著者
井上 裕珠 村田 光二
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.1-8, 2014
被引用文献数
2

Envy is an unpleasant emotion caused by comparison with a person who possesses something we desire. We conducted two studies to test our prediction that less envy would be felt when the person could attain what others had. In Study 1, participants read scenarios in which their friend could achieve a goal which they could not, and rated their emotions toward the friend. We manipulated the attainability according to whether the goal could be achieved by effort. In Study 2, participants competed with a confederate, and were informed that their performance was worse than that of the confederate. Afterwards the attainability was manipulated by either informing the participants that the possibility of improving their ability was very low or high. Then participants rated their emotions toward the confederate, and we also checked whether the participants had helped the confederate. As predicted, our findings demonstrated that those in the high attainability condition felt envy less than those in the low attainability condition, but showed no significant differences in helping behavior.
著者
北島 義俊 井上 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1299, pp.98-101, 2005-07-11

問 異分野への技術展開を続けるうちに、いつしか営業利益に占める印刷事業の割合が約4割に低下。一方でエレクトロニクス事業が3割まで拡大してきました。「いったい大日本印刷は何の会社なんだ」と聞かれることが増えているのではありませんか。 答 いつも返事に困ります(笑)。
著者
井上 裕康
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.12, pp.621-623, 2004-12-25

レスベラトロールは赤ワインに含まれる抗酸化作用を持つフィトアレキシン(抗菌性物質)である. レスベラトロールは中等度のワイン消費が心血管病, 脳卒中, 痴呆の危険度と負の相関を示す, いわゆる「フレンチパラドックス」に関与する物質と考えられてきた. 我々は最近, レスベラトロールが核内受容体PPAR(peroxisome proliferators activated receptor)αとPPARγを選択的に活性化すること, さらにPPARα活性化が脳保護効果をもたらすことを見いだした. これらの知見は「フレンチパラドックス」を説明する新しい作用機構を提供すると考えている. 一方で, レスベラトロールは寿命延長効果を持つカロリー制限模倣物質であること, オレイルエタノールアミドがPPARαの新しい内因性リガンドであり, その活性化によって食欲をコントロールすることが報告されている. そこでこれらの知見を含めて, 今後の展望とともに紹介したい.
著者
那谷 雅之 井上 裕匡
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

高温多湿環境下ラットの心筋及び脳幹における遺伝子発現量を定量した。心筋では直腸温上昇と共にHSP70 発現量は増加する一方で、42℃-44℃上昇間に Bcl-2/Bax は減少、β-MHC は増加した。脳幹では、直腸温上昇に伴いHSP70 は増加する一方で、iNOSは低下した。Bcl-2/Bax は37℃から42℃までは明らかな変化を示さなかったが、42℃-44℃間では有意に低下した。過度の体温上昇は心臓・脳幹の形態学的・機能的障害を引き起こす可能性を示唆していると考えられた。
著者
松本 良恵 李 楊 新井 さくら 井上 裕香子 清成 透子 山岸 俊男
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.43-53, 2023-11-30 (Released:2023-11-30)
参考文献数
54

Empirical studies have shown that beliefs in conspiracy theories are associated with low self-reported attitudinal trust in other people in general. However, self-reports do not always reflect actual behaviors. The present study investigates whether beliefs in conspiracy theories are negatively associated with actual trust behavior. We conducted a secondary analysis to examine correlations between conspiracy beliefs and trust behavior measured in a monetarily incentivized economic game (trust game) as well as self-reported attitudinal general trust. The results demonstrated that the more people believed in conspiracy theories, the less they entrusted their money to strangers when there was a risk of being betrayed and losing money. The present research confirms that conspiracy beliefs are associated with low trust regardless of whether trust is self-reported attitude or actual behavior which entails the risk of betrayal.
著者
井上 裕美子 平 勝斗
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
日本体育・スポーツ・健康学会予稿集 第71回(2021) (ISSN:24367257)
巻号頁・発行日
pp.269, 2021 (Released:2021-12-28)

継続的にトレーニングを行うためには、仲間と行ったり、応援があったりした方が続きやすいと考えられる。しかし、昨今のコロナ禍の影響で、なかなかジム等で仲間とトレーニングする機会が少なくなっている。この状況下では、1人でも手軽に家庭内でできるトレーニング環境が必要と考えられる。そこで、本研究では、家庭内で手軽にできるアバターの応援を付加したトレーニングシステムの開発を行った。また、アバターの応援効果を効率的に引き出すには、どのタイミングからアバターの応援が付加されると良いかについても検討した。 開発したシステムは、筋力トレーニングとして3分間のカーフレイズを行うシステムとした。アバターの応援効果を検討するため、アバターありとなしのコンテンツを作成し、アバターありでは、アバターの表示時間として3パターン(3分表示、1分経過後表示、2分経過後表示)を作成した。システム構成は、シングルボードコンピュータと制御用PC、ディスプレイとし、家庭内で簡単に利用できる構成とした。シングルボードコンピュータでは、ヒラメ筋から筋電図を測定し、その筋電図波形からカーフレイズの回数を算出した。トレーニング中の画面には、アバター、トレーニング回数、時間表示等を体験者に示した。 評価実験として、9人の大学生に開発したシステムを利用して貰った。その結果、アバター表示がある方が、継続できそうというアンケート回答が56%であった。また、表示時間としては、アバターを途中から表示させる1分経過後、2分経過後条件で9名中7名から良い変化があると回答を得ることができ、途中から、アバター表示をさせると応援効果が高くなる傾向が示された。今後の展望としては、さらに長期的な利用を考え、ゲーム性やアバターの応援のバリエーションを増す、トレーニングの種類を増やすなどの改良を行う必要があると考えられた。
著者
井上 裕一 小田切 博之 政木 広幸
出版者
一般社団法人 日本時計学会
雑誌
日本時計学会誌 (ISSN:00290416)
巻号頁・発行日
vol.127, pp.3-15, 1988-12-20 (Released:2017-11-09)

A conventional temperature compensation IC system is required to provide an oscillating capacity change-over switch in order that a normal type pace measuring instrument can be used. The new temperature compensation IC system we developed here has realized an "all logical adjustment" without an oscillating capacity change-over switch by introducing a "new method of a pace expression". It has become easier to provide a watch with high accuracy by use of the "all logical adjustment".
著者
井土 哲志 大井 あや 三輪田 勤 富貴原 紗侑里 笠井 貴敏 伊藤 雅子 赤羽 貴美子 吉岡 修子 井上 裕康
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.331-338, 2020-05-30 (Released:2020-05-30)
参考文献数
11

【症例】42歳女性【既往】14歳Basedow病(以下GD),35歳 緩徐進行1型糖尿病,40歳 側頭葉てんかん【現病歴】X年2月に歩行時ふらつきを自覚,4月にシックデイとGD悪化で入院.改善し退院したが,6月に眼振と小脳失調症状を認め再入院となった.血清・髄液抗GAD抗体と血清抗グリアジン抗体陽性から自己免疫性小脳失調症と診断した.血漿交換,ステロイドパルス療法及びプレドニゾロン内服,グルテン制限食などの治療により改善し独歩退院となった.プレドニゾロン内服のためインスリンは増量となったが,血漿交換後にGDは改善し抗甲状腺薬は中止となった.【考察】多腺性自己免疫症候群(以下APS)3型の経過中に自己免疫性小脳失調症を発症した貴重な1例で,治療経過と併存症への影響について報告する.自己免疫性内分泌疾患を背景に持つ患者が小脳失調症状を呈する場合,本疾患を疑い早期に精査を行うべきである.
著者
勝川 路子 中田 理恵子 井上 裕康
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61回大会(2009年)
巻号頁・発行日
pp.18, 2009 (Released:2009-09-02)

目的 機能性食品成分による生活習慣病予防の分子機構解明を目指して、我々はプロスタグランジン産生の律速酵素である誘導型シクロオキシゲナーゼ(COX-2)の発現抑制、そしてその発現抑制に関与する核内受容体PPAR活性化を指標にした研究を続けている。今までに赤ワインに含まれるポリフェノール・レスベラトロールがPPARα活性化を介して脳保護効果を持つことを報告してきた。また、種々の植物油の機能性を評価したところ、タイム油等の精油においてCOX-2の発現抑制が見出され(1)、さらにCOX-2発現抑制およびPPAR活性化の効果をもつタイム油の成分を同定した。今回は、タイム油以外の精油およびその成分について、両効果を検討したので報告する。 方法 COX-2発現抑制は、ウシ血管内皮細胞にCOX-2レポーターベクター・PPARγ発現ベクターを共導入した後、種々の精油及びその成分を添加し、LPS刺激によるCOX-2発現誘導に対する抑制効果を測定した。3種類のPPAR(α, β/δ, γ)の活性化は、同細胞にPPREレポーターベクターとそれぞれのPPAR発現ベクターを共導入して測定した。 結果 バラ油においてCOX-2発現抑制、PPARα,γの活性化が認められ、その効果にはバラ油の2種類の成分が主に関与することを見出した。 (1) 堀田真理子、中田理恵子、井上裕康 日本家政学会誌 59, 373-378 (2008)
著者
清成 透子 井上 裕香子 松本 良恵
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
pp.si5-11, (Released:2022-12-01)
参考文献数
26
被引用文献数
1

COVID-19のパンデミックは,行動免疫システムと感染予防行動や態度などの関係を検討する格好の機会である。本研究は,感染拡大の鍵を握る若年層(大学生)を対象に身近にCOVID-19の罹患者がいる群とそうではない群を比較し,行動免疫システムから予測される通り身近に迫る感染脅威が予防行動を実際に引き出しているかを検討した。調査は2021年7月5日から21日の期間にオンラインで実施した。有効回答のうち,感染経験者あるいは検査中の回答者(13名)を除外した456名を分析した結果,予測に反して身近有感染群(152名)は無感染群(304名)と比較すると全体として感染回避反応が低く,予防行動を行っていないことが明らかにされた。若年層では病原体曝露によるリスクと人間関係維持による利益間にトレードオフが生じている可能性が示唆された。
著者
井上 裕珠
出版者
日本応用心理学会
雑誌
応用心理学研究 (ISSN:03874605)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.165-177, 2022-03-31 (Released:2022-06-30)
参考文献数
26

This study aimed to investigate whether consumers' food choices changes depending on the position in which calorie information is presented. Specifically, we replicated Dallas, Liu & Ubel (2019), in which American participants ordered less calorie food when calorie information was to the left than calorie information was to the right. We conducted psychological experiments on college students and people in their 20s to 60s using horizontal and vertical menus throughout the four studies. We consistently found that participants selected lower-calorie food when the calorie information was presented to the left in horizontal menus or above the menu name in the vertical menus than when calorie information was not presented. In the discussion, the implication and future research are discussed.
著者
岡本 梢 井上 裕匡 堤 仁勢 才本 由美 石野 真輔 辻 吉郎
出版者
公益社団法人 日本栄養士会
雑誌
日本栄養士会雑誌 (ISSN:00136492)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.25-31, 2020 (Released:2020-01-10)
参考文献数
28

回復期リハビリテーション病棟(以下、回復期リハ病棟)は低栄養患者が多いとされ、本研究では当院回復期リハ病棟で提供される食事が栄養学的に適正か否かを検討した。 入院後2週間の食事摂取量から計量した1日平均摂取エネルギー量、たんぱく質量をそれぞれ標準体重で除しEおよびPとした。入院時BMIからUW群(BMI<18.5kg/m²)、NW群(18.5≦BMI<25kg/m²)、OW群(BMI≧25kg/m²)に3分類し、入院2週間後で体重が1.5%以上減少したD群、体重が1.5%未満減少もしくは増加したND群に細分類した6群間のE、P、平均年齢、FIM効率等を比較した。 E、PはOW-ND群で有意に高く、平均年齢はUW-D群で有意に高かった。 FIM効率はNW-ND群で高い傾向を示した。 FIM効率の観点から、肥満傾向の患者には入院直後から標準体重を目標とした減量が望ましい。一方、高齢の患者には摂取量低下を考慮した上で必要エネルギー量を確保する必要がある。
著者
槍田 松瑩 井上 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1376, pp.146-148, 2007-01-29

問 昨年末、三菱商事や英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと組んで進めていたサハリン沖の資源開発事業「サハリン2」の主導権を、ロシアの天然ガス企業ガスプロムに渡したことが大きな話題になりました。 答 地下資源を持つ国が「自国で扱っていきたい」という流れが強まる中で、遅かれ早かれホスト国のロシアから事業参画はあるだろうと考えていました。
著者
平野 幸久 井上 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1293, pp.114-116, 2005-05-30

問 平野さんは、1992年に英ダービーで、トヨタ自動車初の欧州工場を立ち上げています。中部国際空港は、その時の経験と似ていましたか。 答 ええ。自動車の工場も、まず生産システムを作り、そこで組み立てる部品は、様々なメーカーに発注して何度もテストを繰り返し、そのうえで良い物を選び出します。人も採用後にしっかり訓練します。
著者
御田 成顕 細谷 忠嗣 井上 裕香子 伴 和幸 冨澤 奏子 松本 七海
出版者
Association of Wildlife and Human Society
雑誌
野生生物と社会 (ISSN:24240877)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.25-33, 2021 (Released:2022-02-01)
参考文献数
22

Zoos are expected to play a role in environmental education. However, zoos have not been able to provide sufficient opportunities for experiential learning to the age groups from the upper grades of elementary school to university students, who rarely have the opportunity to visit a zoo. Zoos are required to carry out various recruiting and public relations activities to increase the opportunities of coming to a zoo for these age groups. This study aimed to collect basic information relevant to pursuing the potential of zoos as a site of environmental education for these age groups. A questionnaire survey targeting 479 vocational school students in the city of Fukuoka was administered. As a result, zoos were generally recognized as a place for recreation. In contrast, some students interested in animals considered zoos to be a place for learning, and it is necessary to increase their satisfaction with this purpose. To enhance the role of the zoo as a place of environmental education, it is necessary to devise exhibitions in which animals can be enjoyed and to satisfy the basic requirements of visitors who visit for various purposes. It will be possible to promote the environmental education role of zoos by encouraging and arousing interest in the age group and connecting them to learning.
著者
加藤 紘一 井上 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1309, pp.128-131, 2005-09-26

問 今回の総選挙は自由民主党が絶対安定多数(269議席)を大きく上回る296議席を確保しました。公明党と合わせれば与党で327議席と、総定数の3分の2を超える圧勝に終わりました。 答 あまりの勝利でみんな落ち着かない。国民も驚いている。ただ、今週末の日曜日(総選挙1週間後の9月18日)に、もう1回選挙やったら自民が大敗するかもしれないですね。
著者
生田 正治 井上 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1329, pp.122-124, 2006-02-20

問 「日経ビジネス」は5年前に「郵政は民営化できる」という特集を掲載し、既得権益を脅かすものと、特定郵便局長の猛反発を食らいました。生田さんは今、特定郵便局長の定年を引き下げたり、転勤しない慣行をなくしたりと大鉈を振るっていらっしゃいますが、いわゆる抵抗勢力との戦いは大変だったのではないですか。
著者
Malone John C. 井上 裕
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1295, pp.110-112, 2005-06-13

問 米国のメディア業界は変化が激しいと承知していましたが、マローンさんの事業も猛烈なスピードで変貌を遂げています。10年ほど前にお会いした時は、米最大のCATV(ケーブルテレビ)会社、テレ・コミュニケーションズ(TCI)の経営トップでした。ところが、6年前に通信大手の米AT&Tに売却してしまった。 答 そう、520億ドル(約5兆7000億円)で売りました。