著者
福壽 快斗 朝倉 義幸 香田 忍
出版者
日本ソノケミストリー学会
雑誌
ソノケミストリー討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
no.22, pp.39-40, 2013-10-25

We have re-examined the frequency dependence of the cavitation threshold for air-saturated water and organic solvents. Cavitation threshold was estimated by observation of generation of cavitation from the results of the polymer degradation effect and acoustic spectrum. We used direct irradiation type and indirect irradiation type ultrasonic reactor in this experiment. All experiments were performed in the driving power 0.5〜50W, fluid volume 50mL, the driving frequency 20kHz〜5MHz. Cavitation threshold which is calculated from the results of the polymer degradation was larger than the cavitation threshold, which is calculated from the acoustic spectrum measurement. Regardless of solvents, in the frequency range below 45kHz, cavitation threshold decreased with increasing the frequency. Further, in the frequency range above 45kHz, cavitation threshold gradually increased with increasing the frequency.
著者
Bryan Brett Carey Jan 大倉 よし子
出版者
オーストラリア学会
雑誌
オーストラリア研究 (ISSN:09198911)
巻号頁・発行日
no.10, pp.50-70, 1998-06-25

オーストラリアにおける生物多様性の保全は、多くの問題を抱えている。特に、土地固有種の個体数を管理しようとする野生生物管理計画は、極端に個体が増えすぎた場合駆除することを認めることから、論争の的となっている。ここではコアラを例にとり、問題点を探った。コアラの個体数は一部で深刻な減少を招いているが、他方南部の生息域では個体数が増えすぎ、土地特産のユーカリの群落の多くが消滅しつつあるケースも起こっている。コアラは選り好みが激しく、このユーカリ種を彼等がもっとも好むことから、将来的には食糧不足による個体数の激減が心配される。このためエコロジストや環境保護者の一部からは、適正な規模の個体数にとどめるため、駆除、すなわち銃による猟が提案された。しかし、コアラ保護団体やマスコミはコアラに対する同情心に訴えて運動を展開している。またほとんどのオーストラリア人はこうした駆除策には一線を引いていることもあって、コアラ管理の問題は政治化してしまった。オーストラリアの自然な生物相を守るためには、かわいい、抱きしめたくなるといった感情から離れて、生態系全体の中でのひとつの要素としてのコアラという、全体論的な視野が必要であり、一般の認識を変えるための教育が必要であろう。こうした考え方こそが、コアラ管理という問題から政治を引き離し、コアラの好む生息地の保全と個体数の維持を可能にするであろう。
著者
倉沢 康大 板橋 豊 山本 麻希 綿貫 豊
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.137-141, 2012 (Released:2012-04-27)
参考文献数
26
被引用文献数
2 6

繁殖地を離れて1週間にもおよぶロングトリップ中にミズナギドリ類は餌の大部分を消化・吸収し,吸収しづらいトリアシルグリセロール(TAG)やワックスエステルを胃油として胃に蓄積する.胃油のもととなる餌生物を特定するため,胃油中のTAGの脂肪酸組成を新潟県粟島で育雛中のオオミズナギドリにおいて分析し,潜在的な餌の脂肪酸組成と比較した.胃油の脂肪酸組成は,カタクチイワシあるいはサンマに似ていたが,他の外洋性の生物を食べた可能性も完全には否定できない.この2種だけを食べたと仮定すると,その比率はオイルベースでカタクチイワシが77%,サンマが24%と推定された.
著者
名倉 泰三 八村 敏志 上野川 修一
出版者
JAPAN BIFIDUS FOUNDATION
雑誌
腸内細菌学雑誌 = Journal of intestinal microbiology (ISSN:13430882)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.7-14, 2004-01-01

アレルギー発症と腸内細菌叢に関する疫学的調査から, ヒト腸内に生息する<i>Bifidobacterium</i> や<i>Lactobacillus</i> などの乳酸菌がアレルギーの予防に寄与することが推測される. 乳酸菌はTh1免疫応答を亢進させることで, アレルギー発症に関わるTh2免疫応答を抑制することが報告されている. 難消化性オリゴ糖の摂取は, 腸内に住み着いている乳酸菌, 特に<i>Bifidobacterium</i> を増殖させることがよく知られている. 我々は, オリゴ糖の一種であるラフィノースがTh1/Th2応答に与える影響について, 卵白アルブミン特異的T細胞レセプタートランスジェニックマウスを使って調べた. トランスジェニックマウスへの卵白アルブミン経口投与によって誘導された腸管膜リンパ節細胞のIL-4産生や血中IgE上昇は, ラフィノース添加食によって有意に抑制された. ラフィノース食によって培養可能なマウス盲腸内細菌の菌数変化が認められなかったため, この免疫応答の変化に関係する腸内細菌の種類は不明であるが, ラフィノースの摂取は, 経口抗原によって誘導される不利益なTh2応答を抑制することが示唆された.
著者
岡野 節子 堀田 千津子 小倉 和恵
出版者
鈴鹿大学短期大学部
雑誌
鈴鹿国際大学短期大学部紀要 (ISSN:13450085)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.11-18, 2000
被引用文献数
1

1.包丁の持ち方は全握式,卓刀式が多かった。2.食品に添える手の扱い方は指を直角に置いて切断するが多かった。3.包丁の持ち方と食品に添える手の扱い方はの関連については,どのような包丁の持ち方でも食品に対して指を直角に置いて切断するが多かった。4.きゅうりの小口切りについては男子より女子のほうが数多く切断することができた。5.食品の知っている切り方の名称と切ることのできる名称は,男子より女子のほうが多く理解していた。[graph]6.食品の切り方の名称は知っているが実際には切ることができない名称については,知識と技術の相違がみられた。
著者
小野 俊孝 小幡 俊彦 小田島 安平 赤沢 晃 近藤 知巳 飯倉 洋治 石原 融 吉沢 晋 菅原 文子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.36, no.11, pp.976-983, 1987
被引用文献数
3

最近, ポータブルの空気清浄器が普及しつつあるが一般家庭での浮遊塵除去能, 喘息児に対する臨床的効果についての検討は少ない.今回, 空気清浄器(EH351W松下電工(株))を用いて, 症状の持続する喘息児12例(中等症3例, 重症9例)を対象としてその効果を検討した.particle counter (KC-01 RION Co.Ltd)にて測定したふとん敷きによる浮遊粒子の変化では, 良好な集塵効果が認められ, 室内浮遊真菌についても明らかな低下がみられた.臨床的効果については, 喘鳴, 咳嗽, 日常生活障害及び睡眠障害の有意な(p<0.05-0.01)低下と, 発作の抑制が認められた.総合効果判定では, 有効以上6例(50%), やや有効以上9例(75%)で, 悪化例はなかった.以上より, 空気清浄器(EH351W)は, 室内浮遊塵, 浮遊真菌を除去する効果があり, 臨床的にも環境整備の有力な手段になると考えられた.
著者
宗像 源博 塩田 真 誉田 栄一 立川 敬子 春日井 昇平 倉林 亨
出版者
公益社団法人 日本口腔インプラント学会
雑誌
日本口腔インプラント学会誌 (ISSN:09146695)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.196-201, 2004-06-30 (Released:2015-02-10)
参考文献数
19

Evaluation of jawbone quality is very important for successful implant treatment; however, a method to evaluate bone quality of the jaw has not been established. Furthermore, at present, bone classifications are relatively rough and subjective methods for pre-operative assessment. This study compared the buccal and the lingual cortical bone mineral densities (BMD), and correlation trabecular BNID and cortical BMD by quantitative computed tomography (QCT). The subjects were 56 patients with mandibular distal extension defect (20 males, 17 pre-menopausal and 19 post-menopausal women;age range 30 to 79 years). The buccal and lingual cortical BMD and the trabecular BMD were measured by QCT. The difference and the correlation among the three groups were estimated. The results were as follows. 1. The buccal cortical BMD was significantly higher than the lingual cortical BMD in the male and pre-menopausal group. However, no significant difference was seen between the buccal and the lingual cortical BMD in the post-menopausal group. 2. The buccal cortical BMD correlated well with the trabecular BMD in the male group. 3. The buccal and the lingual cortical BMD did not correlate with the trabecular BMD in the pre-menopausal group. 4. The buccal cortical BMD correlated significantly with the trabecular BMD in the post-menopausal group. In conclusion, it is important to consider these tendencies of mandibular BMD in dental implant treatment.
著者
田口 敬教 都倉 信樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.405, pp.23-28, 2006-11-27
参考文献数
5
被引用文献数
1

流通商品コード(単品識別)表示用などに広く利用されるコードにEANコードというものがある.EANコードは白と黒の線で表現されており,バーコードスキャナなどで読み込む.汚れなどの外的要因やスキャンしたデータのディジタルデータへの変換過程での誤りなどの要因により,本来EANコードの表しているデータと異なるデータを読み込んだ場合,それがEANコードの形式に反するなら誤りと判断でき,再読込をする.しかし,形式的には正しいとして誤ったデータを受け取ることもある.これを誤りを見逃し,あるいは誤読といい,その確率を評価する.
著者
大槻 公一 狩屋 英明 松尾 公平 杉山 貞雄 保科 和夫 吉兼 崇彦 松本 明久 坪倉 操
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.721-723, 1987-08-15
被引用文献数
4

1984年11月〜1985年3月の間に山陰地方4カ所および鹿児島県1カ所に飛来した数種の渡り鳥の新鮮な糞便からインフルエンザウイルスの分離を行った。コハクチョウでは377検体から2株 (亜型はH9N2とH3N6), ウミネコでは30検体から2株 (H13N6), オナガガモでは284検体から1株 (H11N3), 計5株のウイルスが分離された。鹿児島のナベヅル材料は, 陰性であった。
著者
山田 英一 高倉 重義 手塚 浩
出版者
The Japanese Nematological Society
雑誌
日本線虫研究会誌 (ISSN:03882357)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.12-15, 1972

北海道, 後志支庁管内, 真狩村字豊川の一農家ほ場より1972年7月14日に採集されたジャガイモの生育不良株 (品種: べにまる) の根に線虫のシストが多数認められ, 形態の測定値と特徴から, 本種をわが国未記録のジャガイモシストセンチュウ (<I>Heterodera rostochiensis</I> Wollenweber) と同定した。本種の寄生によりジャガイモ地上部の生育不良がほ場の一部でとくに目立ち, 土壌中の線虫密度も他のか所よりも高い。線虫の第2期幼虫, 雌および雄成虫, シストの形態的特徴はこれまでの同種についての報告とほぼ一致した。
著者
石井 源 北見 明彦 神尾 義人 佐藤 庸子 高瀬 博康 澁谷 泰弘 栗生 和幸 松田 正典 鹿間 裕介 笠原 慶太 中島 宏昭 藤澤 英文 門倉 光隆
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.420-421, 2005

74歳女性. 約半年続く咳嗽, および右上肺野の異常影の精査, 加療目的に平成17年1月当院紹介. 同年2月, 発熱, 呼吸困難のため緊急入院となった. 外来で行った気管支鏡検査では右上葉枝の閉鎖が確認され, 入院後のCTでは右上葉の肺化膿症が疑われた. 抗生剤治療を行ったが, 炎症所見の改善が得られず, CTガイド下に前胸壁から膿瘍ドレナージチューブ(ピッグテールカテーテル)を挿入. その後炎症所見は改善したが, 膿性の排液は持続した. 3月15日に診査胸腔鏡を行ったところ, 右上葉の低形成に伴う肺膿瘍と診断し, 膿瘍ドレナージ(バルーンカテーテル)を継続した. 初回ドレナージ後48日目に膿瘍皮膚痩は閉鎖した. 閉鎖後, 微熱, 咳嗽, 喀痰が出現し, 胸部Xp, CTで膿瘍腔の拡大を認めたため, 再度ドレナージチューブを挿入した. 炎症所見が改善したところで, 5月9日に開窓術を施行した. 術後の経過は良好である. 肺化膿症を合併した気管支閉鎖症は稀であるため報告する.

1 0 0 0 OA 研究紹介

著者
坪井 俊 山本 智 蓑輪 眞 西原 寛 雨宮 昭南 三谷 啓志 松本 良 江崎 雄治 朝倉 清高 長尾 敬介 長谷川 哲夫
出版者
東京大学大学院理学系研究科・理学部
雑誌
東京大学大学院理学系研究科・理学部廣報
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.24-36, 1998-03

カラビ不変量とオイラー類/サブミリ波望遠鏡をつくる/太陽アクシオンの直接検出実験/一次元レドックス共役分子、オリゴフェロセニレンの物性/動物の発生と左右非相称性/光回復酵素:生きながらえるべきか、死すべきか/御前崎沖南海トラフのガスハイドレート/人口「還流移動」発生率のエスティメーション/異方性表面を用いた表面原子配列制御/宇宙線生成希ガスからみた火星隕石の歴史/天の川銀河の地図をつくる

1 0 0 0 OA 趣味の西洋史

著者
亀倉順一郎 著
出版者
洛陽堂
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1922
著者
豊倉穣
雑誌
脳と粘神の医学
巻号頁・発行日
vol.7, pp.401-409, 1996
被引用文献数
9
著者
小倉 仁志
出版者
日経BP社 ; 1992-
雑誌
日経情報ストラテジー (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.23, no.5, pp.126-128, 2014-06

「あちゃー!やっちゃった」。突然ケンタさんが天を仰ぎ見る。「どうした?」。隣に座っていたカズオさんがケンタさんのパソコン画面をのぞき込む。ケンタさんは自社開発のソフトにデータを入力していた。それが、間違えて設定を初期化してしまったのだ。
著者
児玉 孝 倉沢 正樹
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.126, pp.40-42, 2008-04-10

児玉 私は今、会員の間に、薬剤師は今後どうなっていくのか、あるいは日本薬剤師会の組織としての方向性をどうしていくのかを具体的に示してほしいという気持ちが非常に強まっていると感じています。そういう会員の声を具現化するのが会長の仕事ですから、とにかくやろうという意欲を新たにする一方で、責任の重さを痛感しているというのが現在の心境です。
著者
大畑 博行 長沢 雅人 清瀬 泰広 三嶋 英俊 浅村 吉範 倉橋 聡司 中井 隆洋 石田 禎宣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.18, no.72, pp.83-88, 1994-11-29
被引用文献数
3

The MPEG2 standard is expected to be the most promising method for encoding/coding motion pictures of the next-generation digital video discs (DVD). Recently we have developed a variable frame rate method for the DVD systems. In this method the compression efficiency of the information recorded into the discs is extremely improved by not only changing the encoding rate but also the frame rate at the same time. The scheme for realizing variable frame rate is that, when recorded, the data corresponding to appropriate flames of the moving pictures are deleted and, when reconstructed, the frames before the deleted frames are repeatedly read out.
著者
足立 吉広 前島 謙宣 四倉 達夫 森島 繁生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.734, pp.1-6, 2003-03-11

音声への感情付加や発話強調、方言の付加等を目的として、任意の自然音声もしくは合成音声に対して声質を変換する手法を提案する。従来から、音声の韻律情報を制御し、イントネーションを制御する研究が行われてきたが、波形レベルでの変形を行っていることから、再現された音声の自然性の劣化が著しかった。そこで本研究では、声質変換した音声の自然性の劣化を抑えるためにSTRAIGHTの考え方を導入し、セグメンテーションした音節区間毎に、継続長、ピッチ、パワーを制御する方法を新たに付加することで、発話速度とイントネーションを変換するシステムを構築した。これにより喋り方の手本となる参照音声の分析結果から、発話速度、ピッチ推移、パワー推移をセグメントごとに自動抽出して、サンプル音声にこの韻律情報をそのままコピーし、声質変換することが可能となった。