著者
佐藤 裕二 北川 昇 七田 俊晴 畑中 幸子 内田 淑喜
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.230-232, 2020-12-31 (Released:2021-01-28)
参考文献数
4

目的:2020年6月に,2019年6月(医療保険導入後1年2カ月)の社会医療診療行為別統計が公表されたので,これを前報の2018年6月の実施状況と比較することで,最新の口腔機能低下症の検査・管理の実態を明らかにすることを目的とした。 対象と方法:2019年6月および2020年6月に発表された社会医療診療行為別統計により,2018年6月(医療保険導入後2カ月)および2019年6月(医療保険導入後1年2カ月)の口腔機能低下症の検査・管理の実施状況を調査した。 結果:医療保険導入1年2カ月後には,咀嚼能力検査は前年の統計に比較して約5倍,舌圧検査は約2倍,口腔機能管理加算は約4倍となったが,咬合圧検査はほとんど変化がなかった。 考察:普及したとはいえ,初診患者の1%以下の検査実施率であり,これは,まだまだ普及の途上であるといえる。 結論:検査・管理は普及してきているものの,さらに普及させる必要性が示唆された。
著者
佐藤 裕介 金堂 雅彦 平野 芳則 山内 亮佑 谷村 浩史 舩津 宣成 藤井 隆良
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1618-1623, 2019 (Released:2019-11-25)
参考文献数
14

ダウンサイジングターボ等の内燃機関の大幅な燃費向上は、エンジン加振力増大を招くため、車体への加振力を遮断する新たなマウントシステム構築が必要である。要求機能が相反した複雑なシステムを単純化して成立させる公理的設計を活用して、アクティブトルクロッドシステムを創案し、燃費向上と静粛性を両立させた。
著者
佐藤 裕 横谷 砂貴子
出版者
日本育種学会
雑誌
育種学研究 (ISSN:13447629)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.127-134, 2008-12-01
被引用文献数
1

イネは自殖性作物ではあるが,冷害年に他殖率が上昇し,周囲の他品種との交雑率が上昇することが経験的に知られている.しかしながら,低温による雄性不稔化が交雑率を上昇させることを実証するデータは,これまでに得られていない.そこで本研究では,低温によるイネ花粉の雄性不稔化が交雑率に及ぼす影響を明らかにするために,穂ばらみ期の小胞子初期に低温処理したイネと無処理のイネにおける交雑率の違いを調べた.種子親としてモチ品種「はくちょうもち」,花粉親としてウルチ品種「ほしのゆめ」を供試した.種子親に稔実した種子について,キセニアの観察とSSRマーカーにより交雑の確認を行った.花粉親区の規模を大きくした圃場試験では,花粉親由来のウルチ花粉と種子親由来のモチ花粉をヨード・ヨードカリ溶液染色により識別して空中花粉密度を調べた.人工気象室内での試験では,対照区の交雑率が0.19%であったのに対し,低温処理区では1.28%と6.7倍にまで高まった.圃場試験では,低温処理区における種子親由来の空中花粉密度が,対照区比で約40%にまで減少した.交雑率は,花粉親からの距離1mの対照区では0.02%であったのに対し,低温処理区では5.55%と278倍にまで高まった.花粉親からの距離5mの対照区では,交雑が全く認められなかったのに対し,低温処理区では2.96%の交雑が認められ,花粉親から5m離れていても低温処理により大幅に交雑率が高まることが明らかとなった.さらに,低温処理による稔実率の変化と交雑率との間には,花粉親からの距離1mの低温処理区でr=-0.653^<***>,同5mの低温処理区でr=-0.462^<**>と有意な負の相関関係が認められた.以上の結果により,低温による雄性不稔化で自花の花粉密度と稔実率が低下したイネでは,交雑率が大幅に高まることが実証された.
著者
金子 仁 Cecchini Nicole M. 清水 敬樹 光銭 大裕 堀越 佑一 松吉 健夫 鈴木 大聡 佐藤 裕一 三宅 康史
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.844-851, 2022-10-31 (Released:2022-10-31)
参考文献数
20

アメリカ合衆国パラメディックは,病院前救護で多彩な医療行為を実践する。このパラメディックを養成する1施設の調査を行った。全米標準カリキュラムに基づいた教育プログラムと学生64名の臨床経験を調査した。課程期間44週間で学生は516時間の講義とシミュレーション手法を含む実習,病院実習234時間(以下,中央値),救急車同乗実習329時間,救急車でのインターンシップ80時間を経験した。この間,学生は成人患者136人,高齢者82人,小児43人の傷病者・患者,それに伴う病態を多数経験した。指導および監督下で,学生は実際の傷病者・患者に対して経口気管挿管5回,静脈路確保86回,薬剤投与106回を含む侵襲的処置を実施した。救急車同乗実習では学生が主体でチーム指揮,傷病者対応を行う実践的実習が実施されていた。米国の標準的パラメディック養成教育は長時間の病院と救急車での臨床的経験を提供し,侵襲的処置を自ら判断,実施するon-the-job教育が行われている。
著者
佐藤 裕 佐藤 清治 広橋 喜美 伊山 明宏 原岡 誠司 溝口 哲郎 片野 光男 樋高 克彦 原田 貞美 藤原 博 山本 裕士 久次 武晴
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.577-584, 1989-03-25 (Released:2010-01-21)
参考文献数
18
被引用文献数
11

1985年5月から1987年12月までの3年7ヵ月の間に,6名のシートベルトに起因する鈍的腸管・腸間膜損傷を経験したので報告する. 症例は男性5名,女性1名の計6名で,平均年齢は51.7歳であった.このうち,盲腸破裂と多発小腸穿孔をきたし,すでにshock状態におちいっていたために,回盲部切除を余儀なくされた女性を術後敗血症で失なった以外は全例軽快退院した.また大腸に損傷のあった5例中,遊離穿孔に至っていたのは2例のみで,あとの3例は腸間膜損傷をともなった腸管壁の漿膜筋層断裂にとどまっており,腸管切除をせずに吸収糸にて縫縮,修復するのみで良好な結果を得た. 診断面においては,腹部CT検査が腹腔内遊離ガスと液体貯留をあわせて同定でき,しかもその性状にも言及できる利点があり非常に有用であった. 交通事故の増加とシートベルト着用の義務化にともない,今後シートベルトによる鈍的な腸管・腸間膜損傷が増加するものと考えられる.シートベルトを着用した交通外傷患者の診療に際しては,常にこのことを念頭おくべきことを強調したい.
著者
佐藤 恵実子 今山 修平 佐藤 裕
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.613-621, 1985-08-01 (Released:2012-03-15)
参考文献数
24

71才男子。多彩な皮膚症状を呈し, 心不全で急死した原発性全身性アミロイドーシスの1例を報告した。剖検により, 全身の諸臓器にアミロイドの沈着が認められた。皮疹部の光顕所見では, ダイロン, コンゴ·レツド染色で, アミロイドの沈着を真皮に認め, 血管周囲にもアミロイドの沈着が認められた。電顕所見では, 表皮基底膜直下から, 真皮にかけてアミロイド塊が認められ, その間を線維芽細胞が突起を伸ばしていた。一部, 線維芽細胞の突起の間に, 正常なコラーゲン線維が残存しているのが観察された。また, 血管内皮細胞の基底膜の間質側に密接して, アミロイド細線維が認められており, これら光顕·電顕所見から, 血管内皮細胞を透過したアミロイドの前駆蛋白が, 何らかの機序でアミロイド細線維となり, 組織間液の流れにのつて拡散し, 線維芽細胞, 最終的には表皮基底膜にさえぎられて蓄積していつたものと考えた。
著者
佐藤 裕
出版者
東北社会学会
雑誌
社会学年報 (ISSN:02873133)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.19-29, 2019-08-30 (Released:2021-02-26)
参考文献数
2

「差別をする」というのはどういうことだろうか.私の研究テーマは差別論であるが,私の関心は差別「されている」実態を明らかにすることではなく,差別を「する」こと,あるいは差別の方法・技術を描くことに向けられている. 差別行為の記述は,差別に対抗するワクチンとしての意味を持つと私は考えている.本論では,具体的な事例の分析を通して,差別行為の記述がどのような意味を持つのかを明らかにしていきたい.
著者
佐藤 裕
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.65-76, 2013-12-30 (Released:2017-08-31)

Studies on language acquisition in infants have recently used brain imaging methods, such as NIRS (near infrared spectroscopy) and EEG (electroencephalography) measurements, as well as classical behavioral methods. These studies have demonstrated developmental changes in neural and behavioral responses during speech processing. In this article, I review some studies on Japanese infants and address development of behavioral and brain responses to Japanese lexical pitch accent and phonemic vowel length underlying the change in speech perception abilities.
著者
佐藤 裕司 居平 昌士 松田 功 熊野 茂
出版者
日本珪藻学会
雑誌
Diatom (ISSN:09119310)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.193-199, 1997

Diatom assemblages in sediments were analyzed to clarify sedimentary environments during the mid- to late-Holocene and to determine the upper limit of marine facies at the Mokoto site along the Okhotsk Sea in Hokkaido.<BR>There was a replacement of marine and brackish-water diatoms by freshwater ones at +1.80 m altitude. Marine and brackish-water diatoms occurred over 40 % at the horizons below +1.80 m altitude, where a marine diatom <I>Cocconeis scutellum</I> and brackish-water diatoms <I>Bacillaria paradoxa, Navicula peregrina</I> and <I>Synedra tabulata</I> occurred. This indicates that sedimentation took place under a lagoon-like environment. Peat accumulation and the dominance of freshwater epiphytic diatoms indicate peat moor environments at the horizons above +1.80 m altitude. At about 5,500 yrs BP, the Mokoto site changed from lagoon littoral to peat moor conditions. Based on the diatom assemblages in sediments, the upper limit of marine facies can be regarded to be +1.80 m altitude, indicating the mid-Holocene sea-level high stand at the Mokoto site.
著者
橋本 哲 水野 研一 佐藤 裕樹 高綱 将史 横山 純二 市川 寛 渡邉 玄 味岡 洋一 寺井 崇二
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.295-299, 2020-03-25

疾患の概念 食道壁内偽憩室症は,1960年にMendlら1)によって初めて報告された,粘膜および粘膜下層の食道腺導管が囊状に拡張したまれな疾患である.多発する小さい憩室様の所見を呈するが,通常の仮性憩室とは異なり,固有筋層の外側に伸展することはない.明らかな発症原因は不明であるが,真菌や細菌感染,逆流性食道炎,アルコール多飲などに伴う慢性炎症により,食道腺や導管に炎症が波及し病的拡張を来すと推察されている.
著者
佐藤 裕也 華山 宣胤
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.89-90, 2015-03-17

競馬の馬の着順予想についての研究はこれまでに多く行われ、様々な着順予想の方法が考案されてきた。しかし、これまでの研究で使われてきた着順予想の方法を筆者の持つ、JRAのデータに当てはめると、一部のレースでは着順予想の精度が高い予想ができるものの、全てのレースではあまり精度の高い予想が出来ないものが多いということが分かった。そこで、本研究では、馬のオッズや得票率を用いて着順の予想するハーヴィルの公式、馬券の得票率の不平等さを測るジニ係数等を用いて、競馬のレースを馬券の投票数が多い馬が上位に入賞するようないわゆる堅いレース、馬券の投票数が多い馬が上位に入賞しないいわゆる荒れるレースに分類を行う。

2 0 0 0 OA 2. 全天周撮影

著者
庄原 誠 佐藤 裕之 山本 勝也
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.652-657, 2015 (Released:2017-09-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
佐藤 裕
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.59, pp.1-33, 2013

ウィトゲンシュタインの哲学,特に「哲学探究」を中心とする,いわゆる「後期」のそれは,社会学という学問分野においても多くの議論を呼び起こしてきた。とりわけ,「規則(に従うこと)」や「私的言語」といった論点は,「言語(活動)」と「社会」との接点に位置しており,社会学者にとって意義のある検討課題であろう。 しかし,後期ウィトゲンシュタインの「中心テーマ」と評されることもある,「言語ゲーム」という概念それ自体は,それほど主題化されてこなかったのではないかと私は考えている。これは,ウィトゲンシュタイン自身がこの概念を明確には定義しておらず,むしろ積極的な定義を避けているようにも見える,といったことにもよるだろうし,この概念を理論的な概念であるというよりは理論の方向性を(漠然と)示すものとして受け止められてきたためではないかとも思う。 しかしながら,少なくとも社会学にとっては,この「言語ゲーム」という概念は,それ自体が詳細に検討する価値のある概念なのではないかと私は考えている。そこで,本論では「言語ゲーム」という概念そのものを主題化することにより,社会学におけるこの概念の利用可能性を検討したい。
著者
日高 勇一 小池 貢史 三角 瞬 吉川 理紗 小西 祐子 佐藤 裕之 平井 卓哉 三堂 祥吾 堀井 洋一郎 都築 直 萩尾 光美
出版者
日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.5-12, 2017-10-31 (Released:2017-11-15)
参考文献数
19

鼻腔内の未分化癌 (症例1)、移行癌 (症例2) と診断された犬2例に対し、パクリタキセル/白金製剤併用の非選択的動注化学療法を行った。それぞれの投与量は全身化学療法の推奨量の25%から35.5%に減量し、総頚動脈から注入した。症例1は著しい腫瘍の減容積が得られたが、治療後の生存期間は53日であった。症例2においても約3カ月間部分寛解が得られたが、治療後の生存期間は126日であった。本療法による副作用は、症例1ではみられず、症例2においても軽度であった。本報告における非選択的動注化学療法は、手技が容易かつ簡便であり、投薬量の減量により安全に実施し得た。本療法は、その間隔、回数および薬剤の投与量に課題が残るものの、犬の鼻腔内悪性腫瘍に対し、緩和効果が得られる可能性が示唆された。
著者
崔 在和 佐藤 裕
出版者
The Geodetic Society of Japan
雑誌
測地学会誌 (ISSN:00380830)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.159-180, 1997

最近完了した韓:国の新精密測地測量の成果と,1910-1915年に実施された旧三角測量の成果との比較から,韓国における過去約80年間の地殻水平歪みを求めた.韓国の最大剪断歪み速度の平均は0.12μ/yrで,日本の値の約1/3程度であり,その分布パターンは,韓国の地震活動の空間分布と調和的である。圧縮歪み主軸方位の平均はN80°Eである.この歪み主軸方位は,韓半島周辺の地震メカニズムのP一軸方位分布と良く対する.面積歪みは,新旧測量のスケール誤差のため,求めていない.