著者
日高 勇一 小玉 彬人 田村 亮太 伊藤 誠文 小池 貢史 平井 卓哉 佐藤 裕之 萩尾 光美
出版者
日本獣医がん学会
雑誌
日本獣医がん学会雑誌 (ISSN:18843344)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.6-11, 2014-07-05 (Released:2014-07-05)
参考文献数
15
被引用文献数
2

5歳、雌のミニチュア・ダックスフントが腹囲膨満および呼吸困難を主訴に来院した。身体検査、エックス線検査および超音波検査により腹腔内腫瘤と胸水の貯留が認められた。腫瘤と胸水の細胞診により、腫瘤は胸腔内転移を伴う卵巣由来の悪性腫瘍であることが示唆された。手術により腹腔内腫瘤は摘出され、病理組織学的に卵巣の乳頭状腺癌と診断された。術後、肺転移に伴う胸水の制御を目的にパクリタキセルと白金製剤併用の化学療法が合計9回行われ、手術から623日目に死亡した。剖検により肺は腫瘍組織に侵されていたことが確認された。パクリタキセルと白金製剤併用の化学療法は、犬の転移性卵巣癌症例に対する化学療法の選択肢の一つになりうるかもしれない。
著者
佐藤 眞理子 中田 英雄 礒田 正美
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

近年、国際援助コミュニティの教育分野の主な援助手法となっているセクターワイドアプローチについて、援助供与国(アメリカ・スウェーデン)と援助受け取り国(バングラデシュ)の実地調査(インタビュー・資料収集等)を行い、国際社会におけるセクターワイドアプローチの展開状況を分析した。援助供与国では、基礎教育開発援助の具体的事例をアメリカのUSAID(米国国債開発庁)及びSida(スウェーデン国際開発庁)から収集、まとめ、分析した。セクターワイドアプローチは重点領域のモデルとなるデモンストレーション方式で行われ、それらが基本フィールドとなって地域と国レベルでネットワークを構築するというものである。バングラデシュでは、政策支援型援助であるPrimary Education Development Programを取り上げ、バングラデシュ政府のオーナーシップについてバングラデシュ政府側と援助供与側の担当者と協議し、セクターワイドアプローチの課題を明らかにした。結果、セクターワイドアプローチは国際社会では現在共用されている援助手法ではないことが指摘され、今後のさらなる調査が必要とされた。
著者
馬場 吉康 佐藤 憲二
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.368-374, 1990-07-20 (Released:2009-11-11)
参考文献数
8
被引用文献数
1 5

電解複合研磨は, 昭和51年に開発した金属表面処理技術で, ステンレス鋼はもとより, アルミ, チタン, 銅などの非鉄金属まで, 加工変質層を伴わずに200~300Åまでの高品位鏡面を, 安定した品質で加工できる新しい技術である。従来の研磨法では, 限界にきているULSI製造プロセスのウルトラクリーン化や, 超, 極高真空システムの高性能化など, 先端ハイテク分野へ貢献しうる電解複合研磨技術について紹介する。
著者
岩澤 美帆 別府 志海 玉置 えみ 釜野 さおり 金子 隆一 是川 夕 石井 太 余田 翔平 福田 節也 鎌田 健司 新谷 由里子 中村 真理子 西 文彦 工藤 豪 レイモ ジェームズ エカテリーナ ヘルトーグ 永瀬 伸子 加藤 彰彦 茂木 暁 佐藤 龍三郎 森田 理仁 茂木 良平
出版者
国立社会保障・人口問題研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

結婚の形成と解消の変化を理解するために、(1)変化・差異の記述、(2)説明モデルの構築と検証、(3)変化の帰結の把握に取り組んだ。横断調査、縦断調査データの分析のほか、地方自治体に対するヒアリング調査を行った。若い世代ほど結婚が起こりにくく、離婚が起こりやすい背景には近代社会を生きる上で必要な親密性基盤と経済基盤という両要件が揃わない事情が明らかになった。要因には地域の生活圏における男女人口のアンバランスや縁組み制度の衰退、強すぎる関係、男女非対称なシステムと今日の社会経済状況とのミスマッチが指摘できる。一方で都市部や高学歴層におけるカップル形成のアドバンテージの強化も確認された。
著者
佐藤 憲二 馬場 吉康
出版者
日本真空協会
雑誌
真空 (ISSN:05598516)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.655-660, 1989-08-20 (Released:2009-10-20)
参考文献数
10
被引用文献数
1
著者
谷口 和也 佐藤 実 吾妻 行雄 伊藤 絹子
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

岩礁生態系を構成する生物は、食物だけでなく、生産者である海藻が生産するアレロケミカルによっても結ばれている。本研究においては、海藻がアレロケミカルによって植食動物幼生や付着珪藻を排除するとの仮説を、新たな実験系を考案して実証した。海中林構成海藻が夏〜秋に大量死亡し、冬〜春に成長阻害と死亡によって海中林の再生が阻害されることによって起こる磯焼けは、高水温よりも栄養塩不足がもっとも主要な要因であることが初めて明らかになった。海中林を構成する褐藻アラメ・クロメが生産し、海水中に分泌するブロモフェノールは、ウニとアワビ幼生の変態を1ppmで阻害し、10ppmで死亡させることを、既知の変態誘起物質であるジブロモメタンを同時に作用させる実験系によって初めて明らかにした。またブロモフェノールは、藻体表面に着生する付着珪藻の増殖を1〜5ppmの低濃度で阻害することも明らかにした。海藻のアレロケミカルの研究は、主にコンブ目褐藻を対象に進められてきた。今回、ヒバマタ目褐藻11種と潮間帯の褐藻マツモを培養し、得られた培養海水をガス質量分析器GC-MSで分析した結果、11種のヒバマタ目褐藻のうち5種とマツモがブロモフェノールを分泌すること、さらにヒバマタ目褐藻10種が植食動物幼生に高い毒性をもち、紅藻無節サンゴモが生産するトリブロモメタンを生産、分泌するという驚くべき事実も明らかになった。本研究によって得られた知見は、岩礁生態系の動的安定性の機構を解明し、高い生産力のもとに安定的に維持・管理できる生態系管理技術体系の確立に寄与する。
著者
佐藤 眞一 柳堀 朗子 小窪 和博 荒井 裕介 原田 亜紀子 安藤 雄一 角南 祐子 江口 弘久 芦澤 英一 高澤 みどり
出版者
千葉県衛生研究所
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

千葉県食育ボランティアは4,903人、千葉県食育サポート企業は147社、海匝減塩標語は1,498の応募があった。2002から12年度の連続する2年の翌年度非受診率を初年度所見ごとに比較した。2004-5年度以降、肥満者と非肥満者で有意に異なり、特に2008-9年度で、男で肥満者29%非肥満者25%、女で肥満者28%非肥満者23%と最大の差を認めた。2008-9年度の特定健診連続受診者278,989人を対象として生活習慣に関する質問項目とメタボ罹患との縦断調査を行った。メタボ出現のオッズ比(95%信頼区間)は、早食い1.48 (1.43-1.55)、早歩き0.80 (0.77-0.83)だった。
著者
瀧本 政雄 佐藤 真一 坂内 正夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.12, pp.2699-2709, 2006-12-01
被引用文献数
5

本研究は大容量のテレビ放送映像アーカイブからの,フラッシュのたかれる同一シーン映像の発見を目的とする.フラッシュは例えば記者会見や重大事件の一場面などの視聴者の興味を引くようなシーンにしばしば現れ,また,特に重要なシーンは様々な番組で繰り返し放送される.よって,放送映像の中から繰り返し利用される同一場面の映像を発見することで,アーカイブに保存される映像の内容的な解析につながると考えられる.また,本論文で述べる手法では同一場面であるかどうかの照合をフラッシュがたかれる時間的なパターン間の類似度によって行っており,撮影したカメラが違う,若しくはテレビ放送によくあるように付加されるキャプションが違う,などといった映像的な差異にかかわらず照合が行える.提案する手法はフラッシュの発生するフレームを検出する段階と,検出されたフラッシュの発生パターンを比較する段階に分けられ,前者はフラッシュという現象の特徴に基づいて検出を行い,後者は2値のパターン間での類似度を定義している.これらの手法は比較的少ない計算量で行えるように構成されているため大容量の映像に対しても適用可能である.
著者
平田 公一 佐藤 昇志 鳥越 俊彦 古畑 智久 大村 東生 亀嶋 秀和 木村 康利 九冨 五郎
出版者
札幌医科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

消化器領域あるいは乳腺領域の超進行切除不能癌あるいは再発癌に対し、サバイビン2Bペプチドを用いた癌ペプチド療法を8例に実施した。6例に明らかな免疫学的反応を認め、臨床効果についてはrecist基準では6例にSD、2例にPDであった。尚、注射局所反応を除くと、有害事象についてはグレードIの発熱以外に面倒なものを認めなかった。したがって全例でプロトコル上の臨床研究は可能であった。一方、従来よりMHCクラスI発現が無いか極めて低い癌細胞のあることが知られており、それらについては、発現亢進のためにHDAC阻害剤の投与の有用性が動物実験的研究において知られていた。そこで適応症例については、ワクチン療法前にHDAC阻害剤の経口投与を試みた。登録症例研究計画期間終了直前に生じたことにより、現在、進行中であり、今後の分析対象とする。研究については安全に実施できたと言えるが、登録症例数の円滑な増加がみられないことが課題として残った。
著者
小川 侑一 松村 茂樹 北條 春夫 佐藤 太一 梅澤 清彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.65, no.634, pp.2486-2493, 1999-06-25
参考文献数
8

This paper proposes a simulator which can depict the rotational vibration of a spur gear having any types of tooth surface deviation including both tooth profile deviations and tooth helix deviations. The developed simulator is based on a single degree of freedom motion system constructed with equivalent mass, damping and mesh stiffness of a pair of gears. The mesh stiffness is calculated considering the effect of the tooth helix deviation which brings non uniform load distribution along the contact line of a tooth pair. The dynamic load tests have been performed to verify the simulator changing both helix slope deviation of driven gear and torque. The analytical results under each operating conditions are in good agreement with experimental results. Also, the damping ratio of the test gear system is evaluated as 0.03 with measured vibration responses, which is smaller than conventional expectation value of 0.07.
著者
佐藤 秀美
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.267-273, 2000-05-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
38
被引用文献数
1
著者
小野田 正利 佐藤 晴雄 吉川 武彦 野田 正人 古川 治 楠 凡之 松本 剛 和井田 節子 岩切 昌宏 山野 則子 瀧野 揚三 西川 由紀子 新井 肇 小林 正幸 山下 晃一 岩永 定 入澤 充 嶋崎 政男 清水 和夫 清水 和夫 嶋崎 政男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

2000 年代に入ってわが国の学校現場では、教職員と保護者の間に時として激しい対立やトラブルが生じようになり、それらをどのように解決していくか、あるいは減少させていくかという課題が生まれてきた。本研究は、このような問題現象が増加している理由や背景の分析はもちろんのこと、具体的にどのようにすれば、トラブルが大きくならずに解決につながっていくかを考察したものである。このために研究者のメンバーの専門領域をより学際的なものとし、教育学だけでなく、法律学、精神医学、臨床心理学、福祉学などの幅広いものとして構成した。そこで得られた研究成果を、全国の12か所でシンポジウムとワークショップを開催する形で発表したが、これらの成果の多くは、6つの書籍などの成果物として結実した。
著者
佐藤 透
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究の目的は、研究期間以前にすでに研究者が実施していた美学・芸術論一般に関する考察と、その考察の侘び概念への応用をさらに発展させ、日本特有の美意識と称される「侘び」「寂び」「幽玄」について、明確な哲学的規定をすることにあった。結果として、大西克禮らの優れた先行研究を批判的に継承しつつ、美および芸術の機能に関する研究代表者自身の見解から「寂び」および「幽玄」に関して、その美意識としての一般性と特殊性とを論定した。三つの美意識を相互連関の下において一つの全体に纏めることは残された課題となった。
著者
綿貫 茂喜 大箸 純也 佐藤 陽彦 安河内 朗 小林 宏光 大箸 純也 綿貫 茂喜
出版者
九州芸術工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

生体電気現象を主な対象とした、コンピュータによる信号の監視・記録・分析ソフトウェアを開発した。対象としたコンピュータは、一般的に用いられているNEC PC98,IBM PC-ATの互換機および数社のAD変換器とし、一般的な機器のみで構成できる。また分析ソフトウェアについてはMacintoshでも利用できるようにした。本ソフトウェアによって、生体電気現象の波形観察と長時間の変化傾向の観察が同時に可能となり、また分析のためのマークを含めた記録が長時間可能となった。これらの監視記録装置としての機能以外に、時間制御を主とした簡易プログラムが可能であり、実験スケジュールを組み込むことで実験補助としての機能を持つ。また簡単な刺激発生の制御にも利用できるために、実験機器としての機能も有し、特殊な外部プログラムを利用することで、記録と並行して周波数分布の監視も可能である。またノート型のような小型のコンピュータでも利用可能であり、携帯用の記録機としても利用可能である。記録したデータの分析ソフトウエアとして、記録信号の表示、テキストファイル変換、FFT法による周波数分析、心電図のR棘間隔の検出、連続血圧計出力からの最大、最低血圧の読み取り、積分値の算出、APDFの算出、CNVの算出、較正波形の読み取り、単純分布の算出等を作成した。また2つのみであるが、他のソフトウェアのためのファイル変換も行なえる。グラフィカルインターフェースは有しないが、バッチ処理的な利用で効率の良いデータ処理が可能であり、機能的には多くの研究に有効であると考える。本ソフトウエアは無償で提供する。