著者
佐藤 理史 佐々木 靖弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 自然言語処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.153, pp.57-64, 2003-01-20
参考文献数
9
被引用文献数
10 9

与えられた専門用語に対して、その用語と関連する用語をウェブテキストを利用して収集する方法を提案する。提案方法は、コーパス作成、重要語抽出、フィルタリングの3ステップから構成される。コーパス作成では、サーチエンジンを利用して、与えられた用語を説明するテキストをウェブから収集し、その用語に対するコーパスを作成する。次の重要語抽出では、このコーパスから、中川の方法を利用して重要語を抽出する。最後のフィルタリングでは、得られた重要語の中から、関連用語としてふさわしいものを、ウェブのヒット数を利用して、選択する。
著者
佐藤 博明 石橋 秀巳
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

火山噴火には爆発的噴火と非爆発的な噴火様式があり,それぞれ防災対策は異なり,噴火様式の違いを生む機構の解明が求められている.この研究では富士火山等について,噴出物結晶組織・組成の分析から,噴火様式を左右するファクターとして浅所でのマグマ脱ガスの程度,及び最終的な浅所火道でのマグマ上昇率が重要であることを示唆した.また,噴火様式を左右する要因である結晶を含むマグマの粘性係数測定をショショナイト,海嶺玄武岩等について行った.
著者
小俣 政男 下遠野 邦忠 小池 克郎 佐藤 千史 各務 伸一 林 紀夫
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(B)
巻号頁・発行日
1994

本邦にて急増している肝癌の9割以上が肝炎ウイルスによる肝硬変症に合併したものであり,その大半がC型肝炎ウイルス持続感染に起因するものであった.肝癌の前駆状態ともいえるC型慢性肝炎患者の数からみて,肝癌症例数は当分の間さらに増加するものと予想された.しかし一方では,同ウイルスに対して約3割の駆除率を有するインターフェロン療法が肝癌発生を抑制することを示唆するデータが得られた.また,インターフェロン有効率を向上させるための方策について種々の検討が行われた.B型・C型肝炎ウイルスの増殖と肝癌の発癌機序,およびインターフェロンの作用機序等について各研究者により別紙に示す研究業績が発表されるとともに,研究者間の情報交換と問題点の整理のために“C型肝炎ウイルス制圧への基本的戦略",“C型肝炎ウイルスの変異と病態",“インターフェロンと細胞内情報伝達機構"をテーマとして計3回の班会議が開催された.その結果肝炎ウイルス制圧の為には、基本的ウイルス増殖機構の解明に最も精力を注ぐべきであり、それなくしては肝炎ウイルスの制圧はありえないという結論に至った。その具体的方策としては、例えば他のウイルスで増殖が比較的明らかにされているポリオウイルスの研究等から多くを学ぶべきであるという結論に達した。また細胞内情報伝達機構については、抗ウイルス剤(インターフェロン)により引き起こされる多くの第二、第三のメッセンジャーについて、個々の症例で検討すべき点が合意した。これらの知識を集積することが重要であり、本研究班の如き総合戦略が最も重要であるという点で一致した。
著者
佐藤 毅彦 熊野 善介 石井 雅幸 五島 政一 坪田 幸政 松本 榮次 福田 章人 丸山 修 岩崎 泰久 木村 かおる
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

実験・観察を重視する新学習指導要領理科「天体」分野の教育を現場レベルで向上させることを目的に、教材・カリキュラムの開発を行った。昼間に星空を見るためには、インターネットを経由した遠隔天体観察ツールを活用した。新設単元「月と太陽」における「満ち欠け」指導方法には特に力を入れ、学習教材BaMoonを開発するとともに、視点共有のためのカメラ活用を考案し、教員研修会等で広める活動をした。
著者
佐藤 圭史
出版者
北海道大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究は、南オセチアとアブハジアの「非承認国家問題」と、その他の、非承認国家問題に至らなかった類似のケースを比較検証するという、先行研究では見られない新たな分析角度を学界に提起することに成功した。2年間のプロジェクトで、国際学会発表が5件、国内学会発表が1件、海外招待講演が2件、査読付き雑誌への論文発表が1件、その他論文発表が2件と、十分な研究成果を出した。
著者
村井 紀彦 佐藤 宏昭
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.87, no.7, pp.909-912, 1994-07-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
13
被引用文献数
2 5

A 42-year-old man was referred to our hospital because of left nasal obstruction. Anterior rhinoscopy disclosed a mass in the left nostril attached to the nasal septum. CT scanning showed a well-demarcated soft tissue density mass in the anterior part of the left nasal cavity. Biopsy revealed that the mass comprised spindle cells without atypia. Under local anesthesia the tumor was removed by the transnasal approach. The histopathological diagnosis was neurilemmoma.
著者
佐藤 良彦
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.85-89, 2014 (Released:2014-07-24)
参考文献数
7

特徴的な牙痕および臨床症状からニホンマムシ(Gloydius blomhoffii)の咬症と診断した猫2症例の治療例を報告する。両症例とも夜間外出中に受傷したと思われ,家に戻ってきた際,症状は認められなかったが,翌朝には顔面が腫大していた。両例とも受傷した約12時間後に受診,症例1は下唇に牙痕を1ヵ所認め,下顎に高度な浮腫が見られた。症例2は前頭部に2ヵ所の牙痕を認め,顔面と下顎に高度の浮腫が観察された。両例とも初診時にプレドニゾロンを2.3~4.0 mg/kg投与し,その後漸減,抗生物質も投与したところ,4日間ほどで回復した。
著者
石澤 公明 菊田 淳 高橋 知美 岡 唯理 内山 晃司 佐藤 愛湖 鈴木 亮介
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

小学校から大学までの共通植物教材として,ファストプランツ(FP)を使用した学習プログラムを開発した。それには、FPの自家不和合性を利用した他家受粉と自家受粉の種子形成率の違い及びアニリンブルーやコットンブルーで染色された花粉管が花柱から胚珠に達する様子の顕微鏡観察等から受粉と受精の違いを学習すること,また,主根成長に対する塩ストレスや重金属イオンの効果,紫外線による子葉成長の阻害効果,植物栄養と成長の関係等の解析が含まれる。小・中学校でのFPを使った授業実践では,生徒が自分の手で短い期間で栽培できることから,植物の成長や生殖に理解を深めることが出来る優れた教材であることが示された。
著者
友澤 森彦 坂本 信介 佐藤 淳 山田 文雄 小泉 透
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
巻号頁・発行日
pp.89, 2013 (Released:2014-02-14)

福島第一原発事故によって放出された放射性物質の野生動物への影響は住民および国際社会の大きな関心事であるが,その遺伝的な影響や生理状態に及ぼす影響,またそれらのモニタリングの手法などについての情報は少ない.放射線被曝によって遺伝的な影響が生じる経路の一つとして細胞内の他の物質に放射線があたって生じた活性酸素が二次的に DNAを酸化することによる間接的経路がある.そこで本研究では環境中の放射性物質が野生動物集団に与える遺伝的影響を捉えるために,尿中の 8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)の濃度を計る事で DNAの酸化ダメージを計る事を試みた.8-OHdGは酸化ダメージを受けた核酸が修復される際に生じる代謝産物で,放射線被曝によって増加する事が示唆されている.2011年より福島県飯舘村,川内村および茨城県の北茨城市の 3地点でアカネズミを捕獲し,尿中 8-OHdGの濃度を比較した.その結果,幾つかの採集地点間で有意な差が見られたものの,空間線量率に応じた尿中 8-OHdG濃度の増加は見られなかった.一方臼歯摩耗度から推定される個体の齢段階に応じて尿中 8-OHdG濃度は高い傾向を示した.また個体ごとの筋肉中の放射性セシウム濃度と尿中 8-OHdG濃度は同一地点で捕獲された個体の間で大きくばらついており,両者の間には相関関係は見られなかった.以上の結果から,採集地点におけるアカネズミの尿中 8-OHdG濃度に対する放射線被曝の影響は加齢などのその他の要因による影響よりも小さい事が示唆された.また実際の DNAの多型についてもミトコンドリアおよびマイクロサテライトを指標に現在解析中である.
著者
和田基 塚本潤 小林弘明 高橋昭宏 坂本龍一 佐藤未来子 天野英晴 近藤正彰 中村宏 並木美太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.5, pp.1-8, 2013-04-18

細粒度 PG (Power Gating) 制御を行うプロセッサでは,温度やキャッシュのヒット率などの動的なスリープ要因を適切に反映した命令列を実行することが重要である.本発表では,JIT コンパイラの生成するコードに対して,動的要因として実行時のチップ温度を考慮した細粒度 PG 制御を最適化する方式を提案する.筆者らが研究している Geyser アーキテクチャの細粒度 PG 方式を QEMU ベースである AndroidEmulator によってシミュレートした評価実験において,PG 制御を行わない場合と比較し,VM と JIT コンパイラおよび生成されたコードを実行するプロセス全体で平均 6%,最大 22% でリーク電力を削減することができた。
著者
坂本 龍一 仁科 圭介 佐藤 未来子 並木 美太郎
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.1389-1403, 2014-04-15

SSD(Solid-State Drive,以下SSD)は,HDD(Hard Disk Drive)に比べランダムアクセス性能が高く,省電力であるという特徴を持つが,SSDの容量単価はHDDに比べて高く,SSDをコスト効率良く計算機システムの高速化や省電力化に利用する方式が課題である.本論文では,SSDをHDDのディスクキャッシュとして用いるSSDディスクキャッシュシステムにおいて,省電力化のためにHDDの電源制御を行う手法を提案する.SSDをHDDのディスクキャッシュとして用い,SSD上のディスクキャッシュヒット率が高く,HDDをアクセスしないときの待機時間を検出して,自動的にHDDをスピンダウンし省電力化を行う.本ディスクキャッシュと電源制御機構をLinuxのブロックデバイスドライバとして実装し,評価を行った.各種ファイルシステムにおいて,本手法を評価し,HDDのスピンダウンによりエネルギー効率が改善されることを確認した.Solid-State Drive (SSD) takes higher performance at random accesses and consumes lower power than Hard-Disk Drive (HDD). However, SSD is more cost per bytes than HDDs. Therefore, implementing the cost-effective method using SSD is needed. This paper proposes the power control system of HDD added to SSD disk-cache system. The system uses SSD as HDD disk block. The system detects idle time of HDD and spindown HDD automatically. The disk cache system implementation uses block device driver in Linux. The evaluation results in the SSD cache on some filesystems show that if the SSD cache is working effectively, energy efficiency is improved.
著者
佐藤 慎一 和田 恭則 山口 俊男 勝見 晟 小林 正人
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.23-27, 1992-01-20 (Released:2011-06-17)
参考文献数
8

鉛汚染の高い10日齢の黒毛和種39頭にエデト酸二ナトリウムカルシウム (Ca, Na2-EDTA) を1日当たり32~37mg/kg体重の割合で静脈内注射した. Ca, Na2-EDTAは5日間投与し, 2日間休薬後再び5日連用した. Ca, Na2-EDTA投与10週後まで子牛の血液中鉛濃度ならびに血液性状を経時的に測定し, 次の結果が得られた.1) 血液中鉛濃度はCa, Na2-EDTA投与1~4週後で高い値を示したが, 7週後では低下しはじめ10週後で有意に低い値を示した (p<0.05). 牛舎別の血液中鉛濃度の推移は1号棟 (1981年製), 2号棟 (1982年製) のもとでは鉛濃度の低下が早く, 3号棟 (1983年製) では遅かった.2) 牛舎別のδ-アミノレブリン酸脱水素酵素活性の推移は1号棟のものがCa, Na2-EDTA投与1週後から増加したが, 2, 3号棟のものでは変化がみられなかった.3) プロトポルフィリン濃度赤血球数, ヘマトクリット値, 血色素量はCa, Na2-EDTA投与1週後から高い値を示した.4) 鉛中毒の発生が2, 3号棟の子牛7頭にみられた.これら発症子牛と非発症子牛の血液中鉛濃度には有意差がみられなかった.以上の成績から, いずれの子牛も鉛中毒発生の可能性があり, それらにCa, Na2-EDTAを投与したところ, 血液中鉛濃度の低下が認められた