著者
平田 光男 佐藤 隆之 劉 康志 美多 勉
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.741-748, 1998-07-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
12

In this paper, we consider an H∞ problem with unstable weighting functions. Such weightings are used to achieve asymptotically disturbance attenuation and/or asymptotically tracking to reference input. Such problems cannot be handled by the standardH∞ control theory. To this problem, we present a necessary and sufficient condition for the existence of a solution by using Riccati inequalities. This condition needs no assumptions on the jω invariant zeros of G12 and G21.
著者
佐藤 啓介 大島 一郎 中野 久松
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J106-B, no.12, pp.797-804, 2023-12-01

本論文は,28 GHz帯用の高利得マルチビーム誘電体ロッドアンテナシステムを提案している.本アンテナは,扇形に配置された四つの誘電体ロッド部と,4素子リニアパッチアレーによる励振部とから構成されている.4方向高利得マルチビームの27 GHz~29.5 GHzにおいてVSWR = 2以下,利得19 dBi以上のアンテナ特性が得られるように設計する.試作機のVSWRと指向性はシミュレーションと良く一致する特性を示している.
著者
佐藤 佑介 瀧ノ上 正浩
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.345-347, 2022 (Released:2023-01-25)
参考文献数
9

配列設計されたDNAナノ構造は液-液相分離により液滴を形成する.そして,塩基配列の合理設計により,融合や分裂などの挙動が制御可能である.本稿では,DNA液滴の概要を説明するとともに,液-液相分離の境界条件の規定により生じるパターン形成と,DNA液滴とDNAコンピューティングを組み合わせた情報処理について紹介する.
著者
昆 恵介 春名 弘一 中井 要介 佐藤 健斗 稲垣 潤 清水 新悟 関川 伸哉
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.318-324, 2022-10-01 (Released:2023-10-15)
参考文献数
6

多くの脳卒中片麻痺者ではフォアフットロッカーが消失する.本研究では単脚支持期間中に麻痺側の踵を挙上させフォアフットロッカーを機能させるための装具(HUS-AFO)の開発と評価を目的とした.HUS-AFOは4節リンク構造を有し,MP関節より近位に位置する仮想的なロッカー軸(HUS軸)と装具側方に位置する圧縮バネによって踵挙上をアシストするものである.背屈制動機能を有する短下肢装具の靴底底面にHUSデバイスを内蔵することで,歩行中の足関節底屈モーメントを増加させ,COPの前進をアシストするとともに,MP関節より近位に位置するHUS軸を床反力作用点が超えることで,単脚支持期間中に踵を挙上させることを明らかにした.
著者
橋本 博文 前田 楓 山崎 梨花子 佐藤 剛介
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.97-106, 2023-11-30 (Released:2023-11-30)
参考文献数
39

The “Help Mark,” a unique symbol that people with hidden disabilities wear to receive help from others, has been promoted nationwide in recent years as part of efforts to achieve a symbiotic society in Japan. However, awareness of the Help Mark has been insufficient, and some people with hidden disabilities have been reluctant to wear it. In this study, a web-based experiment was conducted to examine the factors that promote or hinder the intention to help those who wear the Help Mark, according to social and cultural psychology theories. To analyze the effects of wearing the Help Mark, the cost of helping, and the explicit solicitation of help, the experiment used scenarios that manipulated these factors. We also analyzed the effect of interdependent self-construal on participants’ intentions to help. Results showed that when the cost of helping is relatively low, intentions to help can be increased by the person with hidden disabilities wearing the mark, and intentions can be increased when solicitation is explicit. We also found that when it comes to helping those who wear the Help Mark, the rejection-avoidance tendency and being young may serve as inhibiting factors.
著者
佐藤 彰宣
出版者
流通科学大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、「個人参加型フットサル」を社会学的に検討するものである。これまで社会学では、スポーツなど趣味をきっかけにした「コミュニティ形成」について関心が寄せられ、「社会関係資本」などの視点から研究が行われてきた。だが、特定の人間関係に基づくはずのチームスポーツを、あえて匿名の「個人」のままでプレーする「個人参加型フットサル」という参与形態は、「コミュニティ形成」や「社会関係資本」の視点だけでは説明できない。よって本研究では、「個人参加型フットサル」という形態がなぜ生まれ、都市空間と地域社会のなかでそれぞれどのように実践されているのかについて、実地調査と文献調査から明らかにする。
著者
塩野 剛司 佐藤 ひろゆき 森谷 幸紀 岡本 泰則
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.409-412, 2010-06-15 (Released:2010-06-19)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

Tsuchi-kabe (called as soil wall or mud wall in English) utilized in Japanese traditional buildings is well known to have the characteristics of humidity conditioning. However, the characteristics have not been well examined. For preparing tsuchi-kabe material, soil, sand and rice straw are well mixed with water and then kept from a few weeks to months to promote fermentation. This aging process that is called as “Nekashi” gives plasticity to the material and is very important to construct tsuchi-kabe. In the present study, effect of “Nekashi” on the characteristics of humidity conditioning was examined. Long period of “Nekashi” enhanced the characteristics in nakanuri-kabe with a smaller amount of clay component.
著者
武田 瑞穂 佐藤 睦 熊谷 恵子
出版者
一般社団法人 日本LD学会
雑誌
LD研究 (ISSN:13465716)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.288-299, 2023 (Released:2023-11-25)
参考文献数
25

近年,運動が注意欠如・多動症(ADHD)のある人の認知パフォーマンスを高めると報告されているが,認知面の変化が授業時の適応行動に及ぼす影響については不明な点が多い。本研究では,運動プログラムを実施する期間中の授業態度の変化を検討した。運動プログラムには,ADHDのある人の主体的な取り組みを促進するコーチングを適用した。主な結果の分析から,運動プログラムによる能動的な授業参加の増加と,授業内容に関係のない行動の減少が示唆された。また,解釈には注意が必要であるが,多動・衝動性や心理社会的適応状態の一部に改善の可能性がみられた。今後の課題として,運動プログラムの効果を明らかにするために,認知や運動を測定する指標の必要性が考えられた。
著者
笛木 司 田中 耕一郎 牧野 利明 松岡 尚則 佐藤 忠章 小池 一男 頼 建守 並木 隆雄 千葉 浩輝 別府 正志 須永 隆夫 岡田 研吉 牧⻆ 和宏
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.281-290, 2017 (Released:2017-12-26)
参考文献数
22

「桂」に類する生薬(以下「桂類生薬」)は,古典医書中,多くの薬名で記述されており,それらの薬名と基原の対応は現在も未解決の問題である。我々は『本草経集注』「序録」の「桂」の長さと重さに関する記述に,先に明らかにした同書の度量衡の換算値を適用することにより,当時「桂」として流通していた生薬は,現在のシナモンスティックに相当するCinnamomum cassia の枝皮(カシア枝皮)であったと強く推測した。推測の妥当性を確認するためカシア枝皮に含まれるケイアルデヒドとクマリンを生薬市場で入手した種々の桂類生薬と定量比較したところ,カシア枝皮中の2成分の含有量は,市場で上品とされる日本薬局方適合ベトナム産ケイヒ(C. cassia の幹皮)と近い値を示し,この推測を支持する結果を得た。C. cassia の幹皮の代わりに枝皮を医薬品として応用できる可能性があると考えられた。
著者
佐藤 千明
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー論文集 (ISSN:24333786)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.91-96, 2018-03-20 (Released:2020-03-14)
参考文献数
7

自動車車体などに適用が始まっている構造用接着技術の概要について解説する。高分子化学の進歩により,優れた特性を有する接着剤が登場し,溶接などの従来からある接合手段に置き換りつつある。しかし,接着接合の弱点を考慮した接合部の設計が重要で,これを無視した使用は問題を引き起こしかねない。本稿ではこれらの点についても言及する。
著者
荒木 貴代 佐藤 敏 川上 哲史 岡本 果南 小幡 弓真 近藤 剛規 高島 幹展 真田 祥太朗 村上 弘城 出口 智宙 高瀬 恒信
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.380-385, 2023-10-20 (Released:2023-10-20)
参考文献数
20

肋骨骨折端によって遅発性に気胸を繰り返した胸部外傷の1手術例を経験したので報告する. 症例は38歳男性. 転落事故による右第7-11肋骨骨折で安静入院した. 肝損傷, 右副腎損傷は保存的に軽快したが, 第9病日, 遅発性に右気胸を生じ胸腔ドレナージを要した. 気胸は改善し外来通院していたが, 第75病日, 第97病日と右気胸を繰り返した. 右第9肋骨骨折端による肺損傷・気胸と判断し, 第111病日に胸腔鏡補助下肋骨骨折端摘除術を行った. 下位・浮肋骨骨折では, 肋骨骨折端が(1)鋭利な形状, (2)胸腔内臓器と接する, (3)胸壁接線に対する鋭角が25度以上である場合は, 予防的摘除を含めた積極的治療を考慮してもよい.
著者
中野 啓二 佐藤 憲隆 山田 亨
出版者
The Society of Resource Geology
雑誌
鉱山地質 (ISSN:00265209)
巻号頁・発行日
vol.31, no.166, pp.81-97, 1981-06-05 (Released:2009-06-12)
参考文献数
7

The Nebazawa deposits are epithermal, gold and silver-bearing quartz vein type deposits. They occur in E-W trending southward dipping steep fractures in the welded tuff member called Katashinagawa rhyoritic rocks of Paleogene age.The study of the geology and ore deposits of the mine has disclosed following facts and suggestions which could be useful guides for current and future exploration of the mine.1) Three stages of mineralization were identified, they are, from older to younger, base metalliferous mineralization (Stage I), auriferous mineralization (Stage II, Ag/Au≥10) and argentiferous mineralization (Stage III, Ag/Au≥100). The latter two mineralizations are important in economic sense.2) The assay contour is fully affected by low angle east dipping faults called No. 1, No. 2 and No. 3 fault which intersect the veins diagonally. High grade part of the vein is along the hangingwall side of the fault and barren part along the footwall side. This suggests possible important role of these faults as controlling factor of convection system of ground water at the time of ore deposition.3) Vein fractures are interpreted as high angle reverse type faults initiated by the differential block movement between relatively subsided northern block and southern relatively upheaved block. This block movement seems to be triggered by or related to the formation of N-S trending cauldron subsidence of Miocenc Kinugawa rhyolitic rocks to the east.
著者
宮川 美知子 伊藤 隆一 林 泉彦 辻 祐一郎 津田 隆 神川 晃 佐藤 德枝 沼口 俊介 野間 清司 宮下 理夫 三澤 正弘 泉 裕之 松裏 裕行 塙 佳生
出版者
公益社団法人 日本小児科医会
雑誌
日本小児科医会会報 (ISSN:09121781)
巻号頁・発行日
vol.62, pp.230-234, 2021 (Released:2021-12-07)
参考文献数
9

いくつかの自治体で救急受診に際しての電話相談事業が活用され,軽症児(者)の救急外来受診や不急の救急車出動の抑制に効果を挙げている。代表的な事業は「#7119救急安心センター事業」と「#8000子ども医療電話相談事業」であるが,前者は総務省の所管,後者は厚生労働省の所管と異なる。運用状況も自治体によって違うことから,東京小児科医会小児救急部では,「日本小児科医会#8000情報収集分析事業ワーキンググループ」と相談・協力して,本会が#7119事業もしくは別番号で同様の事業を行っていると把握している19の自治体の小児科医会にアンケートを実施,運用実態を調査した。アンケートの回収率は100%で,集計の結果,消防庁などの行政が直接職員を雇用して運用している自治体は少なく,多くはその自治体以外に拠点がある民間業者に委託していることがわかった。また,1つの業者が複数の自治体から受託している場合もみられた。アンケート結果を検討し,各自治体内で抱える本事業運用上の問題点や課題,#8000との関係などを考察した。現在同様の事業を実施している地域や,今後#7119が行われる予定の地域への情報提供になると考えた。
著者
新開 瑞希 中川 悠 馬場 政典 松田 有加子 佐藤 理加子 高野 日南子 鈴木 拓 真柄 仁 井上 誠
出版者
日本顎口腔機能学会
雑誌
日本顎口腔機能学会雑誌 (ISSN:13409085)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.128-129, 2023 (Released:2023-11-22)

I.目的加齢に伴う口腔内の生理学的変化の一つとして,唾液分泌量の減少が挙げられる.我々は,本学会第66回,67回学術大会において,唾液分泌量の減少が摂食嚥下動態に及ぼす影響について報告した.今回,健常成人を対象に,塩酸ピロカルピン誘発性の唾液分泌量の増加が咀嚼嚥下に及ぼす影響を検証した.
著者
滝沢 誠 菊地 吉修 渡井 英誉 佐藤 祐樹 笹原 芳郎 笹原 千賀子 田村 隆太郎 戸田 英佑
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では、伊豆半島における前期古墳の調査をつうじて、半島基部に形成された古墳時代前期の政治拠点と東日本太平洋岸域における広域的なネットワークとのかかわりについて検討した。あらたに確認された瓢箪山古墳(前方後円墳)の発掘調査では、同古墳の立地や墳丘構造が伊豆半島の基部を横断する交通路を強く意識したものであることを明らかにした。また、同古墳が築かれたとみられる古墳時代前期後半には、周辺域において集落規模の拡大や外部地域との交流が活発化する状況を把握することができた。これらの成果をふまえ、古墳時代前期後半には、伊豆半島基部の交通上の役割が高まり、その拠点的性格が顕在化したものと結論づけた。
著者
木田 真美 吉越 仁美 小西 秀知 内海 さやか 佐藤 修一 小泉 勝
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.540-547, 2017-08-30 (Released:2017-08-30)
参考文献数
19

2型糖尿病患者は年々増加傾向で,加齢に伴い種々の臓器障害を合併する.腎機能障害が高率にみられる高齢者では,薬剤の選択・用量調整が重症低血糖回避のために必要となる.汎用されているDPP-4阻害薬の中で,胆汁排泄型リナグリプチンを75歳以上の39例に,新規・上乗せあるいはシタグリプチン,ビルダグリプチン常用量からの切り替え投与を行い,血糖及び肝腎機能,脂質の変動を観察した.75歳未満75例と比較すると,6か月後の血糖,HbA1cが新規および切り替え両群で有意に改善し,全体の改善度も高かった.Crea>1.0 mg/dLの腎機能障害例でもHbA1cは有意に改善し,肝腎機能悪化や脂質代謝異常,低血糖,体重増加その他の副作用もなかった.高齢2型糖尿病患者において,腎機能障害に関わらず,リナグリプチンは単一用量で安全に使用でき,有用な薬剤と考えられた.
著者
藤岡 秀英 野口 理子 山岡 順太郎 鈴木 純 堀江 進也 佐藤 純恵 内種 岳詞 木下 祐輔 山岡 淳 足立 泰美 勇上 和史 張 帆
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、勤労者の心身の健康の維持・増進に資する効果的な施策のあり方を検討するため、健康保険事業者と連携し、事業者、従業者への2回目のアンケート調査を実施して「統合パネルデータ」を構築する。これにより、A.特定健診や特定保健指導等の疾病予防施策の有効性、B.職場環境や企業の健康管理施策が勤労者の心身の健康に及ぼす効果、ならびに、C.勤労者の心身の健康の維持・増進が企業業績に及ぼす影響を実証的に検証する。新しく考案した「加点式健診事業」の実施と評価を行い、地域全体の健康づくりへのモチベーションを高めることで、住民の健康診断受診率の向上、就労、所得、地域生活への効果を調査検証する。
著者
安部 和夫 佐藤 尚司 里井 明子 近藤 晴彦
出版者
一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会
雑誌
Cardiovascular Anesthesia (ISSN:13429132)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.87-91, 2016 (Released:2016-09-03)
参考文献数
9

エホバの証人は輸血拒否の姿勢が特徴的であるが特に心臓血管手術では大きな問題である。今回我々は2001年から2015年までの間に人工心肺下に46例のエホバの証人の心臓血管手術を経験したので報告する。手術の内訳は冠動脈バイパス術3例,弁疾患手術22例,大血管手術19例,心室中隔穿孔手術2例であった。予定手術31例,緊急手術15例であった。手術中の最低ヘモグロビン値は6.1±2.0 g/dL,術後の最低ヘモグロビン値は6.7±2.0 g/dLであった。術後24時間以内の死亡例は2例であった。我々は全症例において赤血球濃厚液,凍結血漿,血小板のいずれも輸血しなかった。