著者
大岡 昌博 小林 光男 篠倉 恒樹 鷺沢 忍
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.56, no.531, pp.2919-2925, 1990-11-25
被引用文献数
2

In order to improve the intelligence of a robot with a sense of touch, we have developed a tactile sensor array which can detect the distribution of the three components of a force vector. The tactile sensor consists of a 6×15 matrix of 3×3 mm sensing sites; each site is made of two single-crystal silicon rings on which semiconductor strain gauges are formed by means of a semiconductor processing technique. In this paper, we have introduced formulas to calculate applied force/moment, a center of distributed pressure, and some parameters of slip and hardness, and then carried out sensing tests in order to validate those formulas. Experimental results show that applied force/moment and the center of distributed pressure can be detected with practical accuracy. Slipping, rolling and rotating states can be distinguished by combinations of the slip parameters. Moreover, mechanical properties can be sensed by means of combinations of the hardness parameters. A lump in a soft object can be recognized using an adequate threshold method.
著者
八木 文雄 倉本 秋 瀬尾 宏美 大塚 智子
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

成人型学習に対する取り組み,医療スタッフや患者さんとの円滑なコミュニケーションなどをはじめとして,医学部医学科に入学した学生に求められる態度・習慣領域の課題は数多く存在する。また一方では,入学後における態度・習慣領域の教育には大きな限界があることは,医学教育に携わる誰もが認識していると思われる。しかし,ほとんどの全国大学医学部・医科大学における現行の入学者選抜方式は,高校各教科の学習内容に関する記憶にもとづく知識(想起)偏重型であり,長期間にわたる家庭教育および自己の努力により獲得した,医師となるのに基本的に不可欠な態度・習慣領域の能力が,入学者選抜の段階でほとんど評価されていないのが現状である。このような観点から,本研究では,AO方式と学士編入学方式による入学者選抜において,態度・習慣領域の能力評価を目的とする評価尺度を新たに構築した。そして,これらの各方式で入学した学生を対象として、他の方式で入学した同学年の学生および教官によるピア・レヴューを実施し,入学後における態度・習慣領域の能力を,多変量解析にもとづき調査・分析することにより,この評価尺度の妥当性について追跡的に検討した。その結果,選抜段階と入学後における態度評価スコアとの間に有意な相関(r=0.7)が認められ,新たに構築した態度評価尺度の入学者選抜における有効性が検証された。なお,これらの入学者に関する追跡調査を,卒前6年間および卒後臨床研修段階まで長期的・継続的に実施することにより,この態度評価尺度の妥当性に関する調査・分析をさらに推進し,望ましい医師養成のための第一歩としての入学者選抜の更なる改善を図る予定である。医学科の入学者選抜における,このような態度・習慣領域評価の導入は,サイエンスとしての医学・医療の急激な発展に伴い,価値観の変動に直面している現代社会に対する説明責任を果たすものである。
著者
栗山 裕司 山崎 裕司 坂上 昇 酒井 寿美 大倉 三洋 山本 双一 中屋 久長
出版者
高知リハビリテーション学院
雑誌
高知リハビリテーション学院紀要 (ISSN:13455648)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-6, 2003-03-31
被引用文献数
1

固定用ベルトを装着したハンドヘルドダイナモメーター(HHD)による等尺性膝伸展筋力測定方法の座位姿勢間再現性について,健常者20名を対象に検討した.測定は,プラットホーム端座位,車椅子座位,介護用ベッド端座位,背もたれ付きパイプ椅子座位の4つの異なる座位にて実施した.異なる座位姿勢における等尺性膝伸展筋力測定値に関して,パイプ椅子座位は,プラットホーム端座位,介護用ベッド端座位および車椅子座位との比較において有意に低値を示した.また,各座位姿勢間の級内相関係数は,プラットホーム端座位と車椅子座位間およびプラットホーム端座位と介護用ベッド端座位間で高値を示し,良好な座位姿勢間再現性を示した.一方,パイプ椅子座位と他の座位姿勢間では,低値を示した.今回の結果から固定用ベルトを装着したHHDによる等尺性膝伸展筋力測定に際し,パイプ椅子座位での測定は避けるべきであるが,介護用ベッドや車椅子での測定が可能で,病棟や在宅など広い範囲での使用も可能なことが示唆された.
著者
広瀬 弥奈 松本 大輔 八幡 祥子 前山 善彦 青山 有子 島袋 鎮太郎 千秋 宜之 松下 標 倉重 多栄 福田 敦史 伊藤 綾子 野呂 大輔 齊藤 正人 丹下 貴司 五十嵐 清治
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.444-452, 2006-06-25
被引用文献数
4

改革した小児歯科学基礎実習の点検評価を,本学歯学部4年生の96名に対しアンケート方式にて実施した。アンケートの内容は,実習に対する理解度,満足度についてで,「全くできなかった,あまりできなかった,どちらでもない,できた,よくできた」の5段階による無記名回答方式で調査した。その結果,予習の段階で実習書の内容について理解できた者は,フッ化物応用法,ラバーダム防湿法,窩溝填塞法,乳歯の歯髄切断法,既製乳歯冠修復法,治療計画の立案(口腔疾患の予防)の各実習項目とも約80%を占め,多くの者がこれから行う内容についてある程度理解しながら実習を行っていると判断された。<BR>また,本実習を通して理解を深めることのできた者は,いずれの課題も80%以上を占め,本実習によりある程度体得できたものと思われた。テユートリアル実習においては80%以上の者が本実習に積極的に参加したと自己評価していたが,あまり参加できなかった者も16%認められ,再検討が必要であると思われた。マネキンを実患者と想定した施術時態度・技能の修得については,マネキンへの話しかけを有益でないと答えた者が約30%認められたことから,学生の意識改革を惹起するような対策・対応が必要と思われた。
著者
大倉 忠司 平川 昌紀
出版者
日経BP社
雑誌
日経レストラン (ISSN:09147845)
巻号頁・発行日
no.393, pp.42-45, 2008-01

イターナルサービス社長大倉忠司(おおくら・ただし)1960年2月4日、大阪府生まれ。86年、イターナルサービス設立。280円均一の焼き鳥店「鳥貴族」99店舗(直営38店、FC61店)を経営。年商55億円きちり社長平川昌紀(ひらかわ・まさのり)1969年7月16日、大阪府生まれ。98年、有限会社吉利を設立。2000年、社名を株式会社きちりに変更。2007年、大証ヘラクレス上場。
著者
岸本 直人 倉島 敦子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.13, pp.33-37, 2003-04-10

従来,音声・映像サービスの主観品質評価試験を実施するには,専用設備を有する実験室と専任スタッフによる監督が必要であり,試験会場は限られ,試験日程の調整も必要であった.そこで,誰もが都合の良い場所・都合の良い時間帯で主観品質評価試験に参加できる環境を構築する目的で,被験者自身による簡易な操作だけで主観品質評価試験を実施できるPCツール(ポータブル主観品質評価ツール)を試作した.本稿では,試作ツールの特徴を紹介し,品質評価性能の検証結果について報告する.
著者
板倉昭二編著
出版者
ミネルヴァ書房
巻号頁・発行日
2014
著者
鎌倉 哲史 七邊 信重 馬場 章
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.13-18, 2011

MMORPGの歴史授業への活用について検討した鎌倉・富安・馬場(2009)において、ゲームを 1 人で自由に遊ばせる授業デザインよりも、グループ課題を課し成果を発表させることでゲーム内体験をクラス全体で共有していく授業デザインの方が効果的であることが示唆された。そこで本研究では、授業参加機会の平等性の観点から、より優れたゲーム課題群の授業デザインの検討を研究課題として実験 1 、及び実験 2 を実施した。その結果、ゲーム内の課題についてスライドの作成と発表を課したスライド群は、事前と比較して事後に社会的スキル、学校生活満足度、歴史関心度の各尺度得点 が有意に大きく向上していた。また群間の比較では、通常の歴史授業を受けた統制群と比較して、スライド群の歴史関心度の変化量が有意に大きいことが分かった。
著者
麦倉 哲 吉野 英岐
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.402-419, 2013 (Released:2014-12-31)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

東日本大震災による岩手県の死者行方不明者の合計は6,000人を超えている. 生存した被災者は避難所等での生活を経て, 応急仮設住宅で避難生活を継続し, その数は2013年9月の時点でも約3万6000人に達している. 国, 県, 市町村は復興計画を策定し, 復興事業を進めているが, 被災した市街地や住宅地は更地のままであることも少なくない.2011年に大槌町の応急仮設住宅の住民を対象とした調査では, 深刻な被災状況, 生存者の避難行動の高い割合, 避難先での助け合い行動などが確認できた. また聞き取り調査から, 被災犠牲死の要因の再検討が必要であることを明らかにした. そのうえで, コミュニティの復興にとって, 復興のシンボルとなる地域文化の存在が重要であることを指摘した.復興まちづくりの前提になる防潮堤建設では, 県による民有地の取得が必要であるが, 多数による共有地や相続未処理のままの土地が多く, その取得は難航している. 釜石市での調査からは, 海岸部での防潮堤の建設にあたり, 41名の共有になっている共有地の存在が明らかになった. 国はその処理をめぐって加速化措置を発表したが, 被災地の自治体が自ら処理を進められるかたちにはなっておらず, 復興の地方分権化は実現していない.今後の課題としては, 震災犠牲者の被災要因の検証, 地域文化の所在や価値の認識, 住民の地域への関心の持続, 住民と基礎自治体が復興をすすめられる体制の構築が挙げられる.
著者
朝倉治彦編
出版者
東京堂出版
巻号頁・発行日
1980
著者
倉本 香
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 1 人文科学 (ISSN:03893448)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.1-16, 2009-09

本論文は,モノローグ的と批判されるカント実践哲学の再検討を行う。カントによれば,理性的存在者はフェノメノンとヌーノメンという二つの性質を持っているのだが,それがいかにして同一の主体において「二重に」現れてくるのか,という点に焦点を当てて論じている。この「二重性」は,道徳法則の働きによって他者の「均質性」と「異質性」としてあらわれると解釈することで,カント実践哲学のモノローグ性を克服する可能性を示し,実践的複数主義としてのカント解釈のあらたな問題圏を切り開いてみたい。This paper tries to reconsider Kants' practical philosophy sitting in judgment upon a monologue. According to Kant, rational being has the dual natures, one is homo noumenon,the other is homo phaenomenon. Therefore the attention is focused on this dualism to examine how the dual natuers appear on the same subject. We can interpret this dual function of rational being appears the 'homogeneity' of others and the 'heterogeneity' of others by the effect of the moral law. Through this interpretation, it is possible too that there may be one different reading of Kants' practical philosophy from monologue and there is no difficulty to open up a new subject of Kantianism as the practical pluralism