著者
村上 敬宜 金崎 俊彦 福島 良博 田中 裕之 戸室 仁一 久保山 孝治 松栄 雅樹 伊藤 義雄 安藤 晴彦
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.75, no.749, pp.93-102, 2009-01-25 (Released:2017-06-09)
参考文献数
6
被引用文献数
4 7

The fatigue failure analysis of SUS316L flexible hose of the hydrogen station which was demonstrated during EXPO 2005 in Nagoya was carried out. The fatigue fracture surface where hydrogen leakage was detected showed clear striations which revealed a unique evidence of hydrogen effect on the ratio of striation height and spacing. The number of striations observed on the leakage fracture surface was 270. Considering that the number of hydrogen supply to the fuel cell buses was 280, it can be concluded that the fatigue fracture process during the demonstration is completely controlled by microplasticity resulting ductile fracture contrary to the conventional concept expressed with a term of decohesion or hydrogen embrittlement. The striation data were used to make the fatigue crack growth rate equation which was applied to the life prediction and structural integrity assessment for a new hydrogen station. The fatigue crack growth data showed the evidence of a strong frequency effect of fatigue crack growth rate of SUS316L used in the hydrogen environment with 8 minutes hydrogen supply time at the hydrogen station.
著者
伊藤 譲 櫻井 唯太 若松 純哉 服部 辰広 平沼 憲治
出版者
日本体育大学
雑誌
日本体育大学紀要 (ISSN:02850613)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.2001-2013, 2020

The purpose of this study was to describe the role of judo-therapist’s office, named Sport Cure Center (SCC), based on the medical records. In general, many judo-therapist’s office visitors are elderly. Most of the SCC patients are athletes of the Nippon Sports Science University. There have been few reports on sports in-juries based on the medical records of judo-therapist’s office. Therefore, we analyzed the medical records of SCC and examined the role of SCC. In 2.5-years of study period, we identified 4,903 injuries in approximately 44,000 athletes. Bruise and muscle sprains were the most common type of injuries (42.8%), and lower extremity was the most frequent site of injury (55.9%). Most of the patients of SCC belonged to the track, soccer, and rugby clubs that are active on the same campus as SCC. The type and site of sports injuries were characterized by the type of sports. Our study on sports injuries can help coaches and trainers take appropriate strategies for the prevention of injuries. These results suggest that the role of SCC is not limited to providing first aid and rehabilitation to the injured university athletes; SCC has the provision to provide information on injury prevention according to the sports categories.
著者
伊藤 修一
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2018年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.000237, 2018 (Released:2018-06-27)

Ⅰ.はじめに 1990年代以降の先進諸国では自動車保有率の上昇が鈍化,低下に転じているなど(奥井 2004,橋本 1999),モータリゼーションは成熟・停滞期とみられる.モータリゼーションが進む地域において,一般に女性は自家用車の利用可能性が低い「交通弱者」と位置付けられ,就業機会とのアクセスが制限されやすく,家事や育児を担う役割も重なる場合には専業主婦や低所得者となりやすいとされてきた(Hanson and Pratt 1988). 総務省『労働力調査』によれば,日本の年齢別女性就業率に表れる「M字型カーブ」の谷底は1991年には50%を上回り,2007年以降は60%を超え,全体の女性就業率も2010年代に入ってからは上昇している.よって,自家用車の普及と女性就業の促進との関係を検証する必要がある.既に,岡本(1996)はパーソントリップ調査の結果に基づいて,就業女性の自動車利用率が専業主婦よりも高く,世帯の自動車保有率が高くなれば利用率が高まることを指摘している.日本の乗用車保有率の要因を分析した奥井(2008)も女性就業が自動車普及の一因であることを示唆している. なかでも,近年の軽乗用車の普及は女性就業に大きな影響を及ぼしたと考えられる.自動車検査登録協力会編『自動車保有車両数』によれば,普通・小型乗用車台数は1990年代中期以降停滞するなか,軽自動車は年1~3%の増加が続く.また日本自動車工業会『軽自動車の使用実態調査報告書』によると,男性が過半数だった主たる運転者が1995年以降には既婚女性のみで過半数を占めるようになったからである. 本研究では軽乗用車保有台数の増加と女性就業率の高まりの時期が重複する1990年代中期以降に注目して,軽乗用車の保有状況の地域的傾向を把握したうえで,軽乗用車の普及と既婚女性の就業者の増加との空間的な関係を,統計的な裏付けに基づいて検討する.Ⅱ.分析対象とデータ 軽乗用車の地域的な普及状況を把握するために,全国軽自動車協会連合会『市区町村別軽自動車車両数』(1996年3月末版,2016年3月末版)により台数データを入手した.ここでは普及状況を測る指標として,軽自動車台数を総務省『国勢調査』(1995年,2015年)による一般世帯数で除した保有率を用いる.既婚女性の就業に関するデータも『国勢調査』による.就業状態は就業者総数のほか,年齢別,「主に仕事」と「家事のほか仕事」との別に分けて分析した. 分析対象は国内全ての市区町村であり,1995~2015年度間の市町村合併や福島第一原発事故の影響を受ける自治体などを考慮して,1833の部分地域に整理された.Ⅲ.軽乗用車保有率の分布 2015年度の全国保有率は39.8%で,空間的偏りがみられる(モランI統計量1.52,p<0.01).ローカルモランI統計量による検定結果に基づくと,三大都市圏や北海道に10%未満の市区町村が集中する統計的に有意なクラスターが認められ,仙台市と熊本市のほか広島市と福岡市の中心地区といった政令指定都市にも低率のクラスターや局所的に低い地域が形成されている.対照的に山形,宮城両県を中心とした東北地方南部や,中国山地や讃岐山地付近,九州地方は70%以上の高いクラスターがみられる.これは奥井(2008)が指摘する,北海道で高値,東北地方や西日本に低値の地域が広がるという乗用車全般の傾向と異なる. 2015年度の全国保有率は1995年度の13.6%の約3倍にもなる.両年の分布パターンはよく類似しており(r=0.89,p<0.01),高保有率だった地域で保有率が上昇している(r=0.74,p<0.01).保有率が減少したのは低普及率の有意なクラスターに属する東京都千代田区と中央区のみである.Ⅳ.軽乗用車保有率と既婚女性就業率との関係 2015年度の保有率と就業率の相関係数は0.52(p<0.01)で,1995年度よりも上昇している.「主に仕事」とし,年齢の高い者ほど大幅に上昇している.全国的には軽自動車の普及が,フルタイム労働者のような既婚女性の(再)就業の促進により関わっており,その関係が深まっていると解釈される. また,保有率の上昇幅と就業率の上昇幅との関係は大都市圏内において統計的有意差が認められる.保有率の上昇幅のわりに就業率の上昇幅が小さい地域は東京都荒川区を中心とした都区部北東側や,天王寺区を除く大阪都心5区に有意なクラスターが形成されており,大都市圏中心部の公共交通の利便性の高さが影響したものとみられる. 一方,保有率の上昇幅のわりに就業率の上昇幅の大きい地域は,東京圏においては三鷹市周辺や横浜市神奈川区周辺に,大阪圏では神戸市に有意なクラスターが現れる.こうした傾向からは大都市圏内では,軽乗用車の取得可能性などの経済面の影響も示唆される.
著者
伊藤 和行
出版者
日本医史学会
雑誌
日本医史学雑誌 (ISSN:05493323)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.29-40, 1995-03-20
参考文献数
18
著者
上村 佐恵子 島田 茉莉 伊藤 真人 西野 宏
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.45-51, 2016 (Released:2016-08-01)
参考文献数
16

4 歳 8 カ月女児。夜間の息苦しさで頻回に覚醒するため,睡眠時無呼吸症候群の疑いで受診した。後鼻孔を閉塞する咽頭扁桃肥大,アレルギー性鼻炎の所見に合致する鼻粘膜所見がみられたが,気道閉塞をきたすような口蓋扁桃肥大はなかった。肥満と低身長を認め,易疲労感の訴えがあったため,小児科で精査を依頼した。低身長に対する検査の結果,橋本病と診断され,甲状腺ホルモン補充療法が開始された。治療 2 週間で夜間覚醒の消失を認め,治療 3 カ月で甲状腺ホルモン値は正常化,鼻閉の消失といびきの改善を認めた。簡易終夜睡眠検査上は,初回の無呼吸低呼吸指数(AHI:回/時)53.8,治療 5 カ月後21.9,治療10カ月後26.4,最終的に治療16カ月後に AHI 8.5まで改善した。睡眠時無呼吸症候群と甲状腺機能低下症の症状は類似点が多く,低身長や易疲労感などの甲状腺機能低下症の臨床症状にも留意することが必要である。
著者
本間 太郎 佐藤 謙太 篠原 菜穂子 伊藤 隼哉 荒井 達也 木島 遼 菅原 草子 治部 祐里 川上 祐生 野坂 直久 青山 敏明 都築 毅 池田 郁男
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.63-68, 2012-02-15 (Released:2012-03-28)
参考文献数
31
被引用文献数
4 5

CLAは抗肥満作用,抗がん作用など,多彩な生理機能を持つことが知られており,サプリメントとして市販されているが,日本人において摂取量や吸収代謝に関する報告はほとんどない.本研究では,日本人のCLA摂取における知見を得るため,日本人のCLAの日常的な摂取量,日常的な血中CLA濃度,CLAサプリメント摂取時の血中CLA濃度の変化について検討した.その結果,日本人は日常的に食事から37.5 mg/日のCLAを摂取していることが明らかとなった.また,日本人の日常的な血中CLA濃度は血漿中で6.4μmol/L,血球中で1.7μmol/Lであった.さらに,1日2.3gのCLAサプリメントを3週間摂取することで,血中CLA濃度は血漿中で7.7倍,血球中で8.7倍に増加した.外国人の報告と比べると,日本人は日常的なCLA摂取量や血中CLA濃度は少ないが,CLAサプリメントを摂取することでその濃度は飛躍的に上昇することが明らかとなった.以上より,日本人は1日2.3gのCLAサプリメントを長期摂取することで有益な生理作用を得ることができると考えられた.
著者
伊藤 厚子 馬場 薫 田中 幸子
出版者
東北文化学園大学医療福祉学部看護学科
雑誌
東北文化学園大学看護学科紀要 = Archives of Tohoku Bunka Gakuen University Nursing (ISSN:21866546)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-11, 2020-03-31

本研究の目的は、病院で看護職が受ける職員間暴力・ハラスメントの実態と抑うつとの関連を明らかにすることである。400床以上500床未満の3病院、1,107名の看護職を対象に質問紙調査を行い、抑うつ状態の評価はCES-Dを使用した。職員間暴力・ハラスメントを受けた者のうち、所属長に報告した者は32.7%であり、言葉の暴力・いじめ・パワハラを受けた者は受けたことがない者よりCES -D得点が高いことが明らかとなった。職員間暴力・ハラスメントの中でもいじめを受けた者は特に抑うつ傾向を誘発しやすいことから、管理者は職員の人間関係に注意するとともに、職員が報告や相談をしやすい環境や関係作りの必要性が示唆された。
著者
伊藤 圭介 花北 順哉 高橋 敏行 南 学 本多 文昭 森 正如
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.11, pp.833-838, 2009-11-20 (Released:2017-06-02)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

仙腸関節ブロックを施行した症例の臨床的検討を行った.【対象】2008年3〜10月に仙腸関節ブロックを施行した72例.【方法】保存的治療に抵抗性の腰痛を自覚し,理学的所見により仙腸関節由来の疼痛が疑われた症例に仙腸関節ブロックを施行した.【結果】仙腸関節ブロックは46例(63.9%)にて有効で,VAS平均改善率は52.4%であった.仙腸関節部痛は外来全腰痛患者の14.1%を占めていた.ブロック有効例の46例のうち36例(78.3%)に他の腰椎疾患を合併していた.【結語】仙腸関節部痛は日常診療で多数の患者が存在すると思われた.仙腸関節ブロックは仙腸関節由来の疼痛の診断,治療に効果があった.
著者
橋村 真治 伊藤 隼人 小松 恭一 大津 健史
出版者
一般社団法人 日本トライボロジー学会
雑誌
トライボロジスト (ISSN:09151168)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.882-892, 2016-12-15 (Released:2016-12-15)
参考文献数
14

It is well known that a main cause of tightening error on the torque control method is changes of the frictional coefficients in thread surfaces and bearing surfaces in bolt tightening. It has been shown in the previous study that the frictional coefficients depend on surface roughness of contact surface, lubrication conditions and bolt configuration errors. The frictional coefficients can be changed by the bolt configuration errors such as a bend of bolt shank and inclination of bolt bearing surface, if large wear and seizure do not occur on the lubricated surfaces.In this study, an influence of the squareness error of bolt bearing surface on the tightening accuracy has been investigated. Results clearly showed that the squareness error of bearing surface causes variations of torque coefficients and the clamping force error. It was shown by FEM analysis that the variation of torque coefficient between bearing surfaces is caused by change of an apparent frictional coefficient. Tightening accuracy also depended on the squareness error of bearing surface.