を行っていることを明らかにした。さらに、今後は、生活全体を捉える視点からの生活問題のアセスメントや、退院援助対象者のスクリーニングの「標準化」が必要であり、さらに退院後のフォローアップが必要となることを考察していくものである。
著者
山際 伸一 和田 耕一 中野 浩嗣 柚木 清司
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ストリーム指向プログラムはGPUといったメニーコアアクセラレータの普及によって、科学技術計算から産業用製品にまで利用されている。その単体性能は、チップ内における密並列によるプログラム実行により高い性能を示す。しかし、複数のアクセラレータを使った超並列計算を考慮すると、タスクの分割と通信タイミングを配慮したプログラム開発が必要になり、性能をスケーラブルに維持したままの開発が困難となる。本研究では、このようなGPUでのストリーム指向プログラムを対容積・対電力での計算能力の高密度化をねらい、自動的に複数のGPUで並列化し、スケーラブルに性能向上が可能なプログラミング基盤技術を開発する。
著者
野嶋 佐由美 中野 綾美 池添 志乃 畦地 博子 田井 雅子 畠山 卓也 升田 茂章 槇本 香 小松 弓香理 岩瀬 信夫 山口 桂子 服部 淳子 岩瀬 貴子 濱尾 早苗 坂本 章子 中山 洋子
出版者
高知県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

本研究は医療施設及び専門看護師(以下、CNS)と研究―臨床の連携のシステムを構築し、『家族看護エンパワーメントガイドライン』の臨床への導入と看護介入の評価の検証を行うことを目的として行った。CNSは家族の問題を瞬時に判断し、情緒的支援を行いながら、家族の意思決定の支援や日常生活・セルフケアの強化、対処行動や対処能力の強化等の介入を融合しながら実践していた。介入によって家族の生活にも好循環が生まれていた。さらにCNSは、他の看護師や病棟全体の変化をもたらしていた。また一般看護師の本ガイドラインに沿った家族看護実践の実態として家族行動力を強化していく項目の実践度が高いことが見出された。
著者
山内 崇資 中野 有紀子
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

近年Twitterユーザの中で流行している,本研究では,テレビを見ながらTweetする行為に着目し,これらのTweetを感情分析することにより録画番組のシーン探索に利用するシステムを提案する.まず,番組放送中の番組関連Tweetを収集し,それらの形態素情報と顔文字情報からTweetに表現された8種類の感情を推定する感情分析機構を実装する.さらに感情分析結果を可視化したシーン探索システムを開発した.
著者
角 浩二 田中 寿俊 榎原 博之 中野 秀男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.82, pp.57-64, 1994-09-21
被引用文献数
2

近年,コンピュータ技術の発展により,その用途は多様化している。その中の一つに、点と線であらわされる図形をグラフとしてモデル化し、描画させるという用途がある。一般のグラフの描画では、「見やすさ」の基準を考える必要があるが,各個人の主観による部分があり、簡単には「見やすさ」の評価をすることは出来ない。そこで本報告では、グラフの「見やすさ」に対する一般的な基準を考え、定量的に評価することを試みる。さらに、一般グラフを描画する、スプリングモデルに基づいた2つのアルゴリズムとそれらの改良版について、描画したグラフから各アルゴリズムを定量的に評価する。Recently, the applications of computer have increased because of the developing of computer technology. Graph drawing is in one such applications, where graphs are modeled as pictures represented by points and lines. General graph drawing problems involve aesthetics, that is difficult to evaluate because aesthetics depends on an individual view. In this paper, the general aethetics standards are represented quantitatively. Moreover, two general graph drawing algorithms based on spring model, and their revised algorithms are evaluated.
著者
中野 明彦 植村 知博 佐藤 健 安部 弘 平田 龍吾 齊藤 知恵子 黒川 量雄 富永 基樹 上田 貴志
出版者
東京大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2008

細胞内膜交通の問題に生化学、遺伝学と最新のライブイメージング技術を駆使して取り組み、小胞に濃縮した積荷タンパク質を安全かつ確実に受け取る仕組みなど、選別輸送の新たな機構を解明することができた。また酵母から高等植物への展開から、進化の過程で植物が獲得した新たな膜交通機構を明らかにし、従来の動物細胞の研究だけからでは十分に理解できなかったゴルジ体層板形成、ポストゴルジ交通などの複雑な事象を整理する手がかりを得た。
著者
中野 賢太郎
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2006

多くの細胞の機能発現においては、細胞の極性情報が重要である。例えば、神経軸索では方向性を伴った細胞の極性成長が、その活動に不可欠である。また細胞極性情報をもとに上皮細胞は組織を形成することができる。本研究では、細胞形態が最もシンプルでよく調べられている分裂酵母Schizosaccharomyces pombeを研究対象に用いて、細胞極性情報の発信と、その下流での細胞形態の形成機構について研究を行った。これまでに私たちは分裂酵母の低分子量Gタンパク質Rhoとその活性制御因子について解析してきた。それらのうち、Rga4がCdc42のGTP加水分解活性を促進することに着目した。米国カルフォルニア大学の塩崎研究室の建部恒博士らとの共同研究により、Cdc42は極性成長をしている細胞端に強く集積することが確かめられた。同時に、Rga4は細胞の胴体部分に集積し、細胞端への局在性が排除されていることが観察された。このRga4の局在様式にはPom1キナーゼが関わる可能性が示唆されている。以前から、pom1遺伝子変異株では分裂酵母の両極性の成長が単極生成長に置き換わることが知られていたが、この原因は不明であった。興味深いことに、今回の建部博士との研究により、pom1遺伝子変異株においてRga4の活性を抑制するとCdc42の局在が単極性から両極性に回復することが判明した。つまり、Pom1はRga4の局在性を制御することでCdc42の細胞端への局在様式を調節していたと考えられた。Pom1は微小管細胞骨格系の支配下でその局在様式が決定されること、Cdc42はアクチン細胞骨格の形成制御に中心的な役割を果たすことを併せると、本研究成果は微小管からアクチン細胞骨格へ、細胞内の空間的構造を配置化する分子機構の一端を解明した点で重要である。
著者
矢持 秀起 御崎 洋二 藤原 秀紀 森田 靖 大塚 晃弘 前里 光彦 中野 義明 白旗 崇
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008

π電子共役系の電子機能性を引出すため、共役系の形状や大きさ、組込むヘテロ原子の種類と位置、更には共役系外の置換基を自在に設計し、実際に多様な電子状態を持つ物質を合成した。環境変化や外部刺激に対する応答を検討し、パルス光照射に超高速に応答する分子性導体の電子状態と結晶構造の変化過程を0.1ピコ秒単位で計測するなど、基礎科学の新展開を促進する成果が得られた。さらに、実用電子材料の動作原理を与える成果も得られた。
著者
中野三敏著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1995