著者
浜田 拓 倉本 宣
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.76-82, 1994-08-31
被引用文献数
34 42

コナラ林から採集した土壌をプランターにまきだして埋土種子の発芽試験を約1年間行った。試験開始初期に総発芽個体数の約半数が発芽し,その後は季節ごとに特徴のある発芽がみられた。発芽した個体には耕作地等に生育する草本が多く含まれていたが,同時に管理されたコナラ林に生育する種も含まれていた。また,埋土種子は,同一調査区の試料の間でも不均一な分布をした。これらの結果をもとに,コナラ林の植生管理における埋土種子の役割を検討した。
著者
新倉 真矢子 菅原 勉 小島 慶一 平坂 文男 井上 美穂 菅原 勉 小島 慶一 平坂 文男 井上 美穂
出版者
上智大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

本研究は英語、ドイツ語、フランス語の「らしさ」が「リズム」に関係するとの前提から日本人学習者を初級者と中・上級者のグループに分けてコーパスを構築し、外国語発話における「リズム」の分析を行った。リズムを構成する音響パラメータのうちアクセント表示機能と境界表示機能そして韻質の特徴において日本語話者が的確に制御できずに母語の影響が大きく関与していることが結論づけられた。また、自立学習用のオンライン学習ソフトの開発を行った。
著者
藤原 宏志 藤田 佳久 梶田 真 戸島 信一 鈴木 康夫 城倉 恒雄 根岸 裕孝
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.244-249, 2003-06-30

2002年の地域大会として10月5日〜7日にかけて上記シンポジウムを開催した.10月5日の午後に宮崎市シーガイアワールドコンベンションセンターにて講演とパネルディスカッションを開催し,6〜7日に現地視察を宮崎県南郷村・諸塚村・椎葉村・五ヶ瀬町・熊本県蘇陽町等にて実施した.はじめに,藤原宏志氏(宮崎大学長)による特別講演「焼畑文化とむらづくり」,続いて藤田佳久氏(愛知大学)による基調講演「山村政策の展開と山村の再生を巡って」が行われた.これを踏まえて4名のパネル報告と藤田氏も加わった5名による討論を行った.座長は岡橋秀典氏(広島大学),宮町良広氏(大分大学)が務めた.討論の後,矢田俊文会長による全体総括が行われた.なお,現地視察の参加者は24名,パネルディスカッションヘの参加者は70名であった.
著者
西田 知博 都倉 信樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.431, pp.1-8, 1996-12-14
被引用文献数
7

学生と教官の間の講義外でのコミュニケーションを行うために,電子メールとWWWというインターネット上の基本ツールを用いた講義補助システムを運用した結果について報告する.今回の運用では,特に各講義前に学生に対して毎回,動機付けのための電子メールを送ることと,他の学生のレポートを読むことによって各自のレポート作成の刺激にしてもらうことを目的として,提出されたレポートをWWW上で公開するという試みを行った.学生のアンケート結果などからシステムの評価を行い,期待通りの効果が得られていることが確認できたが,同時にシステムを改善すべき点もいくつか表面化してきた.そこで,これらの対応策についても紹介する.
著者
重松 峻夫 石沢 正一 森川 幸雄 倉垣 匡徳
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業医学 (ISSN:00471879)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.5-15, 1965-01-20

九州の四つの大手炭坑と137の中小炭坑をそれぞれ合して,その従業員及び扶養家族の1961年度における生命表を,社会保険,労災保険の資料により作製した。得られた平均余命・生存率・その他の生命表指数を検討し,次のような結果を得た。 1) 大手炭坑の従業員ならびにその家族の生命表からみた健康度は,全国平均よりも遙かに優れていた。 2) 中小炭坑の従業員並びにその家族の健康度は,全国平均より優れているが,大手炭坑よりも劣っていた。 3) 大手炭坑の20∼54才の従業員の健康度は,同年令階級の全国平均よりも非常に優れているが,中小企業では逆に著しく劣っていた。 4) 55才における平均余命は,中小炭坑の従業員がもっとも大であって,全国平均のみならず,大手炭坑よりも優れていた。 5) 大手炭坑の男の従業員ならびにその家族は,55&Sim;60才の年令階級を除き,他のすべての年令階級において,全国平均より健康度において優れていた。55∼60才の年令階級においては,大手炭坑の男は全国平均より劣っていた。 6) 大手炭坑について調べたところでは,坑内労働者およびその家族の健康度は,坑外労働者およびその家族よりもかなり劣っていた。家族を除き労働者のみを比較しても,坑内労働者は坑外労働者に比し劣っていた。ただしこの坑内・坑外の差は,過去に比し小さくなったと考えられる。
著者
宮本 昌子 石倉 康子
出版者
目白大学
雑誌
目白大学健康科学研究 (ISSN:18827047)
巻号頁・発行日
no.1, pp.37-47, 2008

要求を表現する1語文での機能的発話を獲得したが、コミュニケーションに問題を持つ6歳の自閉症の男児1名を対象とし自分の感情や行動についての発話獲得を目標とした相互交渉型言語指導を行った。出来るだけ自然な文脈で、対象児の遊びや発話に沿ったことばのモデルと象徴遊びのモデルを提示するモデリングを用いた指導の結果、ことばのモデル導入直後に、未来の行動に対する発話の模倣率と発話頻度が増し、遊びのモデルを加えた後に、現在の行動に対する発話頻度の上昇が認められた。未来の行動についての発話は対象児にとって模倣と発話の獲得がより容易であったことが推測される。また、自分の感情や行動についての発語数の増加に伴い、指導室、保育園、家庭の3場面で乱暴な行動の頻度の低下が認められた。本事例においては、非構造的な場面でのモデリングによる感情や行動についての発話の獲得が可能であり、相互交渉型言語指導の有妨性が示唆された。
著者
清川 清 倉田 義則 大野 浩之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.15, pp.55-60, 2000-02-21
参考文献数
10
被引用文献数
1

従来, 複合現実環境を提示するために実環境像と仮想環境像を合成する場合, ビデオ透過型ディスプレイでは実環境の低解像度化や提示遅れが避けられず, 光学透過型ディスプレイでは仮想環境が半透過となり正しく隠蔽関係が表現できないという問題があった.本稿では, 仮想環境の各画素に対応する実環境の光線を任意に遮蔽するために透過型の液晶パネルを用いることにより, 実物体と仮想物体の自在な隠蔽関係の提示を可能とする新しい光学透過型ディスプレイを提案する.
著者
二階堂 徹 江 芳美 佐藤 暢昭 高倉 ひな子 猪越 重久 高津 寿夫 細田 裕康
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.655-661, 1993-11-25
被引用文献数
6

インレー修復においては, 窩洞の仮封時の歯髄保護が問題となる.すなわち仮封材による封鎖性が悪いと細菌侵入を招き, 歯髄に為害作用を起こす可能性があるからである.ライナーボンドシステム(クラレ)は, ボンディング材と低粘性レジンであるプロテクトライナーによって象牙質表面に強固な被膜を形成させるユニークな材料である.このボンディングシステムを利用して窩洞形成直後に形成面をシールすれば, 印象採得や仮封中の機械的, 熱的, 細菌学的な刺激から歯髄を保護することが可能である.本研究では, 5種類の仮封材が, レジンセメントとプロテクトライナーとの接着に及ぼす影響について検討した.その結果, 水硬性材料であるCavit-G(ESPE)は, レジンセメントのプロテクトライナーに対する接着強さを有意に向上させた.またユージノール系, 非ユージノール系材料では, 接着に悪影響を及ぼさなかった.しかし, レジン系仮封材では, 仮封材がライナー表面に強固に付着し, レジンセメントの接着力を低下させた.さらに仮封材と接触したプロテクトライナー表面は, 形態学的に様々な変化が観察され, 表面の硬さも低下していた.このことから, プロテクトライナーと仮封材との間になんらかの相互作用が生じていたことが示唆された.
著者
竹崎 あかね 細羽見 喬 倉嶋 明子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.12, pp.710-717, 2010 (Released:2010-03-01)
参考文献数
13

日本農業シソーラス(JAT)の概要とその活用場面を紹介する。JATは,農業研究関連の学術事典等からの収集用語と国際連合食糧農業機関(FAO)が管理する多言語シソーラス(AGROVOC)収録用語から成り,AGROVOCに準じて,階層・等価関係で用語が整理される。JATでは,1)複数の英語名が同一日本語名に翻訳される,2)一つの英語名が複数の日本語名に翻訳される,3)学名の日本語表記が複数ある,4)膨大な量の表記揺れがある場合に用語整理法に留意する必要があった。JATを基に作成した形態素解析辞書,同義語辞書は,各々解析精度向上,検索漏れ防止に効果が認められたため,既存システムで活用している。JATは2009年11月から一般公開し,無償でデータ提供している。
著者
山田 寛 内田 英子 四倉 達夫 森島 繁生 鉄谷 信二 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.712, pp.27-34, 2001-03-14
被引用文献数
5

本研究では、人間が自然な表情を自発した時と普遍的で典型的と言われている表情を演じる時の顔の動きを高速度カメラで撮影し、顔の特徴点の変位の測定に基づいて顔の動きの定量的な特性を分析した。自然な表情は、Gross & Levens (1995)が標準化した情動喚起刺激を被験者に提示することによって自発させた。典型的な表情の演技は、FACSの定義に基づいた。自発表出条件、演技表出条件ともに顔の各部位の動き出しの差は微細であり高速度カメラを用いたことの有効性が示された。また情動ごとおよび表出条件ごとに顔の各部の動きの量や速さに特徴的な違いが認められたが、動きの変化そのものの様相には興味深い共通性が認められた。
著者
倉島 健 藤村 考 奥田 英範
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.301-310, 2009-03-01
被引用文献数
4

大規模ブログデータから,人間の経験に関する興味深い知識を発見する経験マイニング手法を提案する.経験とは,状況(時間,空間),行動(動作,対象),主観(評価,感情)とから成る情報であると定義する.一般に,人間の行動や,その行動を起こした結果として人間が抱く感情は,時間的・空間的要因によって規定されるため,状況,行動,主観との間には一定のルールが存在する.このルールの中でも特に,状況(時間,空間)に特有な行動と感情を表現するものを人間の経験に関する興味深い知識として発見する.本論文では,5属性(時間,空間,動作,対象,感情)を大規模ブログデータから抽出し,更に,得られた経験情報の中から,データマイニング分野で提案されているルールの"興味深さ"指標を用いた相関ルール抽出を行うことで,このような知識を発見する手法を述べる.また,感情属性に基づき,経験が動作主にとって成功だったのか,それとも失敗だったのかを導き出す手法も述べる.提案手法を実装したシステムにより約4,800万件のブログから知識発見を試みた結果,状況に特有な行動と感情を表現するルールの発見に至った.