著者
佐藤 佑哉 松原 仁
雑誌
第84回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2022, no.1, pp.519-520, 2022-02-17

近年,VTuber(Virtual-YouTuber)業界が急成長している.VTuberとは二次元の姿を用いた動画投稿者のことである.VTuberは事務所所属の企業Vと呼ばれるVTuberと,個人活動の個人Vと呼ばれるVTuberに大きく分けられる.各々のチャンネル登録者を見ると,企業Vが上位で個人Vが下位に多い傾向にある.そこで,個人Vと企業Vが平等にお勧めされるようなシステムを模索していく.その手法として,まずVTuberの動画等のコメント欄からコメントを抽出し,形態素解析して単語に分解する.その後,その割合の類似などをもとにお勧めする手法を考えた.本研究では,この手法が同じ事務所内の企業Vに縛られないかの検証として,複数の事務所の企業Vを対象に試行し,検証した.
著者
佐藤 郁哉 Ikuya Sato
出版者
同志社大学商学会
雑誌
同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) (ISSN:03872858)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.27-63, 2018-07-20

本論文では、2000年前後から日本の高等教育セクターにおいて頻繁に使用されるようになったPDCAという用語の普及過程とその用法について検討を加えていく。また、その事例の分析を通して日本におけるニュー・パブリック・マネジメント(NPM:新公共経営)が陥りがちな落とし穴について明らかにしていくことを目指す。事例分析の結果は、業務の効率化を目指して導入されたPDCAの発想がその本来の意図とは正反対の極端な非効率と不経済をもたらす可能性があることを示している。
著者
野中 裕斗 武田 亜矢 横枕 直哉 狩集 弘太 上田 和弘 佐藤 雅美
出版者
一般社団法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.661-665, 2023-11-15 (Released:2023-11-15)
参考文献数
12

術中に#3aリンパ節腫大を認め,摘出したところ混合型大細胞神経内分泌癌のスキップ転移であったにも関わらず,長期生存を得た症例を経験したので報告する.症例は45歳, 男性.右S1の原発性肺癌に対し,胸腔鏡下右上葉切除術ならびに肺門縦隔リンパ節郭清を施行した.術中,上大静脈前方に炭粉沈着を伴う腫大した#3aリンパ節を認め,追加で摘出した.病理診断は混合型大細胞神経内分泌癌で,#3aリンパ節のみに転移を認め,pT2a(pl1)N2M0,pStageIIIAと判定した.術後補助化学療法を施行し,術後5年7ヵ月の現在,無再発生存中である.一般的なリンパ節郭清範囲外へスキップ転移する症例もあり,胸腔内の観察と適切な切除が重要である.
著者
佐藤 力 宮下 照夫
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.518-523, 1981-07-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
7
被引用文献数
4 4

A gyro-two-wheel vehicle was designed, realized and experimented which stably stood during not only running but also stopping. A horizon sensor, a servomoter, a perpendicular gyroscope and electronic circuits were used in order to stabilize the vehicle, whose center of gravity was located at higher position than the supporting plane. After the stability condition was derived in the corresponding differential equations, the detailed structure was shown including mechanical feature, control system and horizon sensor. Finally experimental trajectories were shown to confirm the stability of the vehicle.
著者
佐藤 邦政
出版者
The Philosophy of Science Society, Japan
雑誌
科学哲学 (ISSN:02893428)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.37, 2023-11-15 (Released:2023-11-15)
参考文献数
34

This paper proposes a transformative virtue that counteracts testimonial injustice by responding to two critiques of the virtue of testimonial justice. First, I demonstrate that self-reflection can function in more varied ways than the direct detection of oneʼs own prejudices, as previously assumed in the literature. Hence, self-reflection can holistically be effective in neutralizing the influence of oneʼs prejudices on oneʼs beliefs. Second, I propose a virtue that encourages epistemic agents to be epistemically acute enough to experience dissonance between perceiving a particular testifier (who is talking in person) as trustworthy and having biased beliefs about the testifierʼs trustworthiness: transformative virtue. Third, I argue that the development of a proper indirect contact theory with relevant epistemic practices can offer epistemic environments that facilitate peopleʼs critical imagination to cultivate a transformative virtue, considering the risk of victimized epistemic agentsʼ vulnerability.
著者
市村 直也 小山 祥美 佐藤 明日香 町田 友美 萩原 三千男 東田 修二
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.67, no.5, pp.708-715, 2018-10-25 (Released:2018-10-27)
参考文献数
11

尿沈渣目視法における識別基準の標準化と検査担当者の分類精度を明らかにするため,『尿沈渣検査法2010』の画像による内部精度管理(internal quality control; IQC)システムを開発した。これは担当者に沈渣成分画像をモニタ上で分類させて,その精度を定量評価するものである。本研究は担当者の分類精度の検証と,臨床検査値の技師間差に対する効果の検証を目的とした。3名の担当者がシステムによるIQCを実施し,成分ごとの一致率と的中率を算出した。さらに臨床検査値の沈渣成分ごとの技師間差と陽性率の時系列変化を観察した。一致率または的中率は,60%を下回った成績不良な成分が担当者により異なっていることを示した。技師間差と陽性率変動幅の経時的推移は,IQC実施後に両値が拡大または縮小した成分があることを示した。さらに技師間差に統計学的有意差を認めた成分の数がIQCを実施した前後3ヶ月で比較すると,11成分から7成分に減少したことがわかった。開発したシステムは担当者の力量を数値化し,またIQCとしての活用により臨床検査値の技師間差に影響する可能性を示した。これは尿沈渣目視法における識別基準を標準化し,さらに検査室内の精密度の向上が期待できる。しかし患者背景などから総合的な判断が必要な沈渣成分ではその効果が限定される可能性があり,臨床検体での陽性率による技師間差の定期評価が必要である。
著者
渡部 昌平 佐藤 嶺 二国 徹郎
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.541-546, 2022-08-05 (Released:2022-08-05)
参考文献数
19

人間同士の関係やインターネット上の関係など現実世界には複雑なネットワークがあらゆるところに存在する.ビッグデータなどのデータ科学の進展と相まってこの複雑ネットワークの理解は急速に進んでおり,スケールフリー性・スモールワールド性だけでなく,お馴染みのフラクタル性などが存在することもわかってきた.さらに現在,量子探索のアルゴリズムが様々なネットワーク構造に適用され,ネットワークと量子探索が織りなす関係の理解が進んでいる.フラクタル構造に着目した場合,その構造を特徴づける指標にフラクタル図形の次元というキーワードがある.ユークリッド次元dE・フラクタル次元df・スペクトル次元dsがそれである.フラクタル次元とスペクトル次元は,ユークリッド次元と違い非整数値になる特徴をもつ.フラクタル図形を生成するとき一辺を何分割するかというスケーリング係数sも特徴量の一つだ.ネットワーク上の量子探索を理解するうえでは,ターゲットを見つけ出すための計算時間Qが格子点数Nに対してどのようにスケーリングするかという問題が重要になる.特に,整数次元dの格子ではQ≥max{ N 1/d, √N}となるのだが,非整数次元の場合にこのdはユークリッド次元dEになるのだろうか? フラクタル次元dfやスペクトル次元dsなのだろうか? そもそもこのような関係式自体が存在するのだろうか? 2010年にPatelとRaghunathanが,シェルピンスキーギャスケットとシェルピンスキー四面体を用いて提案した一つの仮説は,スペクトル次元dsによるQ≥max{ N 1/d, √N}である.著者らはシェルピンスキーカーペットや拡張されたフラクタル格子で幅広く調べ,仮説どおり確かにスペクトル次元dsによるスケーリングであることを確認した.計算時間のスケーリング指数はd=2を境にして切り替わるが,この2次元近傍ではべき則から外れることもわかっている.スピン系などの相転移と同様,量子空間探索でも2次元が臨界的な次元になっている点は大変興味深い.著者らのこの分野でのもう一つの貢献として,有効的計算時間に現れるスケーリング仮説の発見がある.ターゲットサイトでの最大発見確率Pmaxとターゲットを発見する計算時間Qは格子点数に対してそれぞれPmax∝N -αとQ∝N β(ただしα,β>0)のようにべき的に振る舞う.確率から見ると試行回数1/Pmax程度でターゲットの発見を期待するが,量子振幅増幅の議論から試行回数は1/√Pmax程度でよい.これとオラクルの演算回数としての計算時間Qを合わせて,有効的計算時間Qeff≡Q/√Pmaxを新たな指標として導入してみよう.この有効的計算時間はQeff∝N c(ただしc=β+α / 2)とスケールされるが,このスケーリング指数cが,フラクタル図形の特徴量の組み合わせ<inline-graphic xlink:href="abst-p541.png"/>で数値誤差の範囲内で高精度に与えられることがわかった.この仮説は,フラクタル構造を特徴づけるユークリッド次元・フラクタル次元・スペクトル次元・スケーリング係数が一つにまとまって現れるという意味でとても興味深い関係式になっている.現在のこのスケーリング指数に数学的証明は存在せず未解決問題となっている.
著者
大川 滋美 佐藤 直美
出版者
一般社団法人 日本救急看護学会
雑誌
日本救急看護学会雑誌 (ISSN:13480928)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.1-11, 2022 (Released:2022-03-30)
参考文献数
41

目的:救命救急センター勤務年数5年未満の看護師におけるSense of Coherence(首尾一貫感覚)、職業上のストレッサーと精神健康度の関連を明らかにする。方法:看護師経験年数10年未満かつ、救命救急センター勤務年数5年未満の看護師296名に質問紙を配布した。Sense of Coherence尺度29項目(以下、SOC-29)、臨床看護職者の仕事ストレッサー測定尺度(以下、NJSS)、GHQ精神健康調査票28項目(以下、GHQ-28)を用い、GHQ-28を従属変数、GHQ高群・低群間の比較において有意差のあった変数を独立変数として多重ロジスティック回帰分析を行った。結果:193名から回答を得た。看護師経験年数4.6±2.9年、救命救急センター勤務年数2.1±1.3年、精神的不調者が131名であり、精神健康度には、「把握可能感」と「看護職者としての役割に関するストレッサー」が影響していた。考察:職業経験の浅い看護師は、適切なフィードバックを受けるなどの「把握可能感」の形成につながる一貫性の体験が少ないと考えられた。また、「看護職者としての役割に関するストレッサー」には、キャリア発達段階によって求められる役割や救急領域の看護師に求められる役割への葛藤が考えられた。結論:精神健康度を改善するためには、「把握可能感」と「看護職者としての役割に関するストレッサー」の実態を明らかにし、介入方法について検討する必要がある。
著者
佐藤 寛之
出版者
東京理科大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29

ユークリッド空間における制約つき最適化問題の実行可能領域がリーマン多様体をなす場合には,その問題をリーマン多様体上の無制約最適化問題と見なすことができる.本研究では,大規模な最適化問題に対する有効な手法として知られている非線形共役勾配法のうち,ユークリッド空間において比較的弱い条件下で大域的収束性が証明されている Dai-Yuan 型の方法をリーマン多様体上に拡張することで,リーマン多様体上の新たな最適化アルゴリズムを提案した.また,リーマン多様体上の信頼領域法に基づいて,複数の長方行列の同時特異値分解アルゴリズムを提案した.
著者
佐藤 英二
出版者
日本数学教育史学会
雑誌
数学教育史研究 (ISSN:13470221)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-12, 2022 (Released:2023-11-13)

This study examined the validity of the criticism of unit studies of mathematics education circa 1950, entailing the analysis of Yoshinobu Wada's objection to Hiraku Toyama's opinion. The result reveals the following aspects. First, when compared to academic achievement surveys circa 1940, no structural decline in academic achievement was observed during the early postwar period. The decline in academic achievement demonstrated by Shunichi Kubo was a temporary phenomenon noted immediately after World War II. Second, unit studies were criticized on the grounds that they overlooked the systematic features of mathematics. However, Wada refuted this theory by highlighting the logic that develops in children as a system. The legitimacy of Wada's logic was rooted in the arithmetic education reform implemented before the war. Third, the premise of the theory’s acceptance, which states that unit studies overlooked systematic features and its inheritance to this day, was a misreading of Wada's discourse and the 1951 Course of Study. Fourth, in the 1958 revision of the Course of Study, the principle of curriculum organization shifted from experience- to discipline-oriented learning. This shift could be understood as a change that required teachers to become increasingly aware of clarifying goals and systematizing content and simultaneously maintain the traditional educational philosophy.
著者
藤浪 好寿 杉山 隼 佐藤 圭路 切田 学 井上 茂亮 小谷 穣治
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.16-19, 2023-06-22 (Released:2023-07-26)
参考文献数
6

ショック傷病者に対する病院前静脈路確保が救急救命士の特定行為に追加され,その活動の質は傷病者の転帰に影響する因子として注目されている。今回,活動の質を評価することを目的に,神戸市消防局データベースよりショック傷病者に対する静脈路確保成功率と現場滞在時間を算出した。成功率は外因(傷病者)80%,内因70%であった。外因の処置成功を処置未実施と比較すると,現場滞在時間は延長しなかった。神戸市では外因症例で病院前診療が介入する頻度が高く,救命士が病院到着まで対応する傷病者は内因症例が多い。地域性により結果と問題点が異なるため,地域ごとにデータを示していく必要がある。
著者
久保 和也 佐藤 博之
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.90, no.10, pp.717-731_3, 1984-10-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
45
被引用文献数
3 1
著者
及川 浩平 青木 英彦 菊池 研 房崎 哲也 佐藤 紀夫 岩坂 潤二 遠藤 重厚
出版者
Japanese Association for Acute Medicine
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.153-157, 2003-03-15 (Released:2009-03-27)
参考文献数
13

A 69-year-old female was found unconscious after nearly drowning (submersion) in a hot spring spa (Tamagawa spa, Akita prefecture) on June, 2001. The near drowning was associated with acid aspiration. She developed acute respiratory distress syndrome and shock after arrival at our emergency room. She was immediately treated using mechanical ventilation and percutaneous cardiopulmonary support. However, she died on the fourth hospital day as a result of a rapidly progressive lung injury induced by acid aspiration. Lung CT images demonstrated heterogeneous pulmonary infiltrations with irregularly fused cavities. An autopsy showed marked degeneration of the alveolar epithelium and abnormal deposits within the alveoli.
著者
栗林 千聡 武部 匡也 佐藤 寛
出版者
日本スポーツ心理学会
雑誌
スポーツ心理学研究 (ISSN:03887014)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.51-61, 2023-09-30 (Released:2023-11-11)
参考文献数
15

The purpose of this study was to develop and examine the preliminary effectiveness of a cognitive behavioral therapy program to address competitive anxiety among junior athletes. This cognitive behavioral therapy program for competitive anxiety in junior athletes was developed based on a cognitive behavioral therapy program for anxiety disorder in children and adolescents (Ishikawa, 2013). The goal of the program was not to eliminate competition anxiety itself, but to make athletesʼ interpretation of competition anxiety and cognition more flexible. A group of seven junior players (four males and three females) from a private tennis club were treated by a clinical psychologist once a week for a total of four sessions. This program was shown to increase their psychological performance selfefficacy post-intervention and at follow-up compared to pre-intervention. Interpretation of competitive anxiety and competitive positive self-statements showed a post-intervention increase compared to preintervention. Finally, the future effective practice of the program is discussed.
著者
佐藤 健治 加藤 智弘
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.53, pp.134-136, 2002-11-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
4

セイヨウナシ「ラ・フランス」の予冷果における追熟中の輪紋病の発病は, 果実硬度の低下にともなって増加し, 顕著に硬度が低下し始める出庫3日後から硬度が4ポンドに達する間に感染果の9割が発病することが明らかとなった. そこで, 適温で追熟を行った場合の選果基準を検討したところ, 発病が予想される果実のうち90%を出荷前に取り除くことを想定した場合, 果実硬度が4.0~4.5ポンドの時点で病斑直径が1.0mm前後の病斑を目安に選果すれば良いと考えられた.