著者
小椋 雅夫 亀井 宏一 堤 晶子 野田 俊輔 佐藤 舞 藤丸 拓也 石川 智朗 宇田川 智宏 伊藤 秀一
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.31-35, 2011-04-15 (Released:2011-12-07)
参考文献数
11

グルココルチコイド (以下,ステロイド薬) の全身投与が長期にわたるステロイド依存性ネフローゼ症候群,頻回再発型ネフローゼ症候群,ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群などのいわゆる難治性ネフローゼ症候群ではステロイド薬の副作用が大きな問題となる。とりわけ骨合併症である成長障害 (低身長),骨粗鬆症,大腿骨頭壊死は重篤かつ不可逆的なものが多い。今回,私達はステロイド薬の副作用による骨合併症を呈した難治性ネフローゼ症候群4例に対してリツキシマブ療法を行った。リツキシマブの投与後,全例がステロイド薬からの離脱が可能となり,骨密度の改善や新たな骨合併症の予防が可能となった。リツキシマブは小児の難治性ネフローゼ症候群において再発抑制効果があり1)2),ステロイド薬の減量中止が可能となるが,infusion reactionをはじめとして,重症感染症,間質性肺炎,進行性多巣性白質脳症などの重篤な副作用を呈することもあり,使用にあたっては注意が必要とされる。
著者
宮田 宏 並木 美太郎 佐藤 未来子
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J97-D, no.6, pp.1068-1081, 2014-06-01

これまで独自の技術により実現されてきたプロセスオートメーションにおいてもネットワーク化の要求が高まっており,その中で実時間通信を行うためにQoSの利用が求められている.本研究ではプロセスオートメーションに特有な攻撃であるパケットの偽装によるQoS阻害攻撃に着目し,その対策としてOpenFlowを用いたQoSのセキュリティ確保技術を開発した.提案する方式はOpenFlowに対して新規にパケット認証プレーンという,OpenFlowでは提供しないパケット単位での認証を行うための機能を導入することで実現している.OpenFlowの提供するアドレス,ポート番号,DSCP値等のさまざまなパケット内の情報を自由に組み合わせて定義できるフローに対応したフローの偽装防止機能をもち,フロー単位の帯域制御を安全に利用可能にする.本研究ではパケット認証プレーンを用いた偽装検出機能を試作し,提案する技術がプロセスオートメーションに求められる遅延時間内で,パケットの偽装や正しいパケットの再送等の攻撃を検出し,帯域を保護できることを確認した.
著者
南 雅文 佐藤 公道
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.5-9, 2005 (Released:2005-03-01)
参考文献数
4

「痛み」は感覚的成分(sensory component)と感情的あるいは情動的成分(affectiveあるいはemotional component)からなる.これまでに感覚的成分に関しては精力的に研究されその分子機構も次第に明らかになりつつあるが,感情的成分に関する研究は未だ緒についたばかりである.本稿では,「痛み」の感情的成分である「負の情動反応」における扁桃体の役割とそれに関連する神経情報伝達機構について筆者らの研究成果を紹介する.ホルマリン後肢皮下投与により惹起される体性痛(somatic pain)により扁桃体基底外側核においてc-fos mRNA発現が誘導されたが,扁桃体中心核では発現誘導されなかった.一方,酢酸腹腔内投与による内臓痛(visceral pain)ではc-fos mRNA発現は中心核で誘導されるが,基底外側核では誘導されなかった.また,ホルマリンにより惹起される場所嫌悪反応は,基底外側核あるいは中心核のいずれかを予め破壊することで著しく抑制されたが,酢酸による場所嫌悪反応は,中心核の破壊によってのみ抑制され基底外側核の破壊では影響を受けなかった.これらの結果は,「痛み」の感情的成分である「負の情動反応」に関わる神経回路が,体性痛と内臓痛とでは異なることを示唆している.ホルマリンによる体性痛の際には基底外側核においてグルタミン酸遊離が増加し,NMDA受容体拮抗薬の基底外側核への局所投与によりホルマリンによる場所嫌悪反応が抑制された.さらに,基底外側核へのモルヒネ局所投与はホルマリンによるグルタミン酸遊離と場所嫌悪反応をともに抑制した.これらの知見は,ホルマリン投与により引き起こされる「負の情動反応」に基底外側核でのNMDA受容体を介した神経情報伝達が重要な役割を果たしていることを示唆している.また,モルヒネがこの情報伝達を抑制的に調節することも明らかとなり,モルヒネの鎮痛作用には,「痛み」の感覚的成分である痛覚情報伝達を抑制するという直接的な作用機序だけでなく,「痛み」の感情的成分である「負の情動反応」を抑制するという作用機序も関与していることが考えられる.
著者
佐藤 雅美 島 礼 田沼 延公 野村 美有樹 佐々木 希
出版者
宮城県立がんセンター研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

(1)プロテインホスファターゼによる、mRNAスプライシング、KIF3モーターを介した細胞内輸送、および細胞増殖(ERK)経路におけう制御機構に関して重要な知見を得た。(2)肺癌サンプルにおけるプロテインホスファターゼ遺伝子発現の異常に関して重要な知見を得た。
著者
佐藤 憲昭 網塚 浩 山村 朝雄 芳賀 芳範 四竈 樹男 阿曽 尚文 神戸 振作 本間 佳哉 藤森 伸一 山上 浩志
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

本研究課題の最大の目的は、国際規制物資であるウランなどのアクチノイド元素^<*1>を含む化合物の物性研究を行うための拠点を東北大学金属材料研究所アルファ放射体実験室に形成することである。 この目的のために、 単結晶育成^<*2>のためのテトラアーク炉、および育成された試料の基礎物性を評価するための分析装置を金研アルファ放射体実験室に設置・導入した。その結果、 "超伝導を示す磁石"^<*3>における超伝導発現機構の解明に成功を収めた。さらに、アクチノイド元素だけでなく希土類元素^<*4>を含む物質にも研究を展開し、準結晶^<*5>を含む新分野の開拓に貢献した。[*1] ウランなどは国際規制物資として管理され、その取り扱いには厳しい制限が付されている。金研アルファ放射体実験室は、このような国際規制物資を取り扱うことが許可された施設である。 また、 そこには、 アクチノイド元素(周期表で最下段に位置する元素の集合で、トリウム、ウラン、ネプツニウムなどから成る)を安全にハンドルするための多くの装置と経験が蓄積されている。[*2] 目に見える大きさのスケールまで原子が規則正しく配列した結晶を単結晶と呼ぶ。[*3] 従来の物理学では、磁石と超伝導は犬猿の仲であり、磁石は超伝導にはならないと考えられてきた。しかしアクチノイド化合物の中には、磁石でありながら超伝導を示すものがある。磁石が何故超伝導を示すかという問題は、物理学上の重要な課題の 1 つとなっている。[*4] 周期表でアクチノイドの上段に位置する元素の集合で、アクチノイドと類似の性質を示す。[*5] 周期性を持たず、結晶では許されない回転対称性を持つ物質を準結晶と呼ぶ。
著者
鈴木 智裕 国方 淳 佐藤 宏司 浅沼 博
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集 : JSME annual meeting
巻号頁・発行日
vol.2010, no.6, pp.333-334, 2010-09-04

This paper presents characterization of output power of the metal-core piezoelectric ceramic (PZT) fiber/aluminum composite. As the piezofiber is very fragile, the interphase forming/bonding (IF/B) method proposed by Asanuma was used for embedding it in an aluminum matrix without its fracture. In this study, output power characterization of the piezo-composite specimen was done by an oscillation test, and it was found that 1) the output power generated from the specimen increases with increasing the square of its strain, and 2) the output power increases in proportion to its oscillation frequency.
著者
佐藤 昇
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.187-197, 1998-03-31

大阪管区異常気象報告(大阪管区気象台)によれば, 近畿地方の降雹の機会は少なく、過去30年間、各府県で1回/年以下の頻度でしか観測されていない。また、直径5cm以上の大きさの雹粒の観測記録はない。1994年6月16日16時10分過ぎ大阪市南部で、上空寒気移流による成層状態の不安定化から発達したと思われる積乱雲からの降雹が観測された。この積乱雲のレーダー・エコーは大阪府内で約2時間停滞した。近畿地方では雹粒のエンブリオを観測した例はないので、今回採集された雹粒の薄片観察を行った。その結果、エンブリオとしては霰よりも、凍結水滴のものが多かった。これは雲中の気温が高いことによるものと考えられる。
著者
今村 都南雄 金井 利之 光本 伸江 佐藤 学 原田 晃樹 嶋田 暁文
出版者
山梨学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

第1に、「自治の器」の縮小を「手段」として住民生活を維持し、地域社会の「看取り」を責任持って行うという、もう一つの「自治」のあり方"を提示することで、既存の「自治」観の問い直しを行った。第2に、複数の自治体を取り上げ、長期的なスパンで分析を行うことにより、「意図せざる結果」に満ちた「自治のダイナミクス」を描き出すことに成功した。第3に、そうした研究の蓄積は、「課題設定の次元」と「課題対応の次元」からなる公共サービス供給編制の多様性への着目を惹起し、新たな研究展開をもたらすことになった。
著者
村上 興匡 鷲見 定信 村上 興匡 武田 道生 小熊 誠 佐藤 壮広 小熊 誠 武田 道生 佐藤 壮広
出版者
大正大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

沖縄から本土への移住者の文化習慣の変化と、沖縄で進行しつつある本土的な文化慣習が普及する変化(「本土化」)とを比較することで、現在の沖縄で起きている変化は、単に本土の文化慣習が沖縄に移入しているわけではなく、それに先だって、まず本土へ移住した沖縄系移住者が、自らの文化慣習を本土に適応させて新たな形を作り出すということがあり(「沖縄化」)、それが再び沖縄に移入されるという形で、文化変容が起きていることが明らかになった。
著者
佐藤 虎男
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. I, 人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.161-170, 1975

人間の生活は言語の生活であり、言語の生活は音声生活(音声による生活)と見ることができる。意味の形である音声に表現する生活、音声化生活であると見られる。音声化には地方的傾向がある。個々人の音声化行為は、日本語方言音声を母胎とするそれぞれの地方的傾向に立脚して営まれる。じっさい,そのようにしか音声化しえないのである。筆者はさきに、伊勢大淀(おいず)方言のアクセントをとりあげたが、それはまさに、上述のような音声生活上の地方的傾向を明らかにしようとしたものであった。とくに当該方言は、アクセントの面においていちじるしい特色を見せていることを、文アクセント・語アクセントの両面にわたって報告したのである。もっとも、このアクセント特色は、近隣方言アクセント状態の中において対比的に看取されたものであった。一段と巨視的な観察によれば、じつは、これが、熊野路一帯に見られる特色アクセントと系脈を等しくするものであって、突然変異の異端などではないと考えられるものだったのである。アクセント面においてしかりとすれば、音声生活上の他の面においても、同似の事態がおそらく認められるであろう。表現法や語詞語彙の面においてもまた,熊野路の方言、まぢかくは、志摩地方方言と同系脈の諸事象を種々見いだしうるに違いない。本稿は、そのような意向のもとに、アクセント報告の続報として、当該方言の音声生活一般を、要約的に記述しようとするものである。(表現法その他は後日に譲る。)Once I reported the result of my study of the accent of Ise-Oizu dialect. And this time, I report the phonetical study on the pronuncation of Ise-Oizu dialect. This report says that in this dialect there are various features which are similar to that of the southern part of the Kinki district on the point of the vocal sounds as well as on the accent.
著者
千種 雄一 松本 淳 桐木 雅史 川合 覚 松田 肇 及川 暁 佐藤 孝
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.125-127, 1998
被引用文献数
4 16

アルコール症と痴呆症の60歳の女性患者が自宅で転倒しガラス窓に頭部を突っ込み同部に弁状創をおった。しかし患者は何ら創傷部の手当をしないで放置した。10日後に精神科を受診した折, 医師が創部に60匹余りのヒロズキンバエの3齢幼虫を見い出した。従来言われているハエ症を惹起しやすい状態, 病態にアルコール依存症と痴呆症を加えることを提唱する。
著者
佐藤 大紀 加藤 元海
出版者
高知大学大学院総合人間自然科学研究科黒潮圏総合科学専攻黒潮圏科学編集委員会
雑誌
黒潮圏科学 (ISSN:1882823X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.218-228, 2013-03

ニホンカワウソは、生息範囲が山から川、そして海に至るまで広く、生態系において上位捕食者に位置することから保全生態学的に重要な種である。日本で最後にニホンカワウソが確認された高知県の新荘川を対象に、生態学的な観点から現在と過去の河川環境を調べた。現在の河川環境に関しては、源流域から河口域に至る流程の8地点で河川地形や水質などの物理化学的環境、付着藻類や底生動物などの生物相の調査を行なった。過去の河川環境に関しては、文献調査と聞き込み調査を行なった。現在の河川環境は、上流域から下流域にかけて物理化学的環境と生物相に関して、流程に沿った顕著な変化の傾向はみられなかった。水質に関しては、過去から現在にかけてはわずかであるが改善する傾向にあり、水質の悪化がカワウソ絶滅の直接の要因ではなかったことが示唆される。明治初期から昭和初期にかけて乱獲で個体数が減少し、河川内にある堰の改修で主要な餌である魚類が減少した。河川周辺の植林やハウス栽培が原因で、水量が減少しさらなる魚類の減少をもたらした。乱獲に加え、1960年代以降、河川内改修や周辺環境の変化の人為的な3つの要因が重複したことがニホンカワウソの生息環境の著しい劣化を招き、1973年頃の気象災害による巣の破壊が新荘川からニホンカワウソの姿を消した決定的な要因と考えられる。
著者
松葉 敬文 佐藤 淳 蔵 研也 青木 貴子 村上 弘
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.194-198, 2010 (Released:2011-06-27)
参考文献数
17

女子短大の学生を被験者に3週間にわたり,テストステロンの濃度と,リスク選好指標,時間選好などを計測した.リスク選好指標は,選択課題(choice task)と適合課題(matching task)の2種類を用いた.また被験者のT濃度を,グルコース投与によって一時的に低下させて,コントロール群との違いを見た.結果,Tの絶対濃度とリスク選好には選択課題,適合課題ともにはっきりとした関係がなかった.また,30分間隔でのT濃度の変化と,リスク選好の指標である 選択課題の間には有意な正相関があるが,選択課題とでは有意性は示されなかった.T濃度の変化は,確率過程の不明な不確実性(uncertainty)状況では影響を与えるが,確率過程が既知のリスク(risk)状況下では弱い,あるいは与えないことが示唆された.またTは時間選好には影響を与えない.
著者
渡辺 裕 佐藤 守弘 輪島 裕介 高野 光平
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

学生運動が盛り上がりをみせた「1968年」は、日本戦後史における社会の転換期とされるが、この時期は同時に、芸術や文化の諸領域においても大きな変化が生じた時期でもある。この研究では、視覚文化、聴覚文化、大衆文化、メディア研究の専門家が協同して同時代の言説研究を行い、その変化を検証した。その結果、それらが政治や社会の変化を反映しているというこれまでの理解とは異なり、この時期は人々の感性や心性が大きく変化し、文化の枠組みや価値観全体が構造的な転換を蒙った時期であり、政治や社会の変化もまたその大きな動きの一環をなすものであることが明らかになった。
著者
佐藤 宏明 神田 奈美 古澤 仁美 横田 岳人 柴田 叡弌
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.185-194, 2005
参考文献数
31
被引用文献数
6

糞粒法によってニホンジカの生息密度を推定するためには,単位面積当たりの糞粒数を測定する他に,1頭1日当たりの排糞回数と排糞粒数,および糞粒消失速度を知る必要がある.しかし,これらの値は地域や植生,季節で異なるにもかかわらず,労力上の問題から他地域で得られた値で代用されている.そこで本研究では奈良県大台ヶ原にて糞粒法による信頼度の高い生息密度推定値を得ることを目指し,2001年5月から11月までの月1回,1頭1回当たりの排糞粒数を調査するとともに,原生林,ササ草地,移行帯の三植生で糞粒消失速度を測定した.原生林とササ草地では固定区画を設定し,月毎の加入糞粒数を数えた.以上の測定値と既存の1頭1日当たりの排糞回数を用いて原生林とササ草地における生息密度を推定した.さらに,糞粒消失速度と気温,降水量,糞虫量との関係も調べた.その結果,糞粒消失速度は植生と季節で大きく異なり,気温,降水量,糞虫量とは無関係であった.これまで報告されている視認にもとづく区画法による生息密度推定値と比較したところ,糞粒法による推定値は過大であり,また植生と季節によっても大きく変動していた.これらの結果をもとに糞粒法による生息密度推定の問題点を検討し,大台ヶ原におけるシカの個体数管理のための望ましい生息数調査法を提案した.
著者
下嶋 浩 雉本 信哉 佐藤 治 前田 秀 斎藤 敦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.59, no.562, pp.p1803-1808, 1993-06

Motions of human arms are analyzed kinetically and kinematically with respect to smoothness. A kinematic arm model with 6 degrees of freedom is suggested and spatial motions are simulated considering the sum of the weighted square of joint displacements, which approximately equals kinetic energy of the whole arm. A low-pass filter is applied for smoothing the kinetic state variables, i. e. , displacement, velocity, and acceleration, and the smoothing transfomation is optimized from the aspect of characteristics of response and vibration. Such transformation is also applied to the human arm model, and the effects are investigated through simulations.
著者
佐藤 治 下嶋 浩 李 丁 長友 聖二
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.60, no.572, pp.p1344-1350, 1994-04

Equations of motion of a closed-type manipulator are derived in consideration of characteristics of the step motors. Vibration control is achieved using two types of forcing functions. The first is the function of the pulse width modulation to avoid exciting resonance, and the second is the bang-bang control function on each step function. Dynamic characteristics of the system controlled by these method are analyzed theoretically and investigated experimentally.
著者
近藤 フヂエ 武田 光一 山本 眞也 郷 晃 佐藤 哲夫 丹治 嘉彦
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

平成15年度は、地域文化の活性化に資する表象芸術の在り方を究明するために、新大アートプロジェクト2003「うちのDEアート」を実施し、また、各地域での同種の活動の取材と意見交換を通じて、本研究に関する資料を得たが、平成16年度は、それを用いてメンバーの専門領域の立場から考察した。たとえば近藤は、美術史の立場から、芸術表象の地域性について、イメージ信仰に時代を超えた特質を見出すことができるとする解を得た。教育の立場から佐藤は、アートプロジェクトと美術教育がホモロジカルな関係にあるとする視点から、その課題を明らかにし、柳沼は、具体的に小・中学校との連携による表象芸術の意義を示した。また、実際に関わったプロジェクトとの関係で、橋本は、パブリックスペースという環境を問題にし、アートやデザインの可能性を示した。郷は、街づくりに果たす彫刻シンポジウムの役割を示した。丹治は、2003「うちのDEアート」に、最も深く関わった経験などを通して、表象芸術が地域においてどのような意味を持つのかについての一つの結論を導いた。武田は、加茂市若宮神社の天井画という新出資料について、地域における江戸後期の書画愛好の気風を明らかにした。山本は大学所有の屏風絵の模写を通じて技法研究を行い、社会的な模写の意義と効用について明らかにした。また16年度も15年度に引き続き、種々地域に根ざしたアートプロジェクトを実施した。新潟県の豊栄市の早通地区のコミュニティーの活性化のために、「光のロータリー ロウソクを灯して」等。震災を乗り越えて「元気出そう新潟県」の趣旨による、小・中・大の児童、生徒、学生による造形ワークショップ・「虹色アトリウム-光の壁画をつくろう-」など、多数の活動を行った。引き続き、本研究で得られた成果をもとに、新大アートプロジェクト2005「うちのDEアート」の実施に向け、活動を行っている。