著者
伊藤 史斗 長谷 和徳 内田 和男
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
pp.19-00191, (Released:2019-09-11)
参考文献数
15

The frame stiffness in a racing bicycle might influence not only toughness as the frame structure but also performance of an athlete. The purpose of this study is to clarify biodynamic relations between the frame stiffness in a racing bicycle and the physical loads of an athlete by using a forward dynamics simulation model. The human body structure was represented by the 13-rigid-links and 23-degrees-of-freedom model. Based on the theory of multibody dynamics, the frame structure was expressed by combination of 12 rigid pipes, and the frame stiffness was modeled by rotational springs at the connecting joint between the rigid pipes. Spring coefficients were changed according to the thickness of the frame pipes. The pedaling load from the crank was computed by the angular velocity and angular acceleration of the crank. Moreover, the driving force in the bicycle was additionally defined to consider the influence of the frame weight on the human joint load. The human body model was driven by the joint toques to minimize the cost function consisting of the joint loads in the human body and the driving force in the bicycle, and also to keep desired angular velocity of the crank. Validity of the simulation was evaluated by comparing the joint angles and torques with the measured ones. As for the result, the larger stiffness of the frame resulted in smaller the joint loads in the human body, and optimal stiffness would be determined by the balance between the joint loads in the human body and the driving force in the bicycle.
著者
上田 隆也 柴田 昇吾 伊藤 史朗 廣田 誠 池田 裕治 藤田 稔
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.49-50, 1995-03-15
被引用文献数
1

インターネットをはじめとするコンピュータネットワークの整備により種々の情報がオンラインで利用可能になり、情報収集が容易になってきた。しかしその反面、情報の量が多すぎるため有用な情報を見逃す危険性も増大してきている("情報洪水"の問題)。特に電子メール・Net News・新聞等の"フロー情報"では情報の"新しさ"が重要であり、時間が経過してしまうことによりユーザにとっての情報の価値が失われてしまうことも少なくない。こうした問題への対処として、我々は、フロー情報からの情報収集・整理を支援するシステムの研究開発を進めている。本システムは、フロー情報の中からユーザにとって有用な情報を選別し、大意・キーワード等を付与し、ユーザの設定した分類体系に振り分けて、適切なタイミングで提示する。柔軟な処理を行なうために、マルチエージェントモデルに基づくアーキテクチャーを採用した。本稿ではこのシステムの概要について述べる。
著者
長谷部 理佐 坂本 壮 中村 聡志 藤森 大輔 吉田 隆平 糟谷 美有紀 伊藤 史生 高橋 功
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.246-249, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)
参考文献数
10

除草剤の一種であるパラコートは, 致死率が高い製剤であることから本邦では1999年に生産が中止された。しかしパラコートを5%に希釈した低濃度製剤であるパラコート・ジクワット製剤 (以下, PGL) は現在も販売されており, PGL飲用による死亡例は現在も散見される。2015~2021年に当院で経験したパラコート中毒の5例を検討した。1例は誤飲が原因で, 4例は自殺企図で飲用された。1例はパラコートで, 4例はPGLであった。患者背景としては精神疾患が多いとされているが, 当院の症例も精神疾患やうつ状態の背景疾患があった。また, 農村地域・農家での報告が多く, 当院も農村地域に位置することから, パラコート・PGLが容易に入手できたと考えられる。中毒発生防止のためには行政的対応以外に保管者への啓発が重要と考える。
著者
布川 悠介 伊藤 史子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45.3, pp.589-564, 2010-10-25 (Released:2017-01-01)
参考文献数
6

「グラフィティ」とは街に描かれる落書きのことである。本研究ではグラフィティ分布と都市要素との関係を分析し、ライターの行動特性に関する示唆を得ることを目的としている。高円寺駅を中心とした半径600m以内のグラフィティ分布の調査を行って得られた地点と数、種類のグラフィティ属性データを用いて空間分析を行った。駅距離とグラフィティ密度の関係から非線形回帰分析により密度関数を導出した。ライター間の敵対的な「Communication」地点と不特定多数に見せつけるための「Exposure」グラフィティの各分布が商業地域、駅南の商業地域に集中していることをKolmogorov-Smirnov検定、二項検定により示している。グラフィティを描く目的に着目して行った空間分析の結果より、ライターの行動特性は都市要素と関係していることがわかった。特に駅からの距離、用途地域はグラフィティを描く場所を決定する上での大きな要因となっている。これらの分析によって導かれた結果はライターの行動特性を空間的に捉える一つの指標になると考えられる。
著者
伊藤 史彦 長澤 良太 日置 佳之
出版者
日本景観生態学会
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.7-17, 2012-06-22 (Released:2012-07-28)
参考文献数
18
被引用文献数
3 3

野生生物の適切な生息地保全のためには,現に生息地が確認された場所だけではなくランドスケープレベルの視点から見た潜在的な生息地も考慮に入れることが重要である.本研究では,環境省版レッドデータブックに絶滅危惧IB類に登録され,生息数の減少が懸念されている大型猛禽類のクマタカ(Spizaetus nipalensis)を対象種とし,GISを用いた空間データに基づく多変量解析手法によるハビタットモデルの構築を行い,潜在的な生息地を推定した.3次メッシュ単位でデータベース化された環境指標を独立変数とし,クマタカの目撃情報の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った結果,目撃情報データの64.1%を説明し得るハビタットモデルを構築することができた.さらに,このモデルを用いて作成したクマタカの潜在的生息地図を用いたGap分析や計画道路との関係解析の結果,鳥取県におけるクマタカの潜在的生息地の脆弱な地域を抽出することができた.本研究で得られた潜在的生息地を参考に,今後は,営巣,ハンティング等クマタカの各行動別に利用環境を解析し,クマタカの生息に極めて重要な地域の抽出を行うことで,適切な保護施策を策定していく必要があると考える.
著者
石島 健太郎 伊藤 史人
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.82-93, 2016-02-29

本研究は,意思伝達装置を用いるALS患者204人を対象に,複雑な条件組み合わせと結果の関連を明らかにすることができるファジィセット質的比較分析(fsQCA)を用いて,筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者が意思伝達装置を用いる際,どのような条件がそろえば満足度が高まるのかを明らかにするとともに,社会福祉学でのfsQCAの有効性を示すことを目的とする.分析の結果,重度障害者でも意思伝達装置を満足度の高い利用方法が複数示唆され,かつ年齢や同居する家族の有無に応じて支援すべき方向性も異なってくることが明らかとなった.こうした知見は,ケースワークにおける個別性の原則を経験的に確かめるものであるとともに,実践的には支援者が患者の属性を踏まえた意志伝達装置の利用促進に示唆を与えるものである.また,無作為抽出が困難で,さまざまな条件が複雑に関連した事例の多い社会福祉学でfsQCAを用いる意義も示された.
著者
伊藤 史子 浅見 泰司
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.62, no.500, pp.207-212, 1997
参考文献数
7
被引用文献数
2 1

In the underpriced housing market, each site is sold to an applicant who wins a lottery. Potential buyers have to select a lot maximizing their expected utility level taking into account the subjective probability to win the lottery. A logarithmic form of the subjective probability function best explains the housing lot choice behavior among four models compared. This suggests that potential buyers optimistically overestimate the winning probability. This form is of particular interest, for it mathematically coincides with logit models except for the hypethesized error term distribution.
著者
登本 洋子 伊藤 史織 後藤 芳文 堀田 龍也
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S41022, (Released:2017-12-06)
参考文献数
9

アカデミック・ライティングの指導の重要性は,大学だけでなく中学校や高等学校においても高まっている.本研究は,中学生にアカデミック・ライティングを指導する過程において,論文を書くことができない生徒を,発表の機会を生かすことによって支援することを目的とした.具体的には,発表と論文執筆の順序を入れ替えて,発表の機会を生かすことにより,論文の質の変化を比較した.その結果,「テーマ設定,情報収集,発表,論文執筆」の順で行なったほうが,論文および発表ともにその質が向上することが確認された.
著者
伊藤 史彦 長澤 良太 日置 佳之
出版者
Japan Association for Landscape Ecology
雑誌
景観生態学 (ISSN:18800092)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.7-17, 2012
被引用文献数
3

野生生物の適切な生息地保全のためには,現に生息地が確認された場所だけではなくランドスケープレベルの視点から見た潜在的な生息地も考慮に入れることが重要である.本研究では,環境省版レッドデータブックに絶滅危惧IB類に登録され,生息数の減少が懸念されている大型猛禽類のクマタカ(<i>Spizaetus nipalensis</i>)を対象種とし,GISを用いた空間データに基づく多変量解析手法によるハビタットモデルの構築を行い,潜在的な生息地を推定した.3次メッシュ単位でデータベース化された環境指標を独立変数とし,クマタカの目撃情報の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った結果,目撃情報データの64.1%を説明し得るハビタットモデルを構築することができた.さらに,このモデルを用いて作成したクマタカの潜在的生息地図を用いたGap分析や計画道路との関係解析の結果,鳥取県におけるクマタカの潜在的生息地の脆弱な地域を抽出することができた.本研究で得られた潜在的生息地を参考に,今後は,営巣,ハンティング等クマタカの各行動別に利用環境を解析し,クマタカの生息に極めて重要な地域の抽出を行うことで,適切な保護施策を策定していく必要があると考える.
著者
石島 健太郎 伊藤 史人
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.82-93, 2016

本研究は,意思伝達装置を用いるALS患者204人を対象に,複雑な条件組み合わせと結果の関連を明らかにすることができるファジィセット質的比較分析(fsQCA)を用いて,筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者が意思伝達装置を用いる際,どのような条件がそろえば満足度が高まるのかを明らかにするとともに,社会福祉学でのfsQCAの有効性を示すことを目的とする.分析の結果,重度障害者でも意思伝達装置を満足度の高い利用方法が複数示唆され,かつ年齢や同居する家族の有無に応じて支援すべき方向性も異なってくることが明らかとなった.こうした知見は,ケースワークにおける個別性の原則を経験的に確かめるものであるとともに,実践的には支援者が患者の属性を踏まえた意志伝達装置の利用促進に示唆を与えるものである.また,無作為抽出が困難で,さまざまな条件が複雑に関連した事例の多い社会福祉学でfsQCAを用いる意義も示された.
著者
饗庭 伸 伊藤 史子 真鍋 陸太郎
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

一般市街地における景観形成を支援するための、市民参加型景観形成データベースを開発した。市民だれもがスマートフォンから投稿し、それを相互に評価することが出来るシステムである。スマートフォンとパーソナルコンピューターの二つのインターフェイスから利用できるシステムを開発し、3回の社会実験を行ってその使い方を検証した。また、集まったデータを建築設計に活かすための分析、応用手法の検討を行った。
著者
長井 香南 伊藤 史子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.1148-1155, 2023-10-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
10

携帯情報端末は数十年の間に急速な進歩を遂げ、ここ数年ではスマートフォンの所持が一般的になってきた。それに伴い「歩きスマホ」という言葉が生まれ、歩行中のスマートフォンの利用は危険であるという議論もなされている。2010年代に登場したARゲームアプリは、ゲーム上の仮想都市を見ながら実際の都市を移動できる。本研究では、スマートフォンのアプリケーションの中でもARゲームに着目し、通常の歩行と比較して歩行者の歩行行動や空間認知にどのような特徴があるのかを明らかにすることを目的とする。歩行時の視線の動きや立ち止まり行動、直後の空間認知に関するデータを取得するため歩行実験を実施し、得られたデータをもとに歩行行動と空間認知それぞれの分析を行った。その結果、ARゲームの利用によって実空間を見る時間が低下し、空間認知を都市の場面記憶と捉えれば低下させる可能性があるが、都市空間構造の把握と考えれば、ARゲームの利用は影響がない可能性があることが示唆された。
著者
杉井 将崇 柄澤 智史 大戸 弘人 福田 伸樹 藤森 大輔 伊藤 史生 小山 知秀 高橋 功
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
pp.38.1_04, (Released:2023-12-15)
参考文献数
10

甲状腺腫瘍の既往がある85歳男性が高所墜落後に救急搬送された. 来院時吸気性喘鳴と頚部腫脹を認め呼吸困難を訴えたため, 気道確保目的に緊急気管挿管を行った. CT所見と病歴から甲状腺腫瘍破裂と診断した. 気道狭窄を伴う血腫拡大のため手術適応と判断し, 血腫除去後に甲状腺左葉摘出術・気管切開術を施行した. 第2病日に人工呼吸管理を離脱, 第28病日に独歩退院した. 鈍的外傷による甲状腺損傷は稀だが, 気道閉塞の場合に致死的となる. 手術は止血だけでなく血腫除去も行えるが, 腫瘍出血に対しては甲状腺摘出を要する場合がある. 手術後も気道狭窄が残存する場合, 気管切開を行うことで早期人工呼吸離脱やリハビリテーションが可能となる.
著者
大場 亨 柳町 紀久子 木下 禮子 山本 直英 玉川 英則 伊藤 史子
出版者
Geographic Information Systems Association
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.59-66, 2002-03-29 (Released:2009-05-29)
参考文献数
4
被引用文献数
2 2

This paper estimates the benefit of a plan for information providing system on road administration by WebGIS. The system will reduce travel costs of visitors from their business establishments to a road administration section of a city office. The authors had individual interviews with the visitors at the section of the Ichikawa City Office. Annual total sum of travel costs was estimated at 37 million yen at most. This paper also proposes formulas which expect the frequency of visits or the total sum of travel costs from the spatial distribution of the business establishments without questionnaires.
著者
川瀬 純也 伊藤 史子 倉田 陽平
出版者
一般社団法人 地理情報システム学会
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.1-11, 2016-06-30 (Released:2019-02-28)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

Most of previous surveys of tourist activities using GPS devices have focused on where tourists visit and how long they stay, but not on what they actually do at each location. Thus, we have attempted to investigate the relations between the tourists' actual activities and their spatio-temporal data. In this paper, we conducted some experiments at a zoological park to build statistical methods for estimating whether a tourist is viewing an exhibition or not from his/her GPS logs. The result shows that their walking speed seems critical for the estimation, and, by considering additional parameters, we can estimate precisely whether 20s tourist is viewing or not.
著者
伊藤 史斗 内田 和男 長谷 和徳
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
シンポジウム: スポーツ・アンド・ヒューマン・ダイナミクス講演論文集 2017 (ISSN:24329509)
巻号頁・発行日
pp.A-9, 2017 (Released:2018-05-25)

There are many studies for bicycles and pedaling; however, most of the pedaling studies are conducted based on experiments, such as inverse dynamics method. The purpose of this study is to develop a forward dynamics model of pedaling to generate pedaling motion on computer without experimental data. The proposed model was used proportional-derivative (PD) control for joint driving torque and the referred joint angles were optimized by genetic algorithms. Cost function of optimization was defined as minimum of the muscle load and differences between the objective crank angular velocity and that of the simulation. Joint torques and pedal forces was obtained from the simulation and was compared with the actual experimental data. Simulation results were tended to vibrate compared with the actual experimental data. In addition, magnitude of the cost function was investigated when changing saddle height as 0.700, 0.725, 0.750, 0.775 and 0.800 [m]. As a result, the cost function decreased as the saddle height became higher, and the cos function was minimum when the saddle height was 0.775[m].