著者
西村 誠 石原 勝 伊藤 正俊 細野 久美子 関東 裕美
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.844-849, 1985

6年間に5例のベルロック皮膚炎を経験した。原因製品はいずれもフランス製で香水1, オーデコロン2, オードトワレ2例であった。経過を観察しえた3例の場合, 色素斑は約半年後には消退した。製品の光毒反応を患者あるいは毛ルモットで立証した。製品中の光毒物質を高速液体クロマトグラフィーで定量した。
著者
伊藤 不二男
出版者
九州大学
雑誌
法政研究 (ISSN:03872882)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.347-394, 1973-06-30
著者
伊藤 亜紗
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, 2017

This paper aims to clarify characteristics of aesthetic experience of blind people.Aesthetics has long treated the blind as people who have extraordinary ability of senseof touch under the strong influence of Molyneux's problem. As Derrida advocated, senseof touch has played a fundamental role in the tradition of Western metaphysical thoughtbecause it can grasp an essence directly without any interference of preconception. Thisstudy questions this connection between blind people and sense of touch by conductingfield research.The result of interview shows that blind people rather tend to avoid to touch objectsby hand so as to follow the code of conduct of sighted people. Instead, they like to useanother sense modality such as audition or sense of smell. Of course they sometimesrely on sense of touch too, but the way of using it is completely different from whataesthetics has expected to be.This misunderstanding about blind people was strengthened because aesthetics hasreferred to them only in the limited context and has paid little attention to their real life.This paper argues the possibility of aesthetical approach to handicapped people andevaluates its significance from the viewpoint of disability studies.
著者
伊藤 康一
出版者
日本医用画像工学会
雑誌
Medical Imaging Technology (ISSN:0288450X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.163-168, 2020-09-25 (Released:2020-10-09)
参考文献数
13

ヒトの脳は,正常加齢に伴って萎縮することがわかっており,この傾向を利用することでT1強調画像から年齢を推定することができる.アルツハイマー病などの脳疾患は,正常加齢と異なる萎縮パターンを示すため,T1強調画像から推定される年齢と実年齢とを比較することにより,診断支援を行うことが可能である.本論文では,3D CNNを用いた年齢推定手法を提案する.提案手法では,3D CNNにより年齢推定に適した特徴量を抽出するとともに,推定精度を改善するために性別を補足情報として全結合層に入力する.日本人健常者からなるT1強調画像データベースを用いた性能評価実験を通して提案手法の有効性を示す.また,提案手法のアルツハイマー病診断支援への応用について検討する.
著者
嶋田 豊 藤永 洋 引網 宏彰 後藤 博三 伊藤 隆 古田 一史 三潴 忠道 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.437-443, 1998-01-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
8
被引用文献数
1

四肢や腰の痛み・脱力感・しびれ・冷えを有する37例を対象に, 八味地黄丸の有効性及び適応病態について検討した。その結果, 4週間投与における全般改善度の改善率は55.9%であり, 痛み・脱力感・しびれ・冷えの改善率は各々44.8%, 39.3%, 59.1%, 31.8%であった。60歳以上は60歳未満に比べて, しびれの改善が有意に優っていた。また, 投与後に「髪の毛が薄い, 抜けやすい」,「目がかすむ, 疲れる」,「大便が固い」,「手が痛い」,「足がしびれる」,「手が冷える」,「足が冷える」の各症状で有意の改善がみられた。さらに, 有効群と無効群に分けて検討したところ,「聞こえが悪い」の症状において, 有効群が無効群に比べて有意に程度が強いという結果が得られた。以上の成績は, 高齢者の手足腰の痛み・脱力感・しびれ・冷えに対する腎虚を目標とした八味地黄丸による治療の有効性を示すものと考えられた。
著者
正井 佐知 小島 理永 伊藤 京子 Ito Kyoko Masai Sachi Kojima Rie マサイ サチ コジマ リエ イトウ キョウコ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科 社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.45-55, 2018-03-31

社会学 : 研究ノートResearch Notes近年、当事者の参画は、医療・福祉現場での実践はもちろん、学術、司法、行政、政策決定など広範な分野にまで及んでいる。ICT分野でもユーザー中心の開発がなされている。本稿の目的は、アプリ普及を見据えて行った、脊髄損傷者に向けたアプリ開発と、アプリリリースのためのクラウドファンディングの経験を当事者参画という視点から紹介することである。まず第2節では、アプリの開発経緯を紹介する。2016年9月時点では、リハビリ機器を開発予定であったところ、脊髄損傷当事者のニーズを聞いてゆくことで方向性を大きく転換することとなった。そして、手が動きにくい人にも配慮した設計で、「脊髄損傷の人が出会う場を提供するための『きっかけ』を、パラスポーツの普及やスポーツの話題とし、そこから『人のつながり』を構築できるマッチングアプリ」として2017年3月にアプリPspoが完成した。本アプリでは、当事者の相互作用に期待し、当事者の知識・経験を共有できるような仕組みを構築することを試みている。第3節では、アプリ運用資金を得るためのクラウドファンディングで、「人とのつながり」の「きっかけ」を提供するというPspoのコンセプトを一貫した結果、予想に反し当事者からの資金提供がほぼ得られなかったことについて記述する。最後に、第4節ではアプリ開発とクラウドファンディングから得られた示唆と今後の見通しについて述べる。In recent years, people with disabilities participate in a wide range of fields, such as academic, judicial, administrative, and policy decision-making, as well as medical and welfare fi elds. User-centered development is also being carried out in the ICT fi eld. The purpose of this paper is to show how we developed an application for people with spinal cord injuries and our experience of cloudfunding for release of the application, from the viewpoint of involvement participation. First, we introduce the development process of the application. Although we had originally planned to develop rehabilitation equipment, having listened to the voices of people with spinal cord injuries we decided in September 2016 to make a communication tool for them. In March 2017, considering the diffi culties of controlling hands, we developed Pspo, an application which provides opportunities for communication to people with spinal cord injuries through the topic of sports. Then, we recount our experience of cloudfunding in order to obtain support for our project. Finally, we make suggestions for the future.
著者
伊藤 嘉浩 野田 英雄
出版者
日本情報経営学会
雑誌
日本情報経営学会誌 (ISSN:18822614)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.104-109, 2018 (Released:2020-09-23)
参考文献数
11

This study aimed to understand the structure of Pokémon GO’s business model, focusing on the associated sponsored location program. Using our model based on mixed bundling theory, we are able to show the price conditions for increasing profits for the Pokémon GO provider and its affiliates.
著者
吉村 幸江 伊藤 茂
出版者
愛知県農業総合試験場
雑誌
愛知県農業総合試験場研究報告 (ISSN:03887995)
巻号頁・発行日
no.35, pp.103-108, 2003-12
被引用文献数
2

愛知県の中山間地域で栽培されているエマゴの内容成分と抗酸化性を調査した。種子、葉中のビタミン、ミネラル、ポリフェノール含量は栄養表示基準より高い値を示した。さらに、1、1-diphenyl-2-picrylhydrazyl(DPPH)ラジカル捕捉活性が高かった。エマゴを加工利用するときの前処理として、種子の風味を向上させる焙煎方法と葉を保存するための塩蔵、乾燥方法を検討した。種子の焙煎は180℃、5分間の加熱で最も風味が良く、焙煎後に機能性成分含量とDPPHラジカル捕捉活性の変化はなかった。一方、葉は塩蔵、乾燥後に機能性成分含量とDPPHラジカル捕捉活性が減少した。
著者
伊藤 真人
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.119, no.2, pp.94-98, 2016-02-20 (Released:2016-03-10)
参考文献数
4

2015年1月に日本耳科学会, 日本小児耳鼻咽喉科学会によって「小児滲出性中耳炎診療ガイドライン2015年版」が発刊された. これは本邦の小児滲出性中耳炎ガイドラインの初版であり, 欧米とは医療環境が異なる本邦の現状をふまえて, その実情に即した臨床管理の指針を示している. 本邦のガイドラインは欧米のガイドラインとは次のような点で異なっている. 欧米のガイドラインでは, プライマリケアを担当する家庭医や小児科医に対して, 「いつ, どの時点で鼓膜換気チューブ留置手術のために耳鼻咽喉科専門医へ紹介するか」が主要な論点である. 一方で本邦のガイドラインでは, 中耳貯留液や鼓膜の病的変化などの滲出性中耳炎そのものへの対応だけではなく, その遷延化因子ともなり得る周辺器官の病変に対する治療を積極的に行うことを推奨している. 欧米のガイドラインでは初期の3カ月間は Watchful waiting が勧められており, 治療は行わずに経過観察のみである. 一方で本邦のガイドラインでは, 鼻副鼻腔炎や急性中耳炎, アレルギー性鼻炎などの周辺器官の病変を合併する症例に対しては, それぞれの病変に対する保存治療を行うことを推奨するという大きなコンセプトの違いがある. むしろこの初期の期間こそ, 小児滲出性中耳炎の病因となっている周辺の炎症性病変に対する特別な配慮が必要であり, 適切な薬物療法を含む保存的加療が求められる. これらによっても3カ月以上改善しない両側の小児滲出性中耳炎症例では, 中等度以上の聴力障害 (40dB 以上) を示す場合は両側の鼓膜換気チューブ留置術を行うべきであり, 難聴の程度が25~39dB であっても治療の選択肢として検討することが勧められる. また鼓膜のアテレクタシスや癒着などの病的変化が出現した場合にも, チューブ留置が推奨される.
著者
伊藤 真人
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.2, pp.123-126, 2020-02-20 (Released:2020-03-07)
参考文献数
8

小児滲出性中耳炎の診断目的は, ① 原因となる急性中耳炎との関連の中で患児のおかれた病状を推定するとともに, ② 難聴の程度とその及ぼす影響を判定すること, さらに ③ 周辺器官の感染・炎症の状態を評価して, 治療を計画することである. 小児滲出性中耳炎の約50%は急性中耳炎を契機に生じるか, 以前からあったものが発見される. 現在では小児滲出性中耳炎の病態は, 急性中耳炎と同様に感染であると考えられており, 発症後3週間以上遷延するものが亜急性, 3カ月以上遷延するものが慢性滲出性中耳炎である.「小児急性中耳炎診療ガイドライン2015年版」がカバーする範囲は, 亜急性期以後の滲出性中耳炎であり, 急性症状発現から3週間以内は急性中耳炎としての対応が求められる. 小児滲出性中耳炎と急性中耳炎は, 鼓膜所見だけでは鑑別が難しいこともあり, 耳痛や発熱などの急性症状出現後48時間以内に受診した場合は急性中耳炎と診断される. 家庭医が初療を担当することが多い諸外国においては, 急性中耳炎と滲出性中耳炎をどのように鑑別診断するかが, 昨今大きなテーマとなっており, 新しい診断機器の開発が進められている. 小児急性中耳炎と小児滲出性中耳炎とは相互に移行する関係にあり, その境界を厳密に分けることが難しいばかりではなく, 鼓膜チューブ留置術などの治療選択においても, どちらか片方の疾患だけを念頭において治療を決定できるものではない. したがって,「慢性中耳炎以外の小児中耳炎」として, 急性中耳炎と滲出性中耳炎という, 移行する疾患群の全体像を俯瞰した対応が求められる. 小児中耳炎の診療に際して, 病院・診療所を問わずわれわれすべての耳鼻咽喉科専門医に求められることは, 正確な鼓膜所見の評価とおおよその聴力域値を推定することであり, 患児の中耳炎が上記どちらの病態と考えられるのかを明確に保護者に伝えるとともに, 必要な症例を選別して精密聴力検査や手術管理が可能な施設に紹介することである.
著者
高松 操 川原 啓孝 伊藤 裕道 宇敷 洋 鈴木 信弘 佐々木 純 大田 克 奥田 英二 小林 哲彦 長井 秋則 坂尾 龍太 村田 長太郎 田中 淳也 松坂 康智 立野 高寛 原 正秀 岡﨑 弘祥
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.32-42, 2016 (Released:2016-02-15)
参考文献数
10

In the experimental fast reactor “Joyo”, it was confirmed that the top of the irradiation test subassembly of the material testing rig named “MARICO-2” was broken and bent onto the in-vessel storage rack as an obstacle, damaging the upper core structure (UCS). In this paper, we describe the in-vessel repair techniques for UCS replacement, which are developed in Joyo. The UCS replacement was conducted in the following four stages: (1) jack-up of the existing damaged UCS, (2) retrieval of the existing damaged UCS, (3) installation of the O-ring, and (4) insertion of the new UCS. Since the UCS replacement was not anticipated in the original design, the work conditions at Joyo were carefully investigated, and the obtained results were applied to the design of special handling equipment. The UCS replacement was successfully completed in 2014. In-vessel repair techniques for sodium-cooled fast reactors (SFRs) are important in confirming the safety and integrity of SFRs. However, the techniques demonstrated in the actual reactor environment with high temperature, high radiation dose, and remaining sodium are insufficient to secure the reliability of these techniques. The experience and knowledge accumulated in the UCS replacement provide valuable insights into further improvements of in-vessel repair techniques for SFRs.