著者
佐藤 太裕 谷垣 俊行 佐藤 諭佳 島 弘幸 井上 昭夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_25-I_34, 2016 (Released:2017-01-29)
参考文献数
26
被引用文献数
1 5

自然界に生息するタケは中空円筒であり,かつ節と組織構造を有する植物である.これは適者生存の厳しい環境下でできるだけ強く,高く生育するためにタケ自身が進化の過程で獲得してきた形態であり,力学的に極めて高い合理性を有すると考えられる.本研究は,タケの生態を構造力学的に紐解き,節配置の高さ方向分布と維管束の横断面内分布の不均一性が織り成す力学的優位性を実証するものである.この研究により,曲げを受けるタケの節配置による断面偏平抑制効果を剛性に関する異方性を考慮した無次元パラメータにより記述し,タケが外力により生じる曲げモーメント分布に合わせて断面偏平を効率的に抑制していること,また横断面内維管束分布は曲げ剛性を高めるように効果的に配置されていることが初めて理論的に示された.
著者
佐藤 太一 山田 一隆 緒方 俊二 辻 順行 岩本 一亜 佐伯 泰愼 田中 正文 福永 光子 野口 忠昭
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.579-587, 2016-07-01 (Released:2016-07-23)
参考文献数
35
被引用文献数
1 2

目的:痔瘻癌の臨床病理学的検討を行った.方法:1997年から2014年までに経験した痔瘻癌25例の臨床病理学的特徴と治療成績を検討した.結果:平均年齢は58歳(34~82歳),男性23例,女性2例であった.痔瘻癌の診断までの痔瘻罹病期間は中央値12年(1~50年)で,7例がクローン病合併例であった.確定診断に至った方法は,腰椎麻酔下生検が14例,内視鏡下生検が6例,局麻下生検が3例,細胞診が1例,開腹手術中の迅速組織診が1例であった.確定診断までの検査回数は平均2回(1~4回),診断までに要した検体数は平均7個であった.14例に腹会陰式直腸切断術,10例に骨盤内臓全摘術,1例にハルトマン手術が行われた.組織型は粘液癌が68%,リンパ節転移陽性症例が40%,4例に鼠径リンパ節転移を認めた.全25例における5年生存率は45.8%であった.根治度別にみると,根治度AB症例は根治度C症例と比べて有意に予後良好であった(P<0.0001).クローン病合併の有無で痔瘻癌を2群に分けて臨床病理学的因子を比較したが,クローン病合併例は癌診断年齢が有意に若いこと以外,2群間で有意差を認めなかった.結語:長期の難治性痔瘻症例は臨床症状の変化,悪化に着目し,痔瘻癌が疑われた場合は,積極的に生検組織診断を繰り返し行うことが重要である.切除可能な症例に対しては完全切除を目指した積極的な拡大手術が望まれる.
著者
杉本 祐介 佐藤 太一 土井 千章 中川 智尋 太田 賢 稲村 浩 内藤 克浩 水野 忠則 菱田 隆彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. UBI, [ユビキタスコンピューティングシステム] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.50, pp.1-6, 2015-02-23

近年,インターネット上では,Facebook や Twitter における日記や amazon.com や食べログにおけるレビューなど,ユーザからの投稿を利用したサービスが数多く普及している.これらのサービスに寄せられる投稿の中には,楽しい,きれいといった感情を示す感情語が数多く含まれており,先行研究では,そういった感情語を利用した観光地のレコメンド手法の提案を行った.その際,喜びや楽しみ,好みなどのポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに集中してしまうという問題があり,詳細な分類を行うためにはこの問題を解決する必要があった.そこで本研究では,ポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに固まってしまう問題を解決し,レコメンドに適した感情語の分類方法の提案を行う.
著者
佐藤 太一朗 松下 章 山下 康範 亀澤 祐一 宇野 克久 風間 宏志.
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.244, pp.47-52, 2002-07-19
参考文献数
6
被引用文献数
1

インターネットの普及・ブロードバンド化の進展へ向け,様々なIPベースの衛星通信サービスが提供されている.このようなIPベースの衛星通信に対して音声通信を適用するため,VoIP技術を適用した場合に衛星回線の状態やネットワーク遅延がEnd-endの音声品質に与える影響を評価した.本稿では,擬似衛星回線による試験構成を用いて,通話品質をPSQM+により測定し,衛星回線品質(BER)の劣化時、および音声系トラフィックとWeb系トラフィックとの共用時における通話品質への影響を明らかにし,衛星通信へのVbIP適用の可能性を示した.
著者
杉本 祐介 佐藤 太一 土井 千章 中川 智尋 太田 賢 稲村 浩 内藤 克浩 水野 忠則 菱田 隆彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ASN, 知的環境とセンサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.480, pp.263-268, 2015-02-23

近年,インターネット上では,FacebookやTwitterにおける日記やamazon.comや食べログにおけるレビューなど,ユーザからの投稿を利用したサービスが数多く普及している.これらのサービスに寄せられる投稿の中には,楽しい,きれいといった感情を示す感情語が数多く含まれており,先行研究では,そういった感情語を利用した観光地のレコメンド手法の提案を行った.その際,喜びや楽しみ,好みなどのポジティブな感情語が1つのカテゴリに集中してしまうという問題があり,詳細な分類を行うためにはこの問題を解決する必要があった.そこで本研究では,ポジティブな感情語が1つのカテゴリに固まってしまう問題を解決し,レコメンドに適した感情語の分類方法の提案を行う.
著者
佐藤 太亮 三宅 真立 金子 修
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.142, no.3, pp.299-306, 2022-03-01 (Released:2022-03-01)
参考文献数
14
被引用文献数
5

In this paper, we propose a method to achieve a given desired tracking property with only minimal information on the control target by combining FRIT with some extensions to the intelligent PID control system. The intelligent PID control system has a simple structure and can stabilize a system using only parameters without requiring much dynamic characteristics of a control target. Here we firstly extend the intelligent PID to Proportional differentiel leading typed PID controller, which is abbreviated as iI-PD controller, to guarantee the stability of the closed loop for broader class of plants compared with the original inteliggent PID control systems. Secondly, we apply FRIT to decide the parameters of a controller with only one-shot experiment to follow the desired response. Thus, by combining FRIT, we obtain controller parameters which is adjusted so that it enable not only output to follow the desired response but also guarantee the stability of the closed loop system with only an initial experimental data. We also verify the effectiveness of the proposed method with numerical examples.
著者
佐藤 太裕 蟹江 俊仁 島 弘幸
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では自動車が走行した際に未舗装路に生じる「波状起伏現象」、および積雪・凍結路面特有のこぶ状の起伏、いわゆる「そろばん道路」について、その発生メカニズムを独自に考案した科学的アプローチにより解明することを目的とした挑戦的研究である。実験・理論・計測の三方向から現象の根源に迫り、成果報告書に後述するいくつかの興味深い知見を得ることができた。
著者
松川 啓義 八木 孝仁 貞森 裕 松田 浩明 篠浦 先 楳田 祐三 成島 道樹 岩本 高行 佐藤 太祐 田中 紀章
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.40, no.12, pp.1915-1920, 2007 (Released:2011-06-08)
参考文献数
18
被引用文献数
3 5

内臓逆位症は合併奇形が多く, かつ内臓逆位による診断治療の困難性が診療上問題である.完全内臓逆位症, Kartagener症候群に合併した肝腫瘍に肝拡大後区域切除を安全に施行した1例を経験した. 症例はKartagener症候群 (気管支拡張症, 副鼻腔炎, 右胸心) の55歳の女性で, 腹部臓器も逆位の完全内臓逆位症で, 肝後区域中心に13cm径の血管性腫瘍を認めた. 内臓奇形・変異としては肝部下大静脈欠損・奇静脈連結・上大静脈還流, 肝静脈右房還流, 右腎静脈半奇静脈還流, 多脾, 膵体尾部欠損, 腸回転異常がみられた. 術中所見では肝部下大静脈欠損により解剖学的肝右葉は後腹膜に固定されず, 解剖学的右三角間膜から後腹膜無漿膜野はほとんどみられなかった. 完全内臓逆位症に対する肝切除も, 左右鏡像関係, 腹部臓器・脈管の変異を念頭におき, 解剖学的構造を同定認識し手術操作を行うことで通常の肝切除例と同等な切除手術が可能であった.
著者
内野 峻輔 佐藤 太一 中村 裕幸 五十嵐 洋
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
IIP情報・知能・精密機器部門講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, pp.G-4-2, 2016

<p>In this study, we constructed a driving simulator and attempted to assist the driver in parallel parking by presenting auditory stimuli. For this purpose, we developed an acoustic information system that has the driver turn the steering wheel on the basis of sound-pressure differences in white noise output from left and right speakers. This system provides acoustic feedback to the driver based on deviation from the target value for steering wheel operation. First, we conducted an experiment to identify the manner in which people react to acoustic information given in this way and establish appropriate control parameters. Next, we investigated how acoustic information could affect driving characteristics in parallel parking. Furthermore, based on the parallel parking experimental results, we investigated and fixed the appropriate control parameters for each operating value of steering wheel. Even if we use the fixed control parameters, the acoustic information system is effective in providing driving support.</p>
著者
佐藤 太一 久保田 直行
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第31回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.115-120, 2015 (Released:2016-02-26)

本研究では,複数のロボットのコミュニケーションを対象とし,コミュニケーションにより生成される集団的な意識に関する議論を行う.ロボットには,マルチモーダルコミュニケーションを行うことができるパルロを用いる.関連性理論では認知環境に基づき,第一原則として認知原則,第二原則として伝達原則が議論されている.一方,ルーマンの社会システム理論では,話者が構成要素ではなく,コミュニケーションが構成要素として用いられ,コミュニケーションがコミュニケーションを生み出す自己産出系として考えられている.本研究ではこのようなシステム論的観点と関連性理論に基づき,人間とロボットのコミュニケーションの違いに関する議論を行う.
著者
小川 明男 秋田 幸彦 鵜飼 克行 太田 淳 大島 章 京兼 隆典 七野 滋彦 佐藤 太一郎
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.2387-2392, 1991-10-25 (Released:2009-03-31)
参考文献数
10

短期間で幽門前庭部狭窄が増悪し,進行胃癌と鑑別に苦慮した胃十二指腸潰瘍の1例を経験したので報告する.症例は71歳男性で,頭部外傷の既往があり常時頭痛があるため近医より投薬を受けていた. 1989年10月16日吐血し当院入院となった.上部消化管検査にてBorrmann 4型の進行胃癌を疑診したが,生検結果で悪性所見を認めなかった.幽門前庭部狭窄が著明に進行したため11月22日幽門側胃切除,十二指腸切除を施行した.切除標本では胃体下部小弯,前後壁に三条の巨大帯状潰瘍(Ul-II),その肛門側に十二指腸球部にまで及ぶ長さ7cmの全周性狭窄部を認めた.病理組織像では粘膜の軽度の炎症所見と粘膜下層における膠原線維の増生,更に全周性狭窄部では固有筋層の著明な肥厚を認めた.幽門前庭部狭窄は慢性炎症の繰り返しによるものと考えられた.増悪の誘因として,薬剤,循環障害が考えられた.
著者
杉本 祐介 佐藤 太一 土井 千章 中川 智尋 太田 賢 稲村 浩 内藤 克浩 水野 忠則 菱田 隆彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.50, pp.1-6, 2015-02-23

近年,インターネット上では,Facebook や Twitter における日記や amazon.com や食べログにおけるレビューなど,ユーザからの投稿を利用したサービスが数多く普及している.これらのサービスに寄せられる投稿の中には,楽しい,きれいといった感情を示す感情語が数多く含まれており,先行研究では,そういった感情語を利用した観光地のレコメンド手法の提案を行った.その際,喜びや楽しみ,好みなどのポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに集中してしまうという問題があり,詳細な分類を行うためにはこの問題を解決する必要があった.そこで本研究では,ポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに固まってしまう問題を解決し,レコメンドに適した感情語の分類方法の提案を行う.
著者
津田 幸穀 福士 純一 松本 光司 佐藤 太志 菊池 克彦 本村 悟朗 井口 明彦 伊藤 康正 岩松 陽一郎 佐本 信彦 泊 真二
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.652-655, 2008-09-25 (Released:2008-11-20)
参考文献数
6

比較的稀な外傷である上腕三頭筋腱皮下断裂を経験したので報告する.症例は69歳女性.二分脊椎に伴う両下肢不全麻痺のため,両松葉杖歩行中,転倒し右肘痛を生じた.近医を受診し,上腕三頭筋腱断裂の診断で当科紹介された.初診時,右上腕遠位に腫脹・圧痛・皮下出血,肘頭近位に陥凹を触知.可動域制限,筋力低下はあるも,肘伸展は可能であった.MRIで三頭筋腱の連続性消失,周囲にT2高信号の浮腫,出血像を認めた.腱縫合術を施行し,肘頭に骨孔を作成し断端を縫着した.術後3週間のシーネ固定を予定したが安静を保てず,術後17日目に再断裂を確認.再度肘頭に縫着し,人工靭帯で補強を行った.再手術後は3週よりROM訓練開始し,術後8週にはROM 20~120°となり,筋力も回復した.上腕三頭筋腱皮下断裂の治療では腱縫合が推奨され,一般に予後も良好である.再断裂の報告は少ないが,慎重な後療法を行う必要がある.
著者
古賀 倫子 佐藤 太一 松野 隆太 蔭山 怜
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.83, no.855, pp.17-00220-17-00220, 2017 (Released:2017-11-25)
参考文献数
9

We investigated the damping mechanism of a granular material damping system applied to reducing vibration in structures that have a high natural frequency and small vibration displacement. Experiments were conducted under several conditions of total mass of granules. We also constructed a computational model of a single-degree-of-freedom vibration system with a granular material damper to study the mechanism of a granular material damping system. On the basis of the fundamental idea that the damping effect of a granular material damper is governed by the motion of the granules, we classified the granular materials as “relative motion mass” and “equivalent added mass” in the translational motion and as “rotating mass” and “not rotating mass” in the rotational motion and then considered the relationship of these mass classes to the damping characteristics. In this report, we examine the relationships of the motion of the granular materials, “relative motion mass” and “rotating mass”, and damping ratio by means of experiments and calculations for structures that have a high natural frequency and small vibration displacement.