著者
伊藤 毅志 保木 邦仁 西野 哲朗 棟方 渚 片寄 晴弘 池田 心
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、ゲームにおける人間のミスに着目し、人間らしいミスを犯すゲームAIの構築を目指し、以下の研究成果を得た。1)ゲームにおける人間の犯すミスの原因に着目した分類。2)人間の生物学的成約を考慮したモデルを持ったゲームAIの構築。3)ゲームにおける技量を自動的に調整して良い勝負を演出できるゲームAIの提案と評価。4)人間の思考の特徴である「流れ」を持たせ、人間らしいプレイを実現するゲームAIの提案。これらの研究の成果は、人間と対戦するゲームAIに「強さ」という方向性以外の新しい評価基準をもたらし、多様なゲームAIの指針となると考えられる。
著者
中嶋 長文 伊藤 令子 平田 昌司
出版者
京都大学文学研究科中国語学中国文学研究室
巻号頁・発行日
pp.1-782, 2017-08-31

中島長文 校, 伊藤令子 補正
著者
伊藤 文彦
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.703-708, 2020

<p>In recent years, it has been often discussed that the community should take part in heritage conservation. But, when a community manages heritage, the historical relationship between the heritage and the community needs to be considered. This study aims to clarify the historical change in the management of cultural heritage, using the example of Ishibutsuan temple along the Kumano pilgrimage route Iseji and based on a literature survey, the analysis of the space structure, and the distribution of the donors. The results show that, in the pre-modern period, Ishibutsuan temple relied on pilgrims and relevant people because the pilgrimage was flourishing then. After the middle of the 19th century, walking pilgrims had disappeared due to the development of the modern transportation system. Therefore, the temple established monuments of local people and acquired the worship of the local community. After the inscription of Iseji on the World Heritage list, the number of walking tourists increased slightly. In conclusion, tourists must contribute to management as was the case in the pre-modern period. Also, Ishibutusuan temple needs to reconstruct the space structure to attract tourists. For instance, it can incorporate a resting place like the one that existed in the past.</p>
著者
西岡 清 向井 秀樹 上村 仁夫 堀内 保宏 伊藤 篤 野口 俊彦 西山 茂夫
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.98, no.9, pp.873, 1988 (Released:2014-08-08)

重症成人型アトピー性皮膚炎患者64例にアンケートならびに面接調査を行い以下の結果を得た.①39.1%の症例が生後6ヵ月以内,28.1%が1~4歳に発症し,10歳迄に発症した症例は75%であった.②アトピー背景として2親等内に本症の発生あるいは気道アレルギーの発生の両者あるいはその一方を病歴に持つ症例が86.7%にみられた.③いずれの症例も教科書的皮膚症状の分布を示しながら全身への皮膚症状の拡大を示し,93.8%の症例が思春期もしくは成人期に全身への皮膚症状の拡大を示した.④1例を除いて血中IgE値は200U/ml以上を示し,気道アレルギーを合併する症例では血中IgE値がより高値を示す傾向がみられた.気道アレルギーを合併しない症例の血中IgE値は,皮膚症状罹患後10年を経て著明な高値を示す傾向がみられた.ダニ抗原に対するRASTも血中IgE値同様,本症罹患10年以上の症例に高スコアーがみられた.⑤18.8%の症例に発症後寛解期間が見られ,これらはいずれも5歳以前の発症者であった.これらの症例では気道アレルギーを合併するか血中IgE高値がみられた.以上より,重症成人型アトピー性皮膚炎患者は一般の本症患者に比しアトピー背景が強く,また,IgE産生機構の昻進が著明で,アトピー性皮膚炎全体の中で1つのサブグループとして解析されるべき集団であると考えられた.
著者
伊藤 茂樹
出版者
佛教大学仏教学部
雑誌
仏教学部論集 = Journal of School of Buddhism (ISSN:2185419X)
巻号頁・発行日
no.100, pp.51-70, 2016-03

法然と同時代に生きた僧として明遍がいる。明遍は南都の学僧であったが、光明山寺また高野山に遁世し、やがて蓮華谷聖の祖とされる。法然と明遍は、散心問答という念仏法語があり、双方での交渉が確認される。しかし、『今物語』にみえる説話や、法語類を丹念にみていくと、法然系の浄土教と一致しない側面が多い。一方で重源との関係は、明遍が空阿弥陀仏という阿弥陀仏号をもつことからも、その関係は浅くない。高野聖や光明山寺系の聖の活動や思想的な側面は、祈祷念仏という要素は含みつつも、臨終に執着を起こさず正念にして来迎に預かるという平安浄土教。すなわち『往生要集』を規範とした価値観にあった。唱導、勧進で活躍する浄土聖の活動は『往生要集』を理想としたものである。本稿ではそのような聖の活動を分析しつつ、明遍と蓮華谷聖の活動を解明することに主眼をおいている。明遍浄土聖『往生要集』勧進臨終行儀

1 0 0 0 OA 野菊の墓

著者
伊藤左千夫 著
出版者
俳書堂
巻号頁・発行日
1906
著者
佐々木 伸一 高島 知佐子 芹澤 知広 伊藤 泰信 八巻 惠子 田中 孝枝 平山 弓月 柳田 博明 河上 幸子
出版者
京都外国語大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、人類学を学び研究をすることによってどのようなビジネススキルが獲得されるかという問題提起であった。結論として、それはフィールドワークを行い、エスノグラフィを作成するために培われたスキルであることが判明した。まず、「見る」「聞く」力とその記憶の保持、次に俯瞰的な情報の収集力と聞き出す力、さらに情報への偏見を持たずに受容する力とその価値や意味をくみ取る能力である。この3点は当たり前のように思われるが、実際には多くのトレーニングが必要で、また対話型のコンサルティングで不可欠なスキルであることからすれば、ビジネススキルの一端をなすと言えよう。
著者
横江 未央 川村 周三 樋元 淳一 伊藤 和彦
出版者
The Japanese Society of Agricultural Machinery and Food Engineers
雑誌
農業機械学会誌 (ISSN:02852543)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.121-125, 2005-07-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
5

大型精米工場で普通精米と無洗米, および普通精米と同程度の搗精歩留の無洗米 (高歩留無洗米) を調製し, その品質特性について調べた。その結果, 普通精米と無洗米の品質特性の違いは, 一部は主として歩留低下に起因するものであるが, 多くは主として米粒表面の研磨と除糠に, または歩留低下および表面研磨と除糠の双方に起因していることが明らかとなった。高歩留無洗米は, 白度が高く洗米水の濁度や乾固物量が低いなど無洗米としての品質特性を備えていた。しかし, 無洗化処理では胚芽がほとんど除去されないため, 高歩留無洗米は普通精米に比べて炊飯米外観が悪く, 食味評価が低かった。
著者
有田 隆也 伊藤 広明 高木 浩光 曽和 将容
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.145-146, 1990-09-04

細粒度の並列度を効率的に抽出するプロセッサアーキテクチャとして、我々はPNプロセッサを提案し、開発を進めている。PNプロセッサには、1)命令の種類に応じたプロセッサの機能分割、2)シンプルで高速な命令実行順序制御方式の採用、などの特徴がある。プロトタイプモデルでは、プロセッサの処理を、1)転送、2)演算、3)フロー制御(分岐)、の3つに分割して、スカラ処理を細粒度並列実行化している。本稿では、シミュレーションに基づき、上記の特徴について評価する。
著者
小田 寛 大野 道也 大橋 宏重 渡辺 佐知郎 横山 仁美 荒木 肇 澤田 重樹 伊藤 裕康
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.1231-1236, 2000

慢性透析患者では心血管系合併症, とくに虚血性心疾患 (IHD) の発症頻度が高い. 今回, 血液透析 (HD) 患者と持続性自己管理腹膜透析 (CAPD) 患者の凝固, 線溶系の各因子を測定し, IHDとの関連性について検討した.<br>平均年齢48.5歳の健常者20名 (男性9名, 女性11名), 平均年齢52.7歳のHD患者20名 (男性8名, 女性12名), 平均年齢47.8歳のCAPD患者30名 (男性18名, 女性12名) を対象とした. 平均透析期間は45.2か月と43.8か月で, 基礎疾患はいずれも慢性糸球体腎炎である. 凝固系因子として第XII因子活性, 第VII因子活性, フィブリノーゲン, トロンビン・アンチトロンビンIII複合体 (TAT) を, 線溶系因子としてプラスミノーゲンアクチベーターインヒビター1 (PAI-1), α<sub>2</sub>プラスミンインヒビター・プラスミン複合体 (PICテスト), Dダイマーを測定した. またIHDは, (1) 心筋梗塞, 狭心症の有無, (2) 無症候性心筋虚血は運動負荷, 薬物負荷後のタリウム心筋シンチグラフィーの所見から診断した. 以下の成績が得られた.<br>(1) 健常者に比較して透析患者の第VII因子活性, TAT, フィブリノーゲンは高値を示し, 凝固亢進状態にあった. またHDに比較してCAPD患者の第VII因子活性とフィブリノーゲンはさらに上昇していた. (2) 透析患者のPIC, Dダイマーは高値を示し, 線溶亢進状態にあった. なおHDとCAPD患者の間に線溶系因子に有意差は認められなかった. (3) IHDを有する透析患者の第VII因子活性, フィブリノーゲンは上昇していた. この傾向はCAPD患者でより顕著であった.<br>以上より, 透析患者の凝固・線溶系は亢進状態にあり, この傾向はCAPD患者で顕著であった. なかでも第VII因子とフィブリノーゲンはIHD発症の危険因子であることが示唆された.
著者
松津 賢一 杉野 公則 伊藤 公一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.162-166, 2018 (Released:2018-11-19)
参考文献数
18

バセドウ病の外科治療は,まだ他の治療法も補充療法もない時代に始まった。必然的に治療の目標は術後甲状腺機能正常となる寛解に置かれ,亜全摘が標準術式となった。その後,補充療法が確立されると全摘術が治療の選択肢に加わった。そして放射性ヨウ素治療,次いで薬物療法が導入されると外科治療の適応は明確に減少した。今日の外科治療の適応は薬物療法に対する副作用や抵抗性,難治性,早期に機能改善を得たい場合,圧迫症状を伴う大きな甲状腺腫,免疫学的改善を得たい場合など,ほぼ再発が許容できない症例に限定されてきた。これに伴って治療の目標は寛解から再発のない治癒に変わり,結果的に長らく行われてきた亜全摘術に代わって全摘術が標準術式になった。残された課題は外科治療特有の合併症をいかに減らすかに絞られてきており,近年では超音波凝固装置などのデバイスや神経刺激装置(NIM),あるいは内視鏡手術なども保険適応となっている。
著者
北原 曜 伊藤 建夫
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.83-89, 2015

Genetic analysis of female Argynnis (Fabriciana) adippe pallescens specimens (n=8) collected in Nagano Prefecture revealed two distinct haplotypes. Adult butterflies obtained from the fertilized eggs deposited by the females of both haplotypes were used in cage pairing experiments. While the morphological differentiation is small between two haplotypes, the shape of the dorsal lines of the mature larvae, the background color and mottled markings on the underside of the hindwings of the adults can be used for species identification. No copulation was observed between individuals of the two haplotypes in the cage pairing experiment, suggesting the existence of premating isolation between the two haplotypes.
著者
伊藤敦子
雑誌
東邦医会誌
巻号頁・発行日
vol.35, pp.194-199, 1988
被引用文献数
3
著者
松田 智行 上岡 裕美子 伊藤 文香 鈴木 孝治 富岡 実穂 木下 由美子
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.449-459, 2011
参考文献数
14
被引用文献数
1

【目的】地震を想定した災害時要援護者(以下,要援護者)に対する避難支援の地域ケアシステムを構築することを目的に,移動に障害を有する要援護者の避難訓練を報告し,避難支援に対する理学療法士の必要性を提言する。また,避難訓練の事例集(以下,事例集)を作成し,事例集が地域の保健医療専門職にどのような点で有用であるのかを検討する。【方法】要援護者5名に対して,研究者らが独自に作成した調査票と実施手順をもとに避難訓練を実施した。さらに,茨城県内の市町村と保健所,訪問看護ステーションの149名に,5事例の事例集を配布し,郵送にて利用方法に関する質問紙調査を行った。【結果】5事例のうち,自力での避難が困難な2事例について詳細な報告を行う。2事例に対して,停電を考慮した避難方法を指導し,屋外への避難訓練が実施できた。質問紙調査は,22件(回答率14.9%)の回答があり,事例集の主な活用方法は,要援護者とその家族,専門職種への避難支援教育の教材であった。【結論】地域ケアシステム構築に向けて,避難を可能にするために地震発生前からの理学療法士の関与は重要である。さらに,事例集は,避難支援教育の教材として有用である可能性が示された。
著者
堀 智織 加藤 正治 伊藤 彰則 好田 正紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.2407-2417, 2000-11-25
参考文献数
9
被引用文献数
9

本論文では, 確率文脈自由文法(Stochastic Context Free Grammar:SCFG)を大語彙連続音声認識に適用する手法として, 文節単位の係り受け制約をもつSCFGを提供する.SCFGは, N-gramのような局所的な制約だけでなく, 文全体にわたる大局的な制約をも記述できることから, 非常に表現力の高い言語モデルとして知られている.しかし, SCFGのパラメータ推定にはInside-Outsideアルゴリズムを用いる必要があり, 非終端記号数の3乗, かつ入力系列長の3乗に比例する莫大な計算量を要する.そのため, SCFGは大量のテキストコーパスから推定することが難しく, これまで大語彙連続音声認識用の言語モデルとして利用されることはほとんどなかった.提案する文節単位の係り受けSCFGは, Inside-Outsideアルゴリズムの計算量を係り受けの制約により非終端記号数の2乗に, 文節単位の導入により更にその約1/8に削減できる有効なモデルである.EDRコーパスを用いた実験では, 提案法を含む各種SCFGの性能とパラメータ推定に要する処理量を比較し, 提案法が計算量を大幅に削減しつつ, パープレキシティがほとんど増加しいことを示す.毎日新聞コーパスを用いた実験では, 大規模な文節単位の係り受けSCFGを構築し, 大語彙連続音声認識システムに実装する.そして, 語彙サイズ5000の音声認識実験を行い, SCFGによる認識性能はTrigramには及ばないものの, Trigramと併用した場合にはTrigram単独の場合に比べて約14%の単語誤りを削減できることを示す.
著者
伊藤 弘 仲谷 寛 沼部 幸博 鴨井 久一 辰已 順一 栗原 徳善 渡辺 幸男 池田 克已
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.417-428, 1993-06-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
36
被引用文献数
2 1

本研究の目的は, 垂直性骨欠損においてコラーゲンより精製した吸収性膜を組織再生誘導法 (GTR法) に応用し, 臨床的な評価を検索することである。慢性辺縁性歯周炎と診断され, 歯周初期治療終了後, 外科処置の必要性がある垂直性骨欠損を有する31名の患者に対してGTR法を応用した。GTR法は通常のフラップ手術に準じて行った。すなわち, 粘膜骨膜弁にて剥離, 翻転した後, 骨欠損部にコラーゲン膜を完全に覆うように調整し, 歯肉弁を復位し縫合を行った。術後3カ月, 6カ月に各々臨床評価を行った。その結果, 術後3カ月では術前と比較して骨変化量は, 1.15mmの増加, 付着の獲得量は, 1.52±1.81mmの増加, また, ボケットの深さは2.75±1.54mmの減少を認めた。術後6カ月では術前と比較して骨変化量は, 1 . 26mmの増加, 付着の獲得量は, 1.68±1.75mmの増加, また, ポケットの深さは2.84±1.54mmの減少を認めた。以上の結果より, 歯周組織の再生を目的としたGTR法におけるコラーゲン膜の応用は有用な処置方法であることが示唆された。